尾瀬の花 コース案内065
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 尾瀬沼:三平下起点 


065三平下〜三平峠〜三平見晴〜岩清水〜一ノ瀬休憩所〜大清水

このコースの見所・撮影ポイントは、

一ノ瀬〜冬路沢の間の
片品川清流・滝
三平見晴〜大岩からの
荷鞍山・白尾山などの光景
三平峠手前の
1/fのゆらぎの木道
三平峠から三平峠に降りる途中からの
尾瀬沼の光景、特に檜の突き出しの光景

大清水〜一ノ瀬休憩所のツルニンジン、ジャコウソウ
一ノ瀬休憩所〜冬路沢橋のミゾホオヅキ、コケイラン、ツバメオモト、オオバタケシマラン
冬路沢橋〜三平峠のウスバサイシン、ヤナギラン、ヤマオダマキ、エゾアジサイ
三平峠〜三平下のモミジカラマツ、キヌガサソウ、ギンリョウソウ

公衆トイレは、起点の大清水、途中の一ノ瀬休憩所、終点の三平下にあります。
水場は、水道が起点の大清水、途中の一ノ瀬休憩所、終点の三平下に、尾瀬有数の湧き水:岩清水、一ノ瀬清水など多数あります。
ベンチは、途中の一ノ瀬休憩所前、冬路沢橋〜岩清水、岩清水前、十二曲がり下、三平峠、終点の三平下にあります。

三平下には尾瀬でも一二を争う数のベンチがあり、シーズンには賑わっていますが、ちょっと時期が外れると誰もベンチに居ないこともあります。

左:休憩所、右:尾瀬沼山荘

上の画像は尾瀬沼を背にして撮っていますが、休憩所の手前を左に行くと長蔵小屋のある尾瀬沼東岸に、尾瀬沼山荘の手前を右に行くと尾瀬沼南岸道(沼尻〜三平下)を通って沼尻に行けます。

上の画像の左:休憩所、右:尾瀬沼山荘の間を直進すると、三平峠への入下山者カウンターがあり、

中央左が入下山者カウンター

ここ三平下の標高は約1,670m、途中の三平峠は1,762m、終点の大清水は1,180mと、相当に標高差のある尾瀬有数のコースです。

最初は針葉樹の深い森の中を進む緩やかな上りですが、やがて右手にグイと曲がる沢の個所から急登が始まりますが、その沢の上流部・下流部には6月下旬には尾瀬では滅多に目にできないキヌガサソウの花が見られ、運が良い年には木道の直ぐ横に花が咲きます。

木道から遠いキヌガサソウ

右に曲がって進むと面白いように高度が上がり、やがて右手を望むと後にしてきた尾瀬沼が見え

尾瀬沼

そこから更に急なコースとなり、

5月25日でも雪深い個所

5月末でも残雪が深くてスニーカーではスリップする最後の急坂に進みますが、そこを越えると、さしもの急坂も終わり、やがて三平峠の看板とベンチが見えてきます。

三平峠の看板とベンチ

尾瀬には幾つかの峠がありますが、車で直接に乗りつける鳩待峠を除いて三平峠が一番、看板とベンチの立派な峠です。しかし他の尾瀬の峠と同様に、峠からの眺望は全く望めません。

三平峠を越えると今までの急坂とは違って緩やかな下りのコースとなり、木道のうねりが心地よく見える“1/fのゆらぎの木道”となり、暫くは緩やかな下り木道を進みますが、

1/fのゆらぎの木道

やがて岩畳が始まり、また木道となり、再度岩畳が出てきて、また木道となり、三回目の岩畳が終わって木道が始まると、やがて三平見晴に出て、正面に白尾山が見えてきます。

ぼんやりと白尾山

白尾山の標高は2003mあり、2003年には登る人が多かったようですが、いつもは訪れる人が殆ど居ない寂しい山です。三平見晴から見ると山ですが、白尾山は頂上直下を皿伏新道が通っていて、実際にそこを歩くと山といった感じのしない所ですが、ベンチが一ヶ所設けられていて、そこから望む尾瀬沼・日光連山の光景は素晴らしいものです。

白尾山は訪れる人が少ないだけではなく、ここ三平見晴を除けば沼山峠展望台付近から僅かに頂上部が見えるだけで、他からは白尾山が見えないという珍しい山でもあります。


やがて右手に特徴のある岩が見えてきて、正面には更に大きく白尾山が見えてきます。三平峠から、この辺りまでの木道脇には、エゾアジサイ、ヤマブキショウマ、ソバナなどが目立ちます。

特徴のある岩の個所

上の画像の特徴のある岩の個所で右カーブした木道からは、荷鞍山白尾山が並んで見えますが、

荷鞍山と白尾山

見晴大岩の個所から急な下りが始まり、白尾山は再び目にすることは出来なくなります。この辺りではトリガタハンショウヅル、アカモノ、ホツツジなどを目にします。

見晴大岩から急な下り開始

見晴大岩からの急激な下り:十二曲りの両脇には、タムシバ、ムラサキヤシオツツジ、イワナシ、オヤマボクチなどを目にします。つづら折の十二曲りで一気に標高を下げていくと下の方に、広場とベンチが見えてきますが、ここが国道工事中断地点の十二曲り下です。

