ORION 300mm f4.5 その1

 公開:2010年5月22日〜
更新2017年4月10日 *この望遠鏡を手放しました

大口径が欲しい!

  望遠鏡を購入する時、どうしても大口径が欲しくなる。ただし、でかい、重い、高い。最初、張り切って購入しても、結果的には粗大ゴミのように家を圧迫してくる。ここでも、Al Nagler の名言 「望遠鏡は、使わない時間が長い」。
 都会の空では、大口径はなかなか発揮できない。通常なら、
Kowa High Lander Prominar の方が使いやすく、シャープだ。それでも、天頂付近の球状星団、木星等では、口径がものをいってくる。富士山遠征だと、春の銀河団など本領発揮だ。

 大口径といっても、やはり使いやすさ、運搬面も大切で、簡単に運搬・設置できるようにしたい。ORION 300mm f4.5 だと、鏡筒の重さがわずか14.5sで、ドブソニアン架台に載せるだけで使用できる。我が家で、最も迅速・手軽に稼動できる望遠鏡は、実はHigh Lander ではなく、ORION なのだ(もちろん外気温と差があると、星はお団子になってしまうが)。我が家の車(乗用車)に乗せるには、この大きさが限界。HiLux 増反射コート + 高精度ミラー + クーリング・ファン仕様を2008年10月に購入した。

  

レーザー・コリメーター/光軸調整アイピース

 FARPOINT  FP210 & FP261 を採用。なんたって、カッコいい。遠征先でも、スッと光軸を合わせられる。

 

  

フォーカサー交換

  現在の機種はどうなっているかわからないが、私が購入した時はフォーカサーにガタツキがあり、問題があった。そこで、フェザー・タッチ・フォーカサーに置換。フォーカシングのフィーリングは大切だ。実に具合が良くなった。

 

ファインダー交換

 ファインダーは、APM-Bino と同様、国際光器扱いの正立ファインダーに交換した。50mm 8倍で正立、これ以外に考えられない。中国製のOEMなので、他の販売店でも同じ機種がある。

 

アイピース・双眼装置

 惑星の場合、単眼で Pentax XO 5mm Zeiss ABBE II 4mm で見る場合もあるが、基本は双眼。独Baader 社製 Mark V を使用している。Zeiss の双眼鏡もしかり、プリズムの明るさが全然違う。これに、TeleVue Panoptic 24mm を常用装着。これで最大実視界が得られる。ただし、リレーレンズも試したが合焦せず、2" glass path corrector を使用。 この場合、焦点距離が1.7倍になり、下記の通り、実視界0.67°、96倍となる。

 今までは、EWV 32mm 等で導入し、その後、アイピースと一体化して収納している双眼装置に交換して見ていた。スーパー・ナビゲーターを装着してからは、導入精度が極めて優秀で実視界0.67° の中に天体が導入されるので、最初から最後まで双眼装置のままが多い。

  ちなみに、使用しているアイピースと実視界、倍率、等は(*2013年12月更新)、

  焦点距離

  倍率

実視界

見掛視界

アイ・レリーフ

射出瞳径

備考

Orion 300mm F4.5 1350mm            
EWV 32mm 42 2.01° 85° 20mm 7.1mm  
エルフレ 25mm 54 1.15° 62° 21mm 5.6mm 馬頭用-その1
Brandon EFL 24mm 56 0.94° 53°   5.3mm 馬頭用-その2
NAV-HW 17mm 79 1.28° 102° 16mm 3.8mm  
NAV-HW with EiC 14mm 96 1.06° 102° 16mm 3.1mm  
Docter UWA 12.5mm 108 0.78° 84° 18mm 2.8mm  
Leica Vario Zoom ASPH. 17.8mm 76 0.79° 60° 18mm 4.0mm  
8.9mm 152 0.52° 80° 18mm 2.0mm  
Ethos 8mm 169 0.59° 100° 15mm 1.8mm  
Ethos 6mm 225 0.44° 100° 15mm 1.3mm  
Nagler Type 6 5mm 270 0.3° 82° 12mm 1.1mm  
Pentax XW 5mm 270 0.26° 70° 20mm 1.1mm  
Pentax XO 5mm 270 0.16° 44° 3.6mm 1.1mm  
Zeiss ABBE II 4mm 337 0.13° 43°   0.9mm  
Ethos 3.7mm 365 0.3° 110° 15mm 0.8mm  
Pentax XW 3.5mm 386 0.18° 70° 20mm 0.8mm  
 +双眼装置 (f=7.65換算) 2295mm            
Panoptic 24mm 96 0.71° 68° 15mm 3.1mm
Docter UWA 12.5mm 184 0.46° 84° 18mm 1.6mm  
TeleVue Powermate 2"            
Zeiss Abbe-Barlow 2-2.2-

2.6-2.8

×

       
TMB Supermonocentric

 ED

1.8

×

       

   

  

スーパー・ナビゲーター  *現在は使用していません

 導入にはSkyScout を使っていたが、ある日、国際光器のwebsite を見たら、スーパー・ナビゲーターのLightbridge 用取り付けキットが店頭処分品で格安で出ていた。工夫すればORION に付くな、と思い購入。

