大ゾイド展

 

 東京おもちゃショー2000で、予告された夏休みのイベントとしての「大ゾイド博」は、残念ながら「ゾイドワールド」でお茶を濁されてしまった感が否めなかった。しかし、2000年10月に「大ゾイド展」が池袋で開催されるというアナウンスがはじまると、それは払拭されてしまった。

 大ゾイド展は2000年10月8日・9日の二日間の開催であった。週休二日が当たり前の現代においては、前日の7日から3連休となる企業も多いであろう。旧シリーズを知るファンの大部分が、既に仕事についているであろう時代には、7日の土曜日に家を出て、東京に一泊。8日の大ゾイド展に足を運んで、更に一泊。9日に帰宅、という、贅沢であるがそれだけゾイドに入れ込んでいることのわかるようなスケジュールを立てて、地方からこの「大ゾイド展」足を運んだファンもいるのではなかろうか。とにかく、8日の初日には、トミーさえも予想していなかった来場者があり、2時間待ちの入場、場合によっては入場できないかも知れない、という係員のアナウンスを聞きながら、列を作るという事態になってしまったことが、この3連休の真ん中であり、大ゾイド展初日を選んで来場した人がけた外れに多かった事がうかがえると思う。同時に、それだけゾイドには多くのファンがいることを知る事ができたと思われる。この予想以上の来場者数に、限定販売されるゾイドが売りきれとなってしまったことから、ちょっとしたトラブルが起きてしまった。

 

 

 入り口を入ってすぐに展示して有ったのは、お馴染みの前線基地をもしたディオラマベース。そこにはコロコロコミックに登場したウルトラザウルス・ザ・デストロイヤーが威圧感を与えるように構えていた。現行商品のほとんどを並べられているベースは狭くて、物語を演出しているとは思えない配置になってしまっていた。つまり、それだけ、現行シリーズもラインナップが充実していることのあらわれであろう。

 そして、そのすぐとなりからずらっと並べられているのが、旧シリーズの全ゾイド。フィギュアセット、ディオラマベース、改造セットを除いた、旧シリーズの日本販売された機体が全て並べられていた。残念ながら一部の機体は用意できなかったのか、アメリカ版の機体もあったり、日本版と海外版の平行展示もあったりと、本イベントの展示で、最も人を集めたモノであったろう。

 

 開場の一部にはイベントステージが設けられ、クイズ大会、ゾイド開発者、ドクターTのトークショー、ジャンケン大会、改造コンテストの表彰式改造ワンポイントアドバイスが行われることになる。

 

 改造コンテストが行われるように、トミーはゾイドのホビーとしての定着化に向けて動き始めたのは間違いないであろう。そして、この大ゾイド展から、ワークスペースが設けられ、会場で買ったゾイドをその場で組み立てられるようになっていた。ワークスペースでは工具の貸し出しも行われ、スタッフによる組立アドバイスも行われていた。

 

 新シリーズのゾイドの展開の中にも、ゲーム性は既に組み込まれている。既にゲームボーイ用ソフトが発売され、この後にはプレイステーション用ソフトの発売が予定されている事から、会場の一角にはゲームコーナーが設けられていた。また、最近の動向を受けて、旧シリーズになかった要素としては、カードゲームの展開。この開場で、エントリーしてカードゲームを行うと、限定カードがもらえるようなイベントも用意されていた。

 

 さて、ゾイド復活以前からずっと使い回されていた前線基地のディオラマベース。ついにこれに代わる新シリーズのイベントの定番になるであろうディオラマベースが作られたのは、注目しておきたい。動くというゾイドの特徴を考えると、動きを止められてしまったディオラマではあるが、動きを意識したポージングと躍動感有る固定方法などは、ゾイドの魅力を引き出すのに一役かっていたことであろう。

 

 今回のイベントで残念に思ったのは、B/Oゾイドのモータライズ展示が無かったことである。開場の入り口の横では、先行販売されるウルトラザウルスとデススティンガーのモーターライズはされていたが、会場内でモーターライズ展示されているゾイドは一つもなかった。やはりゾイドの最大の魅力である、動く、という要素がわかるような展示は絶対に必要なモノであり、こうしたイベントであるのだからこそ、現行商品の全てがモーターライズされているような展示方法を検討してもらいたい点である。

 

新製品             限定販売 

改造コンテスト         ミニディオラマ

ゾイドが出来るまで       大きなゾイド

  

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