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コウイチは、しばらくアキを見下ろしていた。 「………」 そっと、涙の後を指で拭って、 アキの額にキスを一つおとした。
いい夢が見られるといいけど これ以上深入りするのはお節介ってもんだ。 勝手に洗面所を借りて、手の傷を洗う。 そう深くはないみたいだった。 もう、血も止まっていた。 けれど、痺れる感じが残ってる以上、 しばらくギターは弾けないかもしれない。 「ちえっ」 なんだか、自分がとても滑稽に思えた。
何、やってんだろーな。俺 眠っているアキに、話かける。 「もったいない…」 聞こえるはずはないと、知っているけれど 冗談まじりに、囁いた。 「次は、本気でヤっちゃうぞ」 コウイチは笑った。 あるはずもない二度目の出会いを。 信じたかった自分を。 コウイチは嘲笑った。 NEXT |
