1998年4月の映画

ディアボロス 悪魔の扉 DIABOLOS

米国 1997年 144分
監督 テイラー・ハックフォード(「愛と青春の旅立ち」「カリブの熱い夜」「黙秘」)
撮影 アンジェイ・バルツコビアック(「モーニング・アフター」「スピーシーズ」)
音楽 ジェームズ・ニュートン・ハワード
特殊メイクアップ リック・ベイカー(「MIB」)
視覚効果 ロブ・ボーティン(「ハウリング」「ミミック」)
出演 アル・パチーノ(ケヴィン)/キアヌ・リーブス(ミルトン)/チャリーズ・セロン(「2days」)/ジェフリー・ジョーンズ
メモ 1998.4.30(木曜)大阪梅田ピカデリー
あらすじ
フロリダで負け知らずの敏腕弁護士ケヴィンは、ニューヨークのミルトン法律事務所に破格の待遇で招かれる。・・・書きながら思ったんやけどストーリー自体はあんまり起伏がないような気がします。悪魔が法律でもって世界を合法的に征服するって所が目新しい。そやけどこの悪魔は孤独やったんかねぇ。
感想
このラストは、さぼてん男なら怒りで”爆”する。でも、ひとりで見に行ったさぼてんは十二分に楽しみました。予想は大はずれ。「そうかこの手で来たか」というオチ。
いきなり、「ウェルカム・ドールハウス」の主人公だった女の子のドアップから映画が始まり144分は長く感じません。
「悪魔の誘惑 対 人間の良心」というような高尚な話では毛頭なく、あくまで娯楽作なのも好き。「天変地異が起こったようなあの空の映像、どっかでみたよなあ」と思っていたのですが、「黙秘」の監督さんなのですね。ナットク。
もちろん、アル・パチーノの”きさくでダンディでしゃべりの悪魔”いつもどおりの怪演、愉快だった。キアヌ・リーブスもスッキリりりしく美しい(よだれが)。
パンフに5度(数えた)も書かれている「ゼニアのスーツ」に代表されるように小道具、映像凝りまくり。
おすすめ度:★★★★
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死の谷 CORORADO TERRITORY

米国 1949年 91分
監督 ラオール・ウォルシュ
出演 ジョエル・マクリー(ウェス「昼下がりの決斗」)/バージニア・メイヨ(コロラド)/ドロシー・マローン/ヘンリー・ハル
メモ 1998.4.29(水曜)BS録画
あらすじ
お尋ね者ウェスは、これが最後の仕事と列車強盗を計画する。「ボニー&クライド」物
感想
異色西部劇です。西部劇が撮られなくなったのは、馬を命知らずに乗りこなせる人が少なくなったからかもしれません。さぼてんは馬で疾走する西部劇が好きです。そういえば、エラリー・クィーンの作品で一番初めに読んだのは「アメリカ銃の謎」でした。ちょっと題名に自身がありません。スタジアムで事件がおこる話です。おじゃまな連想でした。忘れてください。
バージニア・メイヨっていう俳優さん、インディアンの血がはいっている情深いあばずれ女がぴったりでした。最近の映画にはこういうグラマーな方は少ないですね。残念。
ハンフリー・ボガードの出世作「ハイ・シェラ」の同じ監督の手による8年後のリメイクだそうです。どうしてリメイクを作ったのか知りたい所。「ハイ・シェラ」を観て推理します。
おすすめ度:古いモノクロ映画には甘い。★★★★
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猫が行方不明

