相談のまど

相談活動

「被団協」新聞に掲載されている「相談のまど」よりご紹介します。

<2020年9月号より>
認知症の家族の介護
訪問看護の24時間対応の契約を

 【問】夫と二人暮らしです。夫はメマイを度々起こして倒れることもあり、気になっていたのですが最近認知症の症状が出てきました。幻視や幻覚もあるようで目を離すことができず、不安な毎日です。このままでは私の方が倒れかねません。できれば在宅で暮らし続けたいのですが、どうしたらいいでしょうか。

*  *  *

 【答】まず病院を受診してご主人の状態を伝えて診断を受け、対応を相談してみてください。
 自宅での生活を続けるためには、あなたがご主人の病状を理解したうえで、状態に応じた介護が必要になります。主治医と相談して介護認定を受け、訪問看護を利用するのがいいでしょう。
 訪問看護師は専門的な目で見守り、ケアや助言をし、家族からの相談にも24時間365日対応してくれます。サービスの中身は@療養上の世話(清拭・洗髪・入浴介助・食事や排せつ会場と指導・爪切り)A病状の観察(病気や障害の状態・血圧・体温・脈拍などのチェック)B医師の指示による医療処置(点滴の管理等)C在宅酸素や人工呼吸器などの医療機器の管理D床ずれ防止の工夫や指導・床ずれの手当などE在宅でのリハビリテーションF認知症介護の相談や助言Gガン末期や終末期を自宅で過ごせるようお手伝いH家族等への介護方法のアドバイスや相談、などです。あなたの場合AやFが、介護する上で助かると思います。夜間に状態に変化が起きたり高熱を発したりという場合に備え、訪問看護の契約時に24時間対応の契約をしておくとよいでしょう。急な状態の変化時には緊急訪問して主治医との連絡・指示を仰ぎ緊急入院の手立ても取ってくれます。診察時だけではつかみきれない利用者の状態を主治医に報告し助言を受けて対応してくれたり、家族の不安や悩みも聞いてくれるなど、家族にとってはとても心づよい存在です。
 訪問看護は医療系サービスなので、利用者本人が被爆者の場合利用料の自己負担はありません。

<2020年8月号より>
介護度の変更はできますか?

 【問】昨年末に「要支援2」(1年間)の介護認定を受けた父が、急に体力が落ち、歩行もおぼつかず、寝ていることが多くなりました。トイレは介助でやっと、食事は枕元に持っていけば食べる状態で、家族の介護ではとても無理です。「要支援2」ではあまりサービスを受けられないのではと不安です。介護度の変更はできますか。

*  *  *

 【答】介護度の認定期間が1年でも、状態が変われば変更手続き(区分変更申請)ができます。お父さんのように認定期中に状態が変わった時や入院となった場合や、介護認定の結果が本人の状態に合わず軽く出た場合にも申請できます。
 手続きは、担当のケアマネジャーがいれば相談してください。そうでない場合は介護保険課か地域包括支援センターで手続きをします。主治医意見書の提出と訪問調査が行なわれますので、主治医にきちんと最近の状況を伝えておくこと、訪問調査時にも、同様に伝えることが大切です。

<2020年7月号より>
介護型療養病院への入所
食費と居住費が自己負担に

 【問】母(被爆者)が入院していましたが、長くはその病院にいられないとのことで療養型に移ることになりました。転院について説明を受けたところ10万円を超える費用がかかると言われ、療養型に移っても3カ月くらいで、どこか転院先を見つけるか在宅に、とも言われました。娘の私が働いて生活を維持してきましたが、毎月それだけの費用を支払う余裕はありません。被爆者健康手帳で医療費の負担がなかったので入院させることができたのですが、これからは、高齢で介護も必要な母を看てくれるところはこんなにもお金がかかるのでしょうか。

*  *  *

 【答】かつて病院は長期間の入院を受け入れてくれましたが、医療行政の変化により急性期入院は2週間まで、リハビリが必要でも、疾患により発症後1〜2カ月以内でないと回復期リハビリ病院に転院できないことになっています。回復期リハビリも疾患によって入院日数が決まっているうえ、医療上やむを得ない場合でないと長く入院できなくなり、自宅での療養・介護が基本になりました。
 「療養型に転院を」と言われたとのことですが、療養型にも医療と介護型の2種類あります。医療の場合は、人口呼吸器をつけているとか中心静脈栄養など、常に医療処置が必要な状態が対象になります。お母さんの場合、長期にわたり医学的管理を必要とする状態ではないようなので、介護型療養への転院を進められたのだと思います。
 介護型療養病院(または病棟)に入所したときは介護保険の対象ですから、利用料の自己負担分は被爆者健康手帳の福祉系サービスとして助成されます。しかし、食費と居住費については自己負担となるため10万円を超える負担がかかると言われたのでしょう。
 一般的には食費が1日1392円で30日分では4万1760円。居住費はユニット型個室、多床室など部屋の種類により1日2006円から377円、30日分では6万円余から1万1310円まで幅があります。
 世帯全員が非課税であるなどの経済状態よっては補足給付という減額制度がありますが(『問答集(介護編)』を参照)、あなたが働いているので補足給付の対象にはならないと思われます。できるだけ負担が少なくなるよう、相談してみてください。

<2020年6月号より>
介護保険の訪問介護サービス利用料
住民非課税の被爆者に助成

 【問】両親ともに被爆者健康手帳をもっています。高齢のため日々の生活にも手助けが必要になり、介護保険の申請をして父は「要介護2」母は「要支援2」との認定を受けました。ふたりともデイサービスは嫌だ、自宅で過ごしたいと頑張ります。ケアマネジャーさんと相談して、いずれはデイサービスに行くことを勧めながら当面は訪問介護を受けることにしました。父は週3回、母は週1回で様子を見ることにしましたが、利用料負担が大変です。両親とも国民年金で、ふたり合わせても月10万円にとどきません。
 被爆者健康手帳での助成はないのでしょうか。

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 【答】被爆者健康手帳では介護保険サービスの中の医療系サービスと福祉系サービスについて助成制度があります。訪問介護(ヘルパー)については福祉系サービスの中に含まれていると思われがちですが、今のところ対象となっていません。
 ご両親が利用されるヘルパーの回数を経済的理由で減らすことは、在宅での生活を壊すことになってしまいます。
 おふたりとも国民年金のみとのことなので住民税が非課税かと思います。住民税非課税世帯の場合、都道府県に申請して「訪問介護利用被爆者助成受給者資格認定証」(自治体により名称が異なる場合があります)の交付をうけて、介護事業者に提示すれば訪問介護の利用料については負担がなくなります。
 手続きは、最寄りの保健所に次の書類を添えて申請します。@訪問介護利用被爆者助成認定証交付申請書 A介護保険証 B健康保険証 C世帯全員の住民票 D住民税の非課税証明書(生活保護を受給している場合は受給者証)
 手続き後、県から「訪問介護利用被爆者助成受給者資格認定書」が届きますので、訪問介護事業所に提示すると介護保険サービス利用料負担がなくなります。

