アイアンコング空挺隊仕様

重装甲格闘攻撃型

IronKong for airborne

帝国軍

型式番号

-

シリーズ

-

タイプ

<ゴリラ型>

発売

-

全長

-

定価

-

全高

-

オペレーション

バッテリー

全幅

-

ライト点灯

-

重量

-

使用電池

単2×1 単5×2

最大速度

-

部品点数

-

乗員

本体2名 バックパック1名

ゴムキャップ

-

搭載ビークル

主成形色

-

主要目的

-

キャッチフレーズ

-

ギミック

-

その他

-

装備

装備名

搭載数

特徴

6連装大型ミサイルランチャー

1

右肩に装備

長射程対地ミサイル

2

背中に装備

ミサイルポッド

1

左肩に装備

大型レーザーサーチライト

1

頭部に装備

特徴

アイアンコングMk-1に、降下用バックパックを装備できるようにした機体。アイアンコング本体の装備に大きな変化は無く、バックパック取り付けの為のハードポイントが強化された程度の改修に納められている。通常は大形空輸母機に目的地上空まで運ばれた後に地上に降下。降下後はバックパックは切り離されて母機ないし基地に帰投。アイアンコング単体で作戦行動をとる。チームワークの関係上、通常はアイアンコングとバックパックの組み合わせは決められているが、作戦によっては切り離されて帰投したバックパックは、別のアイアンコングに装備されて再度出撃する事も有る。

掲載バトルストーリー

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 今回のアイアンコングは、部品構成上はアイアンコングMk-2の改造では有りますが、空挺隊仕様として完成させました。空挺隊仕様とした理由は、マーキングの問題です。高機動ブースターにどうやってデカールを貼るか悩んだ結果、選択した仕様でした。アイアンコングMk-2の高機動ブースターが、常に背中に付きっぱなしであった場合、文字をどうやって貼ったら良いか迷いました。アイアンコングの背中に斜に取り付いている高機動ブースターの高機動ウイング部分に文字を貼るのであれば、背中に斜になったままで文字を読みやすい方向で貼るのか、高機動ブースター単体で水平に置かれた時に文字を読みやすいように貼るのか、どちらが正解なのだろうか、答えが出なかったからです。そこで、手持ちのジャンクデカールで表現できるらしさを考えた時、高機動ブースターは切り離されて水平に置かれている事が通常と解釈した方がマーキングの説得力を演出しやすいと考えがまとまったので、高機動ブースターは必要な時に一時的にしか接続されない空挺隊仕様とする事にしました。完成後に出来上がった物を見て、文字の読みやすさは、高機動ブースターが背中に付きっぱなしだったとしても、高機動ブースター単体での水平位置もあまり変わらなかったのだなとは思いました。考え過ぎでした。

 アイアンコングの改造は、ずっとやりたいと思っていました。アイアンコングが再版され、マニューバスラスターとして高機動ブースターも再版された時から、改造方法を考えはじめていました。どうしてもやりたかったのは、高機動ウイングが90度動くギミックでした。今回やってきたように、ミサイルターレットの裏側に半周だけクラウンギアをつけて、1本のシャフトで正回転逆回転をさせる事ができれば、高機動ウイングを90度動かして往復させられるだろう、と考えました。この方法は2001年か2002年ごろには固まっていました。しかし、ずっと解決策が見出せなかったのが、単3電池を避けながら左右の高機動ウイングを同時に動かす方法でした。単3電池ボックスの下側、本体とパワーユニットの隙間に左右を繋ぐシャフトを通せないか、または左右のウイングは同時に動くとしても左右別々のギミックを作って同時に動いているように見せかける事はできないだろうか、いろいろ考えましたが、どうしても良いアイディアがまとまりませんでした。最初にやろうとしたのは、ハンマーロックの改造のころです。その後何度も考えましたがアイディアが出ず何度も改造に着手するのを見送ってきました。ゴーレムをやる前にもけっこうじっくりと考えたのですが、その時もアイディアがまとまりませんでした。しかし、その時はしばらくアイアンコングの事ばかり考えていたので、ゴリラ型を組み立てたくなって、結果着手して出来上がったのが、フレームコックピットのゴーレムでした。それが、ギルラプターを改造した際、ゾイドに単4電池を使っても良いんだ、という事に気付かされたことで、アイディアがまとまってきました。単3電池より小さい電池を使って、単3電池ボックス内にギミック部品を仕込むスペースを確保しながら左右のウイングをシャフトで繋ぐ事ができるかもしれない、と思い付いたのです。結果的には電池は単4ではなく単5を用いましたが、これは単3電池ボックス内に2本の電池ボックスをそのまま入れられる大きさの電池の方が取り回しがしやすく、ギミックのスペースも確保しやすかった事が理由です。

