2001年2月の映画


ギャラクシー・クエスト Galaxy Quest
2000年 米国
監督 ディーン・パリソット(「100万回のウィンク」)
脚本 デビッド・ハワード/ロバート・ゴードン
撮影 イェジー・ジェリンスキー
出演 ティム・アレン(ピーター・クィンシー・タガート艦長「サンタクローズ」)/シガニー・ウィバー(マディソン少佐)/アラン・リックマン(ドクター・ラザラス)/トニー・シャローブ(技術主任チェン)/サム・ロックウェル(ガイ)/ダリス・ミッチェル(ラレド)/エンリコ・フラントーニ(マセザー)
メモ 2001.2.27 テアトル梅田
あらすじ
1979年から1982年まで3シーズン放映された「ギャラクシー・クエスト」は今も根強いファンを持つ。コンベンション会場では熱狂的なファンがコスチューム・プレイも楽しみながら、プロテクター号のタガート艦長をはじめ出演者一同を大歓迎していた。クルー役の役者達は今ではファンへのサイン会で生計をたてている。その会場でプロテクター号の乗り組み員の制服を着た一行にタガート船長は「我々を助けて欲しい」と頼まれる。クラートゥ星雲からやってきたサーミアンでいまサリスという邪悪な敵から攻められ祖国滅亡の危機を救って欲しいというのだ。 単なるイベントだと思って気軽に引き受けるタガート船長だったが・・。
「バグズライフ」のSF版です。「7人の侍」かも。
感想
面白い。笑った。あー楽しかった(^^)v。
これは「スタートレック」のパロディ映画でタガート船長が異★でいきって土埃をたてて回転しながら敵地に近づくところなんぞ、カーク船長を思いだして爆笑しました。
さぼてんのような「宇宙大作戦」(スタートレックTOS=The Original series)のファンはもちろんの事、ピカード艦長率いる新シリーズ(TNG=The Next Generation)のファンも、ファンでなくても楽しめる内容だと思う。「えっ! これってシガニー・ウィーバーなん?」と驚くやわらかな美女のマディソン少佐も目に楽しいけれど、死んでも二度と「トカゲヘッドに懸けてこの復讐は必ず果たす!」とは言いたくない苦虫噛みつぶしたアラン・リックマン(スポック副官+ドクター・マッコイ)が最高! 「ダイ・ハード」の悪役ハンスの方です。 兄貴が好きだったスコットのパロディ・技術主任チェンもあいかわらず冷静というか第三者的でヘンで面白かった。それぞれのキャラも脚本もよくできているし、悪役サリスの半漁人みたいな造型もなかなかのもの。SFとしても一流で司令室だけ切り離されるシーンもかっこよかったよ。
 ドリームワークス・・・あなどれない。 異星人も地球人も両方とも若いマニアというかオタクが優しく描かれているのに好感を持つ。
満足度★★★★★
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仮面の男 The Mask of Dimitrios

1944年 米国 モノクロ 96分
監督 ジーン・ネグレスコ
原作 エリック・アンブラー
脚本 フランク・グルーバー
撮影 アーサー・エディソン
出演 ピーター・ローレ(ライデン)/シドニー・グリーンストリート(ピータース)/ザカリー・スコット(ディミトリアス)
メモ 2001.2.17 WOWOW録画
あらすじ
<スミルナでディミトリアスの罠にはまって死刑を宣告される相棒 1922年>
<ソフィアで女を利用してまんまと逃げ延びるディミトリアス 1923年>
<ベオグラードで下級官僚を罠にかけるディミトリアス 1926年>
1938年。イスタンプールの海岸で一人の男がうちあげられる。背広には「ディミトリス・マクロボロス」とのネーム入りで旅券も持っていた。トルコ憲兵隊のハキ大佐は、一応20年間追っていた「卑劣な殺人犯でスパイで暗殺者」だったディミトリアスは死亡とする。しかし、探偵小説家のオランダ人・ライデンに「ディミトリアスのミステリアス」をもらす。小説の題材にどうかと。1889年生まれのディミトリアスはスミルナで自分が憲兵隊長だった1922年に人を殺してアテネに逃亡。1923年にはソフィアで首相暗殺事件の「スタンブリスキー事件」に関わり、1926年にはベオグラードで軍の機密書類を盗むスパイとなり、最後はパリで国際密輸団の一味となり、あげくに仲間を裏切った人間だと語る。素顔はまったくしられていないらしい。ディミトリアスに悪の魅力を感じいたく作家の魂を刺激されたライデンはアテネ→ソフィア→ジュネーブ→パリとディミトリアスの足跡をたどる。しかし、その背後には謎の男ピーターセンがいた。
感想
<シドニー・グリーンストリートとピータ・ローレ>
エリック・アンブラーの小説の映像化。ピータ・ローレの善人役って確か「絹の靴下」か「80日間世界一周」くらいしか見た覚えがないような気がするので、「ははーん。ディミトリアスが整形手術をして、作家のライデン(ピータ・ローレ)に化けているんだ。」なんぞとあほな事を最後まで思っていました。
日本からは遠いからか、ヨーロッパの都市があれほど密接につながっているってのに驚きました。環太平洋諸国とはぜんぜん違う。
巨漢のピータース(エリック・ピーターセン)ってどこかで見たような気がすると、Webで検索したところ、どうも「マルタの鷹 THE MALTESE FALCON」で「Fatman」としてピータ・ローレと競演したのが映画初出演だったようです。 62才の時。英国の舞台俳優だったそうです。
おすすめ度★★★1/2
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ディメンシャ13 Dementia13