<2020年5月号より>
ショートステイ 居住費と食事代は自己負担
条件によって軽減措置も

 【問】被爆者である父が心臓疾患で入院し、近く退院予定です。父は母と二人暮らしなので、退院後はショートステイの利用を考えています。ショートステイを利用した場合、被爆者健康手帳による何らかの援護施策があるのでしょうか。

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 【答】お父さんが退院されたあと、ショートステイ(短期入所介護)の利用を考えていらっしゃるとのこと、高齢で二人暮らしのご両親の場合、ショートステイを上手に利用すれば、お母さんの介護負担軽減につながると思います。
 ショートステイには短期入所療養介護と短期入所生活介護があります。医療依存度が高い場合には短期入所療養介護を利用することになり、医療機関等への入院になるので医療系サービスになります。介護を目的とした場合は短期入所生活介護になり、これは福祉系サービスとなります。
 お父さんの場合には後者にあたるかと思いますが、利用料の自己負担分は被爆者健康手帳の助成の対象です。
 ただし、助成されるのは利用料の自己負担だけで、居住費や食事代は自己負担となります。
 居住費は、ユニット型個室だと1日1970円ですが、従来型個室や多床室によって負担額が変わりますし、食事代が1日1380円と、自己負担額はかさみます。
 お父さんの世帯が非課税世帯、あるいは年金収入が80万円〜120万円の場合などには、補足給付ということで居住費や食事代の軽減措置が受けられます。ただし、一人当たりの貯蓄額が1000万円以下の場合です。(軽減措置の所得制限等は『相談のための問答集〈介護編〉』の54ページを参照してください)。
 手続きは自治体の介護保険課に行ないます。この手続きをしておくと特別養護老人ホームや老人保健施設等を利用する場合にも該当しますので、今後役立つと思います。

<2020年4月号より>
介護保険でデイサービス利用
被爆者手帳で助成されます

 【問】父は被爆者健康手帳を持っています。デイサービスに週3回ほど通っていて、事業所からの請求が思った以上にかかります。被爆者健康手帳で、医療費のように助成制度はないのでしょうか。

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 【答】事業所からの請求書には利用料負担額と昼食代やおやつ代、諸雑費が書かれていると思います。利用料の欄に請求額が記載されているかどうか確認してください。利用料負担については、介護保険証に「1割」「2割」と負担の割合が記入されていますので、それも確認してださい。
 被爆者の援護施策では介護保険サービスについて医療系サービスと福祉系サービスで利用料の助成があります。(医療系・福祉系サービスについては『問答集介護編』参照)お父さんが通われているデイサービスは福祉系サービスの一つで利用料の助成があります。請求書の利用料欄に請求額が記載されていたら、被爆者健康手帳所持者の場合本人請求はないことを事業所に伝えてください。これまで支払った費用については5年前まで県に還付請求ができます。
 県によっては、本人が事業所に一旦支払った後に県に請求して還付される「償還払い制」をとっていましたが、最後まで残っていた6県のうち、青森を除く5県が2019年4月から厚労省の指導で本人請求がなくなりました。
 介護保険と被爆者健康手帳の併用で公費請求できることを知らない事業所もあります。千葉県友愛会では県に要求して、県内すべての介護支援事業所とケアマネジャーにあてて、介護保険に関する被爆者援護施策と介護手当についてのお知らせを県から出させています。各県被団協でもこうした対応をするよう県に要望することも大切なことと思います。

<2020年3月号より>
介護保険で福祉用具を借ります。
被爆者への助成はありますか?

 【問】昨年末に退院して在宅医療を受けている夫のことでお伺いしたいことがあります。
 今回、ケアマネジャーと相談して、ベッドなどの福祉用具を介護保険を利用して借りることにしました。週1回利用しているデイサービスの利用料は被爆者健康手帳を持っているので窓口負担がありません。福祉用具についても負担はないのでは、と話しましたら、福祉用具の利用料は負担するように言われました。
 被爆者健康手帳を持っていても使えないのでしょうか。

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 【答】ご主人の様子から、ベッドだけでなく車いすなど複数の福祉用具を借りることになると思われます。借りるものが多くなると支払う額も多くなりますね。
 介護保険サービスで被爆者健康手帳による助成が行なわれているのは、訪問看護や通所リハビリなどの医療系サービスと通所介護(デイサービス)などの福祉系サービスに限られています。おたずねの福祉用具レンタル料については、助成はありません。費用の1割または2割を利用料として自己負担することになります。
 『被爆者相談のための問答集〈介護編〉』をお持ちの方は、「問19」(34ページ)にレンタルできる用具の種類など詳しく載っていますのでご覧ください。

<2020年2月号より>
グループホームの利用料も助成対象になりませんか

 【問】認知症が進み、介護する家族も高齢で限界に近い会員さんのことで相談します。
 この方は現在「要介護1」です。足腰がしっかりしているので家族が目を離したすきに徘徊を繰り返し、警察のお世話にもなりました。特別養護老人ホームに入所できればいいのですが、「要介護3」からしか申し込みができません。社会的要因での入所も大変厳しく、近くにある認知症のグループホームに入所できないかと相談していますが、利用料を含めた費用負担が困難です。
 被爆者援護の福祉系サービスとして、グループホームの費用も助成されないものでしょうか。(青森県相談員)

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 【答】日本被団協の厚労省交渉で、特別養護老人ホーム入所について特別の配慮をと求めても、一般の高齢者の扱いに準じてとの回答です。認知症は要介護認定時に配慮していると言われていますが、実際には要介護度が軽く出てしまいがちで介護している家族の負担が大きくなっています。
 認知症対応型居宅介護(グループホーム)は要支援2から対象になっていて、入所できれば家族にとって経済的な負担を除けば大変助かると思います。介護度が上がれば特別養護老人ホームに申し込んでおいて、当面グループホームという選択肢もあります。
 ところが被爆者援護施策の福祉系サービスの対象にはなっていません。厚労省交渉で、グループホームの利用料も福祉系サービスとして助成対象にしてほしいと申し入れました。実現はまだですが、今後も繰り返し要求していきます。
 地域で直面したことから要望があれば、ぜひ日本被団協・相談所に寄せてください。すぐに実現は難しくても厚労省には要求として申入れます。

