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私たちは遊びまくった。 コウイチのチケットの手売りを手伝ったり、私のレッスンを見学させたり、 映画を観たり、買い物に付き合わせて……。 夏休みも毎日のように、シーナと一緒にいた。 考えられる全てのところに連れて行って、誰よりも同じ時間を過ごした。 今、一緒にいたいと思ったから。 今しかないって、感じていたんだと思う。 楽しかった夏。 それは二学期が始まって、冬の気配を感じはじめた頃だった。 シーナが変な咳をしていた。 「なんだよシーナ、風邪ひいたのか?」 私は保健室から薬を取ってきて、苦味に顔をしかめるシーナに無理やり飲ませた。 「帰って寝てろよ」 咳の止まらないまま、いつものように私のレッスンに付いて来ようとするシーナを咎めた。 「ヘーキ、だから」 シーナが私の服を掴んで離さない。 「シーナ!帰れ」 数日後に、あるコンクールに出ることになっていた私には時間が欲しかった。 そこで上位に入れば、卒業後すぐに雇うと言っている店があったから。 東京に出てプロになる! これが私と妹の、夢への一歩になるはずだから。 「俺が送るよ」 コウイチが、やんわりシーナを引きはがした。 「俺と一緒に帰ろう、シーナ」 「うん」 シーナは、安心したように笑った。 少し、甘やかしすぎたのかもしれない。 最近のシーナは、必ず私かコウイチに引っ付いている。 少し待っててよ、シーナ。 来月のコンクールが終わるまで。 あと少しだから。 いくら練習しても付き纏う黒い闇に、私は潰れそうだったんだ。 そんな私の状態に気付いたのか、次の日からシーナはおとなしくなった。 無理に引っ付いてくることもない。 帰りは、コウイチが送って行っている。 学校の休み時間も、私は練習していたから。 そのことを、私はずっと先まで悔やむことになる。 NEXT |
