2003年5月の映画  戻る


木曜組曲−蝶の棲む家−

2001年 日本 113分
監督 篠原哲雄(「はつ恋」「月とキャベツ」)
原作 恩田陸(「木曜組曲」
脚本 大森寿美男
出演 鈴木京香(絵里子)/原田美枝子(静子)/富田靖子(尚美)/西田尚美(つかさ)/加藤登紀子(えい子)/浅丘ルリ子(重松時子)/竹中直人
メモ 2003.5.31 レンタルVHS
あらすじ
木曜組曲
感想
原作以上におんなおんなしていた。原作には生身で登場しない浅丘ルリ子(重松時子)さんが迫力あったな。だからああいう結末に変えてしまったのか。。。加藤登紀子さんとの凄みの差かもしれない。それともルリ子さんによいしょをいかしたのか。原作のラストの方が好きだ。がまあ女優の個性の違いなんだろう(力量の違いか)。加藤登紀子さんは女優じゃないか。女優じゃない人を要の役に持ってきているわけだ。影のような人物にはぴったりだったが。最終兵器的な立場に作ってあったのにな。はっきり言って原作どおりにしてほしかったぜ。
 
原作と同じく不安定で神経質な尚美(富田靖子)が流行のミステリ作家で、パッパラパーのつかさ(西田尚美)が純文学作家というのが面白い。
お気に入り度★★★1/2
戻る

ナインスゲート THE NINTH GATE

1999年 スペイン・仏 133分
監督・製作・脚本 ロマン・ポランスキー
脚本 アンリック・ユルビズ/ジョン・ブラウンジョン
撮影 ダリウス・コンジ
音楽 ヴォイチェック・キラール
 美術ディーン・タヴラリス
出演 ジョニー・デップ(ディーン・コルソ)/フランク・ランジェラ(ボリス・バルカン)/レナ・オリン(リアナ)/エマニュエル・セイナー(謎の女「ニルヴァーナ」)/ジェームズ・ルッソ(古本屋)/ホセ・ロペス・ロデロ
メモ 2003.5.24 レンタルVHS
あらすじ
やり手で悪名高いブックハンターのディーン・コルソ。今日も素人を騙してまんまと稀覯本を手に入れた。コルソは書籍販売人でもって稀覯本コレクターのボリス・バルカンから妙な依頼を受ける。自殺を遂げる直前のコレクター・タイリェフェルから買い取った「影の王国への九つの扉」の真偽を調べろというのだ。悪魔と通じる事が出来るというこの禁断の書は世界に三冊ある。本物は一冊しかないとバルカンは言うのだ。自分のが本物と信じてりゃええやんという訳にはいかないらしい。
感想
TVで放映されていたのを見る。「最後はなんなのだ?」「中途半端やん」「謎の女は誰?」「怖いというよりコミカル」「魔女の集会がチープ」「コルソがよわっちい」「特に女に弱い。なすがまま。」とか色々ありますが、ミステリなお話が好き映像が好き。オープニングの9つの扉もお城もいい。と言うわけでレンタルして再度見る。アタシのジョニー・ディップがくたびれた感じでとてもいい。スペインの印刷屋・セニサ兄弟もええねん。9枚の絵の内矢を射ろうとしている天使になっていた。最後の本棚を倒していた人も同じらしい。
 
そやけど悪魔に惹かれる理由がわからん。ええ事があるん?。1666年に「影の王国への九つの扉」を出版したアリスティデ・トルキアはすぐさま拷問の末火あぶりだよ。それに何故コルソが選ばれたのか?悪魔か導き人かのあの謎の女(監督夫人のエマニュエル・セイナー)が一目惚れしたんだなというのがさぼてんの読み。そして最後のアレはなんなんだ。味見か? コルソの鍵で扉を開けたって事?(お下品かしら)
という数々の謎を解くため今原作の「呪いのデュマ倶楽部」を鋭意読書中。2段組390頁は手ごわい。やっと仏蘭西まで辿り着いた。
お気に入り度★★★★
戻る