 もう一つの問題は、ミサイルターレットの裏側に半周だけクラウンギアを使おうと決めたものの、ちょうど良い大きさのクラウンギアが無かった事です。工作用のクラウンギアは売っているのですが、これはグレートサーベルのウイングを動かすのに用いているサイズが最大で、アイアンコングのミサイルターレットには小さすぎました。そこで、ラジコン用のクラウンギアなども見て回っていたのですが丁度良い大きさと歯の枚数が適度な物が見つかりませんでした。ある時、プラ板でラックギアを作っておいて、それを円弧に曲げることで、自分の欲しい大きさのクラウンギアを作れる事に気付き、やっと改造に踏み切れる条件が整いました。しまってあったEZアイアンコングを引っぱりだして、実物で考えはじめました。同時にマニューバスラスターも出してきたのですが、ウイングが一本曲がってしまう事態に巻き込まれました。

 せっかく高機動ウイングを動かす方法がまとまったにもかかわらず、ゾイドの各部品の処理には時間を費やし、複雑な形状のパーティングラインを処理して、肉抜き穴を埋めてをやってきた事で、なかなかギミックの作業には辿り着きませんでした。それだけ手こずったおかげか、アイアンコングは、肉抜き穴を別の部品で塞ぐような、優れた設計がされている事に気付いてとても驚かされました。2000年より前に、アイアンコングの完成体を入手して、分解洗浄をした事が有りましたが、その時にはそんな事は気付きませんでした。当時は、アイアンコングはまだ一度も組み立てた事が有りませんでしたので、部品がどこに付いているかを理解して、洗浄後に間違え無いように組み立てるようにするため、部品の管理にばかり意識が行っていて、そんな肉抜き穴を塞ぐ構造までには意識が向かなかったのだと思います。改造をくり返してきて、肉抜き穴を塞ぐ作業をどうするか、を考えながら、自分でランナーから切り離して、ゲート後を処理してパーティングラインを処理したりするようになった事で、気付かされたアイアンコングの優れた点です。やっぱりゾイドは組み立てる行為も含めてゾイドで遊んだ事になるのだと思います。自分で組み立てたからこその自分のゾイド、言えるような、自分で組み上げる事もゾイドを楽しむのに欠かせない要素という認識が広く理解されるようになってほしいな、と思いました。

 高機動ウイングを動かすにあたって、高機動ウイングにはバランサーウエイトを取り付けました。バランサーウエイトが有る事で、高機動ウイングを動かすギミックへの負担を減らす事ができるからです。理想は、高機動ウイングをブースターに取り付ける穴に棒を差し込んで、自然とウイングが水平になる状態にする事です。真鍮を使って、それなりの重さを使ったつもりですが、ウイングに対して1/4程度の長さでは、重さが足りませんでした。そのため、ウイング側の方が重たい状態で仕上げています。ギミックの関係上、ウイング側が少し重たい方が、最前進位置でも最後退位置でもウイングが重力に引っ張られて停止する事になりますから、動きの終点がわかりやすくなります。バランサーウエイトは、できるだけ小さくそれでいてウイングを引っ張る程の重さが有ることが理想です。しかし、あまりバランサーウエイトを重くしてしまうと、アイアンコング全体が重くなり、歩行に負担をかけるようになります。完成した様子を見る限りでは、ウイングだけを考えますと、バランサーウエイトはもう少し軽くてもギミックは機能するように感じましたので、次回が有れば高機動ウイングのバランサーウエイトを少し軽くしてみたいと思います。

