論理から集合へ  


【基本】


 
 命題関数P(x)の真理集合 
 命題関数P(x,y)の真理集合  
 命題関数P(x1,…,xn)の真理集合  
 命題関数P(x)の集合表現 
 命題関数P(x,y)の集合表現  
 命題関数P(x1,…,xn)の集合表現 

【述語・命題関数を論理演算で組み合わせた述語・命題関数】



 命題関数  ¬P(x)の真理集合  
 命題関数P(x)Q(x)の真理集合 
 命題関数P(x)Q(x)の真理集合 
 命題関数P(x)Q(x)の真理集合
 命題関数P(x)Q(x)の真理集合   
 命題関数  ¬P(x)の集合表現 
 命題関数P(x)Q(x)の集合表現 
 命題関数P(x)Q(x)の集合表現 
 命題関数P(x)Q(x)の集合表現 
 命題関数P(x)Q(x)の集合表現 

【述語・命題関数の量化】


     命題関数の普遍量化 ∀x P(x)の集合表現  
     命題関数の否定と量化
         全否定「∀x∈Ω ¬P(x)」 「¬ (∃x∈Ω P(x) )」の集合表現 
         部分否定の集合表現 
     述語・命題関数の普遍量化 ∀x (P(x)Q(x))の集合表現  
     述語・命題関数の普遍量化 ∀x (P(x)Q(x))の集合表現   

【関連ページ】


 ・集合/述語・命題関数 
 ・集合から論理へ 

集合論目次総目次
 

定義:2項述語・2変数命題関数の真理集合・外延







【関連】
 ・一項述語・1変数命題関数の真理集合/n項述語・n変数命題関数の真理集合 
【文献】
 ・前原『数学基礎論入門』(p.77)
 ・本橋『新しい論理序説』2.3問題4(p.31;p.35):変数ごとに。


 ・中谷『論理』6.2(pp.137-8)  

【定義】


【ざっくり】

 関係・条件P真理集合外延 とは、

 関係・条件Pを満たすペアをすべてあつめた集合のこと。 


【きっちり】

 関係・条件P真理集合外延とは、

 x,yに代入されることで、2項述語・2変数命題関数「x,yは関係Pにある」「x,yは条件Pを満たす」を真の命題にする対象のペア

 すべてあつめた集合のこと。 
 
    
【かっちり】

 変項xの議論領域X, 変項yの議論領域Yとする二項述語・2変数命題関数P(x,y)真理集合外延extensionとは、

 「『変項xの議論領域Xから選んだ対象』と『変項yの議論領域Yから選んだ対象』の順序対をすべてあつめた集合」X×Yから 

  x,yに代入されると、P(x,y)を真にする順序対を、

  すべてあつめた集合のこと。

   
【記法】

 ・「変項xの議論領域X,変項yの議論領域Yにおける二項述語・2変数命題関数P(x,y)真理集合」を、

   { (x,y)X×Y | P(x,y) } 

  と表す。  [中谷『論理』6.2(pp.137-8)]
      
 ・略して、「関係・条件P真理集合」 { (x,y) | P(x,y) } 。


【解説】


 ・「『変項xの議論領域Xから選んだ対象』と『変項yの議論領域Yから選んだ対象』のペアをすべてあつめた集合」X×Yから、
  どのペアをとってきて変項x,yに代入するか
  に応じて
  二項述語・2変数命題関数P(x,y)が表す命題は、定まる[→述語・命題関数の定義]。

 ・古典論理のなかで設定された命題は、
  命題の真偽が、真か偽のいずれか一方に定まる(ように設定された)
  [→古典論理-排中律]。

 ・だから、
  「『変項xの議論領域Xから選んだ対象』と『変項yの議論領域Yから選んだ対象』のペアをすべてあつめた集合」X×Yから、
  どのペアをとってきて変項x,yに代入するか
  に応じて、
  二項述語・2変数命題関数P(x,y)は、
   《偽の命題》
   《真の命題》
  のいずれか一方に定まる。

 ・ということは、
  x,yに代入されるペアは、
   type1:「x,yに代入されると、P(x,y)を《偽の命題》にする」ペア  
   type2:「x,yに代入されると、P(x,y)を《真の命題》にする」ペア   
  の二種類に分けられる。

 ・もっというと、
  x,yに代入するペアをとってくる「『変項xの議論領域Xから選んだ対象』と『変項yの議論領域Yから選んだ対象』のペアをすべてあつめた集合」X×Yには、
   type1:「x,yに代入されると、P(x,y)を《偽の命題》にする」ペア 
   type2:「x,yに代入されると、P(x,y)を《真の命題》にする」ペア 
  の二種類のペアが属していることになる。
 
 ・x,yに代入するペアをとってくる「『変項xの議論領域Xから選んだ対象』と『変項yの議論領域Yから選んだ対象』のペアをすべてあつめた集合」X×Yから、
   type1:「x,yに代入されると、P(x,y)を《偽の命題》にする」ペア 
  をすべて排除して、
  x,yに代入するペアをとってくる「『変項xの議論領域Xから選んだ対象』と『変項yの議論領域Yから選んだ対象』のペアをすべてあつめた集合」X×Yに属している
   type2:「x,yに代入されると、P(x,y)を《真の命題》にする」ペア 
  のみをすべて集めてきた集合が、
  二項述語・2変数命題関数P(x,y)真理集合外延 { (x,y)X×Y | P(x,y) } 略して、 { (x,y) | P(x,y) } 
  に他ならない。


