2001年12月の映画


メメント MEMENTO
2000年 米国映画 113分
監督 クリストファー・ノーラン(初監督作品・31才)
原案 ジョナサン・ノーラン(監督の弟)
製作 スザンヌ・トッド/ジェニファー・トッド
撮影監督 ウォリー・フィスター
音楽 デイヴィッド・シュルヤン
出演 ガイ・ピアース(レナード)/キャリー=アン・モス(ナタリー)/ジョー・パントリアーノ(テディ)/スティーブン・トボロウスキー(サミー)/マーク・ボーン・ジュニア(バート)
メモ 2001.12.29 心斎橋シネマ・ドゥ
あらすじ
レナードは妻を殺されたショックで前向性記憶障害になってしまう。事件前の記憶はあるが、事件後の出来事は10分間しか記憶を保てない。(北川歩実
「透明な一日」と同じ。)それでもポラロイド写真と体の入れ墨を頼りに妻の復讐をはたそうとしている。
感想
疲れた。奇妙な体験だった。
思っていた映画とは違いましたが、前知識なしに映画館でひとりで食らいついて見るのをお薦めします。監督とそして自分との勝負なのだ。


−映画を見られてから読まれる方がいいと思います−
1時間経過したあたりからまだ続くのかときつくなってくる。「テデイ。こいつとは8回目の遭遇だな(やたら出てきて混乱させるん、こやつが)」とか「モーテルで目覚めるシーンが多い(**)」 「モーテルの部屋番号が鍵か?(「69」なんてタイ映画みたいやんとかいらん事を考えているばやいではないっ)」とか細かい所も見落とすまいと必死。恐らくシークエンス間のちょっとした齟齬が監督が仕掛けた罠なんや。シークエンスのひとつを抜け落ちさせてあるんかも、入れ替えてるんかもと疑っていたもんで。
30分経過した所でやっと「そうか、記憶を連続させるには出だしのシーンを覚える事が肝心なんだ」というのがわかる。家に帰ってからカラーシーンのみ23シークエンス思い出した。多すぎるような。3日間の出来事のようなんですけれど。記憶力のなさには自信がある。後半20分は「テディの写真にDON'T BELEVE HIS LIESとメモされているのは何故か」「ナタリーの写真のメモが一行消されているのは何故か」の謎をきれいに終息させていくので楽になった。それでも謎は残る。
謎解き−ねたばれあります。
ひとつ テディの言うとおりサミーはレナードが作りだした人物なのか。サミー=レナードなのか。
ふたつ レナードの妻は強盗に殺されたのか? とすれば真犯人は?
みっつ レナードは復讐を遂げたのか?
よっつ ジミーは何故死ぬまぎわに「サミー」と言ったのか?
前向性健忘症というのは新しい事を覚える事ができない。これが大前提。とすればレナードがサミーを発病後の経験から造り出す事はできない。サミーの記憶は発病前の出来事であるはず。何故レナードは「サミーを忘れるな」と入れ墨しているかと言えば、それはレナードが”サミー”から連想する事は「記憶を無くした」結果「騙されはめられ」悲劇が起こったという事。つまり騙されるなという警告。とすれば、警告を入れ墨しなければならない経験があったはず。恐らく一人目を殺害した時。テディは密売人を見つけてはレナードを騙して殺させ、金を手に入れている。モーテルの従業員に金をやってレナードの持ち物にも手をいれている。その時騙されたと知ったレナードはハートに入れ墨をするのではなく「サミーを忘れるな」って彫ったのだと思う。何故「テディが犯人だ」って彫らなかったのかって? それは一回目の名前はテディではなくジョン・Gだったから。つまりテディ=ジョン・Gなわけ。大事な入れ墨を彫る度に、「眠っているところをトイレのドアを閉める音で起こされる」という事件の夜を再現し妻を葬るように妻の大切なモノやタイプで書かれた今までの書類を燃やしてリプレイを始める。記憶がないのにどうしてそうするかって? 体のどこかに「入れ墨をしたら事件の夜を再現せよ。そしてタイプした書類は燃やせ」と彫ってあるのだ。リプレイ後のレナードは自分が信じている自分の字体と体の入れ墨だけを手がかりに一から捜査を始める。ハートに入れ墨がしていない限り復讐は終わっていないと体に書かれているのだ。
レナードの妻を殺したのはテディ(ジョン・G)。レナードは3回目は騙される事なく復讐を遂げたってのがさぼてんの読みです。ジミーが「サミー」と言ったのはレナードに「お前はサミーと同じだ」と伝えたかったわけ(苦しいかな)。
筆記体で書いた文字は疑いがあるとか細かい設定がよく考えられている。もう一度見たいけれど、間違いだらけだったらと思うと恐い。
−ワイさんに指摘された結論−
「人の記憶と言うのは自分に都合のいいように改竄されている」>つまりレナードが妻殺しの犯人と言う事。終わりがないってことか。むむっ、なるほど。。しかし、ジミーは何故死ぬまぎわに「サミー」と言ったのか?