<2020年1月号より>
被爆者手帳、保険証、お薬手帳の3点セット。いつも持参を

 【問】先日、フランシスコ教皇さまのミサに参加したいと思い長崎まで出かけました。天候も悪かったためか途中で具合が悪くなり、近くにある病院で受診して、無事ミサには参加できました。
 この時、健康保険証はコピーを持っていたのですが被爆者健康手帳を持っていませんでした。病院での支払い時に、はじめは「自費扱い」と言われましたが何とか保険証はコピーを認めてもらって一割負担をしました。
 被爆者健康手帳を受診した病院に届けないと、自己負担分は戻りませんでしょうか。(福岡・被爆者)

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【答】フランシスコ教皇のミサに無事参加できてよかったですね。被爆者健康手帳を持参しなくて自己負担分が請求されたとのことですが、受診した病院まで行かなくても償還払いの手続きをすれば戻ります。居住地の保健所に「一般疾病医療費支給申請書」がありますので、必要事項を記入、捺印し、領収書を添付して申請してください。少し時間がかかりますが支給されます。
 高齢になると出先で急に具合が悪くなることもよくあります。外出する際には被爆者健康手帳と健康保険証、それにお薬手帳を忘れずに携帯するようにしましょう。
 健康保険証も以前とは違って一人に一枚ずつカード化されているので、コピーでなく実物を持つようにしましょう。
 お薬手帳には、処方されている薬が記載されているので、初めて受診する病院でもどんな薬を飲んでいるか確認してもらうことができ、診断にも役立ちます。また、重複して処方しないような配慮もしてもらえます。
 いつも持ち歩いているカバンに「被爆者健康手帳」、「健康保険証」と「お薬手帳」をまとめて入れておくようにすることが大切です。

<2019年12月号より>
被爆者の介護手当の申請に介護保険の認定は必要ですか

 【問】現在、在宅で介護を受けている被爆者の介護手当申請についておたずねします。
 10年前に脳梗塞を発症しリハビリを受けて杖歩行までできていたのですが、3年ほど前から寝たり起きたりの生活です。本人と家族の希望で、介護保険の認定申請をしていません。妻の介護だけでは無理になり、結婚した娘さんや息子の奥さんが交替で世話に来ています。介護手当を受給できれば娘さんも息子の奥さんも助かると思うのですが、介護保険の申請をしていないと手当の申請はできないのでしょうか。
(県被爆者の会)

*  *  *

【答】ご家族で在宅での介護に頑張っていらっしゃるのですね。
 被爆者の介護手当は1974年に被爆者援護施策として開始された制度で、介護保険とは別の制度です。本人が他人を家に入れるのが嫌だとか、家族の介護の手があるからといって介護保険の認定申請はしないという方でも、該当すれば被爆者施策の介護手当を受けることができます。厚労省通知には、介護手当申請に必要な書類一覧に介護保険に関する書類は入っていません。東京都では介護保険証の写しを添付するようになっていますが、制度そのものは別なので、お問い合わせの方の場合も介護手当の申請はできます。
 別世帯の娘さんや息子の奥さんが通ってきて介護を手伝っているので、いくらかでも金銭的な支払いをすることによりお互いに楽な気持ちになると思います。ぜひ、主治医と相談して介護手当の申請手続きをしてください。申請に必要なことは「問答集・介護編」を参照してください。

<2019年11月号より>
死亡後献体した場合も葬祭料は支給されます

 【問】先日亡くなった被爆者のご家族から葬祭料の申請の件で相談がありました。
 生前、献体の手続きをしていて、死亡確認後、遺体は大学病院に移送したそうです。葬祭料支給申請書と死亡診断書を添えて、娘さんが申請者として保健所に手続きをしたところ、「葬儀をしていないので葬祭料は支給しない」と言われたとのことです。
 献体した場合は葬祭料が支給されないのでしょうか。(県被爆者の会)

*  *  *

 【答】死後献体をする人が多くなり、通夜や葬儀をしないで火葬にする直葬も増えています。葬祭料について、あらためて厚労省に問い合わせてみました。
 回答は、「葬祭料の支給は、葬儀をしたかどうかは問うていない。被爆者のうけた精神的なこと対して支給するものである」とのことでした。葬祭料に関する通知(昭四四衛発五四三号)では、次のように規定されています。「特別被爆者は放射能を多量に浴び、その影響により、負傷し又は疾病にかかり易く、また、負傷又は疾病が治ゆしにくい等の事情があり、日ごろから死に対する特別な不安感をいだいている。(略)今なお、このような不安な日常生活を余儀なくされている特別被爆者への国家的な関心の表明として、(略)その葬祭を行なう者に対し、葬祭料を支給することにより、これらの特別の状態にある被爆者の精神的不安をやわらげ、もってその福祉を図ることとしたものである」。(1969年当時の「特別被爆者」制度は現在はありません。「被爆者」と読み替えてください)。
 ここでは支給対象者は「葬祭を行なう者」としか書かれていません。
 自治体の葬祭料申請についての説明では、申請者が葬祭を行なったことがわかる書類(会葬御礼のはがき・葬儀社からの領収書)となっていて、私たちは、お金をかけて葬儀を行なった人が申請できる、と思い込んでいました。厚労省は、葬祭料申請の手続きは@申請書 A死亡および死因を確認出来る書類等 B葬祭を行なう(行なった)人を確認できるもの、を提出する、Bの書類については都道府県の判断による、との回答でした。
 お問い合わせの方については、亡くなった被爆者と申請者との関係が分かる物を提出すれば、葬祭料は支給されるとのことです。

<2019年10月号より>
もの忘れが多く怒りっぽくなった…
専門医や包括支援センターに相談を

 【問】昔から一緒に会の活動をしていた友人のことです。一年ほど前から会議に遅れたり、出てこないことが多くなりました。欠席の理由をたずねると「会議があることを知らなかった」とか「時間がわからなかった」といいます。会議の日程を決めるときに手帳に書き込んでいるのですが。
 また、会議やその他の集まりでも急に怒りっぽくなり、周りの人に迷惑をかけることが多くなりました。一人暮らしで寂しいのか毎日のように電話をかけてきて同じ事を話します。なにかと気をつけてきましたが私もくたびれて、話につきあえなくなってきました。
 こういう場合、どこに相談したらいいのでしょうか。

