山口椿 豊穣なるその官能の世界 − 公演編
ここでは山口椿さんが行われた過去の公演内容を載せていきます。その官能的な世界を、ネット上で少しでも味あわれぃ・・・!
12/24(水) LUNE PERFORM WITH DOLL 2003 - 絆 -
自作の人形使いにして、美貌のダンサーのルネと山口椿の初共演。 (山口椿さんはチェロを演奏)
12月24日(水) 開場19:30 開演20:00 神楽坂DIE PRATZEにて (新宿区西五軒町2-12)
予約前売り2500円 当日3000円 (問合せ・お申込先 ディ・プラッツ 03-3235-7990)
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西川比呂司
情報センターから出版される「レプチリアン − 屍美人の誘惑(仮)」出版記念会を兼ねて催します。
・・・窮屈な会社勤めを放棄し、惚れた芸者と暮らす世捨て人の生を選んだ男。だが、その女は余命の限られた不治の病に冒されていた・・・。
昨年好評をいただいた「松葉巴」とは対照的な人生の機微を描く晩秋の一夜、しっとりと味わっていただけましたら。
(「漉擦染(すきずりぞめ)」による山口作品の御内見会も兼ねます。)
出演:中棹/山口椿 細棹/雪香
華やかさと悲哀に満ちた夜話 久留陽子
「正直云って永井荷風の作品には、白粉と脂の匂いがとろとろと漂っているイメージがあり、あまり好きではない。それでもこの晩は荷風独特の感覚に、はっとさせられずにはいられなかった。
「江戸っ子」であり、「東京」に対して常に眉をひそめていた彼は、舌鋒鋭くこのとげとげしい大都市を批判する。東京の持つ、賑やかだが荒んだ空気を表現させたら荷風の右に出る人はいないだろう。
華やかさと儚げな幸福感とに包まれたこの物語は、雪香さんの舞いで幕を閉じた。
山口さん曰く、「おそらくこの物語に登場する人たちには、あわれな将来が待っている、そういう気がします」とのこと。寒い晩に小鳥を抱いているような、うら悲しい暖かさを感じたのは、扉から流れ込んできた夜気のせい、ばかりではないだろう。」
photo 西川比呂司
11/10(月) 榎本バソン了壱氏主催 第二回かいぶつ祭
多彩な「かいぶつ句会」同人ほぼ全員参加予定の奇芸珍演集!落語、テクノロック、絵本の朗読、俳句熱唱などいろいろです。併せて講談社より上梓の「日本語遊び -俳句の一撃」も販売されます。
<山口椿のおんな七変化かいぶつ祭り版>当日、漫画家の伊藤結花理さんの裸体に、山口椿がボディペインティングを、雪香の三味線演奏とともに披露いたします。
11/10(日) 午後6時半開演
会場/ホテルローズガーデン新宿、別館ローズルーム(地下鉄丸の内線新宿駅1番出口徒歩1分) 03-3360-1533
会費/5000円 食事ドリンク付
10/12(日) 椿の会スペシャルパフォーマンス <ロベルトは今夜>
"オクターブ、60歳・神学者。ロベルト、彼の妻・代議士・30歳。女主人公ロベルトは、老境にある神学教授の夫との密やかな共謀によって「歓待の掟」(夫が妻を性的対象として客人に差し出すこと)を実践する。1959年、パリ・・・・
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西川比呂司
和泉昇氏プロデュースで、山口椿の初期代表作を上演。
ゆふまどひあかねから改名した雪香のお披露目を兼ねて。
「雪香は難しい役回りをみごとに演じて、部屋全体にエロティックな(といっても男女の性愛だけを意味しない)空気をただよわせ、山口椿はひたすらチェロを弾くだけで、しかも普通のコメントをさしはさんだりしつつ、かえってその存在を強調させてしまう。雪香にはこれまでにもしばしば両性具有の魅力を感じさせられたのだが、ロベルトを演じることにより、ますますわれわれの欲望の行き先を覆い隠し、戸惑わせ、酔わせるようだ。こういう舞台は他の誰にも永遠に演じられることはないだろう。」 by 植島啓司 (宗教人類学者)
