山河のラオス〜シェンクアン(ポーンサワン)
 
Xieng Khouang(Phonesavan)
 
 
シェンクアン(ポーンサワン)
 

 
空港
 


       
 
砂利の滑走路
シェンクアン空港の滑走路は砂利でできています。舗装すらされていません。いろんな国に行きましたがこんなの初めてです。よく無事に着陸したものだと今だから言えます。
 
ターミナルビル
エプロンもなければリムジンバスもない。飛行機を降りた乗客は自らの足で歩いてターミナルに向かいます。ターミナルって言うより公園の東屋だけど。
 
待ち時間
ルアンパバン→ルアンナムター→シェンクアンと、同じ機体を複数の路線で使い回しているので、国内線はよく遅れます。時間つぶしといっても食事くらいしかないしなあ。
 

     

ラオス航空の真実
日本の外務省によれば「ラオス航空の国内便はATR-72型機以外の機種は安全性に疑問がある」とされています。「落ちても国は責任取らないよ」ってわけですね。おいおい、そんなこと言ったってATRはラオス全土でも2機しかないんだよ。地方線にはまわってきやしない。というわけで、中国製YN2に搭乗してみると……あれ、ドアがないよ。
 

 

 
ジャール平原
 


  ポーンサワン郊外の、澄んだ空となだらかな丘陵が拡がる牧歌的な風景の中、アクセントをつけるようにジャールと呼ばれる石壷が転がっています。サイト1、2、3と三つのエリアに分かれており、シェンクアン最大の見どころとなっています。  

       
 
謎の石壷
誰が、いつ、何のために造ったのか。20世紀初めに発見されて以来、謎は一向に解明されていません。棺桶説が有力とされていますが、決め手はまだありません。
 
対抗説
棺桶説以外で有力なのは酒壷説と米壷説。現在のラオスの人々のメンタリティーや行動を見ていると、これらの方が真実味がありそうな気もしてきます。
 
大きい
石壷はみな1〜1.5mくらいと結構な大きさ。中でもこれは最大のもの。3〜4人は楽に入りそうです。棺桶だとすれば、先祖代々から一族まとめて入れていたのでしょうか。
 

       
 
サイト全景
一面の草っぱらの中に、あまりにも無造作に放置された石壷の数々。ここが観光地だと誰かに教えてもらわないと、何の疑問も持たず見逃してしまいそうです。
 
決定的証拠?
地中に埋まった石壷に水が溜まったところを見ると、やはり棺桶説が有力そうな気もしてきます。でも、横たわるにはイマイチ長さが足りないんだよな。
 
ふた付き
もともと石壷には同じ石でできた蓋がしてあったそうです。しかしほとんどの蓋は破壊され、壷の周囲に散乱しています。戦争のせいだと言われていますが、いつの戦争?
 

     

洞窟
実はジャール平原の見どころは石壷だけではありません。自然の地形を利用した洞窟があちこちにあり、むしろこちらの方が探検できて面白いかも。内戦時は革命軍の兵士たちが隠れ家として利用していたなど、現代史的な価値もあったりして、いろいろと想像を掻き立てられます。
 

 

 
市場
 


  活気ある市場が最大の見どころである、シェンクアン県の県都ポーンサワン。というよりポーンサワン自体がシェンクアンと呼ばれています。なんたってラオス五大都市のひとつですからね。電気は一日に3時間しか来ないけど。  

       
 
八百屋
山と積まれたジャガイモやタマネギがラオスの豊かさを物語ります。食べていくだけなら、この国は何の苦労も要らないことと思われます。
 
蜂の子
市場では不思議なものが売っています。生きたままの蜂の子もそのひとつ。巣に入ったまま芋虫のようにウニウニと動いています。食べると美味しいらしいけど。
 
山ネズミ
山の民の貴重な蛋白源であるネズミ。ゲテモノ好きにはいいかもしれないけど、肉も少なそうだし、オレンジ色も毒々しいし、ちょっと遠慮したいなあ。
 

       
 
ボク売られちゃうの?
生きたままの仔豚も売られていました。面白いのは豚専用の篭に入っていること。完全に「商品」として扱われています。ううう、とても可愛いんだけど、でも食べられちゃうのね。
 
モモンガ
ネズミより食べがいがあるかもしれませんが、さばくのは大変でしょう。翼(?)もあるし。でも平目の縁側のように意外とそこが珍味だったりして。なわけないか。
 
民族衣装
少数民族の宝庫である北ラオス。外出時(家に居る時もかな)は民族衣装に身を包んで出かけます。同じような服でも出自によって色や模様が少しずつ違うんですよね。
 

       
 
食堂
市場では食堂も営業中。お客さんも従業員も一緒になってのご飯。串焼きの煙がもうもうと立ち込め、こんがりと美味しそうな匂いに誘われます。
 
貴金属マーケット
こんな山の中で宝飾屋もあるとは思わなかった。特にネックレスが多かったかな。美しく身を飾りたいという女性の思いは万国共通だってことですね。
 
ニセモノ
雑貨市場ものぞいてみました。カルバン・クラインのサンダルやプラダのスリッパを発見! こんな田舎町なのに輸入品が! でもプラダにスリッパなんてあったっけ?
 

 
プーチャン・リゾート
 


  観光開発はまだこれからです。それでもタイをはじめとする外国資本が設備の整ったホテルをぽつぽつと建て始めています。  

     
 
粋な計らい
ポーンサワン市内を見下ろす丘の上に建つ木造のコテージ群。ヨーロッパ人に一番人気のこのリゾートでは、爆弾の残骸が案内板代わりです。もちろんホンモノです。
 
ラオスの美瑛
なだらかに連なる丘陵。どこか郷愁を感じさせる佇まい。あるのは美しい景色だけ。いつしかここは「ラオスの美瑛」と呼ばれるようになりました。なるほど、言い得て妙ですね。まあ、期待しすぎちゃいけないけど。特筆すべきは雨上がりの夕陽の何と綺麗だったこと。訳もなく「ああ、来て良かった」と感慨が湧いてきました。
 

   
ポーンサワン市街
プーチャン・リゾートからはポーンサワン市街が一望できます。緑濃い平原に沈むようにレンガ色の家々の屋根がぽつりぽつりと。高い建物もなく主役はあくまで大地。人間はその片隅に住まわせてもらっているのだということがよくわかります。人と自然の本来の関係ってこうなんだろうな。
 

 
街角の風景から
 


   
オブジェ
ベトナム戦争で落とされたナパーム弾の残骸を利用したオブジェ。なかなかアートっぽくてイケてます。ポーンサワンにはこのような家が多く、ジャール平原以上にシェンクアンの見どころになりつつあります。超大国に対する抗議なのかと裏読みしてしまいますが、たぶん単なる廃物利用なんでしょうね。
   

       
 
プードイの朝食
プードイは安いものの部屋は狭いし設備もいまいち。けれどもアットホームな雰囲気が温かく、朝食のフランスパンとカフェラーオの美味しさには涙がちょちょ切れました。
 
県庁
いかにも行政っぽい四角い建物ですね。最初は学校かと思いました。注目して欲しいのは電話ボックス。おそらくシェンクアンで唯一の公衆電話でしょう。
 
地雷に注意
プードイのロビーには地雷を見つけてもむやみに触らないよう注意を喚起するポスターが貼ってありました。ベトナム戦争はここではまだ終わっていないのです。
 


   

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