*  *  *

 【答】長年のお友達ですから気にかかることも多いでしょう。もの忘れや怒りっぽくなったとのこと、一度、病院の「もの忘れ外来」に一緒に行って受診させることも必要かと思います。地域の内科医でも「もの忘れ外来」を開設するところがあります。認知症なのかどうか診断し、場合によっては専門医につなげてくれます。
 また、地域の地域包括支援センターに相談してみてください。職員が自宅を訪問して生活状況などの様子を見て、専門医と相談して対応してくれます。自分の事を心配してくれるところがある、とわかるだけで安心するのではないでしょうか。
 ご自分で何もかも背負い込まず、こうした地域支援を活用しながら、友人が落ち着いて生活できるように支援してあげてください。

<2019年9月号より>
医療特別手当から特別手当に
納得できないときは不服審査請求を

 【問】私は平成25年に「咽頭がん」で原爆症の認定を受けました。地元の病院では難しいと言われ東京の国立がんセンターで手術を受けました。声が出にくくなり、会話も困難です。現在は地元の病院で経過観察しながら副作用で発症した「甲状腺機能低下症」の治療でチラーヂンを服用しています。
 今回、医療特別手当の更新手続きをした結果、特別手当に変更という通知がきましたが納得できません。このまま泣き寝入りするしかないのでしょうか。

*  *  *

 【答】医療特別手当の支給要件である「要医療性」は、受診状況が「定期的に受診し、現在治療中の場合」となっています。受診状況が「定期的に受診し、経過観察中」と「定期的な受診をしていない」場合は、@悪性腫瘍、白血病については再発したとの所見がない場合には手術等の根治的治療から概ね5年以内 Aただし、乳がん、腎盂がん、尿管がん、膀胱がん、前立腺がん、甲状腺がんその他再発の可能性が特に長期にわたる疾病については概ね10年以内 B末期の悪性腫瘍などで治療が困難な状況にあることが認められる場合、以上の条件のときは支給を継続して差し支えないとしています。
 あなたの場合、@の「再発したとの所見がなく手術等の根治療法から概ね5年」が経過したと判断されたようです。
 あなたが困難をかかえながら療養生活を送るなかでこの決定に納得できないのであれば、行政不服審査請求をしてみたらいかがでしょうか。決定通知を確認した日から3カ月以内に申し立てをしてみてください。

<2019年8月号より>
原爆症認定申請
「肺気腫」で申請できますか

 【問】私は1945年5月生まれです。広島に原爆が投下された翌日、母の背中におぶわれ祖父と叔母の安否をたずねて猫屋町、県庁、鍛冶屋町を歩きまわりました。
 最近「肺気腫」との診断を受け治療を開始しました。私の場合入市したのが100時間以内なので、認定申請はできないものでしょうか。

*  *  *

 【答】2011年までたたかわれた原爆症認定集団訴訟の結果、厚労省は「新しい審査の方針」を決めました。その中に「100時間以内」という文言が出てくるのですが、その部分は下記のようになっています。―積極的に認定する範囲として悪性腫瘍(固形がん)、白血病、副甲状腺機能亢進症の場合に@被爆地点が爆心地より約3・5キロ以内である者、A原爆投下より100時間以内に爆心地から2キロ以内に入市した者、B原爆投下より100時間経過後から約2週間以内の期間に爆心地から約2キロ以内に1週間程度以上滞在した者―。
 呼吸器系疾患では今のところ固形がんである「肺がん」のみが対象とされていて、「肺気腫」は対象となっていません。それでも認定申請をということであれば、主治医と相談して手続きをしてみてください。
 日本被団協では集団訴訟終結後、「原爆症認定制度のあり方に関する提言」を出し、運動しています。「提言」では、司法と行政の判断の乖離に真摯に向き合おうとしない厚生労働省に対し、誠意をもって取り組むことを要求しています。そして、原爆被害を総合的にみなければならないとして、原爆症認定制度と諸手当の制度を見直し、すべての被爆者に『被爆者手当』を支給し障害を持つ者には加算することを求めています。

<2019年7月号より>
入院中の妻の今後
施設への入所か― 在宅での介護か―

 【問】今年に入って妻の具合が悪くなり、介護認定を行なって「要介護2」と決定されましたが今月になり体調が急変、入院し主治医から「腎臓が悪く手の施しようがない。時間の問題」と説明を受けました。以前から二人で延命処置は受けないと話し合っていましたので、主治医にはその旨を伝えました。ところが病院のほうから「どこか施設に移るように」と言われ、いくつかの施設の名前を教えられました。予後は長くないと言われているので施設に移るのか、それとも自宅につれて帰って在宅介護にしようか迷っています。介護するのは私一人ですが、在宅で介護できる体制は作れるでしょうか。

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 【答】入院して病状・予後の説明を受け、今後の治療について家族の要望を聞かれたと思ったら転院の話とは――もっと丁寧に家庭の状況や本人・家族の思いを聞いてくれるとよかったですね。奥さんが家に帰りたい気持ちを少しでも持っているのなら在宅介護を検討してみてください。
 今年初めの「要介護2」よりも状態が悪くなっているはずですから、介護認定の「区分変更」手続きをします。そして、近くの介護支援事業所のケアマネジャーと契約して訪問診療をしている医師と訪問看護ステーションを紹介してもらい、合わせて訪問介護につなげて貰ってください。
 在宅介護は、訪問診療と訪問看護で24時間、必要な対応が可能です。24時間対応の契約をしておけば、発熱や様子がおかしいとき、不安になったときに訪問看護師に電話での相談や訪問して貰うことができます。被爆者の場合、訪問診療も訪問看護も医療系サービスなので、被爆者健康手帳により自己負担は車代程度です。また介護用ベッド類も福祉用具貸与で利用でき、奥さんの状況に合わせたマットレスが借りられます。入浴させたいと思えば訪問入浴を利用することもできます。
 介護するのがあなた一人ということで不安を感じていらっしゃるようですが、あなたは見守りと話し相手をすれば良いと思います。訪問介護(ヘルパー)におむつ交換などをお願いし、サービスの限度枠を超える場合には被爆者の介護手当を利用すれば、経済的にも大きな負担にはならないと思います。
 これまでお二人で「延命治療」などについて話し合われていたとのことなので、奥さんの気持ちは分かっていると思います。在宅介護を選択するとなると病院は、関係者を集めてカンファレンスを開きます。そこで必要な話し合いがおこなわれ意思統一できますので、不安にたじろぐのではなく一歩進めてください。

<2019年6月号より>
介護施設利用料 被爆者手帳が使えます
支払った分は償還払い手続を

 【問】百歳になる父は長崎で被爆しました。2年余り病院に入院していましたが、長くなりすぎるということで同一敷地内の介護施設に移り1年以上になります。
 病院に入院中は医療費について被爆者健康手帳により自己負担がありませんでした。ところが施設に移ってから毎月17万円あまり請求され支払っています。高額介護サービス費とかで一定額以上の負担額はもどってきていますが、これ以上の負担には耐えられません。被爆者健康手帳による助成はないのでしょうか。