 ドブソニアンの架台の中央のナットを外すと、水平(赤経)軸エンコーダー用プーリーがすっぽり装着できた。エンコーダーは両面テープで接着。今は、車の外装だって両面テープで接着する時代。わざわざ苦労してネジ留めする必要は無いのだ。付属のベルトは長すぎるので、MonotaRo で175mm のものを購入。エンコーダーは、直付けもできるが、軸が少々ぶれるので、わざとプーリーを介してショックを吸収できるようにした。ちなみに、ベルトはタイミング・ベルト(歯付)なので、すべりは生じない。

 垂直(赤緯)軸3点支持部分も両面テープで固定。ここの両面テープは厚めのものを使用し、センタリングの誤差による多少の上下動をここで、まず吸収させるようにした。3点支持中央部はゴムブッシュになっていて、ここにエンコーダーを押し込むようになっている。エンコーダーの支持板はベルクロで固定、ここでも上下動の誤差を吸収するようになっている。

 導入は極めて正確。双眼装置の実視界0.67° の中に天体がスパスパ導入されるので、次々と銀河が堪能できる。気ままに鏡筒を動かし、導入も可能なこのタイプは、本当に便利だ。近年、液晶画面のものも出ているようだが、私は光電管を使ったこのタイプが好きだ。

 普段は、赤緯軸のエンコーダー部分だけ外して置いてある。観望の時は、従来同様、架台に鏡筒を載せるだけ。導入したい時は、すぽっとエンコーダー部を押し込んで装着するだけである。

 なお、私が国際光器から購入した時、袋の赤軽・赤緯表示が逆になっていて、いくらやってもエンコーダーの設定ができなかった。今は直っているが、2009年秋までのものを使う場合は、注意が必要だ。

 水準器は、土牛 デジパスミニDWL-80G が便利。スパッと水平・垂直を教えてくれる。このcal. をしっかり行うと導入誤差が小さくなるので、侮れない。

  -充電池-

 電池は006P で、一晩で使い切ってしまう。コストはばかにならないが、ネットでリチウムイオン充電池を見つけた。ニッケル水素充電池は電圧が低すぎるか高すぎるし、今まで録音で幾度も散々な目に遭ってきたので、全く使う気になれなかった。リチウムイオンという事でさっそく購入したが、電圧がフル・充電で8.3Vしかない。スーパー・ナビゲーターに使ってみたが、3〜4時間が限度。しかし、スーパー・ナビゲーターは数時間すると導入誤差が大きくなってくるので、ここで交換して一休憩するのも良いかもしれない。まだ使い始めたばかりだが、乾電池2個分なので、すぐに元が取れると思う。
 重さは、乾電池44gに対し、わずか半分の22gしかない。

 


銀ミラー化 (2010年11月14日)

 昨年、APM-Bino EMSが銀ミラーとなり、格段の進歩を遂げた。何といっても、とにかく像の鮮度が違う。一段と明るく、シャープだ。特に赤色の反射率が、従来のものと比較し10数%はアップしているので、星星の色調が豊富だ。夕闇での地上風景は必見。従来のアルミ・ミラーでは見えないものが、見えてくる。
 この新型EMS を覗いて驚愕し、そしてすぐに思った。じゃあ、反射望遠鏡を銀ミラーにしたら、どうなるのだろう。望遠鏡は、たった2枚の鏡。この主鏡が銀になったら、どんなに凄いことになるのだろう。少なくとも、ひとクラス上の口径の明るさが得られるし、ひょっとしたら、反射望遠鏡でも、同口径の屈折のような、コントラストの良い像が得られるのでは? オリオン大星雲は色が付いて見えるのだろうか? そして、もしこれが双眼になったら....!!

 昨年の第2回双望会では新型EMS のお披露目だったが、終わってすぐ、銀反射ミラーに向けて動き出した。ただ、EMS ミラーのように小さくないので、そう簡単ではない。また、初めてのことなので、もし失敗したら、主鏡がダメになってしまう可能性もある。さらに、耐久性は格段に良くなった、とはいえ、いつも外気に思いっきりさらされているニュートンの場合はどうなのだろう。不安もあるが、このwebsite のタイトルの通り、“毒を食らわば...”。最後の...に、いろいろな思いがあるのを察していただきたい。

 準備をしていく内に、失敗のリスクが少ない事、失敗した場合の再蒸着の方法に道が開けてきたのがわかり (後日、そうでもない、という話もあった。本当のところは、よくわからない)、人柱4人が集まった(後に1人はリタイア)。30cm級の反射鏡+斜鏡を1つの窯に入れるのは、これが限界。かつ、コストが最も安くなる。蒸着会社は今まで天文関係の業績が無く、その筋の仲介人を介して蒸着を行う事となった。蒸着の冶具の準備ために、各自ミラーのサイズを測ったり準備を整え、ようやく2010年5月30日、ミラーを仲介人に送った。

