改造ワンポイントアドバイス

 

 「大ゾイド展」では、いくつも用意されたイベントが、よりゾイドを改造して遊ぼう、という呼びかけになっていたことを見逃すことはできない。ステージでは、来場者のゾイドを具体的に用いて、どこにどう言った改造をするのがよいのか、ゾイドチームの担当者から、アドバイスをしてみようという試みも行われている。

 

 アドバイザーとなるのが、ゾイドチームの大崎さん。紹介されたプロフィールは、

ゾイド企画に携わり、現在トミーゾイド企画室でデザイン・メカ開発を行うゾイドマスター。

とのこと。大崎さんは、2000/01のホビーフェアでもステージに立ち2000東京おもちゃショーでもゾイドの新製品紹介も行うなど、ドクターTに先んじて、ゾイドイベントには欠かせないステージに立つゾイド開発者でもある。ちなみに、この日大崎さんがステージできていたTシャツは、ゾイドをおもちゃやさんや問屋さんへ納品するダンボール箱に印刷されているデザインを、そのまま持ってきたモノである。

 

 実際のアドバイスは、来場者が持ってきたゾイドを高くあげてもらい、その中から大崎さんが気になったゾイドを、ステージに持って上がってきてもらうという形で行われた。持ってこられたゾイドは、中央のテーブルの上に載せられ、小型カメラを通して、プロジェクターに投影され、来場者にも見やすくなっている。まずは、改造者から改造ゾイドの具体的ポイントを言ってもらう。その上で、大崎さんからのアドバイスとなる。小学生ながら丁寧な塗装をしてあったり、おそらく大人の改造では使わないような手芸用ゴムを大胆に使ってあって手が伸縮する設定である、という素直な遊び心を直接的に表現した改造ゾイドがステージにあげられた。

 

 いくつかの機体をアドバイスし終えた後で、大崎さんからは、トミーが改造したシュバルツ大佐のセイバータイガーを用いての総括的アドバイスがあった。その冒頭にあったアドバイスが、「墨入れ」。線が目立ってかっこよくなるので、できるだけやった方がいいとのこと。ただ、具体的な作業法方を交えないアドバイスの中で、どこまで小学生立ちに伝わったかは、少々疑問に思った。

 

 改造のアドバイスという、ゾイドをホビー化するにあたっては、狙いは良かったイベントではあったが、少々展開に苦しさが見られた。対象はほとんど小学生であったが、思った以上にレベルの高い作品がステージにあげられ、アドバイスするにしてもその部分を無理して見つけなければならない様相を呈したり、ただパーツを張り付けているだけで、改造の意味を取り違えていると思えるようなモノもあったりと、コメントにはかなり窮していたようである。

 この手のアドバイスは、やらないよりはやった方がいいというのは感じるところ。しかし、その受け付け方法をもう少し考える必要があると思われる。一つの例としては、改造コンテストと連動させること。対象はジュニア部門のみ。ないしは、十代のみ。改造コンテスト表彰式終了後、作品返却前に、賞を逃した作品をいくつかの機体をピックアップして、作者にもステージ上がってもらいその機体に対してアドバイスするなどすれば、事前にアドバイス箇所をチェックしておけるし、何が理由で賞を逃したかもわかるので、次回のコンテストに向けての反省と励みになるのではないかと思われる。

 ゾイドを大河トイシリーズにして行くには、裾野を広げる必要があるので、こうしたアドバイスを通じて、ゾイドをホビーととらえるファンを拡大して欲しいモノである。

 

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