2003年11月の映画  戻る


東京ゴッドファーザーズ

2003年 日本 91分
監督 今敏(こんさとし)(「パーフェクトブルー」「千年女優」「ワールド・アパートメント・ホラー 」)
脚本 信本敬子/今敏
音楽 鈴木慶一
制作 マッドハウス/東京ゴッドファーザーズ製作委員会
声の出演 江守 徹(ギン)/梅垣義明(ハナ)/岡本 綾(ミユキ)
メモ 2003.11.29 テアトル梅田
あらすじ
親を捨てた家出女子高生、親に捨てられた元ドラッグクィーン、妻子を捨てた自称元競輪選手の3人のホームレスがクリスマスの夜、ゴミ捨て場で赤んぼを拾う。3人のホームレスは清子(清よしこの夜に見つけた捨て子だから)の親を捜して大東京を駆けずり回る。探しながら3人は「家族」 「血のつながり」 「捨てる」の意味をあらためて考え始める。
感想
今この時期に公開。しかもアメリカ受けしそうな題材(ジョン・ウエインの「3人の名付け親 1948年 THREE GOODFATHERS」ウィリアム・ワイラー監督の「砂漠の生霊」のリメイクらしい)と戦略的なモノも感じるがアカデミー賞では「ファインディング・ニモ」にぜひとも勝って欲しい。がんばれ日本アニメ
おすすめ度★★★★★
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フォーン・ブース PHONE BOOTH

2002年 米国 81分
監督 ジョエル・シューマカー(「縮みゆく女」「セント・エルモス・ファイアー」「フォーリング・タウン」「8mm」)
脚本 ラリー・コーエン(「殺しのベストセラー」)
撮影 マシュー・リバティーク(「π」 「レクイエム・フォー・ドリーム」)
音楽 ハリー・グレッグソン=ウィリアムズ(「シュレック」
出演 コリン・ファレル(ステュ・シェパード「マイノリティ・リポート」)/フォレスト・ウィッテカー(レイミー警部)/ラダ・ミッチェル(ケリー・シェパード「ピッチブラック」)/ケイティ・ホームズ(パム)/キーファー・サザーランド
メモ 2003.11.24 南街シネプレックス
あらすじ
ケータイと頭の回転の速さと口八丁で商売しているステュ。タレントを売り込みマスコミにゴシップを流し嘘も方便。勢いだけで毎日過ごしているが細かい神経も使ってるねん。そそられる女を誘うのは20世紀の遺物の電話ボックス。ケータイに記録が残ったらヨメにばれて困るもんね。ところがそんな彼を毎日じっと観察している自称”神”がいたのよ。見せしめのために天に代わって”天罰”を与える男。ニューヨークの8番街で妻を裏切っている男って俺だけかい?そもそも気持ちだけでまだ一線を越えちゃいないのよ。俺が電話を切ると俺か他の誰かを射殺するって言ってる。なんでこんな目にあうのよ(涙目)。
感想
「真昼の決闘」と同じく現実の時間と映画の時間がシンクロするサスペンス。電話ボックスが唯一の舞台という異色作であり「メメント」に匹敵する意欲が買い。主人公のコリン・ファレルが軽薄ながら頑張る。ぼろぼろになりながらも頭を使って粘り強く頑張る男が好きだ。
 
映画の基盤を否定する事になっちゃうけど離婚が日常茶飯事になっている現代、浮気心を妻に知られ夫婦関係が崩れるのが主人公にとってそんなに大変な事なんだろうかという一抹の疑問が頭をかすめる。宗教的的倫理観(なんじ姦淫するなかれ)の強いアメリカ映画なんかも。それとも「お前に見捨てられたら俺はもう生きていけない。」という”嘘つき”主人公の不安定な心と最後の砦を示しているのかもしれん。
おすすめ度★★★★
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棒たおし

2002年 日本 95分
監督 前田哲(「パコダテ人」監督 「マルサの女」「スウィートホーム」「月はどっちに出ている」助監督)
脚本 松本稔 (第27回城戸賞受賞作品)
出演 谷内伸也(高山次雄Lead)/金子恭平(久永勇136FLAME)/古屋敬多(須藤学Lead)/平愛梨/平田満/松田美由紀/三浦友和
メモ 2003.11.16 ちびさぼがLeadファンの友達から借りたDVD
あらすじ&感想
「棒たおし」を見る。アイドル映画である。非ジャニーズ系男の子ユニットLead(リード)とFLAME(フレーム)が出演。ちなみにw−inds.も同じVISION FACTORY所属。ジュノンボーイズコンテスト出身なのかな。友が中高生の娘がいるとミ−ハー情報ばかり増えると言っていたのが最近しみじみ実感。それもうたかたの夢。
映画は始まるなり校舎の屋上で寝転んでいる谷内伸也(Lead)が写るという定番の定番の恐ろしく定番の青春映画。
ところが根っから明るかった「ウォーター・ボーイズ」や天才と奇人は紙一重の「ピンポン」のパワーあふれた作品とはまた一味違ったなかなかの出来ばえであった。アイドルボーイズが非力なのね。体も演技もたどたどしい。しかしそのひ弱さゆえのひたむきさが作品に哀愁と余韻を感じさせるのだ。並みのアイドル映画ではないと一部で評判だったはず。
アイドル達は2月の寒さの中上半身裸で棒たおしに挑んだそうです。さぼてんは「ルックス3、ミュージシャン1」と言われるFLAMEのボーカリスト恭平にちょっと感心したよ。
おすすめ度★★★★
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昭和歌謡大全集