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 【答】長期にわたる費用負担は大変ですね。
 お父さんの入所されている施設は介護老人保健施設か介護療養型医療施設でしょうか。どちらも介護保険サービスにおける被爆者援護施策では医療系サービスということで、利用料の自己負担分が被爆者健康手帳により助成されます。ただし、食費や居住費は利用者が負担します。食費は1日1380円、居住費は従来型個室で1日1650円です。これらの費用に加えて雑費などの負担があります。
 これまで支払った費用の中に利用料の自己負担分があると思われますので、被爆者援護による償還払いの手続きをしてください。都道府県の被爆者担当課又は最寄りの保健所で介護保険利用被爆者助成金支給申請書類をもらいます。これに領収書、サービス提供明細書と高額介護サービス費の支給に関する書類を添付して、都道府県に請求してください。この手続きは5年で時効になりますので気をつけて早めにおこなってください。今後については、施設側に制度を伝えて手続きをとってもらいましょう。食費や居住費については、所得による軽減措置がありますから、該当するようであれば役所で手続きをして施設に提示してください。
 介護保険サービス利用料の自己負担分に関する被爆者健康手帳の助成制度は十分周知されておらず、事業所によっては制度を知らず、手帳を提示しても請求しているところもあるようです。中央相談所発行の『問答集―介護編』を施設側に示して読んでもらうと良いと思います。

<2019年5月号より>
認知症すすむ親の介護
共倒れにならないために

 【問】被爆者である義母は昨年脳梗塞を発症し退院後、介護保険の要介護1で通所リハビリに通っています。
 最近少しずつ認知症の症状が進んできたようです。主治医の前ではしっかりしてしまい「認知症ではない」と言われるのですが、衣服は前後や裏表を逆に着るのでその都度着替えさせていますし、先日もお金がないといって大騒ぎしました。また一人で外出して自宅に帰れなくなったこともあります。
 息子である夫は義母のいうことをまともに受けて激しくやり合っています。私も仕事と子どもをかかえて疲れ切っています。義母は自宅で暮らしたいようですが、このままでは共倒れになりそうです。何か方法はありませんか。

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 【答】働きながら介護するのは身体的にも精神的にも負担は大変大きいものです。本人の希望に沿いながら共倒れにならないで介護を続けていくために、次のサービスの利用を検討されたらいかがでしょうか。
 @ショートステイを定期的に利用する――1〜2カ月に1週間程度入所できるサービスです。
 A小規模多機能型居宅介護事業所の利用――デイサービスや時には1〜2泊の宿泊ができます。
 @とAの利用料は被爆者健康手帳で助成され、自己負担はありません。
 B認知症が進んできたら認知症グループホームに入所する――「認知症」という診断書がだされれば要支援2以上で入所できます。ただし、費用については被爆者健康手帳の助成対象になっていないので全額自己負担になります。特別養護老人ホームの入所要件(要介護3以上)と違って『介護度』での制約がないので、経過的な方法としてはいいかもしれません。
 いずれにしろケアマネジャーとよく話し合ってみてください。
 被爆者の家族介護手当申請については、お義母さんの今の状況からするとむずかしいと思われますが、主治医に家庭での状況などを詳しく報告しながら相談してみてください。

<2019年4月号より>
美術館や博物館の入場料
被爆者手帳での減免の決まりはありますか

 【問】私は美術館や博物館によく出かけます。その際に被爆者健康手帳を提示すると、入場料の割引がある所、本人プラス介助者も割引する所、また全く割引がない所など、その対応はまちまちで、美術館等に行くたびにひやひやハラハラしています。
 被爆者の場合、身体障害者に準じた対応になるのでしょうか。それとも被爆者健康手帳で無料や割引と決められているのでしょうか。また、きちんと明文化されているのでしょうか。

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 【答】美術館や博物館の多くは、身体障害者手帳所持者や65歳以上に入場料の割引があり、被爆者健康手帳にも適応されることがあります。
 国立美術館については「独立行政法人国立美術館観覧料減免規則」の第4条に「身体障害者手帳等の所持者」についての規定があり、被爆者健康手帳所持者の観覧料は無料、付き添い者1名についても無料とされています。
 しかし、美術館や博物館は国立だけでなく自治体や民間による運営もあり、すべてに国立美術館の規定が適用されるわけではありません。ほかには法律などの明文化された規定はなく、入場料の減免についてはそれぞれの美術館、博物館で決めているようです。
 多くの美術館、博物館で、被爆者健康手帳の提示で入場料無料あるいは割引を行なっており、介助者についても行なっているところもあります。
 めんどうでも、入場券を購入するときに被爆者健康手帳を提示して確認してみましょう。

<2019年3月号より>
特別養護老人ホームの利用料
被爆者手帳所持者には、介護保険利用料の自己負担分が公費負担に

 【問】特別養護老人ホームの職員です。利用者の家族の方が被爆者の会から送られてきたというピンク色の「被爆者のしおり」を持参し、相談にこられました。「しおり」によれば、特別養護老人ホームの利用料は被爆者健康手帳で自己負担がないとのこと。施設ではそのことを知らず、入所された平成26年から利用料を請求していました。「しおり」に書かれているように利用料は被爆者健康手帳で助成されるのでしょうか。

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 【答】特別養護老人ホーム(介護老人福祉施設)の利用料の自己負担分について被爆者は、介護保険の福祉系サービスとして公費で助成されています。ただし、居住費や食費、その他雑費は助成の対象になりません。
 施設としては今月分から公費併用で保険請求していただくと助かります。請求コードがあるので自治体の介護保険課に確認してください。
 これまで支払われた利用料については、利用者本人が償還払いで県に請求できます。償還払い請求の時効は5年です。平成26年入所ということであれば今年が5年になります。県庁の担当課または住所地の保健所で書類をもらい、領収書を添付します。遡っての領収書を処分してしまっていることもあるかと思いますが、その場合は領収したという証明書を作成してご家族に渡していただければ助かります。

 岐阜県原爆被爆者の会が、「生活・健康相談会」開催を知らせる手紙と共に「被爆者のしおり」を、県の協力を得て県内の被爆者健康手帳所持者全員に送りました。届いた「しおり」をみてご家族が、施設に相談に行かれたようです。

<2019年2月号より>
所得税の控除は受けられますか?
扶養している両親が被爆者で要介護認定を受けています

 【問】両親とは同居はしていませんが、毎月仕送りをしています。私も定年を目前に経済的には厳しくなっています。両親ともに被爆者で、3年前から介護認定を受けて介護保険サービスを利用しています。被爆者健康手帳や介護認定を受けていることで税金の優遇措置はないでしょうか。