  順調に行けば、6月下旬には出来上がるという。ちょうど入梅なので、タイミングが良い。夏が楽しみだ。ところが、7月には 「お盆前には」 という返事で、お盆を過ぎても出来上がらない。それどころか、問い合わせても返事も来ない。理由や経過の説明をしてくれれば納得するのだが、返事も来ないようではイライラするばかりである。9月末に、やっと返事が来た。まだ、冶具の準備ができていない、という。こちらとしては、準備ができたらからミラーを送れ、という指示があった、と理解していたので、倒れそうになってしまった。こちらで準備したら、2週間もあれば十分なのに。いくらなんでも、11月の双望会には間に合わせてくれ、と要望。

 双望会には夫婦で参加。このORION を持っていくとなると、レンタカーを借りなければ積載できない。銀ミラーが来ないなら、自家用車でAPM-Bino で参加なので、これが来ないと予定が立たない。皆さんに銀反射ミラーを評価していただきたいが、それより何より、私自身が良い空で銀反射ミラーで見てみたい。遅れに遅れたが、ようやく10月26日に送れる、という。これなら遅くても翌日にはミラーを受け取り、週末には調整して11月5日の双望会には間に合う。

  到着予定の当日、予定をキャンセルして早く帰宅し、ワウワクして待っていたが、来ない。伝票番号も知らされてないので、どうなっているのかも不明。 またか.....。 ImDIYgoの池田さんと、114中野 “Soratsukai” さんに聞いたら、池田さんの斜鏡、中野さんの主鏡は均一ではなく、まだら状態、との事。
  翌日、“手違い”で、私のミラーだけ窯に入れられなかった、という連絡が入った。これだけ待たせて、“手違い”とはどういう事だろう。次の蒸着の窯まで待っていたら、いつになるかわからない。 いろいろオマケまで付いたので、さすがに、ここで溜まっていた怒りが炸裂。会社指定の仲介人がいると、とにかく順調に進まないし問題ばかりなので、蒸着会社と直接交渉。11月2日に再蒸着するという。しかし、予定はビッチリで、翌3日昼までに我が家に届かないと、双望会前にミラーを受け取れないし、レンタカーのキャンセル料も発生してしまう。しかし、排除した仲介人とは異なり、きちんと約束通り、3日昼にミラーが届いた。

 幸い、届いた主鏡は2〜3、水滴のようなムラがあったが、もうすこしするとホコリと同化してしまう程度で、問題は無かった。銀ミラー独特の、深みのある反射光で、これは期待が持てる。しかし、斜鏡は、ひどい。ご覧の写真は、全く補正していない、写真そのままのものであるが、実物は、もっと醜い。斜めに反射させてムラが発見できる、といったレヴェルではなく、普通に正面から見ても、まだら状態だ。しかし、どうしようもないので、双望会には、これで出席する事とした。

 外出前に、バス・コークで斜鏡を固定。翌4日夜半、望遠鏡を組み上げて、とりあえず見てみた。星はおそろしくお団子状態で良くない。池田さんに聞いたら、主鏡にストレスがかかっているかも、との事。成る程、気合が入っていたので、ちょっと固定がきつかったかもしれない。再度固定し、木星を見てみたが、どうにも良くない。温度順応がまだまだなので、判断はできない。しかし、もう1時を回っていて、数時間後には双望会出発、というのに、まだ何も準備ができていない。という訳で、銀反射ミラーは、双望会ぶっつけ本番、と相成った。

 双望会は、過去2年連続悪天候。それでも、わずかな間隙や昼間にいろいろ覗かせていただき、驚愕の望遠鏡を体験する事ができた。今年こそ! 皆の想いは一つ。そして快晴の2晩を迎えたのだった。今年は、主軸のAPM-Bino の他、EMS広角対空双眼鏡や、PST双眼も展示した。このORION は、移動しても光軸が狂わない。会場でチェックしたが、ほとんどドンピシャだった。

 さて、開会式終了とともに、さっそく外へ出て、夏の星雲・星団を捉まえた。M57M27 は、しっかり濃い。特に、この望遠鏡で、こんなに濃く広がったM27 は見たことが無い。続いて網状星雲。いつものように、笠井のスーパーネビュラーフィルターHT で見たが、これも凄い。こんなにフィラメントが見えるなんて、口径40cm超の世界だ。やはり、銀ミラーは、口径最低1段アップ(+高度500mアップ?)の効果がある。M13 M15 などの球状星団も今まで以上の迫力で迫ってくる。M31 の暗黒帯も、はっきり2つ、スーッと確認できる。その後、スーパー・ナビゲーターまかせに様々なメシエ、NGC 天体を次々と導入し、見まくった。本当は、自慢のEMS 広角双眼鏡で星座を楽しみ、それから天体の導入したいのだが、今年は消化不良だった事もあり、どうにも止まらない。

 さて、待ちに待ったM42/43 が顔を出してきた。岡本さんの20cm屈折双眼では、銀ミラーにしたら、ピンク色に見えたという。銀反射ミラー30cmならどうだろうか。