ドタバタチェースストーリー EENA MEENA DEEKA

1994年 インド
監督 デビット・ダワン
出演 リシ・カブール/シュヒー・チャウラー
メモ 2003.5.10 TV録画
あらすじ&感想
イーナは母親のすねをかじってふらふらしていたんやけど母親が倒れ手術費用の10万ルピーという大金に頭を痛めている。アホが思いついたのは銀行強盗。銃を持って銀行に乗り込んだらそこにはディーカがいた。ディーカは名うての強盗だったがまっとうな暮らしのために足を洗った所だったのにぃドジな強盗に巻き込まれる。ディーカに目をつけている警察官ブリ副本部長はディーカが「俺は巻き込まれただけだ!」と言っても聞く耳もたない。しかたなくディーカはイーナと共に逃亡生活に入る。ふたりでもめている最中イーナの銃が暴発。足に怪我をした呪われたディーカは獣医にかつぎ込まれる。こんどは獣医はディーカがロバだと言ってきかない。
 
っておいおいおい、これ「三人の逃亡者」やん。フランスオリジナル版ではジェラール・ドパルデューとピエール・リシャール(「階段を降りて左」)、米国版はニック・ノルティとマーティン・ショートの。もちろん本作はインドのマサラ映画ですから、長屋で田舎の村で野原で遊園地でと踊り狂います。
この映画の3人目の逃亡者は小さな女の子ではなくプリプリの美女ミーナ。ルイ・ド・フィネスのようなブリ副本部長の娘ミーナが人質になり三人で逃亡する。ここから話はオリジナルの方向に長く歩み始める。「医者や教師なら辞める事はできる。しかしワルはいつまでもワルだ。」と辞めたディーカを追うプジャング・ファミリー、娘のミーナを取り戻そうとするブリ副本部長、懸賞金目当てのホームレス(お乞食さん)達と四つ巴の戦い。お乞食さん達がブレヒトの「三文オペラ」のようだ。これだけハチャメチャに広げた話をどう収集つけるんかと思いましたよ。ディーカはお金を持って逃げたイーナとミーナに復讐しようと追っているし。そしたらね、たまげた事にディーカはイーナの実の兄だったんですと。昔さらわれたとか。急に「兄さん」「お母さん」「会いたかった」が始まる。(おっかさんがディーカは私の息子よと言っている間、当のディーカは海に落ちていたんですけれど何故か水から上がったらイーナが自分の弟だと知っていたのだ。謎じゃ)。
不思議な映画で実に楽しい。お乞食さん達のひとりフリークスみたいな人がよかった。ミーナの踊りと歌はキレがいい。
おすすめ度★★★★
戻る

ジェヴォーダンの獣 Le Pacte des loups

2001年 フランス 140分
監督・脚本 クリストフ・ガンズ
脚本 ステファーヌ・カベル
撮影 ダン・ラウストセン
音楽 ジョセフ・ロドゥカ
出演 サミュエル・ル・ビアン(フロンサック)/ヴァンサン・カッセル(ジャン=フランソワ
「クリムゾン・リバー」)/マーク・ダカスコス(モホーク族マニ)/モニカ・ベルッチ(シルヴィア「マレーナ」)/エミリエ・デュケンヌ(マリアンヌ「ロゼッタ」)/ジェレミー・レニエ&ジャック・ペラン(ダプシェ若公爵「鞄を持った女」
メモ 2003.5.4 WOWOW録画
あらすじ
革命の前ルイ十五世の治世、仏蘭西南部の山岳地帯ジェヴォーダンでは謎の野獣が女子供を襲っていた。何度も森を狩るが野獣は見つからない。流布されているように神を恐れぬ所業を懲らしめるため神がつかわされた化身なのか。
感想
謎あり恋ありアクションありの凝ったエンターティメント映画。深い森コスチュームがいい。
 
