世田谷区「安全安心条例」(2002年6月制定)は憲法違反


■2002年6月の第2回定例会の重要案件は「安全安心条例」でした。世田谷区が、この条例を作るきっかけとなったのは、オーム真理経(現アレフ)信者の世田谷区へ移住にさいして世田谷区が住民票を拒否。これを信者から訴えられて裁判で負けたためです。区長は、「もはや司法にたよることはできない」として、この条例案を提出しました。

■オーム真理経が犯した犯罪は許すことができません。だからといって、法を超え憲法を犯して、住民票の受理を拒否したり、特定団体の排斥・監視のための「治安条例」をつくることは許されません。

■条例案は無党派市民(木下泰之)、反政党・改革派(下条忠雄)の反対にも係らず、「安全安心条例」は6月議会でほとんど審議らしい審議もなく成立しました。共産党は独自の修正案を提出しましたが、否決されました。オウムを特定したものだけに、区長案以上に違憲性の強いものです。戦前、権力弾圧を受けた経験のある政党であるだけにこの態度は不可解です。

■木下は、世田谷区に対して、オウムに限らずカルト対策についての抜本総合対策を強化することを要求するとともに、憲法違反の住民票受理拒否や同じく憲法違反の「安心安全条例」制定を止めるよう主張してきました。

■オウム事件を思い起こすとき、その真相解明は政府・公安側の秘匿姿勢により闇の部分が多くあります。この闇を解き明かし、オウムサリン事件と同類のことが、二度と起こらないようにすることが重要ではないでしょうか。

■オウム問題に限らず、カルト対策の市民運動は必要と考えます。しかし、行政・警察の丸抱えとなったら危険です。日本は関東大震災での自警団による朝鮮人虐殺や戦時体制を支えた隣組の歴史を持っています。自立した市民社会に根ざした市民運動こそオウムの犯罪やカルトを封じ込める早道です。

[可決された区条例と共産党案]
可決された世田谷区安全安心まちづくり条例

否決された共産党議員提出議案「過去にサリン等を発散させる行為によって無差別大量殺人行為を行った団体の行為による区民生活への被害及び影響の防止等に関する条例」(案)

[審議過程]
世田谷区安全安心まちづくり条例(案)及び共産党案等の区民生活委員会審議の委員長報告(2002年6月20日)

無党派市民(木下泰之);世田谷区安全安心まちづくり条例(案)及び共産党案への反対討論(2002年6月20日)

反政党改革派(下条忠雄);世田谷区安全安心まちづくり条例(案)及び共産党案への反対討論(2002年6月20日)

[関連意見書等審議]
オウム真理教(現アレフ)への政府の取り組み強化を求める意見書(2002年6月20日;区議会HPへのリンク)

オウム真理教(現アレフ)への政府の取り組み強化を求める意見書への「無党派市民」(木下泰之)の反対討論(2002年6月20日)

「公共の福祉」と人権・世田谷連絡会;「世田谷区安全安心まちづくり条例(案)の修正を求める陳情」(2002年6月6日受理;6月14日区民生活委員会付託)

「世田谷区安全安心まちづくり条例(案)の修正を求める陳情」のみなし不採択への「無党派市民」(木下泰之)の反対討論(2002年6月20日)

[無党派市民(木下泰之)のオウム対策についての質疑・意見]
オウム対策について 2001年3月16日予算特別委員会質疑<保健福祉委員会所管>

オウム対策について 2001年3月22日予算特別委員会質疑<文教委員会所管>

オウム対策について・・・該当部分 2002年3月予算特別委員会質疑<企画総務委員会所管>

世田谷区議会議員 木下泰之にご意見をお寄せください。 kinoshita@a.email.ne.jp

Homeへ  ページのトップへ▲


Homeへ

木下泰之 TEL 5355−1283 Email kinoshita@a.email.ne.jp