論理から集合へ  


【基本】


 
 命題関数P(x)の真理集合 
 命題関数P(x,y)の真理集合   
 命題関数P(x1,…,xn)の真理集合   
 命題関数P(x)の集合表現 
 命題関数P(x,y)の集合表現 
 命題関数P(x1,…,xn)の集合表現 

【述語・命題関数を論理演算で組み合わせた述語・命題関数】



 命題関数  ¬P(x)の真理集合  
 命題関数P(x)Q(x)の真理集合 
 命題関数P(x)Q(x)の真理集合 
 命題関数P(x)Q(x)の真理集合
 命題関数P(x)Q(x)の真理集合   
 命題関数  ¬P(x)の集合表現 
 命題関数P(x)Q(x)の集合表現 
 命題関数P(x)Q(x)の集合表現 
 命題関数P(x)Q(x)の集合表現 
 命題関数P(x)Q(x)の集合表現 

【述語・命題関数の量化】


     命題関数の普遍量化 ∀x P(x)の集合表現  
     命題関数の否定と量化
         全否定「∀x∈Ω ¬P(x)」 「¬ (∃x∈Ω P(x) )」の集合表現 
         部分否定の集合表現 
     述語・命題関数の普遍量化 ∀x (P(x)Q(x))の集合表現  
     述語・命題関数の普遍量化 ∀x (P(x)Q(x))の集合表現   

【関連ページ】


 ・集合/述語・命題関数 
 ・集合から論理へ 

集合論目次総目次
 

定義:n項述語・n変数命題関数の真理集合・外延







【関連】
 ・一項述語・1変数命題関数の真理集合
 ・二項述語・2変数命題関数の真理集合

【文献】

 ・本橋『新しい論理序説』2.3(pp.30-31)「これまでは一つの変数に関する条件しか考えなかったが、二つ以上の条件についても同様にその真理集合を考えることが出来る」


 ・中谷『論理』6.2(p.139)「3変数以上の命題関数の真理集合とそれを外延化したグラフも同様に考えることが出来る」  

【定義】


【ざっくり】

 n項間の関係・条件P真理集合外延 とは、

 n項間の関係・条件Pを満たすnをすべてあつめた集合のこと。 


【きっちり】

 n項間の関係・条件P真理集合外延とは、

 x1, x2, …, xnに代入されることで、
     n変項命題関数・n項述語「x1, x2, …, xnの関係にある」「x1, x2, …, xnは〜という条件を満たす」
 を真の命題にする対象n個の組

 すべてあつめた集合のこと。 
 
    
【かっちり】

 変項x1の議論領域X1 , 変項x2の議論領域X2 , … ,  変項xnの議論領域Xn とするn項述語・n変数命題関数P( x1 , x2, … , xn )真理集合外延extensionとは、

 「『変項x1の議論領域X1から選んだ対象』と『変項x2の議論領域X2から選んだ対象』と…と 『変項xnの議論領域Xn から選んだ対象』のをすべてあつめた集合」
   X1×X2×…×Xn 
 から 

 x1, x2, …, xnに代入されると、P( x1 , x2, … , xn )を真にするを、

 すべてあつめた集合のこと。

   
【記法】

 ・ 「 X1, X2, …, Xn議論領域とするn変項命題関数n項述語 P( x1 , x2, … , xn )真理集合 」 を、

   { ( x1 , x2 , … , xn ) X1×X2×…×Xn | P( x1 , x2, … , xn ) } 

  と表す。  [中谷『論理』6.2(pp.137-8)]
      
 ・略して、「関係・条件P真理集合」 { ( x1 , x2 , … , xn ) | P( x1 , x2, … , xn ) } 。


【解説】


 ・「『変項x1の議論領域X1から選んだ対象』と『変項x2の議論領域X2から選んだ対象』と…と 『変項xnの議論領域Xn から選んだ対象』のをすべてあつめた集合」
   X1×X2×…×Xn 
  から 
  どのをとってきて変項x1, x2, …, xnに代入するか
  に応じて
  n変項命題関数n項述語 P( x1 , x2, … , xn ) が表す命題は、定まる[→述語・命題関数の定義]。