2002年 日本 112分
監督 篠原哲雄(「洗濯機は俺にまかせろ」 「木曜組曲」
原作 村上龍「昭和歌謡大全集」集英社文庫
脚本 大森寿美男
昭和の曲
「恋の季節」(昭和43年)/「星の流れに」(昭和22年)/「チャンチキおけさ」(昭和32年)/「白い蝶のサンバ」(昭和45年)/「SWEET MEMORIES」(昭和58年)/「リンダ・リンダ」(昭和62年)/「風立ちぬ」(昭和56年)/「港が見える丘」(昭和22年)/「錆びたナイフ」(昭和32年)/「骨まで愛して」(昭和41年)/「君といつまでも」(昭和42年)/「また会う日まで」(昭和46年)
出演 岸本加世子(ヘンミミドリ)/樋口可南子(スズキミドリ)/鈴木砂羽(イワタミドリ)/森尾由美(タケウチミドリ)/細川ふみえ(トミヤマミドリ)/内田春菊(ヤナギモトミドリ/スナックのママ)
松田龍平(イシハラ)/池内博之(ノブエ)/安藤政信(スギオカ)/斎藤陽一郎(ヤノ)/村田充(スギヤマ)/近藤公園(カトウ)
市川実和子(スガコ)/原田芳雄(金物屋のおやじ)/古田新太(元自衛官・サカグチ)/ミッキー・カーチス(自転車屋)/津田寛治(パイロット)/寺田農(刑事)/木下ほうか(バスの運転手)
メモ 2003.11.15 動物園前シネフェスタ
あらすじ
世の中のすみっこでひっそりとつるんでいるグループが2組。1組はフリーターと専門学生の若い男たち。もうひとつの組は離婚暦ありの熟女たちのミドリ会。「幅はとるしみばもよくないしどあつかましいし、なんでこの世にいるんだ? あのオバサン達は。 何考えて生きているんかさっぱりわからん。」というガキたちと、「日々世間から若い子からバカにされているような気がする。あんた達も女から生まれたんでしょ(それがやなんだな)。」というオバサンたちに接点はないはずであった。ところがニアミスの結果が恐ろしい事になる。求心力の薄かったグループの結束がたかまりそして隠れアナキスト達のバトルはエスカレートしていくのであった。
感想
なかなかに過激であった。・・・・言葉が出ない。 なんら共通点のなさそなふたつの組は実は世代を超えて「昭和の歌謡曲」に共鳴している。外っつらは対極にありながら根っこのところは似たもの同士だったのだ。最近の殺伐とした事件を見ても母親と息子の関係って難しいのかもしれん。
これは原作を読まなくてはっとさっそく帰りに購入。
おすすめ度★★★★
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ノックアラウンド・ガイズ Knockaround Guy

2002年 米 92分
監督・脚本・制作 ブライアン・コペルマン&デヴィッド・レヴィーン(「ラウンダーズ」の脚本)
撮影 トム・リッチモンド(「ワン・カップ・コーヒー」)
衣装 ベス・パスターナク(「スウィート・ヒアアフター」)
出演 バリー・ペッパー(マティー)/ヴィン・ディーゼル(テイラー)/セス・グリーン(マーブルズ「ホテル・ニュー・ハンプシャー」「ラジオ・デイズ」)/アンドリュー・ダヴォリ(クリス)/ジョン・マルコヴィッチ(テディ)/デニス・ホッパー(ベニー)/トム・ヌーナン(デッカー保安官)
メモ 2003.11.1 動物園前シネフェスタ
あらすじ
父親がマフィアのマティーはカタギの仕事につけない。もちろんの事雇い主が引いてしまうのだ。といって闇世界が自分に向いているとも思えない。それは12才のあの時から頭にこびりついている。とはいえこのままパシリではうだつが上がらない。覚悟を決めてオヤジの大事な仕事に志願した。それはお金を受け取って持って帰ってくるという”おつかい”だった。軽飛行機を持っているマブダチのマーブルズに頼めばいちころじゃん。ところが昔麻薬をやっていて警官にアレルギーのあるマーブルズは神経過敏から鞄を見失っちまうのよ。俺の面目丸つぶれ。しかも中味は50万ドル!の大ボスへの上納金だ。オヤジの命さえあぶない。えらいこっちゃ。
感想
過激なシーンがあるわけでもなく、のらりくらりと事態が悪化していく。なんか面白いな。若造だけれど男の美学の香りがする。
野球を見ていると解説の人が「いい仕事をしましたね。」っていいはる事があるでしょ。あれは好きじゃない。「仕事かよ。」と醒めてしまう。せめて「いいプレー」にしてくれよ。とは言うものの、この映画は監督スタッフ役者が「なかなかええ仕事してはるやん。」って感じなの。裏を返せばまあ派手じゃないって事かな。
 
主役のマティー役のバリー・ペッパーは「プライベート・ライアン」のスナイパー・ジャクソン二等兵、「グリーンマイル」の看守。ちょっとクリストファー・ウォーケンに似ている。ヴィン・ディーゼルは、「ピッチブラック」 「「トリプルX」のムキムキマン。ポスト・シュワルツネッガー。そして注目のセス・グリーン。「アイドル・ハンズ」でおでこに瓶がささったゾンビね。「ラットレース」とか。「ミニミニ大作戦」にもでてはるらしい。この人子役出身らしい(「ラジオ・デイズ」「ホテル・ニューハンプシャー」)けど間の取り方がうまい。才能ありそ。
おすすめ度★★★1/2
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