ヘル・アンド・ヘヴン・ウィータ

   真のヘル・アンド・ヘヴンとも言われる。マモル少年がゾンダークリスタルの集合体、すなわちマスタープログラム浄解する際に使用した。またマモル少年のレプリジンもガオファイガーと対峙した際にスターガオガイガーでこれを使用している。通常のヘル・アンド・ヘヴンと原理は同じであるが、エネルギィ融合の際に唱える「ゲム・ギル・ガン・ゴー・グフォ」という呪文の最後にラテン語で「生命」を意味する「ウィータ」という言葉が加わること、そして融合したエネルギィを両掌に纏わせて突撃するのではなく、光線状に放射するのが特徴である。
   マモル少年は能力覚醒当初の「左手による浄解」、カインから与えられたGストーンのペンダントを身につけ、ギャレオンブラックボックスと接触して獲得した「右手による浄解」を経て、木星においてギャレオンに眠るカインの意識によって「最後の封印」を解除されて初めてこのヘル・アンド・ヘヴン・ウィータの使用に成功している。マモル少年はこの際「Gストーンの本当の使い方」が解かった、と言っており、このことは非常に興味深い。
   地球においてGストーンはエネルギィ抽出媒体か、あるいは「無限情報サーキット」としてしか使用されてこなかった。Gストーンを「浄解の媒体」としたマモル少年の使い方こそが「本当の使い方」であり、エネルギィ抽出媒体、あるいは無限情報サーキットとしての機能が「本当の使い方」に付随する副次的な機能にすぎないとすれば、Gストーンには依然として未知数のポテンシャルが秘められていることになる。
   人類は機界文明との戦いの中でGSライドの部分的な制御に成功し、いつしかGストーンを「使いこなし」ている気になっていたが、実際にはGストーンの本来的な機能について、我々は驚くほどに無知である。Gストーンを単なるエネルギィ抽出媒体か、あるいは「無限情報サーキット」として使用することにとどまらず、Gストーンがいつ、どのようにして、なんのために創られたのか。その探求を怠ってはならないのではないか。もちろん、それによって解明されるGストーンの本質が人類にとって幸福なものとは限らない。だが、その本質に全く触れないままにGストーンを利用し続けることは、これまで人類が犯してきた過ちを繰り返すことに他ならない危険な行為なのである。