2004年11月の映画  戻る


コラテラル COLLATERAL まきこまれ

2004年 アメリカ 120分 パラマウント/ドリームワークス 字幕・戸田奈津子
監督 マイケル・マン(「インサイダー」 「ヒート」)
脚本 スチューアート・ビーティー
撮影監督 ディオン・ビーブ/ポール・キャメロン
音楽 ジェームズ・ニュートン・ハワード
キャスト トム・クルーズ(殺し屋ヴィンセント)/ジェイミー・フォックス(ダクシードライバー・マックス)/ジェイダ・ピンケット=スミス(検事アニー「ナッティ・プロフェッサー クランプ教授の場合」)/マーク・ラファロ(刑事ファニング)
メモ 2004.11.28 布施ラインシネマ10
あらすじ
ロサンゼルスでタクシードライバーをしているマックス。ある夜上客をつかまえたと思ったところがとんでもないヤツだった。バンザイして見逃してもらおうと思ったのに、へんに気に入られたらしい。どうもプロ同士やんと親近感もたれたみたい・・・・・。
感想
静止摩擦力のとても強いタクシードライバー(12年もつなぎの仕事をしてるんだよ)のおいどをたたくために、神もしくは悪魔がつかわした男ヴィンセント。ふたりの男のひと夜物語。
 
<とてもGOODだったところ>
ハートのない殺し屋ヴィンセントがなーんの躊躇もなくスパスパ撃ちまくる姿が・・・・・かっこいい。夢中 /まったりした情感たっぷりのL.A.の夜。みどころですぜ /タクシーでのヴィンセントとマックスの会話 「60億人のひとりが、あーんたやったらどーする」ってツッコミが入れられる。/「(ただの)仕事だ」と何度も言うヴィンセントにしまいに「その仕事ってあんたの人生のなんなの?」と思い小一時間ほどじっくりと聞いてみたい。
<もーひとつだったところ>
なにゆえじゃまするマックスをさっさと撃たないのだ? タクシーがひっくり返ったシーンでは(・・) 置いていくか・・・/凄腕の殺し屋が、安全装置をはずすのもモタモタしているど素人と互角なんかい。それって・・・愛の力ですか。そうですか。
 
ロスの夜と男同士の対決を描きたかったんやから、細部にこだわらんといてって感じですか。監督さん。
 
空港でヴィンセント(トム・クルーズ)に鞄を渡すのが「ロック、ストック&トゥー・スモーキング・バレルズ」「スナッチ」「ゴースト・オブ・マーズ」のジェイソン・ステイサムやった・・・。
おすすめ度★★★1/2
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ソウ SAW  白く広い浴室につながれた2人。生きるために相手を殺せ・・・・・・

2004年 アメリカ 103分 ライオンズ・ゲート・フィルムズ 字幕・松浦美奈
監督 ジェームズ・ワン
脚本 リー・ワネル
原案 ジェームズ・ワン/リー・ワネル
撮影監督 デイヴィッド・A・アームストロング
音楽 クアーリー・クロウザー
キャスト ケアリー・エルウェズ(Dr.ローレンス・ゴードン)/リー・ワネル(アダム)/ダニー・グローヴァー(タップ刑事)/ケン・リョン(シン刑事)/モニカ・ポッター(アリソン・ゴードン)/マッケンジー・ヴェガ(ダイアナ・ゴードン)
メモ 2004.11.18 HEPナビオ
あらすじ
アダム(脚本のリー・ワネル)は溺れそうになってもがく。意識が戻り咳き込み水を吐くがあたりは真っ暗。「俺は死んだのか?」と叫ぶと「いや」との声。誰かいるらしい。その誰かが電気をつけるとそこは広い古びた浴室だった。かなり長い間使われた形跡の無い忘れられた場所のようだ。対角線の壁際にいる彼も自分も足を鎖で鉄パイプに繋がれている。そして真中には血がいっぱいの死体まである。誰が何のためにこんな事を・・・
感想
ものすごかった・・・・・・・・。
暗闇で脳の中に手が入ってきてぐちゃぐちゃにされて「ここか?ここが痛いか?」って痛点を指でもてあそばれて「そこ、触ったら、、触ったら、、痛いねんっ。イタ、イタ、イタイタイタ・・・」とひーひーさせられたよう。主人公ふたりと一緒にはあはあはあはあってあえいで脳貧血おこしそうやった。理性が狂い・・・憔悴した・・・・。
 