おすすめ度ミステリファン必見!★★★★★
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バニラ・スカイ VANILLA SKY−幻想の世界−

監督・脚本 キャメロン・クロウ(「ザ・エージェント」「セイ・エニシング」『初体験/リッジモンド・ハイ』「あの頃ペニー・レインと」)
撮影 ジョン・トール(「ブレイブハート」)
音楽 ナンシー・ウィルソン(監督の現妻)
出演 トム・クルーズ(デヴィッド・エイムス)/ペネロペ・クルス(ソフィア)/キャメロン・ディアス(ジュリー)/カート・ラッセル/ジェイソン・リー(ブライアン
「チェイシング・エイミー」) メモ 2001.12.26 天王寺アポロシネマ8
あらすじ
出版社を経営するデヴィッドに恐いモノはなかった。目の上のたんこぶは役員会の”七人のこびと”だけ。他の人間とは違い永遠に生きるような気さえする。しかし11才の時事故で両親を亡くしたデヴィッドは、深いところで孤独を感じている。ひとっこ一人いない世界に紛れ込む夢をよく見るのだ。真実の愛を知らない渇望がこんな夢を見させるのかもしれない。
感想
トムとペネロペちゃんがいちゃいちゃいちゃいちゃ。4回ってのはなにかい?自慢かい?
そらトム・クルーズとペネロペはお互いに見つめ合っていたいんやろうけど、観客はちゃうねんから話をさっさと進めて欲しい。誰かふたりを止められなかったのか? もうちょっとカットして100分ぐらいにした方がいいと思う。
映画の友が「ペネロペってシャンプーのCMに出てはる人やんなあ」と言うのに対し「そうなん? ぜんぜん知らん俳優さんやねん」という遅れたさぼてんだったのですが、映画が始まって濃いお眉を見ていると「ハモンハモン」のシルビアやん! 「オール・アバウト・マイ・マザー」のロサやん!って思い出したさぼてんって・・・反省。

元映画を見たくなってきたぞ。きっとこの映画より数段上に違いない。
深層心理物と言うことで、深〜い願望に古い映画がどんどんかぶっていてすごく気になる。最初はオードリー・ヘップバーンに見えた。「麗しのサブリナ」? 次はビビアン・リー? 次の西部劇と法廷物はまったくわかりません。後はショーン・コネリーの「ドクター・ノオ」とグレゴリー・ペックの「アラバマ物語」、そしてジャンヌ・モローの「突然炎のごとく」と続くのかな。三角関係、一目惚れを暗示しているのか。つかみ切れていません。知識が足りず残念です。
おすすめ度★★★1/2
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殺し屋1(ころしやイチ)
2001年 日本 128分
監督 三池崇史
原作 山本英夫(週刊ヤングサンデー)
脚本 佐藤佐吉
出演 浅野忠信(垣原)/大森南朋(イチ)/塚本晋也(ジジイ)/Alien Sun(カレン)/SABU(金子)/寺島進(鈴木)/國村隼(船鬼)/松尾スズキ(二郎三郎)/木下ほうか(セーラのヒモ)
メモ 2001.12.22 梅田スカイビル シネ・リーブル
あらすじ
”マゾのマー坊””ピアスのマー坊”ことヤクザの垣原は困っていた。安住組の親分がいなくなったのだ。組の金3億円も消えている。俺をビシバシ殴って死にそうな目に会わせてくれるヤツがいなくなって、これからどーやって生きていけってぇの?
感想
殺戮のお話だった。浅野はなんて俳優なんだ。>うきうきしながら「期待し過ぎちゃってる自分が、怖いよ」・・・ってなんなんだ。こっちが怖いよ。
新宿ヤクザの映画と思っていたら違っていて。ダークな殺し屋の話かと思ったら違っていて。ああそうか、スプラッターホラーなんかと思っていたらそれも違っていて。この映画はギャグなんだ。タガのはずれたスプラッタコメディなんだってわかった。そう思うしかないっ!

