ゾイド・ゴーレム 基地警備隊仕様

警備型

ZOIDS Gorem

for Bace guard

帝国側

型式番号

E24-07

シリーズ

B/O

タイプ

<ゴリラ型>

発売

-

全長

3.8m

定価

-

全高

4.0m

オペレーション

バッテリー

全幅

3.2m

ライト点灯

重量

9.4t

使用電池

単2×1

最大速度

175km/h

部品点数

-

乗員

1名

ただしステップに搭乗可能

ゴムキャップ

E(ブラウン)20個

搭載ビークル

主成形色

ホワイト・グレー

主要目的

施設警備・警戒

キャッチフレーズ

五感と頭脳を兼ねそなえた警備メカ。

ギミック

主力武器がスプリング動力伝達方式で作動。しかも武器の取りつけ位置もかえられる。ゴーレム戦士の操縦により、前進します。

その他

-

装備

装備名

搭載数

特徴

40mmハイパーガトリング砲

1

右肩に装備。通常は樹脂弾を装填。

パワーハンド

2

両腕

複合センサーユニット

1

左肩に装備

特徴

 特殊工作メカとして設計されたゴーレムの装備を簡素化した基地警備を目的とした機体。

 ハイパーガトリング砲本体は、最前線機と同じ物であるが、警備隊では通常は樹脂弾を装填している。

 左肩のセンサーは、群衆の中から、動きの異なる危険行動をする不審人物を検出する事が出来るといわれている。

掲載バトルストーリー

-


 20周年記念改造として手を付けたゾイド・ゴーレムがやっと完成しました。思ったより時間がかかってしまい、予想以上に頁も費やしてしまいました。

 このタイミングを狙っていたのではないのですが、ゴーレムは、私がゾイドを集め始めるきっかけとなった機体です。1996年。とあるおもちゃ屋で偶然にもゴーレムを見付け3000円で購入しました。その当時、もうゾイドなんてすっかり忘れていたのですが、思いがけずゴーレムが手に入ったことで、ゾイド熱に火が付き、そこからゾイド収集が始まりました。今回の改造に使ったのはパンツァーティーアのゴーレムですが、当時手に入れたのはもちろんメカ生体のゴーレムです。

 

 前回シールドライガーの改造が終わった後、アイアンコングをやりたいなと思って改造ネタを考え始めました。しかし、良いアイディアが思いつかなくてあきらめたものの、恐竜ではないものを作りたいという思いがあり、じゃあ同じゴリラ型をとゴーレム選びました。ゴーレムをやるなら24ゾイドなんだから24ゾイドらしいギミック改造は何だろう、と考えた結果、24フィギュアにまつわるギミックになるのでは?と思い、操縦管を動かそう、ということにしました。ゴーレムの操縦管を動かすので有れば、装甲でコックピットをおおってしまってはせっかくの改造箇所が見えなくなってしまう、と思いましたので、装甲は使わないことにしました。装甲コックピットで無いならば、最前線の機体にはならないであろう、と思い、警備隊仕様の設定にしようと思いました。警備隊仕様にするのであれば、武器を減らして、装甲も最前機とは異なる物にしよう考えました。で、たどり着いたのが、出来上がったこの形です。

 

 本来のゴーレムと入れ替えた装甲は、手持ちのジャンクパーツの中から左右対称でそろえられる物を選びましたので、最初からこの形を狙っていたわけではありません。ジャンクパーツの使い方選び方は、センスを問われる所なので、なかなか難しいです。外見であるからなおさらです。内部構造のような所で有れば、塗装で周囲のモールドに溶かし込んでごまかしてしまえそうですが、外見はそうはいかないです。

 装甲として使ったのは、航空機モデルの部品が多いです。軍用機をする人であれば、どこから持ってきたかすぐにわかると思います。メカ生体期のゾイドの改造例、バトルストーリーや各種の書籍で取り上げられていた作品は、改造に使った部品の元ネタがすぐに何かわかる用い方が多かったです。メインターゲットとなる小学生が、どこを改造したかが一目瞭然の改造を目指していたことが理由ではあると思います。改造に使った部品の元ネタがすぐにわかるような改造をやってみたい、という思いがありましたので、大きさのバランスだけで、そろえられる部品を集めました。

 足の装甲は、AFVモデルの外装を組み合わせて使っています。

 内部構造には、キャラクターモデルの部品も含めて、手持ちのあらゆるジャンルのジャンクパーツを用いています。ランナーをそのまま用いているところもありますし、プラパイプを半円状にしているところもあります。伸ばしランナーを更に熱してL字に曲げたところもあります。肉抜き穴を埋めるために、パッと見、スカスカに見えなくなるような事を目指しました。