「雪香とは、申し上げるまでもなく、「雪香ものがたり」のヒロインにちなみます。外見だけでなく、内面の筋のとおった美しさ、芯のつよさを持たなければ、身に帯びることは難しい名と存じます。女優として歩みはじめて10年経ち、さまざまな意味で自分を変える時期にさしかかったと感じました。至らぬ身にはまことに過ぎた名ではございますが、生きてゆく上での指標、また意思として、雪香と名乗らせていただきます。今まであかねをおひきたて賜ったご好意に感謝申し上げるとともに、雪香をも重ねてご愛顧下さいますよう願い上げます」 by 雪香
10/12(日) 午後3時開演 会費5000円(全席予約。1drink) 銀座"貴族"にて。
問い合わせ、予約申込先:山口椿事務所アプレミディ Tel&Fax 0467-22-0916
銀座金春通り伊勢由ビルB1 <貴族> 03-3573-8150
9/22(月)〜10/11(土) 「かはたれどき」(かわたれどき:夕方の事) − 山口椿 枕絵展
"プラットフォームスタジオ" 銀座1丁目9−8 画廊の集合している"奥野ビル"5F 515 にて。
月・土:14:30〜19:00 火〜金:14:30〜19:30
一回限りではなく、多面体の山口椿の全貌を幾つものシリーズに分けて開催。
9/22(月)、9/29(月)、10/6(月) 江戸川柳のエクストリーム
痛罵、からかいで権威を嗤う江戸川柳の超文化
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岡本 安正
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西川比呂司
「思いがけぬことながら、三夜とも満員。立ち見のお客様には申し訳ありません。なるべく平ったい調子でとのつもりが、脱線ばかりで爆笑の渦でした。これをしんりみさせてくれたのは、雪香の細棹。たくさんの方からおほめ頂きおそれ入ります。おそれ入ります。ありがとうございました。」 (山口椿・談)
語り:山口椿
細棹:雪香
演奏曲:
さのやの糸桜(京都の子守唄) 月ぬ美しゃ(沖縄の民謡)、メヌエット(バッハ無伴奏、チェロ組曲一番より)、万華鏡(セザール・キュイ) その他
9/22(月)、9/29(月)、10/6(月) 19:00より、ギャラリープラットフォームスタジオにて。会費 弐千円(終演後 ワイン等で出演者と歓談)
9/12(金)〜9/20(土) 山口椿作品展 <コメディア・デラルテ>
J.カロの銅版仮面劇を山口椿が、イタリアのコレクターに頼まれ、面相ミニアチュールにしたものを再現。好事家垂涎の小品集を展示。
高輪啓祐堂にて
8/3(日) 第62回 山口椿の会 − アッシャー家の崩壊
暗鬱と荒涼、血も凍る恐怖幻想に満ちたE.A.ポーの傑作を、ゆふまどひあかねの一人芝居で上演いたします。
山口椿の迫力ある伴奏とともに、お客さまに真夏の酷暑を忘れさせる午後となりますように。
脚本とひとしりばい:ゆふまどひ あかね
ギターとピアノ:山口椿
8/3(日) 午後3時開演 会費3000円(葡萄酒つき)
銀座金春通り伊勢由ビルB1 <貴族> 03-3573-8150
photo 西川比呂司
7/5(日) 夢応の鯉魚 − 古典朗読と舞踏、チェロ演奏で演じる雨月物語
絵に巧みな三井寺の僧興義は、日頃琵琶湖の魚を捕らえ、写生した後、魚たちを無事に再び湖に放していた。その優しい心を愛でた水の神は、興義の望みを叶え、彼を鯉に変身させ、気ままに湖中に遊ぶことを許したが・・・・。
現世のしがらみから開放され、幻想の水中楽園に遊ぶ芸術家の自由と限界をあざやかに描いたメルヘンを、盛夏の一夜、涼やかにご覧くださいませ。
古典朗読と三味線:ゆふまどひ あかね
舞踏:今 貂子
チェロ:山口 椿
7/5(日) 午後6時半開場 7時開演