スズキ(寺島進)に口を割らそうという宙づりシーンがすごい。
  スズキの親分(國村隼)が駆けつけ、現場を見て目をむき
    「垣崎(カキザキッ)! 何だこれはっ!」って怒鳴ると
  垣崎(浅野忠信)が言う。
    「(何って)・・・・・・拷問ですけど
すごい・・・・すごすぎる
おすすめ度★★★1/2
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リストラ・マン Office Space

1998年 米国 90分
監督・脚本 マイク・ジャッジ(「ビーバス&バッドヘッド」)
撮影 ティム・サーステッド
出演 ロン・リビングストン(ピーター)/ジェニファー・アニストン(ジョアンナ)/アジェイ・ナイデュ(サミア)/デビッド・ハーマン(マイケル)/スティーブン・ルート(ミルトン
「オー・ブラザー!」)/ ゲイリー・コール(ランバーグ「ギフト」)/ リチャード・リール (トム)
メモ 2001.12.21 レンタルビデオ
あらすじ
会社に行き着くまでの渋滞でいらいらする。10分遅れで会社に着いたならドアノブで静電気がパチパチする。席に座ってやっと仕事かと思ったら、上司が次々と「レポートに表紙がついていなかった。規則は読んでいるのか」と超くだらない小言を言いにくるのだ。上司といえば何故か8人もいる。仕事はY2K対策たらで年を2桁から4桁に変えるパッチ当て。コーヒーを飲みに行ったらウエイターに「ブルーマンデーですね」って言われた。俺はこんなつまらない事で貴重な時間を消耗させてるのか? おまけに会社は「リストラ」をするらしい。もうなんでも好きにしてちょーだいっ。
感想
日々のさぼてんを見ている様だった・・・・・(**)

年功序列を打破し米国式の能力主義成果達成主義が日本を救うとか声高く言われているけれど、あれは勝者の言葉であって米国人全てがそう思っているわけでは当然ないっていうのがわかる映画。テクノストレスって言うのは、”タッチタイピングが出来ないっ”、静電気を発生してるのか触るだけで”機械を誤動作させる”「あんたはミダス王か」という中高年にふりかかるだけって思うのは大きな間違い。ソフトウェア技術者という専門家も「思い通り動かないプリンターに日々イライラがつのっている」のがわかる映画(会社ってこういう所にけちくさいのよ)。ピーターが主役と間違いそうですが、5年前に解雇されていても会社に通って「いつか火をつけてやる」ブツブツが口癖のミルトンが主役だと思う。

なにやら身につまされてしまいましたが、この映画コメディです。小数点を間違ってコーディングし「いつものちょっとしたケアレスミス・・・さ」って言うプログラマーに「医療行為やったら死人が出てるでぇ〜」とツッコミ入れられるコメディなんです。

ついでですが、「制服にバッチを15個しかつけない」とねちねち店長(監督らしい)に言われ、中指を立てる(ファックユー!)ウェイトレス役のジェニファー・アニストンはブラット・ピットの妻です(2001年12月現在)。
おすすめ度★★★1/2
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シリアル・ラバー SERIAL LOVER

1998年 仏蘭西 85分 クレストインターナショナル
監督 ジェームズ・ユット
製作 フィリップ・ルセレ
脚本 ジェームズ・ユット/ロマン・ベルトミウ
出演 ミシェル・ラロック(「ぼくのバラ色の人生」)/アルベール・デュポンテル(「ベルニー!」)
メモ 2001.12.15 レンタルビデオ
あらすじ
ホラー作家のクレール・ドストは35回目の誕生日の今夜、4人の男性をディナーに招待する。お金はある。仕事もある。恋人も4人いる。美人だしハイソなアパートでの優雅な暮らしにいう事はないはずであった。ところが、そろそろ結婚して子供を持ちたい。後人生で足らないのはそれだけ。などと欲深な事を考えたために強烈な一夜を過ごすはめに陥ったのである。だいたい「あの人もこの人も帯に短しタスキに長し。どうしても自分で結婚相手を決められない。・・・えいっ。みんなで考えたらなんとかなるんちゃう。なんだったら話し合って決めてもらってもいいし。」などとヤケクソの勢いで「ライバル全員で仲良く晩餐会」なんて事を思いついたのが、バチあたりだったのだ。
感想
今夏レイトショー公開していた作品。ジャンルはコメディ・ホラーかな。「カレ(ら)・・・、死んじゃった・・・」というキャッチコピーどおりの内容で、好きなん、こういう作品。お仏蘭西映画なもんで、おしゃれ過ぎて鼻にもつくし、ひとりよがりのギャグの連発なんやけど、もしもさぼてんが監督になって撮りたい作品といったらこういう映画だと思う。
おすすめ度★★★1/2
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殺人初級講座 A Slight Case of Murder

