17才で駆け落ちして結婚したマギーには、職に就く技術がない。世間知らずで、ブリッジと噂好きな村の小さな世界しかなかった。その「主婦マギー」が、ミキのようなアンダーな男と知り合い、絶妙なタッチで、「ゴッドハンド」 「イカせる未亡人」となっていくさまが、「キワモノ」になる所をミキとマギーの魅力で踏みとどまり、「男のさが」とともに時にはチャーミングに、コミカルに描かれている。一方、息子夫婦や孫とのかかわりはシリアスだ。
不覚にも美しくもセクシーでもない「としまの素人女に惹かれてゆく」自分にとまどうミキが、かわいかった。ラストシーンが純だ。
夫亡き後、「もうひと花咲かせる」というのは、ジーナ・ローランズの
「ミルドレッド」と似ている。が、厳しく何もかも捨てて行くミルドレッドに対し、マギーは
暖かく包み込む。