 ・古典論理のなかで設定された命題は、
  命題の真偽が、真か偽のいずれか一方に定まる(ように設定された)
  [→古典論理-排中律]。

 ・だから、
  「『変項x1の議論領域X1から選んだ対象』と『変項x2の議論領域X2から選んだ対象』と…と 『変項xnの議論領域Xn から選んだ対象』のをすべてあつめた集合」
   X1×X2×…×Xn 
  から 
  どのをとってきて変項x1, x2, …, xnに代入するか
  に応じて、
  n変項命題関数n項述語 P( x1 , x2, … , xn )は、
   《偽の命題》
   《真の命題》
  のいずれか一方に定まる。

 ・ということは、
  x1, x2, …, xnに代入されるは、
   type1:「x1, x2, …, xnに代入されると、P( x1 , x2, … , xn )を《偽の命題》にする」  
   type2:「x1, x2, …, xnに代入されると、P( x1 , x2, … , xn )を《真の命題》にする」   
  の二種類に分けられる。

 ・もっというと、
  x1, x2, …, xnに代入するをとってくるX1×X2×…×Xnという集合には、
   type1:「x1, x2, …, xnに代入されると、P( x1 , x2, … , xn )を《偽の命題》にする」  
   type2:「x1, x2, …, xnに代入されると、P( x1 , x2, … , xn )を《真の命題》にする」 
  の二種類のが属していることになる。
 
 ・x1, x2, …, xnに代入するをとってくるX1×X2×…×Xnという集合から、
   type1:「x1, x2, …, xnに代入されると、P( x1 , x2, … , xn )を《偽の命題》にする」  
  をすべて排除して、
  x1, x2, …, xnに代入するをとってくるX1×X2×…×Xnという集合に属している 
   type2:「x1, x2, …, xnに代入されると、P( x1 , x2, … , xn )を《真の命題》にする」 
  のみをすべて集めてきた集合が、
  n変項命題関数n項述語 P( x1 , x2, … , xn )真理集合外延 { ( x1 , x2 , … , xn ) X1×X2×…×Xn | P( x1 , x2, … , xn ) }  略して、 { { ( x1 , x2 , … , xn ) | P( x1 , x2, … , xn ) }  
  に他ならない。


【一項述語・1変数命題関数の真理集合との関連】

n変項命題関数n項述語真理集合の定義は、
 以下の手順にしたがって、 
 一項述語・1変数命題関数真理集合の定義から得られる。
 だから、
 n変項命題関数n項述語真理集合の定義は、
 一項述語・1変数命題関数真理集合の定義の枠内にある
 といえる。

 step1: n変項命題関数n項述語一項述語・1変数命題関数で表現し直す。    
     ・P(x1,x2,…,xn)の議論領域直積X1×X2×…×Xnを集合Ωで表し、
      n組(x1,x2,…,xn)ζで表すことにする。
     ・すると、
        X1, X2, …, Xn議論領域とするn変項命題関数n項述語 P( x1 , x2, … , xn ) は、
       集合Ω議論領域とする一項述語・1変数命題関数Ψ(ζ) 
       と表現しなおせる。  

 step2: 一項述語・1変数命題関数真理集合をつくる。
     ・集合Ω議論領域とする一項述語・1変数命題関数Ψ(ζ)真理集合をとる。
     ・これは、  { ζΩ| Ψ(ζ) }  

 step3: 一項述語・1変数命題関数n変項命題関数n項述語に戻してみる。
    ・ΩとはX1×X2×…×Xnを指す記号だった。
     ζとは(x1,x2,…,xn)を指す記号だった。
     Ψ(ζ)とはP( x1 , x2, … , xn )を指す記号だった。
    ・このことから、
     「Ω議論領域とするΨ(ζ)真理集合」  { ζΩ| Ψ(ζ) } 
     を、
     「X1×X2×…×Xn議論領域とするP( x1 , x2, … , xn )真理集合」  { ( x1 , x2 , … , xn ) X1×X2×…×Xn | P( x1 , x2, … , xn ) }  
     に戻せる。

    ・よって、
     一項述語・1変数命題関数Ψ(ζ)真理集合の定義に従った「X1×X2×…×Xn議論領域とするn変項命題関数n項述語P( x1 , x2, … , xn )真理集合」の定義
         { ( x1 , x2 , … , xn ) X1×X2×…×Xn | P( x1 , x2, … , xn ) }  
     が得られたことになる。 
     [この点は、自力]    



トピック一覧:論理から集合へ 
集合論目次総目次


定義:n項述語・n変数命題関数のグラフ







[文献]