 今回の外見的加工の成果は、バーフレームの作り方を見付けられたことです。見付けたといいましても、ネットで作り方を探したという意味ではなく、いくつか加工方法を試して、たどり着くことが出来た、と言う意味です。

 棒状の部品を曲げるとなりますと、熱して曲げることをまず思いつきますが、それでは曲げた部分がきれいに仕上がりませんし、角度を調整できません。そこで、やってきたように、作り出す実物大の図面を引いて、内部に入れるジョイントの役割をする部品(今回はランナーを使っています)を適当に曲げて、瞬間接着剤で角度を出して引いた図面に重ねた状態で固定してから、隙間をパテで埋めて成形する、と言う手順になりました。おかげで、形を出しやすくそれでいてほしい形にすることが出来るようになったことは、今後の改造にも役立つと思っています。

 前述の通り、ゴーレムを作るので有れば、24ゾイドらしいギミック改造をしたい、と思ったことから、コックピットのギミック改造を行いました。

 実際に加工しましたところ、既存の部品で加工したのは、コックピットとパワーユニットの腕のシャフトの二つだけなのです。もちろんフィギュアは別途関節を緩めるという加工はしていますが、ゴーレム本体だけで見ますと、2カ所だけなのです。コックピットと操縦管、ゴーレムの腕のシャフトとの位置関係を考えますと、当初のゴーレムは、操縦管を動かすことを目指して設計が始まったのではないかと思わされてしまいます。ここでは、操縦管を動かすギミックにポリジョイントを使って、かつ組立にはピンセットを使うなどの手間をかけなければならないのですが、当時のトミーさんであれば、ゴムキャップもうまく使って、組立しづらくならないような手順を考えての部品の分割方法で、操縦管の動くゴーレムを作ったのではないかと思います。毎度の事ながら、もしかしたら、予定されていながら省かれたギミックを再現した改造であったかもしれない、とも思っています。

 操縦管の動きは、ゴーレム本体の腕のシャフトから取り出しいていますので、歩行の動きと連動しています。それをふまえて操縦管を動かすことになりますので、操縦管のための動きの取り出しは、90度ずらしにしました。もしこれが180度ずらしにしますと、右の操縦管を引けば左の操縦管を前に出す事になり、その時のゴーレムの腕と足動きは連動して、仮に左腕が前右腕が後としましょう。次に左の操縦管を引けば右の操縦管を前に出すことになり、今度は右腕が前左腕が後となります。これって、つまるところ、すっかり竹馬の動きになってしまうのです。パイロットに対して、こんな大がかりな竹馬は避けたいと思いました。そこで、90度ずらしにすることで、操縦管を両方とも前に倒している瞬間と、両方とも後に引いている瞬間があることで、さも操縦しているかのような動きを演出したつもりです。 →

 今回のギミック改造は、ここ一カ所で、終わらせてしまいましたが、塗装しているときに、もう1カ所くらい動きを追加したいと思うようになりました。もっと思い切っておもちゃおもちゃしたギミックでも良いような気がします。機会ある時に再度挑戦してみたいと思います。

 今回は、コックピットにもう一工夫しています。これまで1/72ゾイドのコックピットでは、航空機モデルの計器デカールを貼って表現してきましたが、今回は1/24と言うことで、これまでと同じ方法が採れません。また、ゴーレムは、目を光らせるムギ球が、裏側でモニターとなるような演出がされているので、そこに合うデカールを用意するのは容易ではありません。そこで、今回は、モニター部分はそれ以上の演出はせず、側面の機器に力を入れることにしました。

 コックピットの塗装は、外側はゴーレム本体の内部構造という解釈でのグレー、コックピット内側は明るいブラウン、シートとヘッドレストを濃いブラウンにしました。塗料を使っての作業はここまでで、後はデカールを用いました。

 パイロットの左側。

 緑赤青の丸いランプのようなモールドは、丸く抜いたデカールを貼っています。手持ちのジャンクデカールの中から、適当な色を選んで、ポンチで抜いて使っています。

 その周囲にある赤い四角いランプのような物も文字もデカールです。

 その前側、スライドボリュームのツマミのような部分もデカールです。黒いデカールを細長く切って、ツマミを包むように貼ります。実際には1回で貼り切れず隙間が出来てしまいますので、乾燥後包みきれなかった部分を更に黒いデカールを貼りました。要は黒いデカールでラッピングするように貼ったわけです。既存のモールドに塗装をしようとしても、小さなモードを塗り分けるのは容易ではありません。予め筋彫りをしておくという方法もありますし、塗料をかなり粘度の高い状態にいして塗装という方法もあるかもしれません。しかし、デカールであればはみ出ても乾く前に修正出来ますし、場合によっては、貼った後で乾く前にその場で切ると言うこともできます。塗料が、はみ出たりした後の修正のしづらさを考えると、デカールで塗装する、という感覚の方が作業しやすいと考えました。

