追憶のミャンマー〜インレー湖
 
Inle Lake
 
 
インレー湖
 

  標高1000mを超える山々に囲まれた盆地に、南北20kmあまりに渡って拡がるインレー湖。水草を集めて作られた浮島に人々は家を建て、野菜を栽培したり魚を捕ったりしながら暮らしています。  

 
小舟クルーズ
 


   
運河クルーズ
ホテルの船着場から、エンジンと固定椅子付きの小舟に乗って、いざ、ニァウンシュエ観光のハイライト、インレー湖へ。茶色く濁った運河を切り裂くように舟は進みます。風がもろに当たるので、ヘルメットなしでバイクに乗っている気分。水が澄み左右の視界が開けてきたらそこはもう湖です。
   

   
湖入り口
南北に細長いインレー湖の平均水深は2m。えっ、そんなに浅いの? さっそく水上家屋がと思ったけど、このあたりはまだ水中の地面に杭を打って建物の基礎としているみたいですね。湖岸のバンガローと言えなくもありません。陸上生活者から見れば、これだけでも充分驚きではありますが。
   

 
ファウンドーウーパゴダ
 


       
 
水上パゴダ
これがインレー湖名物、世にも珍しい水上に浮かぶパゴダ。水草を集めた島の上に建っているとは思えないほどしっかりとした造りです。歩いてても全然揺れないんだから。
 
祭壇
天井まで吹き抜けとなったホールの中央に祭壇がありました。御簾に覆われていて高貴な雰囲気を醸し出しています。なぜかご神体に触れるのは男だけとのこと。
 
御神体は玉?
祭壇にはまるで鏡餅のような御神体が五つありました。玉みたいに見えますが、元は仏像とのこと。みんなが金箔を貼り重ねたのでこのような形になったのだそうです。
 

   
船着場
島全体がパゴダ、というかパゴダそのものが島という造りなので、船着場といっても単に横付けするだけなんですが。渋滞していると停泊中の舟に横付けするので、どんどん沖に拡大していきます。向こうに見えるのは街かと思いきや別の島。運河のように見えるのも海峡(?)なんですね。ベネチアみたい。
     
二階建て
岸壁に舟を着け島に上がってみると、どうも地面はコンクリートみたいです。浮島を集めて作ったって聞いたけど、その上にコンクリートを敷いたってこと? 凄い発想ですね。よく沈まないもんだ。ともあれ、仏様に捧げる花を買って階段を登ります。そう、祭壇は二階にあるんです。ということは、一階は何に使っているのでしょう?
   

 
ガーペー僧院
 


       
 
水上僧院
こちらは湖に直接柱を立てて組み上げた、文字通りの水上僧院。一応基礎がしっかりしています、って言えるんでしょうか。床板の隙間から水面がのぞけます。
 
エコトイレ
構造上の必要なのか僧院の中は柱だらけ。話の種に床をくり抜いただけのトイレで用を足してみました。有機漁業(?)に貢献できます。でも、それってエコ?
 
ご本尊
ご本尊の仏像も柱に囲まれていて、なんだか檻に入れられているみたいです。大小数多くあるので、時間のある人はこれらも鑑賞していきましょう。
 

   
主役は猫
ところで、この僧院の見どころはというと建物でも仏像でもなく、なんと猫。「ジャンピング・キャット・モナストリー」の別名が示す通り、この僧院に住む猫たちはサーカスの動物のように輪くぐりが得意なのです。最初は一匹だけだったらしいのですが、今では多くの猫が実演します。
   

       
 
キャット、カモ〜ン!
観光客がある程度集まると、お坊さんがおもむろに輪を取り出します。おいおい、あんた、そんなことをするために仏門に入ったのか。やけに真剣な顔してるし。
 
ジャンプ
ともあれ、見ごたえはあります。お坊さんが姿勢を決めると瞬く間に猫がジャンプ。ほとんど失敗しません。どうやって仕込んだのでしょう。
 
シャッターチャンス
ジャンピング・キャットのコツは輪の位置を動かさないこと。こころもち高めにセットしてみました。猫は一瞬ためらったものの見事にジャンプ。ごらんの通り決定的瞬間もバッチリ。
 

 
浮島の暮らし
 


   
水草採り
インレー湖は水深が浅いため、水中にはたくさんの水草が生えています。これが浮島の素。そもそも浮島は水草が自然に集まって形成されたもの。定期的に水草を採っては島をさらに増強していくわけです。自分の土地は自分で増やすという究極の自給自足。日本では無理だな。
   

   
インダー族の漁師
インレー湖の浮島に暮らすインダー族は、足を使って巧みに舟を操ります。あまりに舟の端に立つので、見ていて転覆しないかハラハラします。力学的には破綻しているように見える姿勢なのに。それにしても、カゴのようなこの独特の網で本当に魚が獲れるんでしょうか。
   

   
野菜づくり
漁業と並ぶもうひとつの基幹産業が農業。浮島の畑ではトマトなどの野菜づくりが盛んです。こちらは自給自足ではなく、れっきとした商品作物で、湖畔の街に出荷されるのです。そういえばニァウンシュエの運河には真っ赤なトマトを山積みにした舟が数珠つなぎになっていたっけ。
   

   
草原
湖をクルーズしていると、ときどき原っぱのような草むらが拡がっているのを見かけます。でも気をつけて。きっと水面に浮かんでいるだけです。調子に乗って足を踏み入れようものなら、たちまち沈んでいくに違いありません。まるで落とし穴です。田んぼの畦道のように見えるのにねえ。
   

   
水上家屋
浮島といっても建っている家はかなり立派。日本の分譲住宅と比べても遜色なく、生活のレベルも高そうです。面白いのは、波が立つと浮島も揺れること。ということは、家も揺れるよなあ、やっぱり。そんなわけで防波堤(これも浮島)を築いているところが多かったですね。
   

   
ダウンタウン
こちらはやや庶民的な界隈。湖には何ヶ所か家が建て込んでいるエリアがあり、その中に入ると、水路が道路であることを別にすればまったく普通の街と変わりません。ただ、素人には自分が街のどの辺りにいるのかは皆目わからず、巨大な迷路の中を迷っているみたいでした。
   


   

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