よれよれした足取りで映画館を出ようとしたら、後ろで聞こえよがしに「しょうもない映画」という吐き捨てるような声が。思わず横目で見たらおひとりぼっちさま おひとりさまのぎすぎすした 細身の50才くらいの女の人。
あんさん・・・・・・何を期待してたんやー。
 
オーストラリア出身の26歳のジェームズ・ワンとリー・ワネルの作品。18日で撮り終えたそうです。クオリティはぜんぜん違うけど「CUBE」のような作品がこんなに早くでてくるとは。「ゲーム」に近いかも。
おすすめ度★★★★(多くの人に味わっていただきたい。さぼてんと同じ思いをぜひ)
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コニー&カーラ connie&carla

2004年 アメリカ 98分 スパイグラス・エンターティメント ユニバーサル映画 字幕・戸田奈津子
監督 マイケル・レンベック
脚本 ニア・ヴァルダロス
撮影 リチャード・グレイトレックス,B.S.C
キャスト ニア・ヴァルダロス(コニー「マイ・ビッグ・ファット・ウェディング 」)/トニ・コレット(カーラ「ミュリエルの結婚」「ハッピィブルー」「シックス・センス」)/デヴィッド・ドゥカヴニー(ジェフ)/スティーブン・スピネラ(ロバート,ピーチズ)/アレック・マパ(リー,クリーム)/クリストファー・ローガン(ブライアン,ブリアナ)/ロバート・カイザー(ポール)/イアン・ゴメス(スタンリー,ニア・ヴァルダロスの夫)/ニック・サンドウ(アル)/デビー・レイノルズ(デビー・レイノルズ)
メモ 2004.11.14 HEPナビオ
あらすじ
シカゴで生まれ育ったコニーとカーラは幼い頃からスターを夢見てデュオを組み、アイデアを出し衣装を考えダンスに歌にと頑張っているが芽がでない。演出が濃すぎるというかおたくっぽいというかエンターティメントというよりギャグに近い。元恋人にまで「お寒いショーだ」と言われる始末。その上カフェテリアでふたりを支えてくれていたフランクがギャングに殺される。しかもその現場を目撃して、命を狙われる羽目に。逃げるふたりは「ショーもなくて文化なんぞこれっぽちもない」西海岸ロサンゼルスに向かう。身を隠すはずが、ひょんな事から男に化けてその上で女に化けるというややこしいハデハデドラッグクィーンで売り出すハメになる。
感想
明るいっ 楽しい。
「お熱いのがお好き(1959’)」の変則版リメイクかな。「お熱いのがお好き」は不能者と偽っているトニー・カーチスがマリリン・モンローとのキスシーンでマリリンがNG出しまくり(四十何回だったか)、から揚げを何度もかじり「マリリン・モンローとキスするより豚としたほうがましだ」とか「ヒットラーとキスするようなものだ」と言ったとか言わないとかの伝説的な映画。
 
コニーはノンケの男・ジェフ(デヴィッド・ドゥカヴニー)に恋しても「実はあたし女なの」とカミングアウトできないぃぃぃ。男同士として悩みの相談室になるだけといったあまり類をみない悩みがありながら、コニーとカーラも取り巻くゲイ達もナーバスのナの字も、ブルーのブの字も、ネガティブのネの字もただ一瞬で、明るい、ポジティブ。困った事があったら「飲みにいこか」、ショックな事があったら「食べにいこか」のノリでやるだけやったらあっけらかんと「なんとかなるっしょ」。ええなー、ええなー。笑う門には福来る。 まあ日々腰まわりとともに神経も太くなっている身ではあるので、羨ましがるのもへんかもしれんねんけど。
 
さぼてんはミュージカルに疎いので「オクラホマ」「キャバレー」「南太平洋」「メイム」「エビータ」「ジーザスクライストスーパースター」「キャッツ」「コーラスライン」「ロッキーホラーショー」「ファニー・ガール」と続いても、知ってはいる程度で乗り切れなかったのが残念であった。不肖の身である(でもコメディ好き)。
おすすめ度★★★★
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オールド・ボーイ

