FoE オーストラリア メディアリリース 2009年3月26日
欧州議会採択 ナノテク食品を事実上、一時禁止(モラトリアム) 情報源:Friends of the Earth Australia MEDIA RELEASE, 26 March, 2009 Members of European Parliament vote for de facto moratorium on nanotech food http://nano.foe.org.au/node/311 訳:安間 武 (化学物質問題市民研究会) http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/ 掲載日:2009年4月8日 このページへのリンク http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/nano/FoE_au/FoE_au_090325_MEP_moratorium_nanofood.html 3月25日、新規食品に関する指令についての第一読会で欧州議会議員(MEPs)は、ナノテクノロジーを使用して製造される食品(”ナノ食品”)の安全性評価のための厳格な新たな規則の制定を圧倒的多数で採択した。同指令は、動物試験ではない方法で、承認されたナノ特定の標準化された安全評価を受けた後にのみ、ナノ食品を市場に出すことができると述べている。そのような評価のためのテスト手法はまだ存在しないので、この修正された新規食品指令は欧州連合におけるナノ食品の販売に関して事実上一次禁止(モラトリアム)となる。このことは、欧州連合の理事会で各国政府代表により合意されなくてはならない。 欧州議会議員はまた食品中の工業的ナノ物質成分の表示義務、及び倫理及び環境評価を採択した。 新規食品指令で用いられている定義は、”ナノ物質は意図的に製造された1又はそれ以上の外部次元、又は内部構造が、概略100ナノメートル以下の物質を意味する”と述べている。 地球の友による2008年の報告書(訳注1)は、国際的に少なくとも104の食品、食品成分、食品容器包装と食品接触物質、台所用品、及び農業用製品が工業的ナノ物質を含んでいる。表示義務がないので、この104という数字は販売されている実際の数のほんの一部を表しているように見える。 食品中でのナノテクノロジーの商業的利用に関する事実上の一時禁止(モラトリアム)に対する欧州議会の支持は、ナノ食品のリスクに対する傲慢なアプローチをとっているオーストラリア規制当局に対する警告である。 つい数週間前、食品と飼料の安全に関するナノテクノロジーとナノサイエンスに関する新たな”科学的意見”の中で、欧州食品安全機関(EFSA)科学委員会は次のように述べている(訳注2)。”食品と飼料中の工業的ナノ物質の特性化(characterisation)と評価(analysis)に関して、リスク評価プロセスはまだ開発中である・・・。このような状況下においては、どのような個別のリスク評価も高い不確実性を条件にしているように見える。工業的ナノ物質のもっと多くのテストデータと経験が得られるまで、この状況は続くであろう”。 欧州議会は、ナノ物質のためのリスク評価プロセスが確認されるまで、ナノ食品は販売されるべきではないと述べている。ナノ物質の健康と環境へのリスクは重大であるがほとんどわかっていないので、事実上の一時禁止についての欧州議会の支持は、道理にかなっており、まさに必要な措置である。 ナノ物質についての現在のリスク評価プロセスは適切であるとするオーストラリア・ニュージランド食品基準(FSAZ)の主張は今、問題にされなくてはならない。 欧州議会のプレスリリースは下記にて見ることができる(訳注3)。 http://www.europarl.europa.eu/news/expert/infopress_page/067-52498-082-03-13-911-20090324IPR52497-23-03-2009-2009-false/default_en.htm 訳注1 訳注2 訳注3 |