十二曲り下とベンチ

十二曲り下付近には、ヤナギラン、ヤマオダマキ、ススキ、アブラガヤなどを目にします。少し下って先に進むと右手に岩清水、右手にベンチが見えてきます。

岩清水

以前は洞窟のようになっていた岩清水の湧水個所、洞窟が埋められて塩ビのパイプが設置されていて、以前よりは汲みやすくなっていました。

木道・階段状木道・岩畳などを歩いて行く右手の斜面にはウスバサイシンの大群落がありますから、注意して見つけて下さい。やがて一ノ瀬休憩所脇のベンチを除いて、大清水までの最後のベンチとなる個所が左手に見えてきて、

振り返って撮影

そこから更に降りて行くと前方に、冬路沢に架かる冬路沢橋が見えてきます。

左隅:冬路沢橋

冬路沢橋で右岸から左岸に渡りますが、左岸下流部にはニリンソウの大群落があります。ここから先は木道もありますが、大変は山道で、登山道は抉れた岩肌の間を通る個所も多く、雨が降った後などには登山道が川になってしまいますから、スヌーカー程度では辛いコースとなります。

登山道の脇には、オオバタケシマラン、珍しいツバメオモトツルリンドウミゾホオズキコケイランなどの割と珍しい花が咲いていて、やがて緩やかな下りの木道が終わった先には片品川と、左岸を通る平坦な登山道が見えてきます。

片品川

上の画像の先でまた山道を少し歩くようになりますが、その周辺にはタムシバが数本あり、尾瀬にある全てのタムシバの木の中で、一番近くで花をみられますから、マクロ撮影には向いています。

エニシダの黄色い花、ヨツバヒヨドリの赤紫色の花が咲いているのを楽しんで進むと足拭きマットが見えてきて、そこが一ノ瀬入下山者カウンターの設置されている所で、一ノ瀬休憩所は間もなくです。

足拭きマットの個所

足拭きマットの設置された所には04年あたりに地図ポストが設置され、東電提供の地図が貰えるのはありがたいことです。直ぐに広い道路に出ますが、左折する方向が中止された国道の進行方向で、先ほど通り過ぎた十二曲り下まで工事がなされて中止され、その後は道路用地にブナの苗がボランティアの手で植えられていますが、ブナ林になるには相当の年月が必要です。1回破壊された自然の復元は大変です。

国道用に架設されたコンクリート製の立派な橋を左カーブしながら曲がって右岸に渡りますが、一ノ瀬にあるから一ノ瀬橋かと思えば違って、三平橋との名で、一ノ瀬橋は1時間歩いた先の大清水にあります(^^♪

三平橋の右岸上流部にはママタビの木があり、初夏にはハンゲショウ(半化粧)のように葉の半分を白くした特徴のある葉と花を見ることができます。

三平橋を渡った直ぐ左手に一ノ瀬休憩所があり、売店・公衆トイレ・ベンチがあり、売店ではトマト・キュウリを流水で冷やしており人気です。

ここから大清水までは一時間は歩きますが、途中には一ヶ所のベンチも設置されてなく、登山道は車が通るようにジャリが敷いてあって歩きにくく、一ノ瀬休憩所前のベンチで休むことをお勧めします。

一ノ瀬休憩所と駐車中の車

一ノ瀬休憩所の少し先、シラカバの木とルドベキアの花が植わっている個所に必ず車が止まっています。関係者ということで大清水から登山道と称されている車道を砂塵を巻き上げて通行しているのですが、私自身はおかしいと思っております。

このコースはただでさえ難コース(標高が大清水:1,180m〜三平峠:1,762m〜三平下:1,670m)なのに、大清水〜一ノ瀬の3.5km間に、ただの一ヶ所のベンチも設置せず、関係者の通る車を通すためにだけで、登山者が歩きにくいジャリを敷いて車道としているからです。

単調なコースで3.5kmと登山には長い個所なのに、一ヶ所も標識のないのは問題だと思います。鳩待通り(鳩待峠〜アヤメ平〜富士見峠)など、幾つもの標識があって、「何キロ歩いてきて、残り何キロ」か判るのは、初めての方にはありがたいのですが、それが一ヶ所もないとは如何なものでしょうか。

鳩待峠から、小沢平から、御池から、沼山峠から、関係者も登山者も歩くほかなく、歩く登山者の痛みを関係者が判るので整備もされるのでしょうが、関係者だけが車で通行する大清水〜一ノ瀬の3.5km、現状のままベンチも標識も設置しないなら、車道は完全閉鎖するべきだと思っております。

一ノ瀬から大清水までのコースは帰路となり、ほぼ全員が三平下から三平峠を越えて、十二曲りの急坂を下ってきているので、車が通りやすくなるように敷かれたジャリは足に悪く、殆ど展望も利かない単調なコースですから、皆さん寡黙となって、ただただ歩き続けていますが、途中にはホタルブクロ、赤いツリフネソウ、黄色いキツリフネ、ツルニンジン、ジャコウソウ、ウツボグサ、ソバナ、ツリガネニンジン、オオウバユリ、オヤマボクチ、ナワシロイチゴ、ヨツバヒヨドリ、キンミズヒキ、ヤマブキショウマなどが見られ、ヤマブドウも多く生えています。

幾つもの沢を車道下で通過させてコースは進み、前方に左から合流してくる奥鬼怒林道、前方に建物群が見えてくると

左:奥鬼怒林道、正面:終点

終点:大清水は間近です。

大清水登山口

大清水登山口には、公衆トイレ、休憩所(売店)、2軒の土産物屋(山小屋兼業)、3ヶ所の駐車場、湿原(大清水湿原)、バス停(東京新宿南口行き、沼田駅行き、上毛高原駅行き、登山口の富士見下行きなど)があり、ぶらっと訪れただけのドライブ客も居て、いつも賑わっています。

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