旧首都ヤンゴン。イギリス植民地時代の面影を色濃く残す街並、ヤンゴン川を行き交う大小の貨物船。上海、香港、シンガポールといった、アジア・コスモポリタニズムの系譜に、ここも連なっています。

スーレーパゴダ周辺

	スーレーパゴダ 日本の山手線に当たる環状鉄道が一周2時間半もかかるという巨大都市ヤンゴン。その中心に位置するのがスーレーパゴダです。商店街のビルに囲まれた姿がユニーク。		ヤンゴンのへそ パゴダを取り巻く円形の環状道路。ここから東西南北に目抜き通りが伸びていくのです。地図で見ても一目瞭然の通り、旧市街の真ん中に位置しており、まさにへそ。		市庁舎 パゴダの東隣に向かい合うように建つのはヤンゴン市庁舎。こちらは対照的にヨーロッパ調の白亜で重厚な造りです。東洋と西洋の対面といった感じですね。

横断注意 ヤンゴンに来たからには、まずスーレーパゴダから、と思ったら、ガイドさんが「中は観光しません」。道路を横断するのが危険だからとのこと。パゴダを取り巻く道路は車がひっきりなしにビュンビュンと、まるでサーキット状態。確かに命がけかも。

教会 しかし、この界隈の見どころは何もパゴダだけではありません。イギリス植民地時代の建物の数々が、今も美しい姿を留めています。たとえばイマニュエル教会。機能美の中に芸術性をも感じさせるシンメトリーなデザイン。ヨーロッパにはなさそうな形です。

植民地様式 インド・コルカタにも相通ずるビクトリア様式の壮麗な建物の数々。その極めつけが最高裁判所（右）。ため息が出るほど美しい建物です。煉瓦の赤い色が夕陽に映える姿がたまりません。イギリス文化の押しつけなのにピッタリとはまって見えるから不思議です。大英帝国の偉大さの成せるワザか。

バスターミナル パゴダの周りのロータリーは路線バスの一大発着場。朝夕の通勤ラッシュ時には大小さまざまなバスに大勢の乗客が入り乱れ、壮観な光景が繰り広げられます。ロータリーから伸びる小路にはそんな人々を目当てにした商店街が連なっていて、賑わいに一層拍車をかけています。

ヤンゴン中央駅

	駅舎 建物自体は古いけど、そこは国を代表する駅。堂々とした風格がありました。ロータリーは意外に閑散としていたのがミャンマーらしいと言えば言えるでしょうか。		待合室 切符もないのに中に入れてもらえました。人の多さ、荷物の大きさ、古ぼけたベンチやテレビ。高度成長期の上野駅ってこんな感じだったんだろうな、と思わせる景色です。		跨線橋 ホームとホームをつなぐのは昔ながらの跨線橋。かつては日本でも地方都市の駅などで見られた風景ですが、今では高架になってるところも多いですからね。

列車到着 到着ホームが直前で変更になることは日常茶飯事。で、到着後はというとご覧の通り。せっかく跨線橋があるのに、みんな平気で線路を渡る。おおらかというか無頓着というか。ホームが低いから平気なんでしょうね。でも、乗る時もそうなのかな？ だとしたら跨線橋の立場がないな。

街角の風景から

インド人街 スーレーパゴダからも程近い、ヤンゴン・エキゾチシズムの代表地区。一見汚そうに見えますが、周囲とはどこか異なる建物に妙に味があり、不思議と心魅かれるものがあります。商店の店構えもいかにも怪しげで、いけないと思いつつ引き寄せられてつい足を踏み入れてしまう、そんな雰囲気が漂っている一角でした。

トリニティ教会 ボーヂョーアウンサン・マーケットのそばに、ひときわ目立つ尖塔があります。植民地様式と言うにはあまりにモダンな、イギリス国教会系のシンボル、聖三位一体教会です。これだけ見ると、まるでヨーロッパかとすら思えてきます。ケルン大聖堂でしたっけ？あっ、あれはプロテスタントか。流派が違うな。しかもドイツだった。

	ﾎﾞｰﾁﾞｮｰｱｳﾝｻﾝ･ﾏｰｹｯﾄ ヤンゴン最大のマーケットとしてつとに有名ですが、この日は建国記念日でお休み。お土産買おうと思ってたのに。道路を挟んだ向かいにはニューマーケットもあります。		交通渋滞 現代の大都会はどこも同じ悩みを抱えているんですね。乗ってる間、なんだか東京にいるような気がして、外国に来たという意識は全然ありませんでした。		ヤンゴン港 ヤンゴンの近代はここから始まりました。植民地建設の常として、イギリス人は港から街を築いていったのです。泥色の水面を眺めていると文明開化の香りがします。