EWG ニュース リリース 2008年8月15日
FDA のビスフェノールAに関する決定は
カリフォルニア州の議員に影響を与えることを意図している
情報源:Environmental Working Group News Release, August 15, 2008
FDA Decision Over BPA Meant to Influence California Lawmakers?
http://www.ewg.org/node/27022
訳:安間 武 (化学物質問題市民研究会)
http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/
掲載日:2008年8月29日
このページへのリンク:
http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/research/ewg/080815_ewg_BPA.html
【オークランド カリフォルニア】 エンバイロンメンタル・ワーキング・グループ(EWG)の上席アナリスト、レニー・シャープは、本日の米食品医薬品局(FDA)による消費者製品からのビスフェノールA(BPA)への暴露は安全であると主張する発表(
訳注1
)に対して次のような声明を出した。
FDAの発表は、カリフォルニア州議会がで3才以下の子どもに用いられるいくつかの消費者製品に含まれる有害物質を初めて禁止する法案を通過させようとしている数日前になされている(
訳注2
)。
”FDAによる発表のタイミングは、カリフォルニア州議会がいくつかの消費者製品からこの有害物質をなくそうとする措置に関し、まさに投票しようとしていることを考えると、驚きである。BPAは、動物における脳の発達の変更、行動の変化、前立腺の問題に関係しており、食品や液体に漏れる可能性のある消費者製品中、特に毎日欠かさず小さな子どもが使用する製品中ではでは使用されるべきではない”と EWG の上席アナリスト、レニー・シャープは述べた。”我々は長らく、FDAのBPAに関する公平な権限に対する能力を信用できなくなっている。FDAはたびたび、この化学物質に関して公衆の利益ではなく特定の利益の側に立ってきた”。”議会もまたこの件に関してFDAに対する信用をかなり失っているように見える”とシャープは述べた。
昨春、FDAを監督する下院委員会は、FDAが政府の科学者や独立系研究所により発表された100以上の報告書を無視し、この有害化学物質が人の健康にリスクを及ぼさないと結論付けた化学産業界から金の出ている二つの研究にのみ依存していたことが判明した後、FDAがどのようにBPAを評価していたのかについての調査を開始した。
(
Studies on Chemical In Plastics Questioned Congress Examines Role Of Industry in Regulation Washington Post Staff WriterSunday, April 27, 2008; A01
)
訳注1
FDAのBPA 評価レポート
BPAの安全性評価に関するFDAのウェブサイト
DRAFT ASSESSMENT OF BISPHENOL A FOR USE IN FOOD CONTACT APPLICATIONS
(FDAによる食品へ接触する製品に使用されているBPAの安全性評価書草案(原文))
EXECUTIVE SUMMARYの日本語全訳(ビスフェノールA安全性研究会)
ビスフェノールA安全性研究会/ニュース
訳注2
C&EN 2008年9月8日 カリフォルニア州 化学物質法案採択 連邦政府の TSCA への行動の前兆となるか
ビスフェノールAの哺乳瓶等での使用禁止を求める法案は2008年8月29日に否決されたが、2011年10月5日に採択された。
California Restricts Toxic Chemical BPA / Breast Cancer Fund October 5, 2011
関連情報
EHN 2008年10月30日論文解説/ビスフェノールAに関するFDAの決定案には重大な欠陥がある
USA Today Nov 01, 2008 Advisers: FDA decision on safety of BPA 'flawed'
C&EN August 25, 2008 FDA Calls BPA Safe
AP Aug 15, 2008 FDA says chemical found in plastic bottles is safe
米化学会2008年7月17日ウェブ掲載記事紹介/ビスフェノールAに関する国家毒性計画(NTP)概要草稿 異なる意見の入り混じったピアレビューを受ける
Our Stolen Future (OSF)による解説 2008年4月6日/ビスフェノールA 欠陥あるレビューは安全を保証しない
ビスフェノールAに関するNTP概要草稿に対するNTP 科学諮問委員会(BSC)の勧告 2008年6月11日
CBCニュース 4月15日/カナダ保健省 ビスフェノールAを危険物質と分類 発表間近
EWG 2008年1月/国立健康研究所(NIH)はBPA暴露影響に関する欠陥報告書を見直す
米化学会 C&EN 2007年9月3日/ビスフェノールAの悩み 二つの政府諮問委員会が健康リスクに関しほとんど正反対の結論
EHN 2007年8月10日による論文解説/チャペルヒル ビスフェノールA専門家委員会合意声明メカニズム、動物での影響及び現状の暴露レベルでのヒトの健康への潜在的な影響の統合
国家毒性計画会議概要 2007年3月8日/ヒト生殖リスク評価センター(CERHR) ビスフェノールAに関する専門家委員会評価 2007年3月5-7日
EWG プレスリリース 2007年2月28日/化学産業コンサルタント会社が連邦政府の生殖健康機関(CERHR)を運営
化学物質問題市民研究会
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