 パイロットの右側。

 一番後ろ側の青いパネル部分は、1/48の航空機モデルのアクセサリーから持ってきて貼っただけです。その前側、3つ有るのは、やはりスライドボリュームのようになっていますので、左側同様、ツマミ部分を黒いデカールでラッピングするように貼っています。

 スライドボリュームに挟まれている部分は、目盛のモールドが有るように見えたので、何かしらのインジゲーターと想定しました。そこで、まず、内側ぴったりの大きさに白いデカールを切り抜いて貼り付け、しっかり乾燥後に更に細い赤いラインデカールを切り出して、適当な長さに貼りました。白地に赤ラインのインジゲーターでは、らしさで劣りますが、小さな所にも凝っていることをアピールするために、目立ちやすいコントラストの高い色使いにしました。

 より精密な模型を作るのであれば、計器から全て作り起こすこ方が、らしさが表現できると思います。でも、動くおもちゃ、を作っていると言う認識なので、既存のモールドを生かしながららしさも狙う方向を考えてみました。計器を作り起こすセンスと腕がないのも事実です。塗装直後ののっぺりな様子からしたら、雰囲気は出ていると思います。

 ウエーブさんのパンツァーティーアの時に、コックピットに使う計器デカールも作ってくれたら良かったのに、とも思いました。

 ゴーレムの完成まで、随分時間がかかってしまいましたが、その大部分が装飾的な加工でした。

 ゾイドは、部品点数を減らして組立を簡単に出来る様にしてあります。そのため、各部品は複雑な形状をしていて、かつスライド金型を使わずに作られているため、思わぬ所にパーティングラインが走っています。やはり、ゾイドを改造するからには、パーティングラインの処理や肉抜き穴の何らかの処理は欠かせませんね。

 動くおもちゃであることは間違いないことですが、子供のおもちゃであるからこそ手を抜けない、という意識があります。

 大人が、安かろう悪かろうを認識して手に取るのであれば、自身の判断といえます。しかし、子供に品質を認識させるのは難しいです。だからこそ、しっかり作られた本物と言える物を与えたい、と言う思いがあります。かといってメーカーは大量生産と安全性という役割を担っている中での妥協点を探った結果の商品を出していることは理解しましすし、実際ここまで加工してしまうと、子供が手にとって楽しく遊べるかというとそうでもないのも事実です。しかし、ユーザーとして改造するからには、可能な限り手を入れて、おもちゃとして本物にしたい、と思っています。

 子供の頃、観光地のおみやげ屋さんで、木の独楽を買ってもらったことがあります。当時は、そんな木の独楽よりも、テレビやっているロボットやヒーローのおもちゃの方が欲しくて、独楽はそのままおもちゃ箱の奥に入りっぱなしになっていました。そのおかげで、忘れ去られてしまい、捨てられることなく残っていました。ある程度の年齢になってからその木の独楽をみると、おもちゃでありながらしっかり作られていることを感じました。一方で駄菓子屋さん金属の独楽(詳細は覚えていませんが鋳物のベーゴマではありません。)を買ったことがありますが、こっちは、芯棒がずれていてうまく回らなかった覚えがあります。3個セットで200円くらいだった覚えです。子供のおもちゃだから軸がずれていてもかまわない独楽は、独楽と言えるのか。そんな記憶があるので、動くおもちゃであるゾイドも、改造するからには見落とし無く手を加えて子供に与えて恥ずかしくないおもちゃに出来たらな、とは思います。彼が大人になって見直したときに、こんないいおもちゃで遊んでいたんだ、と思ってもらえるようなものを作れたら良いなとは思います。出来上がったゴーレムを動かして、パイロットが操縦しているかのような動きをしているのを見ると、そんなことを考えてしまいます。

 

 ゴーレムは、1988年まだ昭和の時代に発売されました。それが30年たって、やっと24ゾイドらしいゾイド・ゴーレムにする事が出来たような気がします。もし、1980年代に、既にこんな改造が出来ていたら、もしくは、最初から24フィギュアが操縦する24ゾイドがあったら、もっと24ゾイドのラインナップが充実していたかもしれない、とも、もっと動きのおもしろいゾイドが出来ているかもしれない、とも思えてます。今回の初めての24ゾイドの改造は、得る物が多かった改造となりました。もう一カ所くらい動かせそうなので、機会見て再挑戦してみたいとも思います。  

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