栄光のイラン〜マーハーン
 
Mahan
 
 
マーハーン
 

 
シャー・ネエマトッラー・ヴァリーの聖廟
 


   
終の棲家
ネエマトッラーは14〜15世紀の詩人で、長い間中東から中央アジアにかけて放浪の旅を続けた挙げ句ここマーハーンにたどりついた人物。観光している間はずっとここがモスクだと思っていたのですが、実は文化人の墓に過ぎなかったわけです。
   
イーワーン
モスクだと思うのも無理はありません。入口には例の鍾乳石飾りの立派なイーワーンもあるのです。なにやらアラビア文字も書いてあるし。これってモスクというよりイラン建築に特徴的なものなのかも。他のイスラム国ではとんと見かけた覚えがありませんね。
   

   
墓室
鮮やかな壁画が一面に描かれたここが墓室。エジプトの王家の谷を連想させます。部屋の中央には緑の布で覆われた棺が置かれていますが、これはダミー。ネエマトッラーさん本人はその下の地中に眠っています。肖像画のような人だったんでしょうね。
   
観光の方法
墓なのになぜ綺麗にモザイク装飾されたドームとミナレットがあるの?という疑問はさておき、ここでは面白いことに建物の屋根に登ることができます。しかし、面白いのはそれだけではありません。なんとミナレットにも登ることができるのです。
   

   
登ってみた
頭をぶつけそうな狭い螺旋階段を登り詰め、ミナレットのバルコニーに出ると、ほら、この通り。トランプのような造形に切り取られた壁から外が眺め渡せるのです。ふーん、世界ってこんなふうに見えるんだ。なんというか、不思議な気分でした。
   
狭い
念のため説明しておくとバルコニーは大変狭いです。真ん中に太い柱が通っているものだから、その周りは人ひとり移動するのがやっとというくらいのスペースしかありません。写真を撮ろうにも引きが足りず、けっこう苦労しました。順番に登ってね。
   

       
 
複雑系
ミナレットとともにモスクだと勘違いさせる原因となったドーム。美しい幾何学模様は星をモチーフとしたものだそうです。フラクタルっていうんでしたっけ?
 
グラウンド
聖廟の隣には広い空き地があり、学校帰りの子供たちで賑わっていました。そりゃ、これだけ広かったら鬼ごっこでもサッカーでも何でもできるよなあ。
 
拝観者
中には聖廟を拝観に来ている子供たちもいました。でも、私たち外国人の方がよっぽど面白いらしく、後についてくることしきり。わかってんのかなあ。
 

 
街角の風景から
 


   
オアシス
ケルマーンの南東35kmにあるマーハーンはオアシスに開けた田舎町。街路樹が生い茂り、砂漠の真ん中とは思えないほど緑豊かな街並。通りを行き交う人もあまり多くなく、落ち着いた雰囲気が漂っていました。心が疲れたときに訪れると癒されること請け合いです。
     


   

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