【一項述語・1変数命題関数の真理集合との関連】

二項述語・2変数命題関数真理集合の定義は、
 以下の手順にしたがって、 
 一項述語・1変数命題関数真理集合の定義から得られる。
 だから、
 二項述語・2変数命題関数真理集合の定義は、
 一項述語・1変数命題関数真理集合の定義の枠内にある
 といえる。

 step1: 二項述語・2変数命題関数一項述語・1変数命題関数で表現し直す。    
     ・P(x,y)の議論領域直積X×Yを集合Ωで表し、
      順序対(x,y)ζで表すことにする。
     ・すると、
       変項xの議論領域X, 変項yの議論領域Yとする二項述語・2変数命題関数P(x,y)は、
       集合Ω議論領域とする一項述語・1変数命題関数Ψ(ζ) 
       と表現しなおせる。  

 step2: 一項述語・1変数命題関数真理集合をつくる。
     ・集合Ω議論領域とする一項述語・1変数命題関数Ψ(ζ)真理集合をとる。
     ・これは、  { ζΩ| Ψ(ζ) }  

 step3: 一項述語・1変数命題関数二項述語・2変数命題関数に戻してみる。
    ・ΩとはX×Yを指す記号だった。
     ζとは(x,y)を指す記号だった。
     Ψ(ζ)とはP(x,y)を指す記号だった。
    ・このことから、
     「Ω議論領域とするΨ(ζ)真理集合」  { ζΩ| Ψ(ζ) } 
     を、
     「X×Y議論領域とするP(x,y)真理集合」  { (x,y)X×Y | P(x,y) } 
     に戻せる。

    ・よって、
     一項述語・1変数命題関数Ψ(ζ)真理集合の定義に従った「X×Y議論領域とする二項述語・2変数命題関数P(x,y)真理集合」の定義
        { (x,y)X×Y | P(x,y) }
     が得られたことになる。 
     [この点は、自力]    



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定義:二項述語・2変数命題関数のグラフ







[文献]


 ・中谷『論理』6.2(pp.138-9)  

【定義】


【ざっくり】

 関係・条件Pグラフとは、
  x,yは関係Pにある」「x,yは条件Pを満たす」真理集合外延的表現のこと。  
  
【きっちり】

 変項xの議論領域X, 変項yの議論領域Yとする二項述語・2変数命題関数P(x,y)グラフgraphとは、
   P(x,y)の真理集合 { (x,y)X×Y | P(x,y) }外延的表現のこと。   

【具体例】







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定義:集合の内包・意味

 文献調査中。
 「集合から論理へ」の枠内に入れる予定。
 直積X×Yの部分集合の内包、ということになるのか。
 外延的に表現された集合であるグラフにも、内包が存在する、とするといいのかな。グラフの内包。



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定義:二項述語・2変数命題関数の集合表現 







【関連】
 ・命題関数P(x)の集合表現 / n項述語・n変数命題関数の集合表現  
【文献】


 ・前原『数学基礎論入門』(p.77) 


 (1) 以下の二表現は、同一のことがらを表すので、互いに言い換えてよい。


  【表現1:X,Yを議論領域とする述語・命題関数P(x,y)a,bを代入してつくった命題P(a,b)

     P(a,b)        a,bは関係Pにある」「a,bは条件Pを満たす」

  【表現2】

     (a,b) { (x,y)X×Y | P(x,y) } 「(a,b)《関係・条件Pを 満たすペアを全部あつめた集合》に属す」「(a,b)《関係・条件Pの真理集合》に属す

 

   【なぜ?】

     真理集合の定義より。
 
   
 (2) G{ (x,y)X×Y | P(x,y) }のとき(X×Y部分集合Gの内包が関係・条件Pであると き)、
   以下の二表現は、同一のことがらを表すので、互いに言い換えてよい。

  【表現1:X,Yを議論領域とする述語・命題関数P(x,y)a,bを代入してつくった命題P(a,b)

     P(a,b)        a,bは関係Pにある」「a,bは条件Pを満たす」

  【表現2】
        (a,b)G      「(a,b)集合Gに属す」「(a,b)集合Gに属す」 



   【なぜ?】

     G{ (x,y)X×Y | P(x,y) }のときを考えるということで、(1)の{ (x,y)X×Y | P(x,y) }Gに置き換えただけの話。

 (3) P(a,b)グラフGで表すとき、  
  以下の二表現は、同一のことがらを表すので、互いに言い換えてよい。

  【表現1:X,Yを議論領域とする述語・命題関数P(x,y)a,bを代入してつくった命題P(a,b)

     P(a,b)        a,bは関係Pにある」「a,bは条件Pを満たす」

  【表現2】

     (a,b)G      「(a,b)関係Pのグラフに属す」「(a,b)条件Pのグラフに属す」 


 ※活用例:¬P(a)aの元ではない { x∈Ω | P(x) }   









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