2010年3月16日欧州議会プレスリリース
明確でもっと情報のある食品ラベル

情報源:EUROPEAN PARLIAMENT Press Release 16-03-2010
Clearer and more informative food labelling rules
http://www.europarl.europa.eu/news/expert/infopress_page/
067-70614-074-03-12-911-20100315IPR70613-15-03-2010-2010-false/default_en.htm


訳:安間 武 (化学物質問題市民研究会
掲載日:2010年3月30日
このページへのリンク:
http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/nano/eu/100316_EP_food_labelling_rules.html

ナノの条項にジャンプ

 食品ラベルは、カロリー含有量と栄養価に関する情報を示すべきであるが、それらは誤解を与えてはならず、消費者が情報に基づいて選択できるように理解しやすくなくてはならない−と環境委員会の議員らは火曜日(16日)に述べた。しかし、同委員会は重要な栄養成分量を示すための”交通信号”(方式カラーコーディング)システムの全EUでの使用を課すことは否決した。

 レナテ・ソマー (EPP, DE)によって起草された委員会報告書は、議会が800近くの修正に関して採決した結果、賛成52票、反対2、欠席5で承認された。同委員会は本件について18ヶ月にわたり討議を行なっていた。

 この法案は、欧州連合内で食品ラベルを最新のものにし、単純にし、明確にすることを目的にしている。それは、全てのラベルについて義務的な情報に関する成分リスト、賞味期限("best before" or "use by")、使用上の特別な条件などの既存の規則に対して小さな変更を行なうとともに、主要な栄養情報をリストする要求を加えるものである。委員会は原産国の表示もまたある場合には義務的であるべきとして加えた。

義務的栄養情報:カロリー含有量についての特別規則
 議会は、含有カロリーのような主要栄養情報と、脂肪量、飽和脂肪、炭水化物、砂糖、塩は全EUで全ての食品に義務付けらなくてはならないことに同意した。しかし、このリストに彼らは、たんぱく質、繊維、天然及び人工のトランス脂肪酸を加えたが、これらは欧州委員会提案の下では自主的となるであろう。

 全ての義務的栄養情報は包みの全面に示されるべきである。しかしカロリー含有量は消費者にとって最も重要なので、議会はその可視化を確実にするために特別規則を加えた。

"交通信号"ラベルは義務的ではなく、加盟国は国内規則で採択してもそのままにしてもしてもよい。
 S&D、GUE、 Greens、ALDE のグループの何人かの議員による”交通信号方式”包装全面カラーコーディングの義務付けは委員会により拒否された。

 議会は、この規則は情報がどのように表示されるべきかに関する一般規則を規定するだけで、どのような特定のシステムを規定するものではないことについて同意した。このことは加盟国が国内ラベル規則を採択するか既存のまま維持するかについの選択を可能にする。彼らが追加的な国内スキームを推進するのを防ぐための修正は、これはEU規則を損ねないということで、否決された。

消費者の誤解を避けるために、”模倣食品”の明確なラベル
 食品包装の表示によって誤解させられないようにするための規則を強化した。彼らはまた、異なる食品であるという印象を作り出すようなやり方で表示されるべきではないと主張した。成分が替えられている場合には、ラベル上に明確に述べられるべきである。

義務的な原産国表示
 議会は、食肉、家禽肉、乳製品、果物と野菜、及び単一材料製品、及び加工食品中で単一材料として使用される食肉、家禽肉、及び魚肉の原産国が表示されるべきことを望んでいる。

読みやすさ
 委員会は、全ての情報は最低3mmフォントサイズで示されるという欧州委員会の提案要求を、情報は明瞭な読みやすさを確実にする方法で与えられるという規定に置き換えることを勧告した。委員会は欧州委員会が食品に関する消費者情報の読みやすさを確実にするガイドラインを起草するよう求めた。

ナノ物質は表示されなくてはならない。
 議会はナノ物質を含む製品は、成分リストに”nano”という表記を使って明確に表示されることを要求する。

アルコール飲料の栄養宣言の除外
 議会は義務的な栄養宣言からアルコール飲料を除外することを採択した。

栄養宣言の内容  (訳注:略)
栄養プロファイル削除  (訳注:略)
発効
 産業に新たな規則に対応する十分な時間を与えるために、この規則はEU官報による発表20日後に発効するが、栄養表示に関する規則はその後3年経過後発効する。従業員100人以下で年間売り上げが500万ユーロ以下の食品ビジネス二ついては5年後とする。

次のステップ
 議会の総会での第一読会は5月末が計画されている。理事会は、提案が環境委員会で再度議論されるまえに、その見解を採択しなくてはならない。



化学物質問題市民研究会
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