仏 1995年 91分
監督 セドリック・クラピッシュ
出演 ギャランス・クラヴェル(クロエ)/ルネ・ル・カルム(マダム・ルネ)/ジヌディヌ・スレアム(ジャメル)/ジョエル・ブリス(画家ブノワ)
メモ 1998.4.27(月曜)ビデオP
あらすじ
メーキャップ・アーチストのクロエは、バカンスに出かけるため飼い猫のグリグリを、猫屋敷のマダム・ルネにあずける。旅行から帰ってくると愛猫は行方不明になっていた。
感想
見終わった直後は、「やっぱりフランス映画はよくわからん」という感想でした。でも、評判がいい映画なので「見方がずれていたのかも」と、もう一度見直し。そしたら、「この二人は、ここでもすれ違っていたのか」と色々発見しました。
猫好きのマダム・ルネを初めとした、下町マダム軍団がいいです。プロの俳優さんではないのかもしれない。主人公のクロエもいい。画家の描いた肖像画の”ひとりぼっち”という自分自身を見つめるクロエ、そういう様々な断片が色々剥ぎ合わされた映画です。

建設ラッシュのパリ11区と様々な人種、人情、そして都会の孤独が明るく描かれています。猫を捕まえるために屋根から落ちそうになったジャメルの「人生って不公平だ」というつぶやきと、「君さえいれば/金枝玉葉」のアニタ・ユンのように走るクロエ、この好対照のラストが光る。
おすすめ度:「猫は苦手で・・」と答える通行人は、クラピッシュ監督自身だそうです。★★★1/2
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鯨とり

韓国 1984年 110分
監督 ペ・チャンホ
原作・脚本 チェ・イノ
撮影 チョン・ガンスク
音楽 キム・スチョル
出演 キム・スチョル/アン・ソンギ/イ・ミスク/イ・テグン
メモ 1998.4.22(木曜)ビデオP
あらすじ
一流大学の学生のピョンテは、学問をやる気もないし、彼女をものにもできない。警察で知り合った乞食とブラブラしている内に、売春宿に一泊する。ピョンテは、童貞を捧げた女の子と結婚すると心に決めていたので、彼女と逃げる。
感想
題名から「白鯨」みたいな話と思っていたさぼてんは、アホです。”自分探しの旅”なんて書いたら”さぶさぶ”でそうやけど、ロードムービーの佳作です。音楽もとてもいい。主役と同じ人ですね。ってことは、歌手? 相手役の女の人もきれいな人です。
ロードムービーっていうと、「八甲田山 死の彷徨」みたいに最初はハイキング気分が、だんだん地獄の逃避行になってという話多いよね。ってわけで、”ほのぼの路線”なんか、”地獄の逃避行”なんか、どうなるんやと不安がいっぱいでドキドキして、ちょっとニガテやねんけど、この話はっていうと・・・秘密(笑)。
おすすめ度:「鯨とり」って大きな夢をつかむという意味だそうです。★★★★
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この森で、天使はバスを降りた。THE SPITFIRE GRILL サンダンス映画祭<観客賞>受賞

米国 1996年 116分
監督・脚本 リー・デビッド・ズロートフ
撮影 ロブ・ドレイパー ACS
音楽 ジェームズ・ホーナー
出演 アリソン・エリオット(パーシー)/エレン・バースティン(ハナ「アリスの恋」)/マルシア・ゲイ・ハーデン(シェルビー「ミラーズ・クロッシング」「迷子の大人たち」)/ウィル・パットン(ネイハム)
メモ 1998.4.22(水曜)OS劇場C.A.P
あらすじ
傷害致死で5年服役したパーシーは、インディアンの伝説が残る地メイン州ギリアドの町に、深夜バスから降りた。
感想
美しくみずみずしい森林、インディアンを思い起こさせるような音楽、自然にとけこんだようなアリソン・エリオット、3者が融合した映像でした。最後は(わかってはいても)やっぱり赤い目になってしまいました。

マルシア・ゲイ・ハーデンという俳優さんは芸域の広い方ですね。「ミラーズ・クロッシング」とも「迷子の大人たち」とも「ファースト・ワイフ・クラブ」とも違う役でした。

子供は、大事に育てたい。でも、大きな期待をかけたらあかんね。そやけど、バックアップは十分にせなあかん。そして「子供のありのままの姿」を受け入れられる親になりたい(難しい)。いい映画やったよ。アメリカ映画と感じました。

