ビスフェノールAに関するNTP概要草稿に対する
NTP 科学諮問委員会(BSC)の意見
2008年6月11日


情報源:Actions on the Draft NTP Brief on Bisphenol A
by the NTP Board of Scientific Counselors (BSC), June 11, 2008
http://ntp.niehs.nih.gov/files/BSCactionsBPA_508.pdf

訳:安間 武 (化学物質問題市民研究会)
http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/
掲載日:2008年8月19日
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http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/research/NTP/080611_NTP_BPA_BSC.html


科学諮問委員会(BSC)は、ビスフェノールAに関するNTP概要草稿の下記結論について記述するとおり合意した。

  • BSCは、満場一致(賛成12、反対0)で、ビスフェノールAに関するNTP概要草稿中で引用されている科学的証拠は、現在のヒト暴露において、胎児、幼児及び子どもにビスフェノールAの神経及び行動影響の多少の懸念(*)があるとするNTPの結論を裏付ける−ということを認めた。

  • BSCは、(賛成10、反対2)で、ビスフェノールAに関するNTP概要草稿中で引用されている科学的証拠は、前立腺への影響に基づき、現在のヒト暴露において、胎児、幼児及び子どもにビスフェノールA暴露の多少の懸念があるとするNTPの結論を裏付ける−ということを認めた。

  • BSCは、(賛成11、反対1)で、ビスフェノールAに関するNTP概要草稿中で引用されている科学的証拠は、ビスフェノールAへの妊婦の暴露は、胎児又は新生児の死亡、出生障害、又は出生体重の低下及び出生後の成長に影響を与えるという懸念は無視できるとするNTPの結論を裏付ける−ということを認めた。

  • BSCは、満場一致(賛成12、反対0)で、ビスフェノールAに関するNTP概要草稿中で引用されている科学的証拠は、ビスフェノールAへの暴露は、非職業的に暴露した成人に生殖影響を及ぼすという懸念は無視できるとするNTPの結論を裏付ける−ということを認めた。

  • BSCは、(賛成11、反対0、棄権1)で、ビスフェノールAに関するNTP概要草稿中で引用されている科学的証拠は、ビスフェノールAへの暴露は、職場でより高いレベルのビスフェノールAに暴露した労働者の懸念は最小であるとするNTPの結論を裏付ける−ということを認めた。

 BSCは、ビスフェノールAに関するNTP概要草稿中の、乳腺と女性の成熟年令の早期についての懸念のレベルを”多少”から”最小”に変えることを勧告した。委員会は下記結論を勧告した。

  • BSCは、(賛成7、反対4、棄権1)で、ビスフェノールAに関するNTP概要草稿中で引用されている科学的証拠は、乳腺への影響に基づき、現在のヒト暴露において、胎児、幼児及び子どもにビスフェノールA暴露の最小の懸念があるとするNTPの結論を裏付ける−ということを認めた。
  • BSCは、(賛成7、反対4、棄権1)で、ビスフェノールAに関するNTP概要草稿中で引用されている科学的証拠は、女性の成熟年令の早期に基づき、現在のヒト暴露において、胎児、幼児及び子どもにビスフェノールA暴露の最小の懸念があるとするNTPの結論を裏付ける−ということを認めた。

(*)NTPにより使用される最高から最低まで5段階の懸念:深刻な懸念(serious concern)、懸念(concern)、多少の懸念(some concern)、
(minimal concern)、無視できる懸念(negligible concern)


訳注:関連記事


化学物質問題市民研究会
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