京都 西福寺(上田秋成の菩提寺)にて
075-771-7909
京都市左京区南禅寺草川町82−1 地下鉄東西線 蹴上下車 料理旅館八千代向かい
予約前売 2500円 当日3000円
申し込み先 今貂子+倚羅事務所まで 075-525-4467
オンライン予約 JCDNダンスリザーブ
内容についての問い合わせ 山口椿事務所 apres-midi 0467-22-0916
photo 保井基秀
2003/6/15 第61回 山口椿の会 "ビリティスの歌"
ドビッシーの友人だったピエール・ルイスのパストラルでアルカイックな詩篇をチェロとともに。ギリシアの美少女ビリティスの歌うサッフォーふうの恋愛詩は、20代の山口椿の愛読書でした。(「くちびるいろのソファ」 「枕の絵草子」にも引用されています)
言葉の美しさを感じた夜でした・・・・・
朗読/山口椿
チェロ/ゆふまどひあかね
銀座金春通り伊勢由ビルB1 <貴族> 03-3573-8150
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西川比呂司
2003/5/9〜20 ゆふまどひあかね展「西風の見たもの」
港区高輪の"啓祐堂"にて。
"OH! DECO! 榎本(バソン)了壱
このおデコ、どこかで会っている、と思った。
しばらくして、あああれだ。ジョン・テニエルの描くアリスのおデコ。それも今まさに暖炉の上の大きな鏡を潜り抜けようとしているアリスのそれだ。
艶がある。なんだか、ソーラーシステムのパネルが仕込まれたような、サイバーでクラシックなおデコ。しかしこれにはきっと太陽など相手にしない、太陰暦のおデコだ。
ルナティックな媚態と狂気に悪戯っぽく「おデコ」とルビを振っている。
幻視家ルイス・キャロルもアリスのあのおデコの中に、不思議の国が詰まっているのを見抜いたに違いない。そして、そのおデコが、ゆふまどひあかねに復活している。
処女の柔毛ほどの細さの面相筆の線が、するっとためらいなく筆運びしているのは、文字を裸体の曲線に変換させる書家ならではの錬金術だ。
キャロルの文とテニエルの図がちび黒サンボのバターのように溶けて詰まっているおデコ。そして虎バターが滴る指先の技巧。OH! DECO! なんという装飾! なんという真実!"
2003/4/4〜4/7 <第八回国際コンテンポラリーアートフェスティバルTOKYO>に出展
東京国際フォーラムにて開催。成山画廊(千代田区九段南2-2-8 03−3264−4871)より出展。
「山口椿の幽霊画」として、羽織裏、着物、屏風、扇子、帯、和服衣装に墨筆で多様な幽霊、妖怪の描画など、前衛と伝統の融合を試みる。
同会期中(4/4〜26)、九段の成山画廊にて、枕絵その他山口椿作品展も開催。
2003/4/19 第一回 Clair du Soir −たそがれのさやけさ − 「浅茅が宿 ― 古典のひとり語りで演じる上田秋成の世界」
古典の語り、三味線と舞/ゆうまどひあかね
チェロ/山口椿
2003/4/19(日) 15:00 開場 木戸5,000円(全席予約)
目黒碑文谷、啓祐堂の杉本邸にて行われた、山口椿さんのチェロと、あかねさんの語りと三味線と舞いの会。語りの内容は、山口椿さん版の"浅茅が宿"ではなく、秋成版の"浅茅が宿"であった。椿さんの"浅茅が宿"は、ドラマチックで凄絶であるので、啓祐堂のお客様は耐えられるかが少々心配であったが、今回は想像力を豊かに使う素朴な物語の秋成版であった。そんな物語を、あかねさんが抑えた語り口で訥々と話すが、最後に着物でバレエの様に伸びやかに踊ったのは、とても素敵だった。一人 戦場の真中で待って、絶えた女の魂が、帰ってきた男を迎えて溌剌と喜ぶように、そして静かに終わる。
ちなみに、この日は、"武士の家計簿"というベストセラーを記した慶応大学の"磯田 道史"さんも秋成の古文書を抱いて、解説をして下さいました。多彩なり、山口椿の会!
