国家毒性計画会議概要 2007年3月8日
ヒト生殖リスク評価センター(CERHR)
ビスフェノールAに関する専門家委員会評価
2007年3月5-7日


情報源:MEETING SUMMARY
NATIONAL TOXICOLOGY PROGRAM, March 8, 2007
CENTER FOR THE EVALUATION OF RISKS TO HUMAN REPRODUCTION
EXPERT PANEL EVALUATION of BISPHENOL A
MARCH 5-7, 2007
http://cerhr.niehs.nih.gov/chemicals/bisphenol/MEETING_SUMMARY_BPA.pdf
訳:安間 武 (化学物質問題市民研究会)
http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/
掲載日:2007年3月25日
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http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/research/NTP/070308_NTP_CERHR_Summary.html


 国家毒性計画(NTP)ヒト生殖リスク評価センター(CERHR)によって召集された独立系14人のメンバーからなる専門家委員会は、ビスフェノールAの潜在的な生殖系及び発達系への有毒性に関する500以上の科学的研究を検証し評価するために二日半の作業を行った。
 この評価作業は長大で複雑であるために専門家委員会は検証を完了することができなかったのでビスフェノールAについての結論を出すために再度会議を召集する。次の作業会議は今後数ヶ月以内に実施されることが期待され、会議は公開される。資料がそろい次第会議の詳細を発表し、ウェブサイトに暫定的報告書草案を掲載する予定である。(http://cerhr.niehs.nih.gov/

 専門家委員会はビスフェノールAに関し3つの主要な領域:ヒト暴露、生殖毒性、及び発達毒性に関する科学的証拠を検証し評価している。3月の会議で、委員会は、化学、使用とヒト暴露、一般毒性学的及び生物学的影響、発達毒性データ、及び生殖毒性データに関する章について報告書草案を修正した。今後の会議で専門家委員会は最終結論に達し、研究の必要性を特定し、報告書を完成する。

 ビスフェノールAは、主にポリカーボネート・プラスチック及びエポキシ・レジンの製造に用いられる高生産量化学物質である。ポリカーボネート・プラスチックは食品と飲料用容器に用いられ、レジンは食品缶、ボトル上部、及び水供給管のような金属製品のコーティング用ラッカーとして用いられる。歯科用詰め物に用いられるある種のポリマー及び歯のコーティングはビスフェノールAを含んでいる。一般の人々の暴露はビスフェノールAに直接触れるか、またはビスフェノールAを含む材料に接触した食品または飲料を通じて行われる。

 CERHR がこの物質を評価対象に選んだ理由は(1)高生産量、(2)広範なヒト暴露、(3)動物実験での生殖毒性の証拠、及び(4)公衆の懸念である。

背景
 NTP は、ヒトが暴露する人工または天然由来の化学物質または化合物によって引き起こされる生殖系及び/または発達系に与える有害影響の可能性の科学に基づく一様な評価を行うための公共のリソースとして1998年に設立された。

 CERHR は、評価を実施するために科学的専門家からなる独立委員会を招集した。専門家委員会は公衆に開かれており公衆は CERHR 専門家委員会の委員としての科学者を推薦するために招かれる。ひとつの化学物質の評価を完了するために国家毒性計画は化学物質の生殖毒性または発達毒性の可能性に関する意見を含む NTP-CERHR モノグラフ(論文)、専門家委員会報告書、及び最終専門家委員会報告書に対するパブリックコメントを作成する。CERHR は今までに他の化学物質に関する17の NTP-CERHR モノグラフ(論文)を完了しており、それらは CERHR のウェブサイトで入手可能である。

 専門家委員会の検証または CERHRに関する質問は CERHR ディレクター、ミカエル・シェルビ宛てお願いする。
919-541-3455 or shelby@niehs.nih.gov



化学物質問題市民研究会
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