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 【答】被爆者は、手帳を持っているだけでは控除の対象にならず、原爆症の認定を受けている場合のみ障害者控除の対象になります。
 ご両親は介護認定を受けておられるので、自治体の措置によって障害者控除を受けられる可能性があります
 国税庁では、障害者控除の対象になるのは精神または身体に障害のある65歳以上の人で、障害の程度が知的障害者または身体障害者に準ずるものとして市町村長等の認定を受けている人、などとしています。こうしたことを受け多くの自治体で介護認定を受けている人を障害者控除の対象として認定しています。
 適用を受ける年の12月31日現在における身体状況によって特別障害者に準ずるか、障害者に準ずるかの認定をします。自治体によって対象や基準が違いますので、該当するかどうか、自治体の介護保険課に問い合わせてみてください。
 該当する場合は「障害者控除認定書」が交付されます。5年前までさかのぼることができるので、該当する年の「障害者控除認定書」の交付を受けて手続きされるとよいでしょう。
 同居していなくても生計を援助していることがはっきりしていれば適用されます。

<2019年1月号より>
「セカンドオピニオン」は自費診療の場合も ― 慎重に検討しましょう

 【問】私は脳神経内科と整形外科にかかっています。「頚椎症」「脊柱管狭窄症」と診断され、整形外科で手術を勧められました。脳神経内科の主治医と相談して手術はしないで経過を見ることにしましたが、念のため大学病院の医師の意見を聞いてみて最終的判断をしようかということになり、紹介状や検査結果、MRI画像などを持参して大学病院で受診しました。保険証と被爆者健康手帳を提示していたのですが、会計で「その他項目」という名目で2万円の支払いを請求されました。いったいどういうことでしょうか。

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 【答】主治医の意見だけでなく別の視点や角度から診断や治療法について理解を深め納得するために、セカンドオピニオン(第二の意見)を求めるための受診ができるようになりました。まずかかりつけの主治医に、現在の病状やその治療をなぜ進めるのかを聞いてきちんと理解をしておくことが大事です。そのうえでセカンドオピニオンを受けたいという考えを伝え、紹介状(診療情報提供書)や検査結果、CTやMRIの画像などを準備してもらいます。
 ガン医療では予約制の「セカンドオピニオン外来」を設置している病院が多いようです。これは健康保険がきかず自費診療なので、被爆者健康手帳が使えません。30分の相談で1万円とか2万円など、病院によって費用が異なります。費用負担も大きいので本当に必要なのか、慎重に決めることが大切です。

<2018年12月号より>
薬の容器代など保険外部分は被爆者も自己負担になります

 【問】薬局で目薬を受け取るときに容器代が請求されました。いったん支払ったのですが、被爆者健康手帳を提示したのに、なぜ請求されるのか納得できません。

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 【答】被爆者健康手帳での医療に関しては「原子爆弾被爆者に対する援護に関する法律」第14条で「指定医療機関の診療方針及び診療報酬は、健康保険の診療方針及び診療報酬の例による」とされています。ですから医療機関では、被爆者の診療にあたっても健康保険の診療方針や診療報酬に基づいて治療をしています。こうした診療方針や診療報酬については、厚生労働省が通達として出しているものです。
 入院時の差額ベッド料(4人部屋でも請求されることがあります)や「保険外サービスの自己負担の導入」も1984年の「健康保険法改正」とあわせて、当時の厚生省が認めたものです。国民には十分な説明をしないまま、保険診療から外された自費部分が広がってきました。被爆者は医療機関で受診した時、被爆者健康手帳と医療保険証を提示すれば無料と思っていたのが、気がつかないうちに次々と自己負担が導入され、その範囲が広がってきたのです。
 ですから、点眼薬や塗り薬など外用薬の容器代が請求されるとか、包帯などの治療材料も「薬局で買ってね」と言われるようになったのです。
 被爆者も国民と共に命を守る運動に参加することが求められています。

<2018年11月号より>
保健手当から健康管理手当へ
対象疾病にかかっていればきりかえることができます

 【問】保健手当を受給している会員さんのことでお伺いします。
 これまで会の集まりなどに参加していたのですが、最近「足が悪くて、タクシーを使わないと外出が難しく、会の集まりに出られなくてすみません」と言われました。よく聞いてみると、膝関節が悪くて手術も検討されているそうです。通院にもタクシーを使うことが多く経済的にも大変になってきているとのことです。この場合健康管理手当に切り替えることができますか。

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 【答】高齢化にともなって、これまで比較的お元気だと思われていた方もあちこち具合が悪くなってきています。ご相談の方については、保健手当の加給には該当しないようですので、健康管理手当への切り替えをすすめてみてください。膝関節が悪くて手術も検討とのことですから、健康管理手当の11の対象疾病のうち運動器機能障害(変形性関節症・変形性脊椎症)に該当します。主治医に相談して手当診断書を作成してもらいましょう。その時、診断書の「今後治療を必要とする期間」を「3年」と記入されると、更新が必要になります。疾病が「固定している」となれば更新手続きは必要ありませんので、主治医とよく相談してください。
 健康管理手当の更新手続きの要・不要については、『問答集』bR0(改訂版)に詳しく載せてあります。主治医にも読んでいただくと良いと思います。
 この方以外の会員さんの中にも、保健手当(月額1万7270円)のままになっている方がいるかもしれません。身障手帳3級程度の障害、ケロイドが残っている、一人暮らし、のいずれかに該当する人は加給され、健康管理手当(月額3万4430円)と同額になります。被爆者の中には健康管理手当の対象疾病で治療している方が増えていると思われますが、その場合は切り替えができます。ぜひ働きかけてみてください。

<2018年10月号より>
原爆症認定の病気の診察を、近くの診療所や在宅で受けるには

 【問】私は原爆症認定患者です。最近は足腰が弱り家の中の移動だけでも大変な状況になってきました。認定病名での診察は認定疾病医療機関指定の病院で受けなければなりませんが、それが難しくなりました。主治医に事情を話して年に2回程度の受診です。それ以外は近くの診療所でみてもらって、認定病名を管理してくれている先生と連携をとってくださっています。
 今後、年2回の受診も困難になると思います。そうした場合、今もらっている医療特別手当は受けられなくなりますか。