1999年 米国 95分
監督 スティーブン・シャクター
脚本 ウィリアム・H・メイシー/スティーブン・シャクター
音楽 メイダー
出演 ウィリアム・H・メイシー/アダム・アーキン
メモ 2001.12.14 WOWOW
あらすじ
えらいこっちゃ。ガールフレンドのローラがテーブルの角に頭をぶつけてしもた。倒れたまま動かない。息もしてないみたい。。。。遊びと割り切ってドライな付き合いと思っていたのに、急に「私の事なんかなんとも思ってないんでしょう!」とお酒ぶっかけるんやもん。思わず押し返したら氷にすべって倒れてしもた。そりゃ僕が刑務所に入って君が生き返るんやったらそうするよ。そやけど、それは無理みたいやし。と、映画評論家のテリー・ソープは尻に帆かけてさっさと逃げ出すのだった。が、そうは問屋がおろしては話になんない。
感想
むむっ。この作品はTV映画らしいですが、思わぬ拾い物。”偶然の殺人”を犯してしまって逃げるアンチ・ヒーローのテリー・ソープ(ウィリアム・H・メイシー)にタクシーの運転手が言う。「あんたに言いたい事がある。氷山にぶつかっても女は助かるってな『タイタニック』よりも『
L.A.コンフィデンシャル』の方が賞にふさわしいやん。」 そしたら、『LA』に出ていたジェイムズ・クロムウェルが私立探偵役でご登場なんです。映画ファンの心をくすぐるんです。

罪を逃れよう逃れようとジタバタする主人公が映画評論家という事から、映画の中に色々モノクロ映画が出てくるのですが、その映画がわからない。「弁護士が犯人」ってネタばらししている映画ってなんやねん!。無念、、、と思っていたら「深夜の告白」とか、「ガス燈」とか、さぼてんも見ている白黒ミステリ映画が出てきて嬉しい(^^)。最後は「郵便配達は二度ベルを鳴らす」でね。これがストーリーに利いていて笑った。なるほど。

ドナルド・E・ウェストレイクの小説がベースになっているそうです。

 −主人公ソープが映画監督にインタビューして聞かされる印象的な言葉−
    「中途半端な作品はアメリカではうけない。善玉がいないと。善玉が。」
おすすめ度★★★★
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シュレック SHREK

2001年 米国 91分 ドリームワークス
監督 アンドリュー・アダムソン/ヴィッキー・ジェンソン
原作 ウィリアム・ステイグ
出演 マイク・マイヤーズ(シュレック「オースティン・パワーズ」)/エディ・マーフィ(ドンキー)/キャメロン・ディアス(プリンセス・フィオナ)/ジョン・リスゴー(ファークアード卿「ガープの世界」)
メモ 2001.12.8 三番街シネマ先行オールナイト
あらすじ
沼のほとりの居心地のいい家で機嫌よくひとり暮らしをしているシュレックの周りが最近あわただしい。村人は「怪物退治だ」と襲ってくるし、七人の小人は眠っている白雪姫を連れてくるし、ピノキオ、眠り姫の3人の妖精、三匹の熊、などなどディズニーアニメの出演者達はシュレックの庭でキャンプをはじめる。「パーフェクト」が口癖のファークアード卿がおとぎ話の主人公達を追放し、行くところがなくなって彼らは沼にやってきたのだ。 「怪物にだってプライバシーはあるんだ」と元の静かな生活を取り戻そうとシュレックは直談判のため城に乗り込む。そこでは国王になるため姫をめとろうとたくらむファークアード卿がドラゴン退治の騎士を選んでいた。
感想
話の中身がどーたらよりも映像に見入ってしまった。「バグズ・ライフ」 「トイ・ストーリー2」ときて、とうとうここまできたか。質感がすごい。予告編を見た時は「相容れないかも」と思っていた濃いリアルなCGが十分受け入れられる。実写でもなく従来のアニメでもない第三の映像。お金かかってます。
城の庭での「プロレス」と「ドラゴン退治」がいい。ドラゴンとドンキーのサイドストーリーもいいよ。エディ・マーフィ好きにおすすめ。

