中央相談所

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中央相談所紹介

社団法人日本被団協原爆被爆者中央相談所は、法人に関する法律改定にともない、2013年11月末日をもって解散しました。法人解散後、日本被団協原爆被爆者中央相談所委員会を設け、相談110番、相談事業講習会などの事業を継承しています。

中央相談所委員会は、原爆被爆者(以下被爆者という)の相談に応じ、必要な指導、助言その他被爆者の援護に必要な活動を行い、被爆者の福祉の増進を図ることを目的とし、次の事業を行う。
(1) 被爆者の健康管理、医療、生活、法律に関する相談事業
(2) 被爆者の援護に関する講習会の開催及び啓蒙指導に関する事業
(3) 被爆者援護に関する印刷物の出版に関する事業
(4) その他この法人の目的を達成するため必要と認めた事業

設立

1976年7月に開催された日本被団協第20回定期総会で、付属機関として中央相談所の設置を決定した。そしてその年9月19日、「原爆被爆者中央相談所」が開設された。

発足後の活動

 当時は、被爆後30年が過ぎ、被爆者健康手帳所持者が増加をつづけ、36万人を超えていた。被爆者の平均年齢は50歳を超えるとされていた。
 「相談所」の開設の2年前、74年3月29日、野党4党案が国会に提案され、被爆者援護法制定運動も大きな盛り上がりをみせていた。  こうした運動の結果被爆30周年の75年には保健手当、家族介護手当が新設され、健康管理手当を受給する際の年齢制限が撤廃されるなど、現行施策がつぎつぎと改正されていた。
 しかし、法律は整いつつあったが、被爆者の多くは、その活用方法がわからない、病気や生活の不安を抱えて、どこに相談してよいのかわからないなど、行政や被爆者組織の相談態勢は決して十分ではなかった。
 そのような状況のもとでの中央相談所の設立は、全国の被爆者から歓迎され、電話や手紙での直接相談が多く寄せられた。
 中央相談所が、76年9月に開設されると、さっそく次の活動を始めた。

 
直接相談110番

 相談所が発足してから、当時1年間に270件の相談があったことが記録されている。
 その内容は、北海道、東北や九州におよび、電話、手紙、面接、訪問によって、被爆者本人、被爆者の家族、医療機関、行政からも寄せられた。

相談会の開催

 77年11月26日、27日の2日間、弁護士と医師の協力をえて、初の「法律、生活、健康相談会」を開催した。
 この相談会以来、被爆者の法律相談は、今日までこのときに参加した弁護士の多くが担当している。この当時、サラ金からお金を借りて、生活を支えざるを得ない被爆者の相談や借家の立ち退きなど、深刻な問題を抱える被爆者の相談があり、弁護士はまったくのボランティアで、サラ金業者、家主との交渉にあたって解決を図った。

研究集会の開催

 1977年夏にNGO被爆問題国際シンポジウムが開かれた。その成果を、被爆者の相談・援護活動に生かすために、10月、研究集会を開催した。この集会には、シンポジウムで活躍した自然科学、社会科学の専門家と、全国の被爆者組織の役員、相談員が参加した。
 その後、この研究集会をキッカケに中央相談所の専門委員が決まった。

相談事業実施状況を調査

 77年10月、「各都道府県被爆者相談事業実施状況について」調査を実施した。その結果、当時は相談所・地方自治体から被団協の相談事業に対する補助金はほとんどないことがわかった。これは相談事業に限ったことではなく、被団協組織に対する助成金についても同様であった。
 現在では、ほとんどの都道府県の相談所・被団協が、助成金・補助金を受けているところから見ると、77年当時は、会費や寄付金だけで会を運営し、相談世話活動を行なっていた実情がうかがえる。役員の苦労は相当なものだったと思われる。

公益法人設立許可される

 法人化の準備を整えた日本被団協は、厚生省公衆衛生局企画課に、被爆者相談所の社団法人設立許可に向けて要請を始めた。
   1978年3月30日「社団法人日本被団協原爆被爆者中央相談所」の設立が厚生大臣から許可された。