 トラペジウムは、背後からライトで照らされたように輝いている。しかも、背景の星雲はクワーッとわずかに青緑色に光っている。ガスの広がりは半端ではない。広大に広がったガスの黒い間隙は、圧巻。ハッブル写真でみる、星の影のようだ。そして、嘴付近。じっと見ていると、やや茶色に見えてきた。やった! 色付きだ!! 今回、星ナビの編集部の方が、Nikon のアイピース NAV-HW シリーズの 17mm12.5mm を持ってきて、「これから撮影があるので、自由に使ってください。」 といって2時間程預かった。リポート(使用雑感)を参照していただきたいが、この銀反射ミラーと17mm の相性は最高だ。これでM42/43 を見ていると、時を忘れてしまう。「見せて下さい!」 と言われても、椅子に接着剤が付いているように、なかなかオシリが離れない。

 赤色の反射率が劇的に向上しただけでなく、青色のヌケも素晴らしく改善している。例えば、NGC7662 (青い雪だるま)。こんなにきれいな青色は見たことが無い。ニュートンだと、いかにも金属に光が反射したギラギラした星像になるが、銀反射ミラーだと、この感じが無い。私の主鏡の反射率は、以下の通りである。

 縦のレンジが、90%から開始しているのに注意していただきたい。可視光線450〜660nmで、98% 以上を保持している。一般的普及品では、86%程度、と言われているので、比較しようにも、このグラフの下限より、さらに一段下なので、同一表示できない。この差は圧倒的に、極めて大きい。また、高反射率を謳っているものは、95〜96%、ピークで97%だが(ただし、公表しているのものは、実測値ではない)、斜鏡も含めた総反射率の10〜数%の差は、どうも大きいようだ。

Ostahowski Optics 社のwebsite より引用 (アメリカの大口径の反射鏡を提供しているメーカー)


ジズコ社のwebsite より引用 (ORION 増反射ミラー)

 屈折望遠鏡はシャープで、コントラストが良い。反面、反射望遠鏡では大口径が得られる。ORION ドブは、鏡筒14.5s、架台13sだが、もし30cm屈折なら運搬不可能だし、1350mmなどという焦点距離も不可能、価格も想像を絶する。反射式が屈折に負ける大きな要因の一つは、反射率の不均一さにあったのではないだろうか。従来のアルミ・ミラーでは、赤色と青色が削り取られる。2回反射では、なおさらだ。銀ミラーは、このフィルターを取り除いた豊かな色の諧調の世界であり、屈折に肉薄する世界を提供してくれる。

 では、さらに大口径(45〜50cm)、そして双眼にしたら、どうなるのだろう。15cmなら、屈折双眼望遠鏡よりはるかに安価で軽い双眼望遠鏡ができるのだろうか。

 双望会に行くと、本当に刺激を受ける。私なんか、すぐに設置して見れるのを重点視してきたが、20歳も年上のスズケンさんは、いつも大型の重量級のものを運搬して設置している。大いに反省。周囲に乱立している40〜50cmの反射は、やはり私の30cmでは超えられない分解能の世界がある。 ヤスさんの18"で見る木星は、いつもため息が出る。ステファンだって、三つ子ではない。家で見る30cmは太くて大きいが、双望会では20cm位の細い小型の望遠鏡のようだ。ムクムクと自作の虫が動き出す。GINJI 40cmを銀ミラー双眼にした、W銀二などどうだろう。田中さんみたいな美しい望遠鏡を作ってみたいなあ。

田中さんの芸術品の接眼部と斜鏡部分。どこを見ても、ため息が出るほど美しい。

 双望会は、機材を競争する場ではない。どの機材もそれぞれにアイディアがあり、そして個性的だ。皆が刺激を受け、進化していく場だ。やっと晴れた2晩を迎えることができたのに、まだまだ把握できていないし、まだまだ見ていない。服部さんのBig Bino だって、岡本さんの20〜25cm屈折双眼だって、もっといろいろ見たかった(行列で無理か...)。私は第1回双望会からの出席の新参者・初心者なので(しかも他のイベントには全く顔を出していない)、個人的に教わりたかった事も山ほどあったのに、話もできなかった方も多い。でも、今回、馬頭の見方を習った収穫は大きかった。銀ミラー30cmで馬頭が見れるか、もテーマの一つだったが、最初見て、諦めていた。やっぱり50cmは必要なのかなあ。周囲の45〜50cm級では、「見える」という事だったが、私には「見えない」。まるで、皆がわかっているクイズの答えが、私1人がわからず、取り残されているみたいだ。しばらく見ていたら、やっと存在がわかった。馬頭の周囲をそらし目で我慢していると、やっと見えてくる。Ninoさんが、フィルターを貸して下さり、私のORION でも再度チャレンジ。しばらく見ていたら、やっと見えてきた(というより、存在が確認できてきた、という感じ)。光子が蓄積して “見えてくる” までには、時間がかかるのだろうか。今度は、APM-Bino でもチャレンジ。相当長くねばったら、これでも存在が確認できた。でも、これはちょっと心眼くさいところもあるか。しかし、一度見え方を覚えると、どう見えてくるかがわかるので、この学習の成果は大きい。オリオン大星雲の“色”も同じで、じっとねばって見ていると、本当にいろいろなものが見えてくる。ぱっと見だけでは、損だ。いろいろ見せて下さった方々も含め、とにかく双望会のメンバーには、本当に心から “感謝!”  どうもありがとうございました。