2003年 韓国 120分 
監督・脚本 パク・チャヌク
原作 土屋ガロン(作)/嶺岸信明(画)
脚本 ワン・ジョユン/イム・ジュンヒュン
撮影 チョン・ジョンフン
キャスト チェ・ミンスク(オ・デス「シュリ」「クワイエット・ファミリー」「ハッピーエンド」)/ユ・ジテ(イ・ウジン「春の日は過ぎ行く」)/カン・ヘジョン(ミド)/チ・デハン(幼馴染ジュファン)
メモ 2004.11.11(ポッキーの日) HEPナビオ
あらすじ
オ・デスは酔っ払って警察のご厄介になっていた。べろんべろん。幼馴染のジュファンが迎えに来てくれ帰る途中に、拉致られる。。。。そしてマンションの一室のような場所に監禁された。TVは見放題だ。誰とも話さないままたった一人でソンス大橋崩落(1994年)、全斗煥(チョン・ドゥファン)大統領逮捕(1995年)、ダイアナ元妃死去(1997年)、9.11同時多発テロ(2001年)、盧武鉉(ノ・ムヒョン)大統領当選(2002年)を見ていた。監禁は長く長く続く。気が狂わないために体を鍛え、穴を掘り、今までの人生を振り返るノートをつける毎日だ。
感想
よくわからないけど、、、、「恨(ハン)」というのは怨む相手、だけじゃなく、自分に対しても強く深い複雑な感情なんだな。相手を怨むとともにこういう事態を巻き起こした自分をも怨む。(日本人なら「火の無い所に煙は立たない」とか「それって・・・さかうらみちゃうんけ」って言いそう)  ほんま・・・強烈 やった。
 
第57回カンヌ国際映画祭で「華氏911」とパルムドール賞を争い、グランプリを受賞した作品。日本の劇画が原作とかで、喜怒哀楽の感情表現が激しい韓国人の方が実写には向いているのかもしんない。閉じ込められたチェ・ミンスクは「シュリ」で北朝鮮兵のリーダーだった方。またしても韓国映画の勢いを見せつけられた。映画館を出てHEPナビオのシースルーEVに乗って大阪の街を見下ろしていたら、若い男の人たちの話が聞こえる。「ごっつえーガタイやったな。徴兵があるからやろか」 なるほど。いまだ休戦中の国やからね。日本は「スイス200年の平和が生み出したもの・・・・それは鳩時計さ」ですか。まっ、もちろんのこと映画より平和が大切なわけで、アクション映画やドラマを作るのをやめてそのおぜぜを他にまわしゃいいんだよな。きっと。
おすすめ度★★★★1/2
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シークレット・ウィンドウ SECRET WINDOW

2004年 アメリカ 96分 コロンビア映画 字幕・戸田奈津子
監督・脚本 デビッド・コープ
原作 スティーヴン・キング「秘密の窓、秘密の庭」
撮影監督 フレッド・マーフィーASC
音楽 フィリップ・グラス
衣装 オデット・ガドゥーリー
キャスト ジョニー・デップ(モート・レイニー)/ジョン・タトゥーロ(ジョン・シューター)/マリア・ベロ(エイミー)/ティモシー・ハットン(テッド)/チャールズ・S・ダットン(ケン・カーシュ)
メモ 2004.11.6 敷島シネポップ123
あらすじ
作家のモートンは長いスランプにはまっていた。私生活がめちゃくちゃなのだ。妻の不貞の現場に乗り込んで6ヶ月。彼女は出ていった。立ち直れない。そこに薄気味悪い男が「あんたは俺の小説を盗んだ」とやってきた。ジョン・シューターと名乗る男の小説「種まきの季節」はモートンの「秘密の窓」とそっくりだった。しかもモートンには盗作という苦い過去があった。
感想
ちびさぼの同級生たちはオーランド・ブルーム目当てに「パイレーツ・オブ・カリビアン」を見に行ったにもかかわらず、帰り道では「・・・・ジャック・スパロウ様・・・・」だったそうな。そんなひとりは「シークレット・ウィンドウ」を見て「かっこいい。 鼻血でそう」だったとか(ああ、花も恥らうはずの乙女が)。まさしくジョニー・デップの「シークレット・ウィンドウ」。ジョニー・デップにはロマンティックな雰囲気がある。 しかしお話はあっさりしていてもっと毒気があってもいいな。