欧州環境事務局(EEB)プレスリリース 2010年7月23日
ナノ食品:欧州議会 安全第一を求める

情報源:European Environmental Bureau (EEB) Press Release Brussels, 7th July 2010
Nano food: European Parliament puts safety first
http://www.eeb.org/index.cfm/news-events/news/
nano-food-european-parliament-puts-safety-first/


訳:安間 武 (化学物質問題市民研究会)
http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/
掲載日:2010年7月26日
このページへのリンク:
http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/nano/ngo/100707_EEB_Nano_Food.html

 環境市民団体の欧州最大の連合体である欧州環境事務局(EEB)は、ナノ物質を含む食品の安全と表示のための強い措置を支持した本日の欧州議会採決結果を歓迎する。これは新規食品規則の第二読会においてなされた決定である。

 欧州議会はナノ成分を含む全ての製品の義務的な表示を従来から求めており、ナノ物質の安全性をテストする具体的な手法が必要であることを認めていた。これらの手法が利用可能となるまで、ナノ物質を含む食品はEUの市場に出すべきではない。

 ナノテクノロジーは10億分の1メートルの単位で測定される非常に小さな粒子を使用しており、食品やその他の製品に新たな特性を与える。そのサイズが微小であるために、ナノ粒子はヒト体内に入り込み、我々の細胞、組織、器官に侵入する大きな危険性を有している。

 ”議会は、安全であることを証明する適切な手法を我々が得るまで、ナノ食品は我々の食卓ににあがることはできないことを完全に明らかにした”とEEBナノテクノロジー政策担当官ルイス・デュプレは述べた。

 多くの専門家らがナノ物質によってもたらされるリスクに関する知識の欠如について警告しており、予防的アプローチがとられるべきであると述べている。欧州食品安全委員会(EFSA)は、特定のナノ製品のリスク評価を実施するにことは大きな不確実性があり、既存の毒性学的テスト手法の適切性に疑問を示した[原注1]。

 この慎重なアプローチはすでに2009年の議会における第一読会で採択されている。今後は、食品におけるナノテクノロジーに関する立場を見直す欧州理事会の手に委ねられており、今年の後半に理事会による審議されることになっている。

連絡先:
Louise Duprez, EEB Nanotechnology Policy Officer,
+32 (0) 2289 1097, louise.duprez@eeb.org

Simon Nazer, EEB Press Officer,
+32 (0) 2289 1309 , press@eeb.org

記者への情報
[1] EFSA’s scientific opinion on “The Potential Risks Arising from Nanoscience and Nanotechnologies on Food and Feed Safety”, 10 February 2010
http://www.efsa.europa.eu/en/scdocs/scdoc/958.htm
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