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 【答】被爆者の平均年齢も82歳を超え、原爆症認定被爆者の多くの方が同じような不安を抱えているのではないかと思います。日本被団協の厚生労働省交渉でも、医療特別手当の更新手続きをなくしてほしいという声がだされています。しかし厚労省は、「今の法制度では検討の余地はない」と答えています。
 受診そのものが困難になり、在宅診療をうけなければならない事態が生じた時、在宅診療を担当している医療機関が認定疾病医療機関の指定を受けていることは少ないと思われます。こうした場合について厚労省は「在宅診療を担当している医療機関に認定疾病医療機関の指定を受けてもらうように」といいます。
 近くの診療所や在宅診療の医療機関に、認定疾病医療機関の指定を受けるよう、お願いしてください。なかなか言い出しにくいとは思いますが、原爆症認定と医療特別手当を受け続けるために指定医療機関でないと困ることを訴えて、相談してみてください。
 認定疾病医療機関の指定を受けるには、一般疾病医療機関の指定を受けていることが必要です。その上で認定疾病医療機関の手続きをすることになります。
 日本被団協としても、在宅診療を担当している診療所等が指定を受けることが難しくないよう、厚生労働省に要請していきたいと思います。

<2018年9月号より>
一人暮らしの被爆者
目につく所に手帳や連絡先を

 【問】自宅で倒れ緊急入院した、一人暮らしの被爆者の後見人をしている者です。
 近所の人がたまたま訪問して、倒れているのを発見し入院。本人の経済的情報がわからず、入院と同時に生活保護が開始され、回復期リハビリ病院など3カ所の病院をへて施設入所となり、その時点で後見人を任されました。
 自宅を整理する中で被爆者健康手帳と多額の残高がある貯金通帳がみつかり、福祉事務所から医療費の全額返還を求められました。どうこたえたらいいかわかりません。

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 【答】一人暮らしで突然倒れると情報がなく、困ってしまいます。何も見つからなければ生活保護受給で終わったかもしれませんが、被爆者健康手帳と多額の貯金が見つかったことで問題が生じたようですね。
 生活保護の場合医療費は「他法優先」なので、被爆者は生活保護を受けていても被爆者健康手帳により請求することになっています。
 この方の場合、入院して1年近くになり3カ所の病院での医療費の請求が終わっています。ですがご本人に医療費の請求がないように、福祉事務所から各病院の請求事務担当者に、生活保護で請求した医療費の返戻手続きと被爆者健康手帳での再請求をお願いして貰ってください。
 被爆者で一人暮らしの方は、次のことに特に気をつけてください。
 @目につくところに緊急の連絡先を貼っておきましょう。そこに、被爆者の会の連絡先も加えておきましょう。
 A被爆者健康手帳と保険証、お薬手帳をまとめて、目につくところに置くようにしましょう。

<2018年8月号より>
母がショートステイで骨折
事業所の説明に納得できません

 【問】90歳の母はショートステイを定期的に利用しています。今回も1週間の予定で入所しました。3日目に「足が紫色になり腫れていて受診する必要があるので至急来るように」との連絡があり、結局「大腿部骨折」で入院手術をしました。どうやら、入浴の際に脱衣場で転んだようです。事業所からはどうしてこのようなことになったのか、詳しい説明がなく納得できません。

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 【答】高齢になるとちょっとした段差などにつまずいて転倒したり、目を外した際に転んだりすることがあります。介護保険ではこうした事故対応について、家族への経過の説明責任と、保険者(市区町村)への報告義務(最終的にどういう形で解決したかまで)が法的に課されています。ですからあなたが事業所の説明に納得できない思いをきちんと事業所側に伝え、説明の場をもってもらうように話してみてください。それでもらちが明かない場合は、保険者である市区町村の担当課に報告書が出されているか確認してみてください。最終的には国民健康保険連合会の苦情窓口に相談することになります。電話番号は契約書または重要事項説明書に記載されています
 本人や家族が経過説明を聞きたいというのはあたりまえのことです。多くの介護事業所、介護施設や医療機関では、ミスや事故に対してどんな小さなことでも報告書を提出し、大きな事故につながらないように研修を行なうなど、リスク管理には力を入れています。事業所として経過説明をきちんとすることは従業員を守り、力量を上げていくことにつながります。

<2018年7月号より>
介護保険サービスと被爆者
ショートステイの利用料が請求され、支払った場合は?

 【問】「要介護5」の夫がショートステイを毎月、利用するようになりました。はじめて利用する際に被爆者手帳を介護保険証と一緒に提示し、「わかりました」と言われました。
 最初は短期間の利用だったものですから請求額も少なく気にしていませんでした。ところが先月分の請求が20万円を超えて、さすがにおかしいと思い請求書を確認したところ、居住費と食事代と共に介護保険の利用料が請求されていました。
 事業所に被爆者手帳を提示していますし、福祉系サービスも窓口払いはないと聞いていたのですが、どういうことでしょうか。

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 【答】「要介護5」の夫さんの介護、たいへんですね。うまくショートステイを利用して介護負担を少しでも軽減できると本当に助かりますね。
 介護保険サービスの事業者の中には、介護保険上のことはわかるけれども被爆者援護との関係については十分知らされていないし、わかっていない、というところも多いようです。
 県の被爆者援護課に連絡して、これまで支払われた負担分は償還払いの手続きを行なうと共に、事業者に県から指導してもらうように話してください。
 また、県の被爆者の会にも連絡して、被爆者の会から県に対し、介護保険サービス事業者への指導を徹底するよう申し入れるように話をしてみてください。
 せっかく、みんなの力で医療系サービスだけでなく福祉系サービスへの助成も勝ち取ったのですから、きちんと活かされるようにしてほしいですね。

<2018年6月号より>
国立医療センターでの時間外受診
公費負担受給者と緊急の時は無料

(厚労省通知「保医発0326第2号」)

 【問】先日、急に具合が悪くなり、かかりつけ医の先生にと思ったのですが夜遅い時間だったので、国立医療センターで受診しました。保険証と被爆者健康手帳を提示したのですが5400円請求されました。後で県に請求すればと思って支払って帰り、後日県に請求したところ「保険外だから支払い対象ではない」とのことでした。納得できません。