日本自転車振興会野補助金交付

 公益法人認可と同時に、日本自転車振興会の公益補助金も交付されることになった。
 補助金は、年々増額されたが、90年以降徐々に減額となり、2007年度は補助金の交付は受けられなかった。
 当時補助事業として、次の事業が認められた。
 1.被爆者相談110番事業
ソーシャルワーカーによる、週5日の相談
 2.地方相談指導事業
  ア リーフレットの作成・配布
  イ 被爆者ガイドブックの作成・配布
  ウ 全国8地区で地元専門家と中央相談所職員が相談の指導に当たる
 3.相談事業講習会
  全国8地区で、医師、大学教授、ソーシャルワーカー、中央相談所役員を講師に行なう。
  その後、補助事業は、相談110番に医師、弁護士の相談日が加わり、全国相談員研修会が実施されるなど、少しずつ変更があったが、基本は変わらず実施されてきた。

各事業の実施状況

(1)相談110番事業

 19476年に中央相談所が開設されて以来実施されている相談110番事業だが、法人発足から2007年度末までの29年間に、13万件を超える相談に対応した。
 相談員は、79年度から医師、弁護士が加わった。その後弁護士は補助事業の対象ではなくなったが、相談は依然として寄せられている。
 相談所が法人発足10年を迎えた87年から、精神科医が、月に1回の夜間相談を担当した。相談は、電話、手紙、来訪、訪問によって行なわれている。

(2)地方相談指導事業

地方相談指導
 講習会は、各都道府県被団協・相談所の役員や相談員を対象として行なわれる。しかし、全国的には講習会に参加した被爆者が、地元の被爆者からの相談に十分応じられないこともあり、全国で開催される総会や研修会の折に、中央相談所から医師やソーシャルワーカーを講師として派遣して、きめ細かい相談に応じている。

出版物の発行
▽リーフレット(被爆者のしおり)を年1回発行し、現行施策の普及と啓蒙を行なっている。
▽相談ガイドブック(被爆者相談のための問答集)
 毎年現行被爆者対策や関係施策の解説書的な、問答集を発行し、被爆者や行政、医療機関などで活用されている。補助事業の対象でなくなってからも発行しつづけている。
▽被爆者健康ハンドブック
 88年に補助事業として認められ、発行された。2000年以降は補助事業としては認められなくなったが、全国の被爆者に好評のため自己資金で毎年発行している。

(3)相談事業講習会

 講習会は相談所が法人化されて以来、全国の8ブロックで開催されてきた。
 ブロックは、北海道ブロック、東北ブロック、関東甲信越ブロック、東海北陸ブロック、近畿ブロック、中国ブロック、四国ブロック、九州ブロックの8つである。
 講習会は、大学教授・弁護士、医師、ソーシャルワーカー、日本被団協役員らを講師に行なわれてきた。
 開催地の行政担当者も、講師として被爆者対策を講義して、被爆者をはげました。

 
(4)全国相談員研修会

 補助事業として実施されるようになった。きっかけは、地方の相談員から「講習会だけではなく、全国的な相談員の経験交流がしたい」という要望からだった。年に1回、日本被団協の都道府県代表者会議に合わせて開催されてきた。

(5)中央相談所報

 以上は、主として日本自転車振興会の補助事業として実施されてきたが、このほかに「中央相談所報」を発行してきた。当初は、都道府県の被爆者相談所への連絡ニュースとして発行していたが、日本被団協機関紙「被団協」の定期化によって、その役割を終えたので、主として、講習会などでの講師の講演を冊子にして発行した。

 
付属診療所を開設

 (社)日本被団協原爆被爆者中央相談所は、1981年11月(社)日本被団協原爆被爆者中央相談所付属診療所の開設許可申請書を、東京・港区芝保健所に提出した。
 開設は許可されたが、保険医療機関指定申請が許可されなかった、それは、「被爆者」という特定を対象にする診療所」であること、せめて週4日は開設しないと、という理由であったが、医師の相談は、診療所として実施されてきた。

「指定寄付」について

 1990年12月、社会福祉法第2条による第2種社会事業の開始届が東京都に受理され、(社)日本被団協原爆被爆者中央相談所が、中央共同募金会への指定寄付が受けられることになった。