 

 

 実際の動きはと言いますと、既存のアイアンコング特有のギミックがミサイルターレットの回転なので、どの位置にきた時にどうなると言うのは説明しづらいです。それに、ミサイルターレットの裏側のクラウンギアは固定していませんから、組み立て時に任意の位置ではめ込む事が出来ます。ターレットの回転とウイングの動きを見比べて、ウイングがどの位置の時にミサイルがどの位置か好みの位置でクラウンギアを固定する事も出来ます。出来上がったのは、ずっと考えていたミサイルターレット1回転で高機動ウイングは一往復、というギミックです。

 

 最後退位置は、アイアンコングMk-2のパッケージと同じ位置です。アイアンコングMk-2にとって、一番動きやすい位置、ウイングの収納位置のようなものではないかと思います。

 

 最前進位置は、90度動いた位置です。背中の2本のミサイルと平行する位置です。

 

 実際に動かして見ますと →

 ミサイルターレット一回転で、高機動ウイング一往復。高機動ウイングが90度動く間にミサイルターレットは半周まわり、更に半周回ると高機動ウイングは元の位置に戻ります。ウイングが最前進位置にいき、ほんの一瞬止った後すぐに後退位置に向かって動き始めます。最後退位置にきたら、ほんの一瞬止った後すぐに前進位置に向かって動き出します。そのためミサイルターレットの動きとウイングが連動している事がすぐにわかります。ウイングは行きも帰りも同じ早さで動きますから単調な動きでは有ります。作る前から構造上そういう動きになることはわかっていたのですが、実際に動かしてみると、やはり単調な動きに感じました。なので、再度アイアンコングMk-2を改造する機会が再度有るのであれば、ウイングの動き方は工夫したいところです。

 高機動ブースターで驚かされたのは、単3電池ボックスのパーティングラインと、高機動ウイングの下端が、組上げた時にほぼ同じ位置にきた事です。実際の作業では、0.3mmのプラ板を挟んで微調整はしていますが、0.2mm以内の差と思いますので、ゾイドのギミックで考えれば誤差の範囲と思います。この事に気付いたおかげで、高機動ウイングの取り付け位置を単3電池ボックスにトレースするのがとてもやりやすかったです。こういう整合性に気付かされますと、何を思うかと言うと、高機動ウイングは当初アイアンコングから動力を引っ張ってきて動かす事が考えられていたのではないか、という省かれたギミックを考えてしまいます。少なくとも今回の改造では、アイアンコング本体にギミックにまつわる改造は施していません。唯一、右肩のロケットランチャーがバランサーウエイトとぶつかってしまう事がわかったので、右肩のジョイントを加工していますが、バランサーウエイトを用いなければ、右肩のジョイントの加工も不要だったわけです。すると、アイアンコングの背中の単3電池ボックスと高機動ブースター周りの部品だけで表現できるギミックとなるわけです。ゾイドは、ギミック改造をしようと、じっくり部品を観察して、仮組して、動かして、寸法を測って、なんて事をくり返していると、思わぬ整合性に気付かされます。ギミック改造しようと思わなければ見落としてしまう事です。そんなところから、商品として発売されたゾイドは、最初からしっかりした設計がされているのだろうし、出来上がった商品よりもより高みが目指した設計がされていたのではなかろうかと思わされます。ゾイドに限らず、他の創造物、家電や乗り物、建物、家具でも人が設計したもの全てでそうだと思いますが、それをしようとして設計したけど、何らかの理由で目的通り出来なかった事の名残りがあることがあると思います。自分で組み立てて改造するから、部品の裏側を見る事が出来るので、何らかをしようと思ってあきらめた名残りを見つける事が出来るのはゾイドをギミック改造する事の面白いところです。

