A(P,Q)の形成木の各ステップで認定したP,Qから帰納的に定義される論理式の真理値を、
順次確定していくことによって、
[作業]
論理式A(P,Q) の真理値表を書き出す作業
すなわち、《命題変数Pの真偽,命題変数Qの真偽の組み合わせ》の各々(付値)(22通り)に対応する《論理式A(P,Q)の真偽》を書き出す作業
のこと。
【真理値分析の手順】
・命題変数P,Qを含む論理式A(P,Q) についての真理値分析の詳細は、
下記の通り。
[手順1]
A(P,Q)の形成木
すなわち、
論理式A(P,Q)が「P,Qから帰納的に定義される論理式」に認定されるプロセスを、
P,Qの認定ステップから、
A(P,Q)そのものの認定ステップまで、
再現してたどり直し、
各ステップで認定した「P,Qから帰納的に定義される論理式」に認定されるプロセスを特定した履歴
を作成。
[手順2]
《命題変数Pの真偽,命題変数Qの真偽の組み合わせ》の各々(付値)に対する、
A(P,Q)の形成木の各ステップで認定したP,Qから帰納的に定義される論理式の真理値を、
P,Qの認定ステップから、
A(P,Q)そのものの認定ステップまで、
順次各ステップごとに、
論理式の真理値の決定原理に従って確定していく
[手順3]
結果を真理値表にまとめる。
【真理値分析の例】
→ 【例】 論理式「P∧Q」の真理値分析
→ 【例】 論理式「P∨Q」の真理値分析
→ 【例】 論理式「P⇒Q」の真理値分析
【例2】論理式 (P∧Q)⇒(P∨Q) についての真理値分析
[手順1] 論理式 (P∧Q)⇒(P∨Q) の形成木を作成
(step1) P,Q の各々を、 P,Qから帰納的に定義される論理式に認定。
(step2) P∧Q 、P∨Q を、P,Qから帰納的に定義される論理式に認定。
(step3) (P∧Q)⇒(P∨Q) を、P,Qから帰納的に定義される論理式に認定。
[手順2] 《命題変数P,Qに与えた真理値の組み合わせ》の各々(付値)に対する、
P∨Q の形成木の各ステップで認定したP,Qから帰納的に定義される論理式の真理値を、
論理式の真理値の決定原理に従って確定。
(step1) [付値1] 命題変数P,Qに与えた真理値の組み合わせ「真-真」に対して、
Pの真理値は、論理式の真理値の決定原理(1)より、「真」。
Qの真理値は、論理式の真理値の決定原理(1)より、「真」。
[付値2] 命題変数P,Qに与えた真理値の組み合わせ「真-偽」に対して、
Pの真理値は、論理式の真理値の決定原理(1)より、「真」。
Qの真理値は、論理式の真理値の決定原理(1)より、「偽」。
[付値3] 命題変数P,Qに与えた真理値の組み合わせ「偽-真」に対して、
Pの真理値は、論理式の真理値の決定原理(1)より、「偽」。
Qの真理値は、論理式の真理値の決定原理(1)より、「真」。
[付値4] 命題変数P,Qに与えた真理値の組み合わせ「偽-偽」に対して、
Pの真理値は、論理式の真理値の決定原理(1)より、「偽」。
Qの真理値は、論理式の真理値の決定原理(1)より、「偽」。
(step2) [付値1] 命題変数P,Qに与えた真理値の組み合わせ「真-真」に対して、
P∧Qの真理値は、(step1)と論理式の真理値の決定原理(2-2)より、「真」。
P∨Qの真理値は、(step1)と論理式の真理値の決定原理(2-3)より、「真」。
[付値2] 命題変数P,Qに与えた真理値の組み合わせ「真-偽」に対して、
P∧Qの真理値は、(step1)と論理式の真理値の決定原理(2-2)より、「偽」。
P∨Qの真理値は、(step1)と論理式の真理値の決定原理(2-3)より、「真」。
[付値3] 命題変数P,Qに与えた真理値の組み合わせ「偽-真」に対して、
P∧Qの真理値は、(step1)と論理式の真理値の決定原理(2-2)より、「偽」。
P∨Qの真理値は、(step1)と論理式の真理値の決定原理(2-3)より、「真」。
[付値4] 命題変数P,Qに与えた真理値の組み合わせ「偽-偽」に対して、
P∧Qの真理値は、(step1)と論理式の真理値の決定原理(2-2)より、「偽」。
P∨Qの真理値は、(step1)と論理式の真理値の決定原理(2-3)より、「偽」。
(step3) [付値1] 命題変数P,Qに与えた真理値の組み合わせ「真-真」に対して、
(P∧Q)⇒(P∨Q)の真理値は、(step2)と論理式の真理値の決定原理(2-4)より、「真」。
[付値2] 命題変数P,Qに与えた真理値の組み合わせ「真-偽」に対して、
(P∧Q)⇒(P∨Q)の真理値は、(step2)と論理式の真理値の決定原理(2-4)より、「真」。
[付値3] 命題変数P,Qに与えた真理値の組み合わせ「偽-真」に対して、
(P∧Q)⇒(P∨Q)の真理値は、(step2)と論理式の真理値の決定原理(2-4)より、「真」。
[付値4] 命題変数P,Qに与えた真理値の組み合わせ「偽-偽」に対して、
(P∧Q)⇒(P∨Q)の真理値は、(step2)と論理式の真理値の決定原理(2-4)より、「真」。
[手順3]
結果を真理値表にまとめる。
※このように、すべての付値に対して、真理値が真となる論理式を恒真命題という。
【例3】論理式 ((P∨Q)⇒(P∧Q))⇒P