 ・中谷『論理』6.2(p.139)「3変数以上の命題関数の真理集合とそれを外延化したグラフも同様に考えることが出来る」  

【定義】


【ざっくり】

 n項間の関係・条件Pグラフとは、
  x1, x2, …, xnは〜という関係・条件を満たす」真理集合外延的表現のこと。  
  
【きっちり】

 変項x1の議論領域X1 , 変項x2の議論領域X2 , … ,  変項xnの議論領域Xn とするn項述語・n変数命題関数P( x1 , x2, … , xn )グラフgraphとは、
 P( x1 , x2, … , xn ) の真理集合 {  ( x1 , x2 , … , xn ) X1×X2×…×Xn | P( x1 , x2, … , xn ) }外延的表現のこと。   

【具体例】







トピック一覧:論理から集合へ 
集合論目次総目次

定義:集合の内包・意味

 文献調査中。
 「集合から論理へ」の枠内に入れる予定。
 直積X×Yの部分集合の内包、ということになるのか。
 外延的に表現された集合であるグラフにも、内包が存在する、とするといいのかな。グラフの内包。



トピック一覧:論理から集合へ 
集合論目次総目次

定義:n項述語・n変数命題関数の集合表現 







【関連】
 ・命題関数P(x)の集合表現/2変項命題関数P(x,y)の集合表現   
【文献】


 ・前原『数学基礎論入門』(p.78)「変数の個数が3以上の場合にも、公式5.7や公式5.8と同様な公式が成立する」 

 (1) 以下の二表現は、同一のことがらを表すので、互いに言い換えてよい。


  【表現1:】

     変項x1の議論領域X1,変項x2の議論領域X2,…,変項xnの議論領域Xnとするn項述語・n変数命題関数に、
     a1 , a2, … , anを代入してつくった命題         
      P( a1 , a2, … , an )     「( a1 , a2 , … , an )関係・条件Pを満たす
      

  【表現2】

     ( a1 , a2 , … , an ) {  ( x1 , x2 , … , xn ) X1×X2×…×Xn | P( x1 , x2, … , xn ) }  「( a1 , a2 , … , an )《関係・条件Pを満たすn組を全部あつめた集合》に属す」「( a1 , a2 , … , an )《関係・条件Pの真理集合》に属す

 

   【なぜ?】

     真理集合の定義より。
 
   
 (2) G {  ( x1 , x2 , … , xn ) X1×X2×…×Xn | P( x1 , x2, … , xn ) } のとき(X1×X2×…×Xn部分集合Gの内包が関係・条件Pであると き)、
   以下の二表現は、同一のことがらを表すので、互いに言い換えてよい。

  【表現1】

     変項x1の議論領域X1,変項x2の議論領域X2,…,変項xnの議論領域Xnとするn項述語・n変数命題関数に、a1 , a2, … , anを代入してつくった命題         
      P( a1 , a2, … , an )     「( a1 , a2 , … , an )関係・条件Pを満たす

  【表現2】
        ( a1 , a2 , … , an )G      「( a1 , a2 , … , an )集合Gに属す」「( a1 , a2 , … , an )集合Gに属す」 



   【なぜ?】

     G{  ( x1 , x2 , … , xn ) X1×X2×…×Xn | P( x1 , x2, … , xn ) } ののときを考えるということで、(1)の {  ( x1 , x2 , … , xn ) X1×X2×…×Xn | P( x1 , x2, … , xn ) } のをGに置き換えただけの話。

 (3) P( a1 , a2, … , an )グラフGで表すとき、  
  以下の二表現は、同一のことがらを表すので、互いに言い換えてよい。

  【表現1】

     変項x1の議論領域X1,変項x2の議論領域X2,…,変項xnの議論領域Xnとするn項述語・n変数命題関数に、a1 , a2, … , anを代入してつくった命題         
      P( a1 , a2, … , an )     「( a1 , a2 , … , an )関係・条件Pを満たす

  【表現2】

      ( a1 , a2 , … , an )G   「( a1 , a2 , … , an )関係Pのグラフに属す」「( a1 , a2 , … , an )条件Pのグラフに属す」 


 ※活用例:¬P(a)aの元ではない { x∈Ω | P(x) }   









トピック一覧:論理から集合へ 
集合論目次総目次