原題は主人公が働く食堂の名前です。「スピットファイア・グリル」は、第二次世界大戦イギリスの戦闘機スピットファイアからつけた名前だそうです。「バクダット・カフェ」と同じく「スピットファイア・グリル」でいいと思う。邦題は、あまりに説明に過ぎると思う。
おすすめ度:映画館で地震に会いました。NOBODYさんに「映画館で地震」の話をメールでした所だったのです。ちょっと怖かった。★★★★
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2days 2days in the valley

米国 1996年 104分
監督・脚本 ション・ハーツフェルド
出演 ジェームズ・スペイダー(リー)/ダニー・アイエロ(ダズモ)/エリック・ストルツ(ウェス)/ジェフ・ダニエルズ(アルヴィン)/テリー・ハッチャー(ベッキー)/マーシャ・メイスン(オードリー)/ポール・マザースキー(テディ)/チャーリーズ・セロン(ヘルガ)/グレッグ・クラットウェル(アラン)/グレン・ヘドリー(スーザン「陽のあたる教室」)/ピーター・ホートン(ロイ「マイフレンド・フォーエバー」の監督)/キース・キャラダイン(クレイトン)
メモ 1998.4.18(土曜)国名小劇
あらすじ
真夜中、丘の上に止まっている車の中に男がふたり。殺し屋リーとカムバック中の殺し屋ダズモ。2人はある家を見張っている。
アパートの一室、うらぶれた監督のテディは家賃が払えず、明日立ち退かなくてはならない。
最近出来たジャパニーズ・マッサージ・サロンで、サービスを受けている風紀課の警察官ウェス。
10人の登場人物の2日間の物語。
感想
ジェームズ・スペイダーが来日していた事と、ダニー・アイエロが出ている事しか知らずに見に行ったのですが・・・よかった。
前知識がない方がいいかもしれません。下の感想は読まれない方が・・・おすすめ度は、★★★★1/2

大金持ちのアランの家の「モダンアート」の奇抜さというか悪趣味、一見の価値あり。アランのお姉ちゃんがサングラスをとったら、なんとマーシャ・メイスンやないの!(「グッバイガール」)。警察官ウェス役のエリック・ストルツにも驚いた。ちょっとおかしい好青年なのだ。こんなにマイケル.J.フォックスに似てたっけ。最後のキャストを見てると、アパートの持ち主がルイーズ・フレッチャー(「カッコーの巣の上で」の恐い看護婦)やったり、やたら親身な警察官がキース・キャラダインやったり、見るかげもない監督のテディがポール・マザースキー監督(「ハリーとトント」)やったりで驚きの連続。2匹のワンチャンも含めて、登場人物を観ているだけでも満足。

撮影が「フェイス/オフ」のオリバー・ウッド、衣装デザイナーが「ゲット・ショーティ」「レザボア・ドッグス」「パルプ・フィクション」のベッツィ・ハイマン、音楽が「アンダーワールド」のアンソニー・マリネリ。よだれがでそう。真昼の明るい陽差しと真夜中の暗闇のコントラストもグッド。

登場している男の人達がどちらかというと内省的で、対する女の人達がしっかり者というのも面白い。

ネタバレあります。ご注意!−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
看護婦のオードリーが、怪我をした人の手を握って、言葉をかけて楽にさせそっと向こう側へ送り出すシーンいいです。この辺り、映画に奥行きをあたえていると思う。
「グッド*ウィル*ハンティング」や「恋愛小説家」を観たんやけど、いい映画やってんけど、私はこの映画の方が好みです。ヒューマン・コメディとしてもメッセージ色が強くなく、ありていに言えば、言葉で説明するという説教じみた所が無いのが合う。バイオレンス物ではありませんでした。
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スウィンガーズ 