 こうしてアイアンコングのミサイルターレットの回転から動きを取り出せる事がわかったので、単3電池ボックスのスペースを利用してギミックを押し込む事が出来れば、高機動ウイングに限らず、他にも面白い動きを追加できる可能性が見えてきました。そうなりますと、「アイアンコング○○仕様」という色々なバリエーションも考えて、作ってみたくなります。○○仕様であり、かつ、それを一目で示せるような動きをするギミックを考えて、また新しい改造ができるだろうと、アイアンコング改造の可能性がふくらみます。

 ゾイドのギミック改造は、いくつもの制約が有ります。その一つが、既存のギミック軸を動かせない事です。今回の場合であれば、高機動ウイングの位置とミサイルターレットの位置と言う事になります。ミサイルターレットの動きを高機動ウイングに伝える事になりますので、この間にギミック部品を仕込まなければなりません。前述の通り、この二つの軸は動かせませんので、実際の加工作業に入る前に、どの部品でスペースに納める調整をするかを考えておかなければなりません。今回は、その役割を半周のクラウンギアに担わせました。クラウンギアを厚めに作っておいて、現物合わせをしながら必要な厚さになるまで削り込みました。それを踏まえていたからこそ、ウェーブの方眼入りプラ板を方眼が外側に来るように丸めました。方眼が外側にきていると、ギアの厚みが均等になっている事の確認がしやすいので削る時の力加減を意識しながら作業が出来るからです。腕に覚えの有る方であれば、既存の軸の位置を変えて作りたいギミックを表現する事は可能でしょう。既存のギミックには手を加えず、新たにギミックを追加する場合には、既存のギミック軸を動かせない事を前提に、途中に挟む新たに作ったどの部品で調整をするのかを、あらかじめ想定しておいてから作業に入る必要が有ります。それは、ギミック改造の失敗を減らす手段の一つです。

 もし、アイアンコングMk-2の高機動ウイングを動かすのに同じ改造をしてみようと言いう人がいれば、少し補足を。作業工程、特にギミックに関する部分はほぼ更新順に進めました。ギミック改造は、部品に不可逆的な加工をする事が避けられませんので、失敗した場合どうやって元に戻せるのかを考えたり、先の作業で失敗しないためにどんな試作と現物で試験をしながら進めていくのか良く考えて、その上で現物加工して試験をしてうまく行けば本加工、という手順を踏んでいます。そのため、ここで更新してきた作業工程の中には、本加工には結果的に必要でなかった加工や作業がいくつか含まれます。もし、アイアンコングMk-2に同じギミック改造をするのであれば、省いても良い工程があると思いますので、御自身の腕と作業手順を考えて、省けるところは省いた方が効率的な作業ができると思います。

 しかし、今の時代、アイアンコングMk-2の高機動ウイングを動かそうとするのであれば、単3電池ボックスのスペースを利用して、プログラムを書き込んだ基盤とサーボモーター、小型のリチウム電池を押し込んで、独立した仕組みを作るのが、正攻法のような気がします。ライトユニットの為の接点のスイッチを利用して、ウイングの前進後退が起動するきっかけにするなど、既存の動きも有る程度反映させながら、動き方もプログラミングでコントロールできるのでは無いかと思います。それに、ノズルの中に発行ダイオードを仕込めれば、更に魅力的な改造になるのではないかと思います。自身にはそこまでの知識と技術がないので、思うだけで出来ないのですが、出来たら面白いだろうなとは思いました。

