「優しい雨の降る夜に8」
 
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意識を失ったアキが横たわる。
コウイチは、しばらくアキを見下ろしていた。
「………」
そっと、涙の後を指で拭って、
アキの額にキスを一つおとした。

いい夢が見られるといいけど

誰にだって、傷の一つや二つはある。
これ以上深入りするのはお節介ってもんだ。
 
勝手に洗面所を借りて、手の傷を洗う。
そう深くはないみたいだった。
もう、血も止まっていた。
けれど、痺れる感じが残ってる以上、
しばらくギターは弾けないかもしれない。
「ちえっ」
なんだか、自分がとても滑稽に思えた。

何、やってんだろーな。俺

「お前さぁ…もう少しだけ楽に生きらんねーの?」
眠っているアキに、話かける。
「もったいない…」
聞こえるはずはないと、知っているけれど
冗談まじりに、囁いた。
 
「次は、本気でヤっちゃうぞ」
 
コウイチは笑った。
あるはずもない二度目の出会いを。
信じたかった自分を。
 
コウイチは嘲笑った。
 
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アキちゃんとコウちゃんの出会い編です。