 今回の斜鏡は、ご覧の通りの状態で、ここまで見えた。でも、地上風景のコントラストは悪い。当初、メーカーは、斜鏡のムラは、基材のガラス面のヤケで、反射率には問題無い、と言ってきた。また仲介人も、数箇所、ピン・ポイントで測定したデーターは、同じだったと報告してきた。しかし、誰が見ても、なにこれ?という位の曇りがあって、これで正常である筈が無い。率直に、失敗しました、と言ってくれれば次の未来があるが、これで良いのだ、といわれたら、先が無い。幸い、新たな斜鏡で銀ミラーを調達できる事になった。近い内に、追加報告ができるかもしれない。

 もし、斜鏡を交換して良くなったら、斜鏡の影響も大きい、という事になる。主鏡は無理としても、斜鏡だけ銀ミラーにしても、赤・青色カット・フィルターが1枚無くなるので、それ相応の効果がある かもしれない。

  

(追記)

 今回、双望会では、Nikon のアイピース NAV-HW シリーズの素晴らしさを体験できたが、最終日、114中野“Soratsukai”さんの鏡筒で、Nikon NAV-SW 5mm Nagler 6 5mm の比較を行った。114中野さんのBino は絶妙なバランスの素晴らしい双眼望遠鏡だ(富士山で見る、広角のはくちょう座の星雲群は見事!)。こちらは、私も私の友人も、Nagler 6 5mm を迷わず選択。また、勝原さんが持ってきたDocter UWA 12.5mm Ethos 13mm との比較も行った。Docter UWA 12.5mm は、ちょっと暗め・黄色なのだけれど、色収差はピタッと無くなり、コントラスト、シャープネスもEthos を超えていた。見掛け視界100°を取るか、画質を取るか(といっても、Ethos も素晴らしい)難しい選択だ。でも、次から次へといろいろなアイピースが出てくる勝原さんは、やっぱり凄い。さすが、 “ミラクルK” だ。

  

斜鏡交換

斜鏡が届いた

 2010年12月初頭、ビッカビカ(注:ピカピカではない)の斜鏡が届いた。公私共に超多忙だったので交換作業に手付かずだったが、ようやく着手開始。参考になるかもしれないので、交換作業をupしてみた。これが本来の銀ミラー。それにしても全然違うなあ。アルミ蒸着を剥がしてからの銀蒸着にはまだ問題が残っているが、新規蒸着だと、まず問題は無いようだ。

 さて、せっかくなので、ヒーターを仕込む事にした。ジズコ社から紹介された坂口電熱は、とても親切に相談に乗ってくれ、 いろいろ教えてくれた。採用したのは、SAMICON HEATER サミコン・ヒーター。SAMICON 230 シリーズにはいろいろな大きさがあって、ちょうと斜鏡ホルダー内径にピッタリおさまるのがあった。直径40mm、58Ω、24V 10W、寿命50000時間以上(定価¥567!)というもの。これは、24Vで、200℃になるヒーターだ。私の場合、斜鏡で目玉焼きを作るわけではないので、当然電圧でコントロールする。半分の12Vにすると、温度は1/4となり、約50℃。これでも熱すぎるが、斜鏡に取り付け、さらにホルダーまで熱を奪われると、そんなに温度は上がらないはずだ。このあたりは、カット&トライでやってみるしかない。望遠鏡からケーブルを出したくなかったので、006Pリチウムイオン充電池を内蔵させたい。何度くらいになるか、計算してみた。

 まず、W密度(=W/表面積)を求める。このヒーターの場合は、10W/12.56cm20.8W/cm2

SAMICON HEATER (サミコン・ヒーター)のカタログより引用

 グラフから、0.8W/cm2の場合の温度は、230℃位(24V入力の場合)。
   
電圧が12Vの場合は、W=電圧2/抵抗値Ω から 122(V)/58(Ω)
2.5W    W密度=2.5/12.56cm20.2W/cm2
     グラフから、温度は、90℃位。
   
電圧が9Vの場合は、92(V)/58(Ω)
1.4W    W密度=1.4/12.56cm20.11W/cm2
     グラフから、温度は、60℃位。

  これは、ヒーターを単独で空中に吊るした時の温度なので、まず 斜鏡のみに装着して006P型リチウムイオン充電池で予備実験をやってみた。温度は30℃、ちょうど良い位だ。これ以上だと、筒内気流が発生してしまう。9Vでの電流は0.16A程度なので、リチウムイオン充電池では2時間少々。十分実用範囲だ。という訳で、このヒーターを採用。エポキシ系の接着剤で固定した。私はアンプの自作( 半導体素子の熱結合)で35年の付き合いがあるアラルダイドをいつもこの手には使用している。温度が100℃以下の場合は、速乾タイプで十分だ。