 そんな事を考えながらも、この先もゾイドは改造していきますが、メカ生体の時代でも出来たであろう改造を意識的に目指そうかとは思っています。実際の改造には、メカ生体の時代には売っていなかった各種の部品を使っていますが、当時は売ってなかっただけで当時でも作れたであろう部品は使って、メカ生体の時代でも出来たであろう改造を目指していこうとは思っています。

 

 

 完成したアイアンコング空挺体仕様で、ちらちら目に入ってくるのが、スカルヘッド&クロスボーンのマーク。共和国ゾイドと比較して装甲を身にまとっている帝国ゾイドは平面が多い方では有りますが、それでもゾイドなので、マーキングの映える平面が少ないと言えます。アイアンコングPKでは、胸にマーキングするシールを貼ってはいますが、あまりバランス良いように見えません。そこで、改造手順や改造箇所を考えている時に、部隊マークのマーキングの映える場所に思い付いのが、腕の装甲を増やして腕章のイメージにする事でした。アイアンコングの上腕には、ギミックの為の穴が開いています。その穴を隠すために腕の装甲の一部が伸びています。同時に伸びた先はダクトの側面を演出しています。そこで、ここに装甲を増やす事で平面を作り、マーキングする事を考えました。以前、ギルラプターのところで、骨があまり好きではない、と述べていますが、ドクロマークを使う事もあまり好きでは無いので、航空機モデルにもドクロマークを使う事は有りませんでした。そのため、ジャンクデカールにもずっと使われずに残っていました。アイアンコングMk-2量産型の同梱シールにはドクロマークが有りましたから、今回アイアンコングを作る機会に使ってしまおうと、使うのであればどこに貼ろうか考えた結果、腕の装甲を増して貼れるスペースを作ってスカルヘッド&クロスボーンを使う事になりました。アイアンコングPKのように胸にマーキングするのも悪いとは思いませんが、出撃したら、側面から部隊がわかるようにしておかないとらしくないよね、とは思いますし、霊長類なので、アイアンコングには、腕にマーキングするのが映えると思います。つまり、加工の段階で、腕の装甲にスカルヘッド&クロスボーンのデカールを貼る事は決めていました。

 左肩のミサイルポッドのハッチは、手配書のイメージなるようにしました。これは、手持ちのジャンクデカールにまだスカルヘッドが有ったのでせっかくだから、という安易な発想です。

 

 部隊マークの近くに有るアルファベットと数字は適当です。手持ちのジャンクデカールを使いますから、手に入る文字と数字を集めた結果です。数字は米海軍の60度カットを用いています。以前は数字のフォントはあまり気にしていませんでしたが、いつ頃からか、共和国軍は米空軍や航空自衛隊の用いている45度カット、帝国軍は米海軍の用いている60度カットの数字にするようにしています。機体番号である「201」は、腕だけではなく、地上に近い位置、手の甲や足元にも同じ数字を入れたいので、その位置に相応しい大きさの数字もそろえられる事、も機体番号を決める時に考慮する要素です。それらを考えて必要な大きさが必要な数集められる数字デカールで作る事のできる番号が機体番号に選ばれます。この機体番号にしたい、という意志で決める事が出来ないのは手持ちのジャンクデカール使う事の宿命です。

 

 機体番号以外の数字は、45度カットや60度カット以外の数字を用いています。

 例えばミサイルに貼付けた数字のフォントは45度カットでも60度カットでもない別物です。この文字も数字も、ミサイル二つに同じように貼り付けるので、最低2枚同じものがある数字とアルファベットを適当に組み合わせただけです。「ARMY」と「MISSILE」はそうしたデカールをそのまま用いています。1文字ずつ貼ったのではありません。イメージ優先です。

 その他の場所の数字は、それぞれの製品名や製品番号のイメージになるようにデカールを選んでいる時に目に止った数字を適当に貼っています。

 高機動ウイングの「ARMY」の文字は、ウイングの上面(内側)と下面(外側)で貼り方をかえています。ギルラプターの時に使ったデカールがまだあったので、同じものを用いました。

