「優しい雨の降る夜に3」
 
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「…………」
どちらが先に着いていたのか、
後で考えてもわからなかった。
けれど、気がつけば隣に、彼がいた。
 
嫌だな……
一人になりたかったのに。

いつからいたんだ?
こんな時に……

誰もいない小さな駅の屋根の下で、
無言で並んで、空を見る。
 
「……………………」
「……………………」
「……………………」
 
とうとう堪え切れなくなった彼が、話しかけた。
 
「帰らないの?」
「帰るとこなんてねーよ」
 

それは嘘だった。
言えば泊めてくれる友人くらいいる。

「じゃあ、ウチに来る?」
彼が、さらりと言った。
 
どうせそういう人なんでしょ?
もう、いいよ。どうでもいいから。
僕は、ココにいたくないだけなんだ。
僕を、どこでもいいから連れ出してよ。

コイツもそういう人間だったのか?
それならそれで、
最期に楽しませてもらうか。

「3万で」
が言った。
「いいよ」
が頷いた。
「じゃあ行くか」
「傘は?」
「持ってない」
 
一つの傘に、二人で入る。
はみだした部分が濡れていくけれど、
それを理由に、断れなかった。
 
……断りたくなかった。
 
 
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アキちゃんとコウちゃんの出会い編です。