"芝居の合間に山口椿が演奏してくれたのは、メンデルスゾーンの無言歌でした。メンデルスゾーンの優しい叙情が、とても自然に自分の語りの世界に溶け込んできました。優しさ、せつなさ、慕情・・・・・それは様式や時空を隔てても普遍的なものだと思います。" ゆふまどひあかね
口上 :"爛熟と混迷の時代に、反俗・孤高の道を生きた天才 上田秋成は、古代的な純粋さ、利欲にとらわれぬひたむきな心を愛しました。壮年期に執筆された名作「雨月物語」の「浅茅が宿」のヒロイン宮木には、謡曲「砧」などに代表される、日本古代から綿々と流れる「待つ女」の悲劇が描かれています。原作のひとり語りの試みによって、文体の息づかいと作品にこめられた秋成の思いを皆様にお伝えできたら、と願います。杉本邸の華麗な八重桜を観賞しながら、いにしえの幻を愛でていただけましたら幸いに存じます。" 山口椿・あかね
大きい写真
photo 西川比呂司
2003/3/16(日) 第60回山口椿の会 「恋嫉刃地獄聞書 - 啓蟄」
山口椿の真骨頂ともいえる凄絶にして凄艶な江戸ピカレスクの世界を一人芝居で。
1996年に始まった椿の会もこのたび60回を迎え、上梓当時から、いつか舞台にしたいと願ってまいりました本作品をささやかな記念として試みます。
原作の魅力である歯切れのよい粋な台詞回し、剛直な快刀乱麻の醍醐味を、損なうことなく演じられましたら幸いに存じます。
三味線と語り/ゆふまどひあかね
上調子/山口椿
2003/3/16(日) 15:00 開演 会費3,000円(葡萄酒つき)
銀座金春通り伊勢由ビルB1 <貴族> (03-3573-8150)にて
"山口さんの小説「恋嫉刃地獄聞書」の七つの物語から一番最初の「啓蟄」という物語を、作者の山口さんの三味線をバックに、あかねさんが物語をそのまま語る。33ページ近くの物語を、噛んで含めるように語り、聴衆を引き寄せる。
物語は、江戸時代 寛政のころ、元武士で今は扇屋の酔狂人 京十郎が主人公。その京十郎が、謎の男 金兵衛がどこぞの女を担いで小屋に連れ込むのを見つける。そして、その小屋では・・・・というカニバリズムもちょいと入るグロテスクな美を描く。そんな世界だが、歌舞伎口調、浄瑠璃口調というか、どこか落語にも似た子気味よい語り口の文章。
そんな世界を、あかねさんが、講談師よろしく、金の踊りの扇子を片手に語る。途中 あかねさんの、三味線による"バッハの無伴奏チェロ一番 プレリュード"も差し込まれ、途中 美しいスリの お吉も加わり、いよいよ物語りは大団円へ。山口さんの爪弾く三味線の抑えた音が、嫌がおうにも話を盛り上げる。
その一見するとグロテスクな世界を、粋に艶やかにする魔術に、語りと三味線が終わった瞬間、私は大向こうが、喉まで出掛かったのであった。" by 電脳和風主人
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西川比呂司
2003/1/19(日) 第59回山口椿の会 「吸血鬼カーミラ」
ディケンズによって天下の奇書と激賞され、怪奇文学の祖として高く評価されるレ・ファニュのゴシック・ロマンを上演。夢幻、月光を主題としたチェロ演奏に乗せて、美貌の吸血鬼に魅了された女人の、問わず語りのささやきをお聞き下さい。
脚本とひとり芝居/ゆふまどひあかね
チェロ/山口椿
銀座金春通り伊勢由ビルB1 <貴族> (03-3573-8150)にて
"伴奏者として山口が演奏してくれたのは、ビバルディのチェロソナタ5曲でした。カーミラが吸血鬼になる前に生きていた時代の音楽です。2時間という長い上演時間に、信頼できる後見であり伴奏者の存在が、とりわけ有り難いものと実感されました。" by ゆふまどひあかね
" ―「カーミラ」初読の感動がよみがえりました― by 野上陽子
私が初めて「女吸血鬼カーミラ」と出会ったのは、小学校4年生の時でした。もちろん当時の私には、ファニュの描いたすべての語彙が理解できたわけではなかったのでしょう。ただ、「カーミラみたいなひとがいたら素敵だなあ」などと、ぼんやり夢想していたのを憶えております。 椿の会の当日、烏の羽根のように青光りする紺のトップに、黒の長い紗のスカートを合わせたあかねさんが静かに語りはじめると、私は初めて「カーミラ」のページを繰った時のように、ぞくぞくしてしまいました。
山口先生の奏でるチェロをバックにした彼女の一人芝居は、ファニュ独特の言語感覚を最大限に生かしており、作中の言葉を借りて云えば、それこそ「水のように流れる月の光」のようでした。
後半は、シノワズリ風サテンの袖無しを纏っていたあかねさん。ペールグレーのその衣装は、どことなく横山大観が描いた女性のようでもあり、また死者の神秘と静謐さを連想させるようでもあり、物語自体は凄惨なカタストロフィーでありながら、なんとも耽美な余韻を残す幕切れとなったのでした。"
左3枚は西川比呂司
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