米国 1996年 97分
監督 ダグ・リーマン
出演 ション・ファブロー(マイク)/ロイ・リビングストン(ロブ)/ビンス・ボーン(トレント)
メモ 1998.4.16(木曜)ビデオ
あらすじ
N.Y.からL.A.にやってきたコメディアン志望のマイクは、半年前に別れた恋人が忘れられずにウジウジいじいじの毎日。なんとか立ち直らそうとする友人達。
感想
「いい人、いい人、どーでもいい人」のマイク(自分で言っている)の恋の顛末やねんけど、音楽といい服装といいおしゃれな男の子映画。服がさりげなくおしゃれ。
さぼてんのまわりでは、男女の出会いというのは、学校時代の知り合いOR職場が同じ(”釣り堀のこい”)、お見合いORだれかの紹介(”夜店の金魚”)がほとんどやねんけど、パーティとかスキーとかで知り合う(”大海の一本釣り”)を目指す男達の手練手管というか駆け引きというか努力というか、もうほんと大変、ほんでもっておもしろい。シャイな男の人は大変なのだ。

そやけど、いったい何時仕事したはんねんやろ。
おすすめ度:★★★★
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泳ぐひと THE SWIMMER

米国 1968年 95分
監督 フランク・ペリー
脚本 エレノア・ペリー
音楽 マービン・ハドリッシュ
出演 バート・ランカスター/マージ・チャンピオン/キム・ハンター
メモ 1998.4.15(水曜)ビデオ
あらすじ
ネッドは、友達や隣人の家のプールをひとつひとつ泳ぎながら、家へ帰り着こうと思い立つ。
感想
1994年10月20日に80歳で亡くなったバート・ランカスターの50歳半ばの作品。ランカスターは、「空中ぶらんこ」からヴィスコンティの「家族の肖像」まで幅広い演技で、映画人としてとても幸せな人だったろうと思う。
アメリカン・ニューシネマの傑作という事で、見たかった映画なのです。ほう、こういう映画だったか。思いもよりませんでした。変わった映画です。
サーカスでアクロバットをしていた見事な体で、中年の悲哀、米国型成功社会での挫折が描かれていました。古い映画ですが、もしチャンスがあればお薦めします。深みのあるアメリカ映画をみたような気がします。
おすすめ度:★★★★
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ニャム

ベトナム 1995年 120分
監督・脚本 ダン・ニャット・ミン
原作 グェン・フイ・ティエップ
出演 タ・ゴック・バオ(ニャム)/トォイ・フォン(グー)/レー・バン(クエン)
メモ 1998.4.12(日曜)NHN12
あらすじ
ニャムは、17才。軍人だった父が戦死し、母親と妹、義理の姉と暮らしている。兄は出稼ぎにいったまま帰らない。農作業の日々、詩を書くのが好きだ。
感想
「トレインスポッテイング」や「ストレンジャー」を見た後だったので、まさに「正攻法」で撮られた映画と感じました。多くを語らない人々の胸の内や、思いやりというのを強く感じます。ちょっと目がはれてしまいました。
激しいベトナム戦争のさなかでも、農民が田植えをしている写真とかが新聞に載っていたのを覚えています。「農業国」そして農民の誇りもメッセージとして伝わってきました。

コンビニに行けばいつでも食べ物が手に入る生活をしているので、食物に対するありがたみが薄れています。感謝していただく物なのですね。
おすすめ度:★★★★
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恋愛小説家 AS GOOD AS IT GETS アカデミー主演女優賞、主演男優賞

