新製品

 

 「大ゾイド展」以降の新製品は、ガラスケースの中にまとめて紹介されていた。

 「大ゾイド展」の開催は、直前に、ライトニングサイクス、アタックブースターセット、ワイルドウィーゼルユニットが発売され、この直後にはデススティンガー、そして月末にはウルトラザウルスの発売をひかえているというタイミングである。このため、新製品を集めたガラスケースの中には、これらがひとまとめに紹介されていた。このうち、デススティンガーとウルトラザウルスは、開催後の発売ではあるとはいえ会場での先行販売もあり、前述した全ての商品は、会場に足を運んだファンは全て入手することが可能な新製品である。

 会場で入手可能な商品だけを並べられたのでは、せっかく足を運んだファンには物足りないであろう。会場だからこそ入手できる新製品情報も、しっかりと紹介されていた。

 既に小学館の一部の学年誌ではデザイン画が紹介されていた新シリーズ新型のゾウ型ゾイド・エレファンダーは、ライトニングサイクスとデススティンガーの挟まれた位置に場所をかまえていた。

 ジェノザウラーから始まった、新シリーズ新製品(「新世紀ゾイド」と呼び方は定着しているのであろうか。旧シリーズの暗黒編も「新世紀」と表現されているので、ここでは、「新世紀ゾイド」という呼称は避けるようにします。)は、当初から、コンバーチブルキットが目指されていた。ジェノザウラーでは頭部の装備の換装という小さな変化であったが、このエレファンダーでは、頭部そのものを入れ替えてしまおうという、今度はやり過ぎでは? と思いたくなるほど、大胆なコンバーチブルキットが予定されているようである。また、頭部以外にもオプションが用意されているようで、より遊びの広がりが考慮されていることがわかるキット構成であると言える。会場ではモータライズされた展示はなかったので、動きは見ることはできなかった。歩くプラスアルファーのうごきとして、鼻の上下はお約束であろうと考えたいところである。

 分解組立が可能なゾイドのコンバーチブルキットということになると、組立後も遊びながらパーツを差し替えができるのではないだろうかと想像される。だが、ゾイドの特徴が動くことであることを考えると、いくらパーツを差し替えても動きが変わらないのであれば、どこまでゾイドらしさを表した上でのコンバーチブルキットになっているかは、一考しなければならない構成では無かろうか。全ては2000年末に明らかになるはずである。

 そして、もう一つ注目すべきは、カスタマイズパーツCP16として発売される「ゾイドコントローラー」である。新シリーズ新製品の一部の機体は、バッテリーボックスを外付けにしているのは周知の通りである。これらのコネクターを通して外からゾイドをコントロールしようと言うのが、その名の通りのコントローラーである。左右で色の違うEキャップを使って帝国共和国をなにげに表現し、同時に組み立て易さを考慮した作りになっているであろうということが想定される。プロポ状のスティック部分の先端にもゴムキャップが差し込まれ、ゾイド商品の一部であることが充分に認識できる商品に仕上がっている。現時点でその特徴が最も生かされるのは、モーターを二つ搭載しているデススティンガーである。

 ゾイドとしてこうしたコントローラーが発売されるのは初めてである。しかし、トミーとしてみた場合は、そう珍しいモノではない。最も最近では、現在でも発売中のポケモンキャラクターの前進後進をコントロールするおもちゃもあれば、更にその同じコントローラーを使ったロボットのおもちゃもあった。また、ゾイド系のトミー・オリジナルキャラクターに目を向ければ、Z-KNIGHTシリーズには、後期にはメタルフットコントローラーが発売され、メタルフットをはじめとするあらゆるバトルアーマーの前進後進を制御するコントローラが発売されていた。また、サイテックスの大型B/Oタイプのモノは、前進後進を制御するスイッチを持ったバッテリーケースがケーブルを伝って外付けされると言う、当初から外部コントロールを考えていた商品であった。もともと、動くおもちゃに力を入れていたトミーが、ゾイドのコントローラーを出さなかったほうが、かえって不思議なくらいであったかも知れない。旧シリーズのゾイドが、途中からバトルストーリーに準じた装飾改造がメインとなってしまったため、忘れられてしまったのであろうか・・・・・。動き出したら止まることのできないけなげなさもゾイドらしさであったのは否めない面もあるが、今回コントローラーが発売されることで、従来通りの遊び方に、動かしたいように動かして遊ぶ、が加わり、ゾイドの遊び方が広がるという結果になるのか、動向を注目したい。

 

 

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