栄光のイラン〜イスファハン(イマーム広場)
 
Esfahan(Meydan-e Emam)
 
 
イスファハン(イマーム広場)
 

 
ハシュト・ベヘシュト宮殿
 


       
 
オアシス
17世紀に建てられた、公園の木立の中にあるサファヴィー朝時代の宮殿。鳥のさえずりを聴き、木漏れ日を浴びながらの散策は、落ち着いて良い雰囲気です。
 
チャハール・バーグ神学校
宮殿の敷地の向こうに青いドーム屋根が見えました。モスクと神学校を兼ねた建物です。このような宗教施設はイスラム圏でも珍しいそうです。
 
木造建築
中東では建物は基本的に石造り。しかし、この建物を支える柱は珍しいことに木造で、どことなく法隆寺を感じさせます。日本文化がシルクロードを伝わって…でしょうか。
 

 
チェヘル・ソトゥーン宮殿
 


       
 
シャー・ジャハンもびっくり
こちらも17世紀の木造建築です。建ち並ぶ柱はかつてすべて鏡で覆われたというから驚きです。シャー・チェラグ廟みたいだったんでしょうか。
 
ツバメ返し
ハシュト・ベヘシュトで採用された日本趣味は、チェヘル・ソトゥーンでさらに磨き上げられます。こちらは屋根にツバメ返しまで付いて、ますます奈良時代っぽい。
 
40=20×2
「チェヘル・ソトゥーン」は「40本の柱」を意味しますが、建物を支えている柱は20本しかありません。それでは残りの20本は?そうです、池に映っているのです。
 

   
歴史画
チェヘル・ソトゥーン宮殿の内部は博物館になっており、壁に描かれた6枚の歴史画は見ごたえがあります。当時の隣接国との戦争やそれらの国々が援助を請う様子と、つまりはサファヴィー朝がいかに偉大であったかをPRするものです。特にオスマントルコとの戦いは、当時の両国の強大さを考えると「世界大戦」だったと言えるでしょう。
   

 
イマーム広場
 


       
 
世界の半分
栄光のペルシャ帝国の最後の輝きとなったサファヴィー朝。彼らが残した最高傑作であるこの広場には、当時の「世界の半分」が再現されていたのです。
 
親子
広場を撮ろうとカメラを構えていたら、いきなりファインダーに割り込んできた親子。しかもご丁寧にポーズまで取ってる。はいはい、わかりましたよ。
 
観光馬車
広場には観光馬車も営業しています。何しろ広いので歩いて回ったら大変。北端のチャイハネから南端のイマーム・モスクまで走っても5分は優にかかりましたから。
 

       
 
ギャズ屋
イスファハンのおみやげとして有名なのが「ギャズ」と呼ばれるヌガーのような飴。この店はなぜかイランの女子高生に人気で、まるで原宿のような人だかりでした。
 
お祈りの時間
ちょうど礼拝の時間が終わったところに出くわしました。あんなにスカスカだった広場に、モスクからいっせいに人が溢れ出しました。お祭りみたいな賑わいだな。
 
チャイハネ
広場の北端、バザールへの入口の建物の2階に広場全体を見渡せるチャイハネがあります。お茶とともに、かつて「世界の半分」と呼ばれた眺めが楽しめます。
 

 
イマーム・モスク
 


       
 
斜め45°
イスファハンのシンボル、イマーム・モスクは17世紀に25年の歳月をかけ造られました。入口の門とモスク本体に45°の角度がついた珍しい配置です。
 
現役
世界遺産にも指定されている建物でありながら、今も現役のモスクです。一日5回(だっけ?)の礼拝には、大勢の市民がふらりと気軽にやって来ます。
 
最高傑作
観光パンフレットでよく見られるイーワーンの鍾乳石飾り。この細かさ、この色、この美しさ。まさにイラン・イスラム芸術の集大成と呼ぶにふさわしい出来です。
 

   
ドラマチック
回廊を曲がるとそこに突然モスクが現れます。回廊の闇からいきなり眩い中庭へ。まったく予想していなかった展開に心の準備が間に合わず、驚くとともにいたく感動してしまいました。これこそ斜め45°に配置した効果でしょう。うーん、見事だ。
   
伝統美
壁という壁に貼られた装飾タイルの美しさ、繊細さ、大空に勝るとも劣らない青色の爽快感。イランでは古来から装飾のモチーフとして植物が好んで用いられてきました。このモスクを語るときは「イスラム的」ではなく「イラン的」と言うのが正しいのです。
   

       
 
修理中
屋根のタイルが修復中のため、ドームには作業用の足場が架けられていました。タイル職人も宮大工のようなもので、後継者不足に悩んでいるそうです。
 
ドーム内部
ドーム内部に入り天井を見上げると、これまた素晴らしい彩色タイルが。床にカメラを置いて、長時間露出で撮った一枚。いや、凄いね、これ。
 
光の芸術
回廊に射し込む太陽が繊細な装飾をいっそう際立たせます。この光と影のコントラストはなかなか写真で再現できません。美しさのあまり本当にため息が出ますよ。
 

 
シェイク・ロトフォラー・モスク
 


       
 
王室専用
今も現役のイマーム・モスクと違ってこちらは王室専用のモスクとして建てられました。そのため、人々にアザーンを伝えるためのミナレットがありません。
 
暗い!
入り口からドームへと続く廊下。王室の人々が一般庶民に姿を見られることなく祈りに行けるように、という配慮なのだとか。地下道とかもあるのかな。
 
秘密の空間
装飾窓から射し込む光だけが照らすドーム内はなかなかロマンチックです。この精緻さゆえに、さほど大きくないのに完成までには17年もかかったそうです。
 

 
アーリー・ガープー宮殿
 


 

 

裏も表もある
イマーム広場を挟んで、シェイク・ロトフォラー・モスクと相対して建つアーリー・ガープー宮殿。表からは2階建てに見えるのに裏に回ると5階建てという面白い造りの宮殿です。最上階は音楽鑑賞のための部屋。かつてはハシュト・ベヘシュトやチェヘル・ソトゥーンともひとつながりだったそうです。
     

       
 
VIP席
表から見て2階に当たる部分は大きなテラスになっています。広場で繰り広げられるポロ競技を王がここから見物したとのこと。ハイビジョンのように見えただろうな。
 
プール
テラス中央に掘り炬燵のような大きな窪みがありました。プールだそうです。暑い日には水浴びをしたのでしょう。ここも柱が木製なことが驚き。
 
音楽の部屋
イーワーンのような壁と天井の造り。そしてバイオリンなどの楽器を模して開けられた穴。これらすべては音響効果を考えてのものだとか。かえって音が乱反射しそうだけど。
 


   

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