それはええねんけどね主人公フロンサック、する事遅いねん頼りないねん。伯爵家のご令嬢マリアンヌに恋したり絵を描いたり娼婦の館で気持ちええことするのに忙しい。その合間に獣の正体を探っている感じ。そんなんやからマニがあんな事になるんやろー。何しててんアンタ、もたもたと。どうしてくれるー(怒)。フロンサックも猛省したのかそれからは人が変わったかのようなご活躍(できるんやったら最初っからしっかりせー)。でも結局女に助けてもらう。はっきり言ってマニと悪役の方が魅力的だぞ。マリアンヌが惚れる理由がわからん(ぼろぼろに言ってますな)。
おすすめ度★★★★
戻る

ベッカムに恋して BEND IT LIKE BECKHAM

2002年 英国 112分 配給アルバトロスフィルム
監督・脚本 グリンダ・チャーダ
脚本 グルジット・ビンドドラ/ポール・マエダ・パージェス
撮影 ジョン・リン(「推手」「ウェディング・バンケット」)
衣装 ラルフ・ホールズ
出演 バーミンダ・ナーグラ(ジェス・バームラ)/キーラ・ナイトレイ(ジュールズ・パクストン)/ジョナサン・リース・マイヤーズ(ジョー「ベルベット・ゴールドマイン」)
メモ 2003.5.3 テアトル梅田
あらすじ
ジェスは英国に住むインド系2世の高校生。ベッカーとサッカーに恋している少女の家は両親が神経過敏に陥っている。姉娘のピンキーの婚約式が今夜なのだ。姉のためにおとなしくしているように言われるジェスだったが公園でサッカーをしていたら見知らぬ子が声をかけてくる。自分たちのサッカー・チームに入らないかと誘うのだった。
感想
サッカーがこんなに躍動感のあるスポーツだったとは(ワールドカップでは何を見ていたんでしょう)。ローアングルだからかな。

親が娘の行く末を案じ眉間にしわ寄せて深刻になればなるほど笑えてしまうという悲喜劇。ジェスの母親もジュールズの母親も「幸せな結婚生活」こそが女子一生の仕事と信じている。いい男をゲットするためにお洒落や料理で”女を磨くのよ”と娘に覚え込まそうと躍起。これが母のツトメなのよ。しかし娘達の頭の中にあるのはボールを蹴る、おでこで跳ね返す、ボールを曲げる事だけ。そら世の中娘に「サッカー選手になりたい。」と言われていけいけどんどんな親は少ないかもしれない。さぼてんもサッカーの知識に関しては「マスタードの瓶とソースの瓶でオンサイド、オフサイドを教えてもらっている」ジュールズのママとおっつかっつ。知らない事は力量が測れない予想が出来ない。知らない所に走り出す娘を不安に思うのは古今東西かわらん。マイノリティのマイノリティ(インド系で女性)は大学に行って資格を取れとお父さんは言う(気持ちはわかる)。しかし小娘たちは止まらない。

監督さんがえらいのは主体的に行動するのは殻をやぶる下娘だけではなく、あの手この手を使って幸せな結婚をしたいと願っている上娘も同じなんだと語っている事と思う。
おすすめ度★★★★
戻る

完全犯罪クラブ MURDER BY NUMBERS

2002年 米国 120分
監督 バーベット・シュローダー(「ルームメイト」「絶対×絶命」)
脚本 トニー・ゲイトン
撮影 撮影:ルチアーノ・トーボーリ(「サスペリア」)
出演 サンドラ・ブロック(キャシー)/ベン・チャップリン(サム「バースディ・ガール」)/マイケル・ピット(ジャスティン「ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ」)/ライアン・ゴズリング(リチャード)/クリス・ペン(レイ)
メモ 2003.5.2 レンタルビデオ
あらすじ
お金はあるが親に放任されている高校生のジャスティンとリチャード。表向きは友達ではない。裏向きでも友達かどうかあやしい。そんなふたりが密かに計画していたのは「完全犯罪」。よくわかりませんが「人を越えた存在−超人」になるには必要なそうな。ヒッチコック監督の「ロープ」と同じく退屈した若者が刺激を求めていただけやのに自己中な理論武装をほどこして犯した罪。しかし「完全犯罪」はふたりの女のせいでガタピシしてくる。