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 【答】被爆者手帳を提示すればほとんどの医療費は自己負担がありませんが、今は、自己負担することも増えてきています。1996年の健康保険法「改正」時に、選定医療費という名の保険外負担が設定されました。選定医療には、@200床以上の病院に受診する際にはかかりつけ医の紹介状が必要。紹介状がなければ2000円から5000円程度自費請求できる A保険医療機関が表示する診療時間外に受診した場合は、自費で医療機関が決めた額を請求できる B入院に際し特別の療養環境を提供する場合は自費請求できる(差額ベッド料)などです。他に歯科の義歯に関する項目もあります。
 あなたが時間外に紹介状なしで受診したため、国立医療センターでは自費請求したのだと思います。県が「対象外」というのも、選定医療は保険外負担ですから被爆者健康手帳の適用外となったのです。
 ただし、厚労省は通知(保医発0326第2号)で、「国の公費負担医療制度の受給対象者は紹介状がなくても初診に関わる特別の料金を徴収することは認めない」としています。また、時間外の特別料金の徴収について「緊急やむを得ない事情による時間外受診は従来通り診療報酬点数上の時間外加算の対象で患者からの費用徴収は認めない」としています。
 あなたの場合は、公費負担受給者であること、緊急であること、のどちらにも該当します。国立医療センターに払い戻しの交渉をしてください。

<2018年5月号より>
ショートステイ利用時の「食費」「居住費」の負担額

 【問】夫が先月下旬からショートステイを利用しています。先日、請求書が届きました。「利用者負担額」という項目と「介護サービス費」という項目があって、さらに請求金額があります。どれを支払えばいいのかわかりません。

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 【答】利用料の請求明細書には介護サービス費と食費や雑費などの利用者負担とがあります。被爆者の場合、介護サービス費は、被爆者健康手帳により自己負担はありません。請求明細書に介護報酬単位が書かれていても支払いはありません。
 「食費」と「居住費」について、何日分で合計いくらという金額だけを支払うことになります。その額と請求金額が同じになっていると思います。確かめてみてください。食費は1日1380円です。居住費は多床室やユニット型準個室、個室など種類により負担額が違います。どんな部屋に入所しているかで決まります。
 食費や居住費は所得による軽減措置もありますが、貯蓄額が一人1千万円、夫婦では2千万円以上あると、軽減の対象にはなりません。

<2018年4月号より>
老人保健施設への入所

費用が毎月20万といわれました。被爆者手帳は使えませんか?

 【問】夫が倒れ、入院しました。今は回復期リハビリ病棟にいます。あと2カ月で自宅に退院するか、老人保健施設に移るように言われました。家族は私一人なので「要介護5」の夫の介護はとても無理です。老人保健施設にと考えていますが費用が毎月20万円くらいかかると言われ、困っています。夫も私も被爆者手帳をもっていますが、なにか援助が受けられますか。

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 【答】急な入院、そして回復期リハビリ病院への転院とお一人での対応は大変でしたね。
 老人保健施設への入所にあたり月額20万円と言われたとのことですが、介護保険の利用料の自己負担分は医療系サービスとして被爆者健康手帳を呈示することにより負担はありません。ただし、居住費や食事代その他雑費は全額自己負担となります。居住費は多床室で1日370円、従来型個室だと1日1640円、ユニット型個室で1日1970円、食費は1日1380円かかります。
 捕捉給付として、低所得者の負担軽減制度がありますが、2015年8月から、預貯金等が一人あたり一〇〇〇万円、夫婦2人で二〇〇〇万円あると、住民税が非課税世帯でも対象から外されました。
 老人保健施設の入所期間は基本的に3カ月なので、その後どうするか、長期的なことも考えておきましょう。

<2018年3月号より>
亡くなった父の被爆者手帳 手元に残したいのですが…

 【問】父(被爆者)が90歳で亡くなりました。被爆者健康手帳を返さないといけないと聞きました。家族としては持っていたいと思いますが、返さないとダメなのでしょうか。

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 【答】お父さんにとっては大切な品ですし、ご家族にとってもお父さんにつながる思い出の品ですね。
 被爆者が亡くなったときは、14日以内の届け出が必要です。手続き時に@被爆者健康手帳 A死亡診断書 B支給されていた手当証書(原爆症と認定されていた場合は認定証書)を提出することになっています。
 被爆者死亡後の手帳の返却について厚生労働省は以前、日本被団協からの「遺族が手元に置けるように」との要請に対し「被爆者健康手帳の扱いは都道府県知事であり、国としていえないところもある。遺族に返している県もあるようだ。無効印を押して返すことも可能」と回答しています。
 窓口の担当者に「手元に置いておきたい」と申し出てみてください。それでも返却するよう指導された場合には、コピーや写真をとるなどされるといいかもしれません。

<2018年2月号より>
被爆者の介護手当
申請のしかたや手当額についてくわしく教えてください

 【問】介護手当について「相談のまど」欄で知りました。申請について詳しく知りたいのですが。また、支給される手当額も教えてください。

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 【答】介護手当には、同居している家族が被爆者を介護する場合の家族介護手当と、家族ではない人に費用を支払って介護を受ける場合の手当があります。区別するために後者を他人介護手当として、それぞれについて説明します。

◇家族介護手当
 書類は@介護手当支給申請書 A医師の診断書(介護手当用)で1カ月以内に作成されたもの B介護人の申立書 C介護手当継続支給申請書(引き続き介護が必要な場合)です。まず保健所等で書類を受け取り、記入するなど整えて、同じ窓口に提出します。
 手当額は月額2万1870円です。

◇他人介護手当
 書類は@介護手当支給申請書 A医師の診断書(家族介護手当と同じ B領収書です。領収書は決められた様式はなく次の事項を記載します。領収金額、介護の内容(食事づくり、通院介助など)、介護の期間および日数、支払者名(介護を受けた被爆者)、介護人の住所と氏名、領収年月日。初回申請月以降は医師の診断書以外の書類を毎月提出します。
 手当額は重度障害の場合月額10万5130円以内、中等度障害では月額7万80円以内です。
 なお、東京都ではそれぞれの手当額に上乗せがあります。

<2018年1月号より>
有料老人ホームに入居しながら介護保険サービスを受けるとき

【問】有料ホームに夫婦で入居しています。入居時に多額の一時金を支払い、ほかに毎月12万円の支払いをしています。
 このたび90歳を超えた夫が介護保険の要介護認定を受け介護サービスを受けるにあたって、毎月の支払いの上に介護利用料を支払うことになり、経済的に負担になっています。被爆者関係でこの利用料を助成してくれる施策があるでしょうか。

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【答】介護付き有料老人ホームの場合、介護保険では「特定施設入居者生活介護」としてサービスを受けることができ、その利用料の1割又は2割(所得による)を自己負担します。
 特定施設入居者生活介護の場合、介護保険の福祉系サービスに対する被爆者健康手帳による助成の対象になっておらず、また、被爆者の介護手当からも外されています。
 したがってあなたの場合、被爆者施策での助成を受けるのは難しいと思います。
 有料老人ホームでも、介護スタッフが常駐していない「住宅型」の場合は、外部の事業者と契約して介護保険サービスを受けるため、福祉系サービスの助成も受けられますし、介護手当の対象にもなります。