2001年3月22予算委員会質疑<文教委員会所管>オウム対策について


平成13年  3月 予算特別委員会
平成十三年予算特別委員会
予算特別委員会会議録第七号
日 時  平成十三年三月二十二日(木曜日)
場 所  大会議室




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○新田 委員長 引き続きまして、無党派市民、どうぞ。

◆木下委員 オウムの問題でちょっとお尋ねします。
  オウム対策本部で、教育委員会は今どういう役割をされていますか。

◎小野 教育長 教育委員会におきましても、区長部局の対策本部に入りまして、いわゆる監視等については管理職が交代で勤務を勤めております。

◆木下 委員 児童の就学問題等があると思うんですけれども、それについての対応はどういう方針ですか。

◎小野 教育長 この辺につきましては、やはり保護者の方は大変心配いたしております。したがいまして、当面、教育委員会でとりましたことにつきましては、通学路等の変更、これを直ちに行いました。それから、学校等においても……。

◆木下 委員 委員長、ちょっと趣旨が違うもんですから。

○新田 委員長 答弁中です。

◆木下 委員 ちょっと趣旨の違う答弁ですから。

◎中村 教育次長 オウムの関連の問題につきましては、就学問題については今のところ具体的な形では発生しておりませんけれども、もし就学にかかわる問題が発生すれば、教育委員会として必要な対策はとれるように準備はしてございます。

◆木下 委員 世田谷区としては住民票を拒否したわけですが、裁判所の一審の決定では、それは取り消せという命令が来ているわけですけれども。教育委員会としては、そういう対応については今から準備しておかなければいけないと思うんですけれども、その辺については何か決めたとかいうことはあるんですか、教育委員会で話し合ったということはあるんですか。

◎小野 教育長 教育委員会におきましても、区当局と同じ歩調をとりまして、やはりオウムに関しましては住民の不安とか安全ということを考えまして、就学等につきましては、一応教育委員会としまして就学、いわゆる区域外就学等については保留として、こちらの方では受けないという形で対応しております。

◆木下 委員 それは受けないというパフォーマンスはいいんですけれども、今の日本の憲法の秩序なんか、法律の体系の中では、教育基本法からしても受け入れざるを得ないということになるということはおわかりだと思うんですよね。だから、そういうことに対してどういう対応をとろうとされているのか。つまり、そのことについて何か対応されているんですか。

◎中村 教育次長 まず、就学問題については大きく分けて二つのケースが考えられると思います。一つは、いわゆる世田谷区に住所があって、世田谷区の学校に通いたいという申し出があった場合ですね。これは基本的には世田谷区に住んでおりますので、住民票が受理されているということが前提条件になります。したがいまして、住民票が仮に受理されているとすれば、それに基づいて、就学については教育委員会として必要な手続をとるということになろうかと思います。
 もう一つのケースは、世田谷区に住所がない。つまり、世田谷区以外のところに住所があって、世田谷区の学校に通学をしたいというケースが考えられるわけですね。これはいわゆる区域外就学と呼んでいるわけなんですが、この場合については、教育委員会としては、そういう願い出が出てきた場合には、これは十分慎重に検討して対処する必要があろうかと思いますが、基本的には区の方針に合わせたいというふうに思っております。

◆木下 委員 いや、私が聞いているのは、結局受け入れざるを得なくなった場合に、どういうふうに、つまり、例えばカルトであるとか、オウム真理教の問題について、教育上の配慮から、例えば専門家などを動員して対策をきちっと練っているのかということをお聞きしているんですよ。そういうことはやっているんですか。

◎小野 教育長 先ほど次長がご説明しましたが、まだその事態が起こっていないこともありますが、具体的に専門家を入れてまで対応策はとっておりません。でも、姿勢としては一応拒否するという形で考えております。

◆木下 委員 上祐幹部は、聞くところによりますと世田谷の出身だそうですよね。何か池尻小学校の出身だというようなことを聞くんですが、その辺についてはつかんでいますか。

◎中村 教育次長 そういう話で私も聞いておりますけれども、確認したという意味での確認行為はしておりません。

◆木下 委員 オウムの問題というのは、何もつい最近始まったことではないわけですよ。少なくとも世田谷に本部が置かれたこともあるし、それから、上祐幹部が育ったところでもあるわけですよ。小学校、中学校と育っていって、例えばどういう教育環境であったのかということを調べてみることも必要だろうと思うんですね。少なくとも、オウムの対策ということは極めて特殊なケースでもありますけれども、ある意味でカルトという意味では、極めて普遍的な課題を持っていると思うんですよ。

 そういうものとしてきちっととらえて危機管理をするというのであれば、どういうふうに対策をとっていくかということについて、つまり、オウムの関係者の児童、それから普通の児童が一緒に通わなきゃいけない事態だって想定されるわけですよ。そういうことに対してどういう対策をとっていくのか。そういうことについてきちっと今からやっておくことがある意味で危機管理だと思うし、それから、何もオウムだけの問題ではなくて、カルトの問題については、やはりきちっとした対応を教師ができるようにしておかないといけないと思うんですよ。その辺については何かやるつもりはないんですか。


◎水間 助役 ご指摘の点はもっともだと思います。私どもも、これからはいろいろ各論に入りまして、過去に自治体がいろんなところで経験してきたこと、被害に遭った方、あるいは付近住民、こういった過去に既に経験されたそういった方々の経験等もこれはぜひ地元で話していただいたり、私どもがお聞きしたりして、具体的なそういった詳細の対応を今後詰めていくということが、今後、あそこでは集団の生活ということが長期間予想されますので、そういった点も万全にやっていきたいと思っております。


◆木下 委員 いや、私が危惧しているのは、つまり、上祐も育ったわけですよ。それで、少なくともああいう特殊な物の考え方になって、ああいうカルトに染まっていったわけですよね。だから、私がこの前、保健福祉のところでも申し上げたけれども、あなたの息子さんがそうならないという保証はないんですよということを申し上げた。つまり、極めて普遍的な問題を持っているんですよ。

 例えば、新世紀エヴァンゲリオンというはやったアニメ漫画がありますよ。オウムが割とそれを利用したりもして、例えばアレフという名前は、中で出てくるネルフという特務機関の名前を連想させるような名前をつけているわけですよ。そういった意味では、日本がかつて、戦前、国家カルトだったということも申し上げましたけれども、つまり、カルトに対する物の考え方、そういうことについてきちんと検証して、どうやったらそういう子どもに育てないかということも含めて、あるいは脱会してきた人たちをどういうふうに教育的に配慮してやっていくのかとか、そういう問題を今からきちっと研究し、それでいつでも対応できるようにしていくのが本当の意味での危機管理だと思いますので、そういう面できちっとやっていただくことを要望して、私の質問を終わります。


○新田 委員長 以上で無党派市民の質疑は終わりました。

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