  (オリジナルの固定方法)

  次は、斜鏡の固定(ちなみに外す時は、カッター・ナイフで根気良くカットして行う)。私は、ジズコ社から紹介されたセメダインのバスコークN・黒色*という防水シール(シリコン系充填材)を使って固定している。もともと、この望遠鏡では、斜鏡ホルダーの影響を避けるため、スペーサーをかませて固定されていた(接着剤は不明、写真・右上)。それを踏襲して固定。さらに真っ黒につや消し塗装した。ミラーのエッジは、ZEBRA 紙用マッキー(水性顔料)で塗装し、メインは遊馬製作所から出ている、光学用黒つや消し塗料・簡単セットで背面まで真っ黒くした。

    *バスコークの寿命は3年です。それ以上経つと、固まりません


塗料、薄め液、筆、容器、漏斗、ケース、取り説、さらに新聞紙まで付いていて、至れり尽くせり! これはオススメです。

  

  オリジナルでは塗装はされてなく、そのままだったが(写真右上)、やっぱり黒い方が気持ちが良い。さて、電池ホルダーは、006P用・スイッチ付きのものを秋葉原で購入。そのままだとケースの上側からケーブルが出ているので、横に穴を開け、ここから出すようにした。 赤色ケーブルは黒色に交換したかったが、電池端子固定の板が溶着されているようで無理に外すと割れそうなので、結局そのままとした。また、斜鏡ホルダーの背面に穴を開け、ここからケーブルを出すようにした。ここは空気孔も兼ねている。もし温度が上がって内部の空気圧が上昇した場合、斜鏡が主鏡 に向かって発射されたのでは洒落にもならない。

  

  さて、再度温度実験を行った。外気温9℃のところにしばらく置いて(外は雨)、それからスイッチを入れてみた。赤外線温度計(といっても、以前秋葉原で購入したポケット型の¥900位のもの)で測ってみたが、3分後には斜鏡の中心の表面温度は9℃から18〜19℃になり、あとは頭打ちだった。斜鏡周辺は12〜3℃位。リチウムイオン充電池から乾電池に換えると、表面温度は20℃まで上昇したが、ほどなく18℃へ。これだと、曇り除去というよりは、曇り防止、といった感じだ。実際に使ってみてダメだったら、ケンドリクスのヒーター・コントローラーを使う事にしよう。

 これを取り付けて光軸調整。私の場合、FARPOINT  FP210 & FP261 を 使っているが、ジズコ社が添付した取り説・光軸調整の方法で行っている。内容は転記できないが、とてもわかりやすくまとまっていて、良いと思う。ニュートン・ユーザーは、これをマスターになければ性能は発揮できない。

 電池ホルダーは、車の内装備品固定用ヴェルクロ:エーモンF222 マジクロスを使って固定。これだと電池交換が楽。さて、週末には本当の実力の銀反射ミラー・ニュートンが覗けそうだ。

  

地上風景 〜 これは凄い!

 銀反射ミラーのファーストライトは、双望会。そこで見た星雲・銀河は、本当に驚愕の世界だった。しかし、昼間の地上風景はコントラストが淡く、何とも歯痒いものであった。これは、斜鏡の状態が悪かったことに起因しているのは容易に想像がつくが、今回のビカビカのミラーで、はたしてどうなるか、非常にワクワク期待していた。2010年も、残すところ約2週間。やっと土曜の夕方に帰宅でき、さっそく覗いてみた。

 これは凄い! 屈折と変らないシャープでコントラストの良い像だ。今までと、全く違う。モヤが一掃され、いつもチェックしている鉄塔のガイシが実に生々しく眼前に迫ってくる。倍率を上げても、全く崩れない。Abbe II 4mm (337倍)でみる鉄塔は実に魅力的。鉄塔は、適度な反射やナットの影、ガイシの質感など、チェックにはとても向いている。Pentax XO 2.5mm (540倍)も難なく良像を届けてくれる。あんな遠くにあるガイシが、本当に目の前にあるようだ。自慢のAPM-Bino も、高倍になると、もう全く太刀打ちできなくなってしまった。

 そもそも、30cmの屈折望遠鏡があったとしても、この焦点距離で、この重量で、この価格で、こんな像を得ることは不可能である。たった2枚の鏡で望遠鏡として成り立つ反射望遠鏡は、ある意味、痛快だ。こうなると、やはり、これで双眼(屈折18cm双眼だと大変だが、銀ミラー反射双眼なら安価でできる。まして25〜30cmならなおさら)、そして45〜50cmの大口径ならどうなるのか、興味は尽きない。18"(45cm)反射で双眼装置なら、大口径の分解能と30cm双眼並みの光量が得られ、これは是非試してみたいところだ。

 さて、このところ夜露でびしょびしょが続き、主鏡が汚れている。斜鏡がこんなにきれいなのに、これではバランスが取れない。といい訳で、洗浄してスッキリきれいにした。洗浄は年1回も不要、という意見もあるが、汚れを放置して落ちなくなるのが怖い。私は経験は浅いが、私は年1回以上洗浄していつもきれいな光沢を保つようにし、長期テストをしてみようと思う。で、再び光軸調整。もう、針をさすように、ビッタリ合致している。星光よ、どんと来い!

