尾瀬の花 コース案内020
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 尾瀬ヶ原:ヨッピ橋分岐起点 赤田代分岐 



020ヨッピ橋分岐→東電小屋→赤田代分岐

このコースの見所・撮影ポイントは、

ヨッピ橋、東電尾瀬橋、東電小屋からの至仏山、
ヨシッポリ田代のヒメイチゲ、尾瀬川湿原の早咲きミズバショウ・ザゼンソウ、下田代のカキラン・シラタマノキです。

このコースの途中には、ヨッピ橋にベンチ、東電小屋にベンチ・公衆トイレ・水場があります。

ヨッピ橋分岐から進んでヨッピ橋を渡ると

分岐から見たヨッピ橋

群馬県片品村から新潟県魚沼市(旧湯之谷村)に渡ったことになりますが、県境を越えたとの実感は湧きません。ヨッピ橋の下を流れるヨッピ川は、上流で川上川・猫又川・上ノ大堀川・下ノ大堀川などを合流していて、けっこう水量はあります。

床板のないヨッピ橋

尾瀬の他の橋でもそうですが、冬の豪雪による損壊を防ぐため、10月末〜11月初旬に床板が撤去されます。ヨッピ橋の東電小屋側(左岸)のたもとにはベンチがあり、付近にはベンチが全くないため、シーズンの土日には人でいっぱいです。

ヨッピ川とベンチ

ここで周辺のベンチ設置状況となどをご説明しておきます。

牛首三叉・竜宮十字路には10ヶ所以上のベンチがあり、東電小屋前にもベンチ、休憩所にもイスはありますが、竜宮十字路〜ヨッピ橋分岐、牛首三叉〜ヨッピ橋分岐、ヨッピ橋分岐〜東電小屋には、たった1ヶ所:ヨッピ橋にベンチがあるだけですので、牛首三叉〜ヨッピ橋分岐〜竜宮十字路〜牛首三叉と通る方はご注意願います。

ヨッピ橋を渡ったコースは右にカーブして、また左にカーブしますが、その辺りの高架式木道の右手下にヒメイチゲニリンソウが生えていて、6月には白い花が咲いていますので、見落としのないように願います。

ここから東電小屋まではヨシッポリ田代という名の湿原が続き、小さな小川の中だけに、ミズバショウとリュウキンカが帯のようになって生えていて、6月には白と黄色の花を咲かせていますので、なかなか見事な眺めとなっています。

拠水林のある小川 現場のクマ避け鐘

ヨッピ橋から東電小屋の中間地点辺りに大きめの小川が流れていて、そこには疎らな拠水林も生えていますが、ここが尾瀬のクマ遭遇場所ですから、詳細にご説明します。

1999年6月6日、2004年6月5日に東電小屋からヨッピ橋の約200mほど進んだ地点で、クマがハイカーを襲って怪我をさせています。私自身も2003年6月14日に同じ場所でクマを目撃しています。ここは北側:景鶴山側から尾瀬ヶ原:ヨシッポリ田代に山が迫っていて、ヨッピ川と山との間が200mほどもなく、クマが隠れられる拠水林もあることから、特にクマとの遭遇の危険性が高い場所です。2004年にヨッピ橋側にクマ避けの鐘が設置されましたので、特に早朝に現場を通る方は鳴らすとよいようです。

タテヤマリンドウ、オオバタチツボスミレ、キジムシロ、ナツトウダイなどが多いヨシッポリ田代の前方には、東電小屋が見えてきます。

東電小屋は高台にあります

東電小屋は左側から延びてきている尾根の上に建っていて、建物は2棟あって、左の棟に軽飲食ができる休憩所と宿泊部屋が、右の棟に食堂・風呂・宿泊部屋があり、コースは2棟の間を貫いております。

東電小屋周辺にはサクラが多く、ミネザクラとチシマザクラが生えていて、6月には淡いピンク色の花を咲かせております。

至仏山・桜・ヨシッポリ田代

東電小屋2階からの至仏山方向の景色は素晴らしく、その撮影が目的のカメラマンも泊まると聞いております。

小屋を通り過ぎた先は尾瀬ヶ原散策では珍しい山道が続き、

尾瀬川と燧ヶ岳

右手下に尾瀬川の流れを見ながら、ブナの多い落葉樹の森の中、単線の木道を進んでいきますが、

木道は単線

ここには、スミレサイシン、オオバタチツボスミレ、タチツボスミレ、尾瀬では珍しいナガハシスミレ(テングスミレ)、白いキクザキイチゲなどが咲いています。

思ったよりは長い下りが続いた先には、尾瀬でもミズバショウの開花が早いことで有名な尾瀬川湿原に到着します。

ミズバショウ、リュウキンカ

ここは水の多い低層湿原で、オオニガナオゼヌマアザミエゾリンドウなども多く咲いています。

やがて木道が左にカーブするようになり、その先のシラカバの木の下に、東電尾瀬橋が見えてきます。

シラカバと東電尾瀬橋

東電尾瀬橋は、新潟県と福島県との県境を形成している只見川に架かっていて、

東電尾瀬橋

上流方向を見ると川が合流しているように感じますが、2つの川が合流しているのではなく、中洲があるのです。

上流方向

東電尾瀬橋は、東電尾瀬ヶ原橋と書いてあるガイドブック・サイトもありますが、現地の橋の標識には「東電尾瀬橋」となっています。東電尾瀬橋を渡った先は上り坂の山道で、割と足元が危ない感じです。

悪路となってます

ヤマウルシシラカバの多い坂を登った先には、燧ヶ岳と尾瀬ヶ原:下田代が見ています。

シラカバと燧ヶ岳

下田代まで進むと湿原の向こうに、見晴(下田代十字路)の山小屋群が見通せます。

見晴の山小屋群

複線の木道は燧ヶ岳に向かって延びていて、途中に小川があるものの平坦で、

燧ヶ岳・下田代

小川を渡った先の右手には、尾瀬でも珍しいカキランタカネアオヤギソウが生えていて、木道の間にはシラタマノキ(シロモノ)ヒカゲカズラなどが生えています。

赤田代分岐とベンチ

やがて前方に立派な形をしたベンチの設置されている赤田代分岐(東電小屋分岐)が見ててきます。