米国 1997年 138分
監督・脚本 ジェームズ・L・ブルックス(「ブロードキャスト・ニュース」)
脚本 マーク・アンドラス
出演 ジャック・ニコルソン(メルビン・ユドール)/グレッグ・キニア(サイモン)/ヘレン・ハント(キャロル)/キューバ・グッディング Jr.(フランク)/スキート・ウールリッチ(ビンセント)/ジル(バーデル)
メモ 1998.4.14(火曜)OS劇場
あらすじ
売れっ子の恋愛小説家メルビンは、人嫌い、潔癖性、毒舌家、脅迫神経症。線の上を踏めない、レストランのナイフ&フォークが使えない(皿はええん?)、人と肌を接する事ができない。殻に安住している毎日だったが、お気に入りのウェイトレス、キャロルと接する事で人を愛する事にめざめていく。
感想
話は面白いし、ようできた映画やってんけどね。いまひとつ、のれなかった。
ジャック・ニコルソンは例のごとくのアブノーマルな人物を、楽しそうに演じていた(フフッ ヘンタイ小説家)。この人怖いお顔やけど、どっかかわいい。ゲイのグレッグ・キニアも画商のキューバ・グッディングJR.も◎。スキート・ウーリッチも「みっけた」し。どうして乗れなかったのか考えていたんやけど..ヘレン・ハントかな。

「ツイスター」を見たときも「短パンが似合えへんなあ」と思ってたけど、今回も「相手がたとえ芸術家でも、嫌みな野郎でも、フランクに付き合う」という心の広い、フラットな人という印象を受けへんかった。この人はTVの人気シリーズに出演してはって、アメリカでは好感度の高い俳優さんなんやろね。
じみめやし、それはええねんけどね、背中はきれいやねんけど、画家の創作意欲がかき立てられるような女の人なんかなあ。わからん。それにジャック・ニコルソンのような神経やみのどこに惹かれたんかなあ。めっちゃマイナス感想でごめんね。すみずみまで行き届いた映画ではありました。
おすすめ度:★★★
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真夜中のパーティ THE BOYS IN THE BAND

米国 1970年 120分
監督 ウィリアム・フリードキン(「フレンチ・コネクション」「エクソシスト」)
原作・脚本 マート・クローリー
出演 ケネス・ネルソン(マイケル)/フレデリック・コム(ドナルド)/クリフ・ゴーマン(エモリー)/ピーター・ホワイト(アラン)/ルービン・グリーン(バーナード)レナート・フレイ(ハロルド)
メモ 1998.4.12(日曜)ビデオ
あらすじ
7人のゲイが、仲間の1人ハロルドのバースディパーティで盛り上がっている。そこへ、パーティ主の大学時代のルームメイト・アランが訪ねてくる。気のおけない集まりのはずが、ストレートのアランが加わったことで緊張し、混乱していく。
感想
ビデオ屋で、あったはずの所にない。捜しても見つからない。帰る時間が迫る。店員さんに聞く。「真夜中のパーティどこですか?」「少々お待ちください。」カウンターへ行って「真夜中のパーティってどこですかあ?」「ゲイムービー違うかあ」(でっかい声)

こまやかな思いやりと、陰険なあてこすりの乱打。男8人しか出てこない、迫力ある赤裸々な「神経症気味」の心理劇です。孤独、嫉妬、人といっしょに暮らす事の軋轢とか、深い内容でした。
関係を維持していくための様々な努力と、そこから生じるストレス=自己嫌悪が描かれています。普通よりハイテンションな生活なんでしょうね。振り返ってみれば、さぼてんも日々平和に暮らす事が難しい。人の気持ちを思んばかる事がニガテ。複数人との同居は努力・忍耐・思いやりが必要なんやろうねぇ(ちょっぴり反省)

90年代のベトナム映画「ニャム」より、70年代のこの米国映画の方が、さぼてんの生活に似て感じられ、その辺りもいささかショックです。
オフ・ブロードウェイであたった芝居の映画化。
おすすめ度:★★★★
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トレインスポティング TRAINSPOTTING