 

  夜になり、さっそく月、木星を見てみた。風も強く、まるで海底から空を見ているようでシーイングは最悪。とてもチェックできる状態ではない。また近いうちに、チャレンジしよう。

  ファインダーの追加

大震災

 2011年3月11日、東北〜関東地方を大震災が襲った。これについては、到底このページには書ききれないので割愛するが、遂に関東大震災が来たか、と思った位の揺れにもかかわらず、職場、家庭でも実質的な被害は無かった。ORION も、何事も無かったように、きちんと起立していた。近隣では棚が倒れ、食器やテレビが壊れている中、大変幸運であったと思う。1週間程経ち、原発事故が予断を許さない状況であるが、多少の不自由はあるものの、基本的な生活が送れているのは、本当にありがたい限りである。震災での多くの犠牲者の方々、現地で奮闘・救助・復旧なさっている多くの方々に、心より哀悼、応援、感謝申し上げ、また、記者会見で無能ぶりを露呈した一部の人達とは裏腹に、原発事故現場で命がけで活動なさっている方々に、格別の尊敬と感謝を申し上げ ます。

 大震災の後、「(無)計画停電」が実施されているが、せっかく空が暗くなってきた、とはいえ望遠鏡を出す気力は無い。しかし、3月19日のスーパー・ムーンの時は、High Lander で大きな月をちょっと覗いて見た。停電対策で、家内が、「懐中電灯〜!」、「電池〜!」等と探している。「えっ、上にたくさんあるよ。」 小型のLEDヘッドライトから、ランタン付き大型バッテリーなどよりどりみどり。防寒具も揃っている。電気も無い暗がりで星を見るための道具が、こんな時に役に立つとは思ってもみなかった。

 大震災の時は帰宅できず、その後も通勤事情は良くはないのであるが、仕事は通常通りで、大変忙しく疲労困憊。やっと3月20〜21日に久々の連休となり、以前から計画していた事を実行した。前向きに行こう。昨年末から、とあるプロジェクトを実行中なのであるが、今の所、心臓部、要の過程が諸事情で3ヶ月以上ストップしている。また、大震災の影響で、さらに先になりそうだ。という訳で、そのプロジェクトの中の「ファインダー」がまだ活躍できないし、せっかくなのでORION にも使おう。

 

取り付け

  

 ファインダーのベースは 遊馬製作所の VFA-1 CHB で、これにVixen の微動雲台を接続し、Velbon のマグネシウム・クイックシュー QRA-6L でワンタッチで着脱できるようにした。

  

等倍ファインダー

 このファインダーに加え、やはり等倍ファインダーがあった方が断然便利だ。20年程前に購入して使っていた、TeleVue のスター・ビームが温存してあったので、これを使おう。何たってカッコ良さはNo.1だ。取り付けは、Baader Planetarium Sky Surfer III の取りつけ備品が余っていたので、これにタップを立て、スター・ビームを取り付けた。鏡筒には、同じBaader Planetarium のスタンダード・クランプ 2457000A を取り付けた。

 
Baader Planetarium 2457000A

 

Baarer 2" クイックロック

 最近、2"スリーヴは、Baader Planetarium 2" クイックロック #2956247 も使っている。一番上の写真は、これを用いて愛用のNikon NAV-HW 17mm を接続したもの。

  

倍ドット・ファインダー (2011年7月30日)

 上記のTeleVue スター・ビームは、APM-Bino へ移植して具合が良いので、この望遠鏡専用の等倍ドット・ファインダーを新たに装着する事にした。他の望遠鏡と同じでは面白く無いので、以前から気になっていた、Baader Planetarium Sky Surfer V を求めた。これは、取り外しができるレンズ・カヴァーが付いているだけでなく、レンズ前のフードも取り外しができるので、ここにテレコンを仕込んで、実視野30°2×などというファインダー(ただし、この場合は両眼視できなくなってしまう)に進展できる可能性を秘めている。

 届いて実際手にしてみたら、大きく、ズッシリと重くて、まるでバズーカ砲みたいだ。これを、鏡筒の先端に装着。またしても、かっこ良く、収まった。なお、上記のフィールド・スコープのファインダーは、Obsession 18"UC がめでたく稼動を開始したので、以前のファインダーに戻した。


*写真は、レンズ・カヴァー装着時のもの。使用時は、外す。

   

鏡筒バンドのフェルトが...! (2011年8月24日)

 昨夜、久々に晴れた。といっても、星が見れたのは帰宅してから曇るまでの2時間たらずだったが、それでもメシエ天体が自宅で楽しめるのはありがたい。Sky Surfer V の光軸を合わせるためORION を架台に載せようとしたら、鏡筒が、鏡筒バンドからずり落ちているのに気づいた。
 大震災までは、単純に鏡筒を立てて置いていたのだが、それ以降は、転倒防止のため、架台に直立状態で載せたまま保管していた。ペントハウスは夏場は40°を超える時もあるので、鏡筒の重みでバンドの内側に貼ってあるフェルトが接着剤ごとずれてダメになってしまったためだった。

 

 

 そこで、Obsession で使った植毛紙が余っていたので、これを貼ってみた。とりあえずOK。耐久性は不明。皆さんも、夏の暑さに気をつけましょう!