 おもちゃとしてのアイアンコングMk-2は、ウイングは前後にしか動かすことが出来ません。しかし、もし現実に高機動ブースターが存在し切り離されれば、ウイングは水平に倒れるはずと考えました。実際、壽屋の高機動ブースターはそんなギミックになっています。内側は、ウイングが水平になった時に上面になるので、飛行している高機動ブースターを上から見下ろした時に読みやすい横書きにしました。ウイングが水平になった時に下面になる外側は、アイアンコングの背中に装着時読みやすいであろう縦書きにしました。おもちゃ的にはあり得ない事でも、実物が存在したらこうなるであろう事を想定して各所にマーキングしています。

 ここではずっとロケットランチャーと言っていますが、本来の設定では六連装大型ミサイルランチャーなのです。でも、形状からロケットランチャーと言ってしまいます。本当にミサイルかな?と思う形状をしているので、ロケットランチャーに見えてしまうのです。

 ところが、手持ちで「MISSILE」の文字デカールがあったので、わざわざ「MISSILE LAUNCHER」としました。

 それにしても、この弾倉のデザイン、本物らしさと、おもちゃらしさとフィクション性とが絶妙な塩梅になっていると思います。このデザインを生かした、それらしいマーキングしないと、と思わされます。

 ゾイドにデカールを貼っている時は、ゾイドのデザインを考えた人と対話している気分になります。「これはこう言う意味を意識してデザインしました」とか「ここはこういうつもりの意匠です」とかいうおもちゃのゾイドを設計した人の声を聞いて、「・・・と言う事はこういうデカールを貼ればいいんですよね」と答えているつもりでジャンクデカールを選んで貼っています。

 バックパックには、別途部隊章を入れています。これは、見る人が見ればすぐにわかるのですが、西ドイツ空軍の物をそのまま用いて垂直尾翼にもそのマーキング方法を踏襲しています。もちろん、数字や文字は、高機動ウイングと垂直尾翼と両方に貼る事のできる大きさで集められる数字を選んでいます。

 コックピット、特にアイアンコング本体のコックピットは、トミーさんがしっかり作り込んでくれていますので、これをそのまま用いて、大きさの合うデカールを探して貼りました。もちんそのままではなく、必要な大きさに切り出して貼っています。大人のホビーとしてのゾイドをトミーテックさんから出してくれる事があれば、コックピット内にぴったり貼る事のできる計器デカールを作ってもらえるとありがたいですね。

 

 シートは今回は筆塗です。加工の際に、あらかじめシートの周囲に筋彫りを入れておいて塗料のはみ出しを防ぐようにしています。

 アイアンコングMk-2の改造は、ギミック改造としては、B/Oゾイドであるにもかかわらず1ケ所しか動きを足す事が出来ませんでした。しかし、ギアを組む事が今までで一番多かったので、いかにもリンクを繋いでいると言う印象を強く受けました。そんな改造をしていると、ある思いが湧いてきました。それは、「ゾイドを改造すると言う事は、商品と言う野生ゾイドを購入と言う方法で捕獲してきて、組み立てて遊ぶと言う飼育観察を行い、その上でモーターと言うゾイドコアからギア、シャフト、ギミック部品と言いう神経細胞を繋いで連動箇所を増やす事である」、そう言った時に理解してもらえる改造をしたい、そう話した時に納得してもらえる改造作品を作りたいという思いを持つようになりました。当初のゾイドストーリーは、ゾイドゾーンに辿り着いた地球人が野生ゾイドを改造してメカ生体にしていった、という事なので、あながち間違っていないのかなとは思うのです。ゾイドの改造はそう有るべきだと人に奨めるのではなく、私の目指すところ、という意味です。これからも、そんなところを目指しながらゾイドの改造を楽しむつもりです。 

 

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