英国 1996年 94分
監督 ダニー・ボイル
原作 アーヴィン・ウェルシュ
脚本 ジョン・ホッジ
出演 ユアン・マクレガー/ロバート・カーライル(ベグビー)/ケリー・マクドナルド/ジョニー・リー・ミラー(←この人ちょっと若い頃のマーロン・ブランドに似てる)/ユエン・ブレムナー
メモ 1998.4.11(土曜)WOWOW
あらすじ
働く場所がなくなり、退屈しきった労働者階級の野郎たちが、麻薬に溺れちんけな犯罪をくりかえしていくんやけど、変な話
感想
昨年、若い人達に絶賛されていた映画で、「ついていけないかも」と思っていたのですが、違った。やっぱ「時計じかけのオレンジ」に似てるかな。「ナチュラル・ボーン・キラーズ」にも似てるかな。シリアスなのか、おふざけなのか判別不能の「いかにもイギリス風」の映画。人を喰ったような、世の中なめきったような話。

悲惨な話を、辛口のおかしさ、悪趣味に変えるというのがすごいね。こういう感覚は大人になってからでは身につかへんやろね。
おすすめ度:★★★★
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ベビーシッター・アドベンチャー ADVENTURES IN BABYSITTING

米国 1987年 102分
監督 クリス・コロンバス初監督作品
出演 エリザベス・シュー/マイア・ブリュートン/キース・クーガン/アンソニー・ラップ
メモ 1998.4.10(金曜)WOWOW
あらすじ
17才のクリスは、予定のデートがおじゃんになり、しかたなくベビーシッターのバイトをしていた。古い映画でも見ているはずだったのに、ガキを3人ひきつれてギャングから逃げる冒険物語。
感想
おもしろい。軽いノリがいい。テンポがいい。都会の恐いアメリカと郊外族ののんびりしたアメリカのズレがいい。
ベビーシッターの責任感に燃えているクリスの迫力に笑った。でも、「セイント」のエリザベス・シューなのかあとちょっとびっくり。若い頃なのでぽっちゃり目でかわいい。
「こうくんのとちゃうか」とか「ほらきた、そらきた」とチャチャ入れしながら見てると、ちびさぼてんに「さきさきゆーたらあかん」と怒られました。
おすすめ度:★★★★
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上海から来た女 THE LADY FROM SHANGHAI

米国 1947年 88分
監督 オーソン・ウェルズ
出演 オーソン・ウェルズ/リタ・ヘイワース/エヴェレット・スローン/グレン・アンダース/テッド・デ・コルジア
メモ 1998.4.6(月曜)WOWOW
あらすじ
金髪の美女に魅入られた船員のマイケルは、抵抗しつつも運命の糸にたぐり寄せられる。(という時代がかったセリフがぴったりくる映画)
感想
とうとう見たよ。よかったあ。陰影のあるシュールなモノクロ映像。ラストのクレージー・ハウス<鏡の間>での銃撃戦。好み。
ウディ・アレンの映画「マンハッタン殺人ミステリ」の最後にでてくる映画です。それから、ずっと見たかったん。やった! ビデオ録画もばっちし。
おすすめ度:★★★★1/2
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リトル・ショップ・オブ・ホラーズ THE LITTLE SHOP OF HORRORS

米国 1960年 70分
監督 ロジャー・コーマン
脚本 チャールズ.B.クリフィス
出演 ジョナサン・ヘイズ/ジャッキー・ジョゼフ
メモ 1998.4.4(土曜)ビデオ
あらすじ
シーモアは、花屋のドジな店員。いつも主人に怒鳴られている毎日。日本人の庭師からもらった”ハエジゴク”の変種を大切に育てている。
感想
ほんとB級SF。というわけで、なかなか楽しい。タイトルロールで、「あれは、なんだあ?」と思ったのですが、アレはアレでした。こういうこまかい所が楽しい。(たいした事ではないんやけど)
ロジャー・コーマン監督は「X線の眼を持つ男」(未見)で有名ですが、さぼてんは「ボディ・バッグス」のお医者さん役しかわからない。
ジャック・ニコルソンの棚にあったビデオです。でも、ジャック・ニコルソンは14番目にお名前が出てくる脇役でした。
リック・モラリス、スティーブ・マーチン出演の「リトル・ショップ・オブ・ホラーズ」は本作の26年ぶりのリメーク。この作品もおもしろかった。
おすすめ度:★★★★
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トゥリーズ・ラウンジ Trees Lounge