復活した鏡筒バンド

  

ファインダーの対物レンズを換えてみました (2011年10月1日)

 

 ファインダーは、APM-Bino と同様、国際光器扱いの正立ファインダー EF-508 を使っているが、これの60mm対物レンズが出た。オリジナルは実視界7°でちょうど良く、別にこのままで良いのだが、こんなものが出ると、つい試したくなってしまう。曇り空だったので地上風景 (夜景)でチェックしてみたが、特に必要性は感じられなかった。が、とりあえず、ORION はこれで使ってみる事にした。

  

主鏡を洗浄しました (2011年10月23日)

 主鏡が若干汚れていたので、洗浄した。どのマニュアルでも、主鏡の洗浄は年1度すれば十分、とあるが、常に良い状態を保ちたいのと、汚れが固定してしまうのが恐ろしいので、半年に1回は行っている。耐久性については、自分で試している次第。
 ちなみに、主鏡の重さは、ジズコ社のsiteでは5sとあるが、実測で5.7s、厚みは36mm、また、クーリング・ファンも含めたセル全体の重さは8sあった。これを利用してトラベル・ドブを作成するとなると、ちょっと重そう だ。

   

エンコーダーを交換 (2014年5月29日)

 長らくsiteを更新していない本機であるが、主に家での惑星観望に活躍している。30cmニュートンの中では理想型なので、やはり手放せない。
ところで、海外遠征で活躍している
125SD-Bino だが、水平回転軸の補修の際、私の不手際でエンコーダーを傷めてしまった。エンコーダーをUS Digital に注文するついでに、このエンコーダーも交換する事にした。というのも、このエンコーダー・システムは、国際光器のスーパー・ナビゲーターのライトブリッジ用応用して付けたもので、エンコーダー・ステップ数は、方位軸が4320、高度軸が4000と、他の望遠鏡とは全く違った値だ。しかも、今はSkySafari の登場で、スーパーナビゲーターはご用済みとなり処分してしまったので、NEXUS と円滑に接続できるようにするため、両軸方向ともにエンコーダー・ステップ数を10000とした。これで、125SD-Bino Obsession NEXUS が面倒な設定無しに共有できるようになる。


エンコーダーにカヴァーが付くのはありがたい。

 垂直回転軸にはS2、水平回転軸にはS1が使われている。エンコーダーの出力端子は5ピンあり、1: Ground、2: Index、3: A Channel、4: +5V DC、5:B Channel となっている。ピンの端子の順番は、昔のものと同じだったので、そのままソケットを差し込んでOKだった。ちなみに、A Channel、B Channel と出力が2つあるのは、ABAB の順に出力されるか、BABAの順に出力されるかで、エンコーダーの回転方向が判別でき、また、それぞれ立ち上がり、立下りで2パルス出力されるので、エンコーダー・ステップを10000にするためには、CPRをその1/4の数:2500で注文する。なお、Index 端子からは1回転ごとに1パルス出力され、何回転したかが判別できる、との事(以上の事は、友人のエンコーダー専門家に聞いて、初めて知った)。

 シャフトは6mmで、$5.8追加でベアリング付も選択できる。ベアリングは、高速回転、低トルク用だが、軸の耐久性が上がるようなので、こちらを選択。なお、水平回転軸は、1:2のプーリーを使っているので、CPRは1250で注文。回転は逆になるので、Skysafari の設定では、RA/Azmは+10000ではなく、-10000になる。エンコーダーはけっこう値が張るが、送料や今後の利便性を考えたら、APM-Bino も含め、一気に交換して正解。
 

この望遠鏡を手放しました (2017年4月10日)

  大口径が欲しい!と7年前に購入したドブソニアンだったけれど、18”の登場で出番が減ってしまった。大変優秀な望遠鏡で、主鏡は高精度ミラー:ストレルレシオ0.984、しかも、何たって主鏡、斜鏡ともに銀ミラー(主鏡は、いまなおピカピカ)、そして徹底的にカスタマイズした最強の30cmドブなので、手元に置いておきたかったけれど、死蔵しておくより、誰かに活用してもらった方が良い。という訳で、 私のsiteの読者に方お譲りした。

 銀ミラーになってからの観望で、本当に絹を虫眼鏡で見ているような見事な絹状星雲、今まで見たことが無い真っ青な青い雪だるま星雲、本物の顔のように見えたコントラストが凄いふくろう星雲、宇宙旅行をしているような春の銀河団... そして、何と言っても赤銅色+青色のオリオン大星雲!

本当に沢山の素晴らしい思い出をありがとう!!

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