→【はじめに読む定義】 →【厳密な定義−予備知識なしに】 →【論理にこだわって…】 【はじめに読む定義】・「上に有界でない《実数の集合》」とは、 「属してる元は、すべて、この実数以下」 と言えない《実数の集合》。 【例】 自然数をすべてあつめた集合N (アルキメデスの原理) ・「上に有界な《実数の集合》」とは、 「属してる元は、すべて、この実数以下」 と言える《実数の集合》。 《この実数》を、その《実数の集合》の上界と呼ぶ。 * 上界が存在する「実数の集合」(上に有界な「実数の集合」)もあれば、 上界が存在しない「実数の集合」(上に有界でない「実数の集合」)もある。 上界が存在する「実数の集合」(上に有界な数列)に限ってみても、 その上界は、 複数存在するかもしれないし、 無数に存在するかもしれない。 |
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【厳密な定義】
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【論理にこだわって…】
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【設定】R: 実数体 ≦: 実数体の定義によって、 実数体R上に定められている順序関係(特に全順序となるよう定められている)。 もちろん、実数体Rと順序"≦"とを組み合わせた(R,≦)は、順序集合。 (実数体の定義によって、(R,≦)は、特に、全順序集合となるよう定められている) 変数 M : 実数を代入。 議論領域は、R。 変項A: 「実数の集合」すなわち「Rの部分集合」を代入。ただし、空集合は除く。 議論領域は、「あらゆる『実数の集合』をあつめた集合」(Rのベキ集合)から空集合を除いた範囲 すなわち、 ![]() ![]() 変数 x : 集合Aに属す実数を代入。議論領域は集合 A 。 |
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変項は、 ・「 x≦M 」のなかで、 ∀x∈A で束縛されずに残ったM、 ・∀x∈A のなかのA の二つだから、 2項述語・2変項命題関数となる。 【上に有界】変項Aだけの1項述語・1変項命題関数 「Aは、(Rのなかで)上に有界bounded from above」 Aの議論領域: ![]() は、 ∃M∈R ∀x∈A ( x≦M ) …(*) 〔読み下し例〕 実数の集合Aに対して、ある実数Mが存在して、 A,Mが「任意(すべて)の『Aに属す実数』xに対して x≦M」を、満たす。 (*)は、 変項 x,M を組み込んだ2項述語・2変項命題関数 「 x≦M 」の変項 x,M を、 ∃M∈R ∀x∈A で束縛したもの。 「 x≦M 」のなかの変項 x,M はどちらも束縛されてしまったが、 ∃M∈R ∀x∈A のなかのAが変項であるから、 1項述語・1変項命題関数。 |
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【上に有界でない】・集合Aが「(Rのなかで)上に有界」ではないとは、 「(Rのなかでの)集合Aの上界」が存在しないことを言うが、 このことは、 いかなる実数Mにたいしても、あるx∈Aが存在して、M<xを満たすこと ∀M∈R ∃x∈A ( M<x ) にほかならない。 ※なぜ? 「集合Aが(Rのなかで)上に有界ではない」とは ¬ ( ∃M∈R ∀x∈A ( x≦M ) ) であり、 これは、∀M∈R ( ¬ ( ∀x∈A ( x≦M ) ) ) と書きかえられ(∵存在命題の否定)、 さらに、これは、∀M∈R ∃x∈A ( ¬ ( x≦M ) ) と書きかえられ(∵全称命題の否定)、 そして、これは、∀M∈R ∃x∈A ( M<x ) と書きかえられるから。 |
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