面白いねんけど、手放しでほめる事ができない。何故か? うまい事言われへんねんけど、今時の子供は「かちかち山」は知らんけど「ピノキオ」は知っているのだ。私らのルーツはどこやねん、アイデンティティはどこにあるねんという思いがするの。こういうアメリカのアニメ群に圧倒されて日本国は西洋化へと洗脳されているような気がして。時々会社でも「自分の事白人と思ってるんじゃなかろか」という人達がいるし。(昭和30年代以降生まれへのディズニーアニメの影響は大きい。刷り込まれているのだ)。それでも「怪物も受け入れよう。共存共栄できるはず。」という移民多民族国家のアメリカのパワーには負ける。
おすすめ度★★★★
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ハリー・ポッターと賢者の石 Harry Potter AND PHILOSOPHER'S STONE

2001年 米国 152分 ワーナー・ブラザーズ
監督 クリス・コロンバス(「ベビーシッター・アドベンチャー」「ホーム・アローン」「ミセス・ダウト」)
製作 デイビッド・ヘイマン
原作 J.K.ローリング
「ハリー・ポッターとアズカバンの囚人(ミス外)」
脚本 スティーブ・クローブス
撮影 ジョン・シール,A.C.S.
美術 スチュアート・クレイグ
音楽 ジョン・ウィリアムズ
出演 ダニエル・ラドクリフ(ハリー・ポッター)/ルパート・グリント(ロン・ウィーズリー)/エマ・ワトソン(ハーマイオニー・グレンジャー)/ロビー・コルトレーン(ハグリッド)/ウォーウィック・デイビス(浮遊術・フリットウィック先生 イウォーク)/リチャード・グリフィス(ダーズリー「スリーピー・ホロウ」)/リチャード・ハリス(ホグワーツ魔法学校ダンブルドア校長「グラディエーター」)/イアン・ハート(闇の魔術への防衛術・クィレル先生 「エネミー・オブ・アメリカ」「ナッシング・パーソナル」)/ジョン・ハート(魔法の杖商・オリバンダー「エイリアン」)/マギー・スミス(変身術・マクゴナガル先生「天使にラブソング」)/アラン・リックマン(魔法薬・スネイプ先生)/ゾーイ・ワナメイカー(飛行訓練・フーチ先生)/デイビッド・ブラッドリー(管理作業員さんミスター・フィルチ)/ジョン・クリーズ(寮の幽霊・ほとんど首なしニック「ワンダとダイヤと優しい奴ら」)
メモ 2001.12.2 梅田東映パラス
感想
7時30分の回を見てきました。朝の7時30分です。こんなに朝早く映画館で見るのは初めて。さすがに空いてました。
美術は見ごたえあり。凝ってます。お金かかってます。組み分け帽子、手紙を運ぶふくろう、寮の入り口を守る太ったレディの絵、百味ビーンズ、蛙チョコレートなどなどヘンテコリンな小道具がやはり面白い。でも、あれよあれよと過ぎていってしまいそれでもって原作に比べると普通の少年少女冒険物になっている。「ヤング・シャーロック」に近いと感じる。見所はびゅんびゅんしたスピード感あふれるクィディッチ試合と魔法のチェス。ロンはチェスに強く、ハーマイオニーは博識、ハリーは勇気ある天性のシーカーという3者の特性を生かして名前を言ってはいけない人・ヴォルデモート(あっ、言ってしまった!)と戦うストーリーはよく出来ている。
驚くほど原作に忠実に映画化されている。が、・・・・なにかが足りないと思って見ていたのですが、どうもユーモアが薄いと感じる。ダークでありながら会話が笑える話なのにロンのセリフが利いていないのが残念。日本語訳に問題があるんだろうか。それとも本の訳ができすぎなんだろうか。

特筆すべきは主役3人を支えるイギリス舞台俳優です。イギリスに疎いさぼてんでもいくらかは知っている名優がごろごろでてはりました。みなさん「断ると子供or孫に口をきいてもらえなくなるからオファーを受けた」とおっしゃっていましたが、あやしいもの。おおいに楽しんではると思う。ハリーの応援団森の番人ハグリットがロビー・コルトレーン。「心理探偵フィッツ」です。ひげもじゃで教えてもらわないととてもわからない。敵役スネイプ先生がアラン・リックマン。教えていただかなくてもすぐわかります。蛇みたいなじとっとした目で存在感出してはりました。ロイヤル・シェークスピア・カンパニーの一員というシェークスピア俳優ながら、「ギャラクシー・クエスト」のとかげヘッドといい、全然笑わないのにどうしてこんなに面白いの。このおふたりがお気に入り。キャストもクルーもほとんどイギリス人ながらアメリカ資本というのが、、、アメリカの力ですね。

*2作目の「秘密の部屋」のロックハート先生はヒュー・グラントではなくケネス・ブラナーとか。少し残念。
おすすめ度★★★1/2
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