米国 1996年 93分
監督・脚本 スティーヴ・ブシェーミ
出演 スティーヴ・ブシェーミ(トミー)/クロエ・セヴィーニ(デビー)/シーモア・カッセル/キャロル・ケイン/マーク・ブーン・Jr/サミュエル・L・ジャクソン/ミミ・ロジャーズ
メモ 1998.4.2(木曜)ビデオ
あらすじ
31才のトミーは、仕事もなし家庭もなし、そして最近友達も無くしつつある。
感想
カンケリとかして、バカやって夢中で遊んでいたら、ひとり帰りふたり帰りして、ふと気がつくと夕闇がせまりたった1人公園に残っていた・・・というような感じの映画です。グッと胸を捕まれるような事は、ありませんでしたが、セピア色のノスタルジックな話が、少し色あせたパステルカラーの水彩画のように撮られていました。雰囲気あります。

ブシェーミのパパが演じるビリー(たぶんそうだと思う。お顔がそっくりやから)は、味がありました。というより、味が出きってカスカ・・あわわわ・・。日々トゥリーズ・ラウンジでアルコールを飲みながら、何を考えてはったんでしょう。寂しそうであり、幸せそうでもあります。ああ、酒が飲めてええよなあ。
おすすめ度:★★★初監督作品なのでおまけ1/2
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グッド*ウィル*ハンティング/旅立ち GOOD WILL HUNTING
         アカデミー脚本賞 アカデミー助演男優賞(ロビン・ウィリアムズ)

米国 1997年 127分
監督 ガス・ヴァン・サント(「マイ・プライベート・アイダホ」)
脚本 マット・デイモン/ベン・アフレック
撮影 ジャン=イブ・エスコフィエ(「グレイス・オブ・マイ・ハート」)
出演 マット・デイモン(ウィル・ハンティング)/ロビン・ウィリアムズ(ショーン・マクガイア)/ベン・アフレック(チャッキー)/ミニー・ドライバー(スカイラー)/ステラン・スカルスゲールド(ランボー)
メモ 1998.4.1(水曜)梅田松竹ピカデリー
あらすじ
数学の天才ウィルを見つけだしたランボー教授は、セラピーを受けさせる事を条件に、傷害事件を起こし刑務所入り寸前のウィルを引き受ける。セラピーは、学生時代のルームメイトのショーンに頼む。ショーンは2年前最愛の妻をなくし、片割れを無くしたまま生きた抜け殻となっていた。
感想
ほんのちょっとだけジミー大西に似たウィルが、「僕を許して」と泣くシーンがよくわからない。子供の頃、養父に虐待を受けた時に、許しを請わず心の奥底に封じ込めていた感情が、吹き出したのでしょうか?

ランボー教授の助手とか、ウィルの友達の1人みそっかすのビリー(コール・ハウザー)とか、出てくる人がすべてよく描かれています。ミニー・ドライバーは、自分の足で立っている女の人でした。包容力がある上に知的で、好感を持ちます。

ロビン・ウィリアムズが「妻とのなれそめ」を語る「レッド・ソックスの歴史に残るワールド・シリーズ」の話とか、友達が語る「おじきと警官」とかウィルの「パイロットとスティワーデスと珈琲」の小話(これは知ってた)が、映画の中にうまく挟み込まれていました。

ずっと前に、高校生の「数学オリンピック」の話をちょっと新聞で読んだことがあります。「数学オリンピック」に出される問題の難解さというのは、「東大の入試問題を、『自分ひとりで切符を買って、新幹線に乗って大阪から東京まで行く』程度とすれば、『自分ひとりでロケットを作って、月まで行く』」くらいだそうです。ものすごい事だけがわかりました。その高等数学理論が実社会にどう応用されるのかは、さっぱりわかりませんが、なんかものすごい事なのですね。
おすすめ度:★★★★
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