被団協新聞

非核水夫の海上通信【2026年】

このコラムは、川崎哲氏(ピースボート地球大学)によるもので、
「被団協」新聞に2004年6月から掲載されています☆☆

2026年2月 被団協新聞2月号

法の支配を 帝国主義的侵略止めよ

 米軍がベネズエラを軍事攻撃しマドゥロ大統領を拘束して連行した。今後は米国が同国を運営し石油も管理するとトランプ大統領は公言している。国連憲章で定められた諸国民の自決権、主権平等、紛争の平和的解決、武力の使用・威嚇の禁止といった諸原則に違反する、帝国主義的侵略といわざるをえない。
 マドゥロ政権は独裁や人権侵害が批判されてきた。だからといって他国が武力で政権を転覆してよいはずがない。そんなことが認められれば世界は無秩序となってしまう。
 ピースボートはこれまでベネズエラを何度も訪問してきた。今回暫定大統領に就任したロドリゲス氏は、外相だった15年に被爆者一行を温かく歓迎してくれている。核廃絶への国家的関心は高い。
 核武装した軍事大国による他国への侵略がくり返されている。これを止め、「法の支配」を回復し強化しなければならない。

2026年1月 被団協新聞1月号

生存への道 核の非人道性を基礎に

 2026年をどのような年にすべきか。昨年は、被団協ノーベル平和賞と被爆80年で、核の非人道性を改めて語り伝える一年だった。今年はそれを、法と政治に反映させる年にしたい。NPTと核兵器禁止条約の再検討会議が、それぞれ4月と11月に開かれるからである。
 NPT再検討会議では「核兵器がもたらす壊滅的な非人道的被害」の再確認を何としても各国に求めたい。そのうえで核兵器国は核戦争をしないと誓約し、核軍拡ではなく核廃絶への約束の誠実に履行を表明すべきである。核実験再開など言語道断だ。
 核禁条約においては、発効後5年で広がった支持を力にして、非人道兵器たる核兵器をあらゆる防衛・安保政策から排除する流れを作りたい。それこそが、厳しい国際情勢の中における真の安全と生存への道だということを、常識として確立していかねばならない。