限定販売

 

 この大ゾイド展では、デススティンガーとウルトラザウルスが先行販売されると同時に、2体のゾイドの限定カラー版が販売された。

 ブラックレドラーは、ノーマルのレドラーを改良して攻撃力と運動性をアップされた機体と設定してアニメに登場したゾイドである。攻撃力と運動性のアップといっても、外観の装備上の変化はなく、内部のみの更新と言ったところ。このためキットは、成形色を変更した、限定カラー版としての販売である。テレビでは、ロケットランチャーを装備していたので、そんなパーツの同梱も考えてもらえれば、異なる需要も見込まれると思われる。

 もう1体は、ブルーコマンドウルフ。新シリーズのコマンドウルフの白い成形色の部品をブルーにして、背中のビーム砲のつながるランナー部品をゴールドにした機体である。ゴールドと言っても、メッキではなく、旧シリーズの共和国軍Mk-2部隊のゴールドである。このゴールドの配色が旧シリーズ・コマンドウルフ・ニュータイプと同じ部品になっていることから、はじめてみた色のコマンドウルフ、というわけではなく、旧シリーズの製品を使って改造しいるコマンドウルフにも感じられたのは、不思議な印象であった。

 なおこれら2体には、カードゲームの限定カードも添付されていた。

 

 初日8日には、予想以上の来場者にトラブルも発生している。係員の列の作り方と誘導の仕方に問題があったせいで、先に列を作っていた人が先に入場できずに、後から列を作った人が先に入場してしまい、結果先に列を作った人の方が限定版ゾイドを買うことができなかったという事態である。先に列を作った人には、そりゃ先に入場する事が予定されていたのであるから、係員からは「必ず買えます」と話されていたのであるが、待たされたあげく「売り切れました」では、トラブルも起こるでしょう。激しく係員に詰め寄る人もいて、トミー担当者も謝罪に現れた。一番声を荒げていたのは、子供を連れてきたいずれかのお父さん。自分も待たされて、子供の手前、仕方ないのであろうか。しかし、その子供は父親のそんな姿を見て、どう思ったであろうか・・・・・・。また、更に残念であったのは、その様子を撮影しているゾイドファンがいたこと。彼はカップルできていて、彼女の方に撮影をやめるようにたしなめられていたにもかかわらず、その詰め寄っている来場者の様子と謝罪しているトミー担当者の様子を撮影していた。せめて、やめるよう言ってくれる人がいるのであるから、もう少し耳を傾けても良いとは思うが・・・・・。結局、トミーは、限定商品希望者の住所と名前をひかえて、後日代引きによる通信販売をすることで事態を収拾。レポート用紙程度の紙に住所と名前を書かされたファンは不安を覚えたとは思うが、およそ30分程度に間に、素早い対応であった事は評価すべきではないかと思われる。

 これを受けて翌日の9日には、「限定商品予約カウンター」を設け、当初から通信販売の窓口を開くようになった。しかし、会場で買うつもりの休日のイベントであるとして、親からお小遣いをもらって遊びに来ている子供達が、突然の通信販売の予約をして家に帰っても、問題ではなかろう? 子供に通信販売をするか否かの判断をさせるのは、あまり良い手段とは思えないが・・・・・。ただ、予約の受け付けは、係員が一人一人記入内容を確認しながら行っていたことは、昨日の今日でできる範囲内の配慮であったと思われる。

 トミーは後日往復ハガキを予約者全員に発送し、商品の購入確認を行うという方法を採ることになった。対応としては後手後手ではあるが、より配慮有る方法へとシフトしていっており、この点についても有る程度の評価もすべきであろう。

 

 今後のイベント限定販売のあり方については、色々考え直さなければならない。会場での限定販売と同時に、通信販売申込用紙を会場でのみ配布するのも一つの方法であろう。親と一緒に来ている子供の場合は、その場で親に記入してもらう。受け付けは、受け付け箱に入れるではなく、係員が親の同意があるか無いか確認しながら一枚ずつ受け取っていく。子供達だけで会場に来ている場合は、家に持って帰ってもらって、親の印鑑をもらってから申し込むなどの対応も考えられるのでは無かろうか。トラブルが起こるから限定販売するな、とはさすがに言えないので、大きなトラブルを避ける方法の検討を願いたい。

 

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