1面 | 4カ国被爆者が共同行動 |
2面 | 在外被爆者問題でパネルディスカッション 全国相談員研修会 核かくしかじか |
3面 | 「松谷」署名 20万を突破 各地短信 国民運動募金にご協力を |
4面 | 相談のまど |
今年の被団協運動の経験を交流し、新しい前進をはかる「日本被団協全国都道府県代表者会議」が、11月12日午後、東京・港区の芝福祉会館で、100人の参加で開会されました。
伊藤サカエ代表委員の開会あいさつ、藤平典事務局長の「討議のための問題提起」で始まった会は、6月の総会以来「原爆と人間展」パネル577セットを活用しての実相普及、20万人の署名に見られる原爆松谷裁判の広がりを軸とした被団協運動を中間総括するものとなりました。
パネルをスーパーのコンコースに並べて通行人に見てもらった実践、本格的な美術展会場を使ってじっくり見せた経験、カナダ、リトアニアなど外国に贈呈したとりくみなどが報告されました。
原爆松谷裁判では、県被団協の事務局長も知らない被爆者が、1人で15,000人の署名をめざしてがんばっている例、県下の全団体に要請して6万の署名をめざしている経験も発言されました。
原爆被害への国家補償の賛同署名を、2年前に首長に要請したことを忘れずに取りに行ったら用意していたという経験など、多彩な活動が報告され、新たな意気込みを確認し合って、アピールを採択し閉会しました。
13日の中央行動は、韓国、アメリカ、ブラジル、日本の四カ国被爆者の共同行動としてとりくまれました。
午前10時、衆議院第1議員会館で120人が参加して集結集会。各国被爆者代表のあいさつがあってすぐに、「在外被爆に現行法の適用」を要請して、11時から厚生大臣室で宮下創平厚相に要請(紹介は今井澄参院議員)。午後1時には首相官邸で野中広務官房長官に要請しました(紹介は斉藤鉄夫衆院議員)。
厚相は「属地主義できたこれまでの建て前はかえらない」と、従来姿勢との違いはありませんでしたが、官房長官は「厚生省と話し合って検討する」と柔軟な対応をして、期待を持たせました。
厚生省へは、緊急要求署名18,055人分と、原爆犠牲者追悼平和祈念館についての日本被団協要請を渡しました。
各県参加者は地元選出国会議員を訪ねて、国会請願署名10万人分の紹介議員を要請しました。
紹介議員になることを快諾したのは、民主党は松本龍衆院議員ら6氏、公明党は冬芝鐵三幹事長と石田幸四郎顧問、自由党は一川保夫衆院議員、日本共産党は不破哲三委員長ら8氏、社民党は土井たか子党首ら4氏の合計21氏でした。
韓国、アメリカ、ブラジル3カ国の被爆者代表を迎えて、日本被団協が主催する「在外被爆者問題パネルディスカッション」が、11月13日午後、参議院議員会館第1会議室で開かれました。
4カ国被爆者による初のディスカッションとあって、各県被団協代表はじめ政党関係者、市民団体、報道各社など150人が参加しました。
海外代表は、韓国原爆被害者協会の崔日出会長と郭貴勲元会長。アメリカは友沢光男会長と倉本寛司名誉会長。ブラジルは森田隆理事長と森田綾子事務局長の6氏。
日本側から日本被団協の藤平典事務局長と椎名麻沙枝弁護士がパネラーとなりました。
崔会長は、日本の植民地支配と原爆被害で二重に苦しめられた韓国人被爆者の実情を語り、
(1)在日被爆者が受け取った健康管理手当相当額を在韓被爆者2,300人に支給すること
(2)日本政府が韓国赤十字社に渡した40億円の用途を全面的に韓国赤十字にまかせること
(3)在外被爆者に援護法適用を−と要求しました。
友沢会長は、アメリカの被爆者も高齢化で病院通いが増え、医療費負担で苦しんでいるとのべ、法の適用を訴えました。
森田理事長は、被爆者であることを知られたくない人が多く、今年になって初めて名乗り出た人が3人もいたことを明らかにし、せめて健康管理手当が受けられるようにと訴えました。
藤平事務局長は、在外被爆者問題に取り組んできた日本被団協の歴史を語り、椎名弁護士は、援護法には居住地で差別する根拠は何もないことを明らかにし、在外被爆者を除外する厚生省公衆衛生局長通達は廃棄されるべきだとのべました。
大阪地裁に裁判を起こした郭元会長、これを支援する市民の会の市場淳子さん、郭裁判弁護団の金井塚康弘弁護士など会場からの発言も相次ぎ、在外被爆者への健康管理手当の支給を求める共同行動を強めていくことを確認しあいました。
日本被団協の中央行動にあわせて、11月13日、原爆松谷裁判ネットワークの3回目の最高裁要請が行なわれました。
午前8時半から、日本被団協東海ブロックと宮城、新潟、熊本の被爆者や日本生協連の代表など17人が参加して「国の上告を1日も早く棄却してください」のビラを200枚、出勤する最高裁職員に配布しました。
10時からは、松谷英子さんも参加して書記官要請。上告棄却要請の署名114,261人分と、団体署名246通、上申書は被爆者の思いを読み上げながら47通を書記官に手渡しました。
この日までに提出した署名は累計で201,591人分、団体署名711、上申書214通に達しました。 原爆松谷裁判
「原爆松谷裁判ネットワーク」は、松谷裁判の経過、争点、意義などを分かりやすくまとめたパンフレット『3歳5カ月のとき被爆したわたしは… これが原爆松谷裁判です』を発行しました。1部200円。申し込みは日本被団協。送料別。