ゾイド開発者トークショー

 

 「大ゾイド展」の開催がアナウンスされはじめたときから、会場でのイベントの一つとして、この「ゾイド開発者トークショー」の開催は告知されていた。

 そのトークショーに登場するゾイド開発者とは、ドクターTことトミーの田島豊さん。会場で紹介されていたプロフィールは、

1988年からゾイド企画に携わり現在ゾイド企画開発室長。デザイン・メカ開発・コストコントロールに絶妙のバランス感覚を発揮する日本を代表する玩具マスター。

「やってもみせんで!」が座右の銘。チャレンジ精神旺盛。

とのこと。「大ゾイド展」開催の時点では発売されていなかったが、およそ1週間後の2000年10月15日発売のコロコロコミック11月号で、誌上でも「ドクターT」として登場し、ゾイド改造コンテストの告知をすることになる。ちなみに田島氏が新シリーズがはじまってからコロコロコミックに最初に登場したのは、「ゾイドアイディアコンテスト」の募集告知の時に、審査員として紹介された時ではなかったろうか・・・・・。

 

 「ゾイド開発者トークショー」が行われると、会場内にアナウンスされた後には、ステージのモニターに、会場で限定販売されたブラックレドラーブルーコマンドウルフをはじめとする、いくつモノゾイドの静止画が、軽快なBGMのなか映し出されていた。

 そして、女性ナビゲーターとドクターTの登場。

 トークショーは、1980年代初頭のゾイドの歴史からはじまる、思ったよりも濃い内容であった。

 まずは「メカボニカ」が紹介され、ゾイドの前にゾイドと同じ商品がメカボニカとして発売されていたことが話された。そして、日本ではメカボニカはヒットしなかったが、アメリカで「ZOIDS」という名前で出したらヒットしたので、日本でもブランド名を「ゾイド」に変えて、ゼンマイモノだけでなくB/Oモノも加えて発売したのが日本のゾイドであり、これがヒットにつながったと紹介された。この辺の話しは、オフィシャル(現ゾイド歴史館)に紹介されているので、参照されるのがよいであろう。

 そして、こうした骨組みだけのようなゾイドから、順番に装甲を持ったより強そうなゾイドになっていき、更に人気を高めていったという簡単な歴史が紹介された。

 

 ゾイドの語源。ファンにとっては「ゾイド」とは、心躍らせる響きである。「ZOIDS」と書くゾイドは、もともと、生物や動物を意味する「ZOIC」という言葉と、人造人間を意味するアンドロイド「ANDROIDS」を足して作った名前であると説明された。入植者の大部分の方は、メカボニカとゾイドのことは知っているはずであるが、「ZOIDS」の語源はどの程度の方が知っていたであろうか。本音、このトークショーにおいて、最も興味深かったのが、この「ZOIDS」の語源についてであった。

 

 話しは、アニメのゾイドにまで及ぶ。まずは、アニメのゾイドがCGであることが紹介された。ドクターT曰く、アニメのゾイドは、CGで作っているが、アニメっぽく見えるような処理をしているのだそうである。そして、ジークの存在。もともと1/72のゾイドとそのパイロットを絡ませるのは、そう楽ではないことは想像に難くないであろう。そして、その解決策として考え出されたのがジーク。つまり、パイロットである人間とゾイドをつなぐ存在、を設けることによって、わかりやすさを考えたモノだそうである。

 

 新製品も紹介されている。まずは、この会場で先行販売されたデススティンガーとウルトラザウルスは、この10月にアニメに登場する機体である。特にデススティンガーは、ものすごく強い、とかなり強調されて紹介された。ウルトラザウルスについては、どういう機体かはお楽しみに、とアニメのストーリーをにおわせながらの紹介であった。

 

 そして、この大ゾイド展で初めてアナウンスされた新製品がこのCGの機体。名前は「ライガーゼロ」。「ゾイドの原点に帰る」をコンセプトに考えられた機体であるため、「ゼロ」を名前にもらった機体だそうである。共和国側のライオン型ゾイドであることとが紹介されただけで、詳しいことは述べられなかった。間に合えば、2001年1月の次世代ワールドホビーフェアで先行販売したいともつけ加えられたが、断定は避けられた。一応ナビゲーターからは、「この会場に来てくれたお友達だけの最新情報」ということで口止めが言い渡された。

 

 この他にも、ゾイドのエピソードがいくつか紹介された。アイアンコングの開発にあたっては、設計担当者が上野動物園に通って、ゴリラの動きを観察した。であるとか。共和国軍は大砲(実弾兵器)をメインで装備しているが、帝国軍はビームやレーザーを装備している。であるとか。設定上共和国軍より帝国軍の方が科学技術が進んでいるとか、ゾイドをより深く楽しむ上での、良い材料が紹介されたと言える。

 

 トークショーの最後には、質問コーナーが設けられていた。さすがに、あの場では質問できないことなので、この場でトミーに公開質問とします。

●金型のリニューアル計画はないのか

旧シリーズの機体を、ギミックやパーツの分割、デザインもそのままで、モールドをよりしっかりした金型にリニューアルできないか。パーツによってはかなりのひけがあったり、接合面でモールドのずれがあったり、これらの解消を目的とした、金型のリニューアル。

●金型のリニューアルと再設計

旧シリーズの機体を、ギミックとデザインはそのままであるが、パーツ分割から見直してもらえないか。部分塗装という方法を用いず、成形色のみで全てを演出。結果、塗装のしやすさが得られると思われる。同時に、ゲート位置の配慮。ゴジュラスなどは、鼻の下当たりのゲートなど、かなり目立つところにゲートがあるので、ゲートの位置を目立たない部分に変更する。

●バリエーションの平行販売

ジェノザウラーとジェノブレイカーの平行販売は行われているが、あらゆる機体に2体ずつぐらい、バリエーションを平行販売できないであろうか。その結果、改造という遊びが今以上に浸透しないであろうか・・・・・

●ギミックを意識した武器パーツの販売

カスタマイズパーツの販売は行われているが、どれもパーツを追加するだけのモノである。そこで、装備を追加すると同時に動きも追加できるような武器パーツの販売はできないであろうか。

以上の点について、トミーゾイド開発の担当者の方が見ていたら、ご返事いただければと思います。

 現在ゾイドは現行商品であるが故に、開発部分は新製品情報と絡むため、機密部分でもある。このため、開発者から直接、開発エピソードがメディアに流れていくということは、ありにくい状況であるといえる。そんな中、こうしたイベントで、ゾイド開発者からの声が聞けるのは、イベントならではの内容であったといえる。

 

 なお、ゾイド開発者トークショーは、10時30分と15時30分の1日二回、開催中は都合4回、同じ内容で行われている。

 

 

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