1962年 米国 モノクロ 75分
製作 ロジャー・コーマン
監督・脚本 フランシス・(フォード)・コッポラ(「ゴット・ファーザー」)
撮影 スチュアート・オブライエン
音楽 ロナルド・スタイン
出演 ウィリアム・キャンベル/ルアナ・アンダース/バート・パットン
メモ 2001.2.10 CSシネフィルイマジカ録画
あらすじ
アイルランドのとある古城(ハロラン城)。夫に先立たれた未亡人が4人の子供を育てていた。ジョン、リチャード、ビリー、そして40才で授かった末娘キャサリン。ところがキャサリンが城の前の池で溺死体で見つかる。それから7年たっても母は溺愛していた一人娘が忘れられない。命日には息子達を呼び寄せ追悼式を行っていた。ジョンの妻のルイーズやリチャードの婚約者も集う。そこで次々に起こる殺人。斧を持った何者かが惨殺を始めた。(ああ、あらすじだけでもなんて面白そう!)
感想
フランシス・フォード・コッポラ監督の劇場デビュー作だそうです。ロジャー・コーマンの門下でつくりあげ 低予算でこのクォリティの高さの映画を作ったという評価があるようです。低予算+少ない日数+役者もやりくりして撮ったサスペンス・ミステリの王道を行く映画と思うとそれなりに見応えがあります。物語はさぼてんに言わせればいささかバラバラしながらも、ミステリファンにはゾクゾクするよいシーンがいくつもあります。「サイコ('60)」の影響も受けてるんじゃないかと思う。若い監督の才気が感じられます。

ただ、この題名って犯人をもろ指していると思うんですけれど。
おすすめ度★★★
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BLOOD THE LAST VAMPIRE

2000年 日本 48分
メモ 2001.2.4 テアトル梅田 モーニングショー
あらすじ
1966年、ベトナム戦争が泥沼化している時代にもう一つ人知れず激しい戦いがあった。米国のある組織が”小夜”という刺客を使わして人間の生き血を吸って生き続けている”鬼”を退治していたのだ。スクランブル発進する横田基地で繰り広げられる闇の戦いだった。
感想
さぼてんはアニメーションに疎い。興味がない。特にくっきりはっきり明るい宮崎アニメはあまり好きではない。
が、このアニメーションは素晴らしかった。闇と光。ひとつひとつのシーンの空気、奥行きの深さ、質感がただものではない。セーラー服の剣士というのがいささかマニアックとも思えるが、日本刀でばっさりたたききるリアルさは、最近の時代劇「どら平太」や「御法度」を越えている。「末期の血を与える」という脚本も物語の奥行きを深めている。”小夜”は何者なのか? あの分厚い唇は黒人の血が混ざっているのか? ”鬼”はどうして生まれたのか? という謎を説明しきっていない、また不足もしていないというあいまいさが夢か現実かという映像と音楽にマッチしていると思う。”小夜”の生い立ちとか宿命が徐々に明らかにされていくという次作は無い事を期待する。
最終日にも関わらず満員の映画館では、恐らくリピーターが多数いたと思う。その映像をしっかと捕らえようという見る側の真剣さも濃かったです。
おすすめ度★★★★1/2
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溺れる魚 

2001年 日本
監督 堤幸彦(「ケイゾク」)
脚本 横谷晶宏(「クロスファイア」)
製作 佐藤雅夫、芳賀吉考
撮影 唐沢悟
音楽 見丘章/主題歌:鬼束ちひろ(「月光」)
出演 椎名桔平(白州勝彦)/窪塚洋介(秋吉宗貴)/仲間由紀恵/伊武雅刀(石巻修次)/IZAM/白竜/野際陽子/宍戸錠/渡辺謙
メモ 2001.2.3 梅田東映
あらすじ
警察官としてあるまじき行為をした白州勝彦と秋吉宗貴。二人の警部補は警視庁特別捜査官から厳しい尋問を受けた後、よくて懲戒免職悪くすれば刑務所行きのかわりにと特命が下される。ふたりに選択の余地はない。その命令とは警視庁特別捜査官が長い間目をつけていた不良公安の石巻修次のしっぽをつかめというのだ。
その頃、フィルム・メーカー・ダイトーの幹部達は頭を抱えていた。「溺れる魚」と名乗る人物から企業恐喝されていたのだ。たちの悪いことに目当ては金ではなかった。
感想
一番の収穫は「椎名桔平ってこういう俳優さんだったのね」って事がわかったって事(笑)。思っていたよりでかい。
IZAMと女装癖のある秋吉役の窪塚洋介がよかったですね。椎名桔平と、ダイトーの専務も加えての4人は原作どおりのイメージでなかなかよい。ラストも原作と全く違っていながらも花○
ところがですね、やはり映画ですから、原作にない美形の警視庁特別捜査官(トッカン)役に仲間由紀恵がでてくるんですよ。目に麗しいためでしょうか。まあがんばってましたが。若い男と若い女とおやじの3種類しか映画にでてこないってのに限界が、、、、まあいつもの事か。

街頭でダイトーの幹部が「モーニング娘。」を踊るシーンは原作以上に○。ミドルティーンの娘に見つかり「みつとし(だったかな?)やめろ!」とカバンを投げられ、「これも仕事だっ!」と叫ぶところに給料取りの悲哀がでていた(しみじみ)。
おすすめ度★★★1/2
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