パピヨン・ノワール

   フランスの生体医工学者で、以前は対特殊犯罪組織・シャッセールに所属していたが、現在、過去、未来の測量を行なうことのできる感覚精神力・センシングマインドという特異な能力をかわれてGGGオービットベースの新たな研究開発部専属主任オペレーターとなった。淡い色の髪と浅黒い肌、大きな瞳に大きな眼鏡が印象的な女性。ルネ・カーディフの唯一無二の親友で、彼女の怒気を刺激しない稀有な才能の持ち主。多少のことでは動じないおっとりとした性格で、口調ものんびりとしている。自らの能力であるセンシングマインドの研究が自らのライフワークであると考えており、その完成こそが彼女の夢である。同じく生体医工学者であった先輩の女性を尊敬しており、その髪型や大きな眼鏡も彼女を意識してのもののようだ。若年ながら科学者としても非常に優秀であり、次世代の科学をリードしていく人物の一人として学会からの注目を集めている。亡き母であるロリエ・ノワールは高名な地質学者であった。GGG諜報部の主任オペレーターである猿頭寺耕助とはどういう経緯からか、恋人同士。ちなみにちょっとマッドドクター気味。主な著作物に『センシングマインド −超感覚への回帰−(原題・The Sensing Mind ;White Publishing Company,New York,2004)』(村木裕貴・訳 ;SR出版 ・2005年)、『FOLKLORE(Brun,Éphémère,Noir,Papillion <salle de lecture,2007>;文化人類学者、エフェメール・ブランと共著(未訳)』などがある。
   「シャッセール」時代に、バイオネット基地から救出されたルネのGストーン移植手術に際して獅子王雷牙博士の助手を務め、その後もルネのリハビリテーションを実質上監督し、GSジェネレイターの調整も行っていた経緯からルネにとってはシャッセールにおいて数少ない理解者であり、友人と言える人物となった。その後、フランスGGGおよびシャッセールのGストーン搭載型機動歩兵建造計画に参画し、完成したAIボックスの情緒教育の責任者として光竜闇竜を育成した。現在も彼女たちからは育て親として慕われている。
   GGGによる機界新種殲滅の後、GGG全体の組織改変によってオービットベースを離れたスワン・ホワイトの後任としてメインオーダールームに常駐、研究開発部の主任オペレーターを務める。バイオネットの新ガオーマシン強奪事件においては臨時に機動部隊のオペレーティングをも担当、ファイナルフュージョンのプログラムドライブも行なっている。
   ソール11遊星主Qパーツを奪取する目的で送り込んだマモル少年のレプリジンによるオービットベース襲撃に際してQパーツの暴走事故に遭遇し命を落とす。死亡の直前、センシングマインドによって何かを感知し、Qパーツが保管されていた研究モジュールへと単身向かい、そこで事故に遭遇したと記録されている。結果として彼女の行動は文字通り「自殺行為」だったのであるが、彼女が死の間際に一体何を感知したのか、知る者はいない。複製されたパピヨン以外には・・・。彼女にとってあの死は、青天の霹靂だったのか、それとも必然だったのか。現在、過去、そして未来をも測量するセンシングマインドの性質上、彼女の行動はある確信に沿ってとられたものだと言える。彼女は自身の死を遥か以前から予測し、そして自身の「死ぬべき場所」を知ったのかもしれない。それは友人や恋人のそばではなかったけれど、彼女の死はGGGに複製された地球における頼もしい道先案内人と、そして複製された人間全てが敵ではないという、示唆をもたらしている。
 亡骸は生前、彼女自身が「魂のふるさと」と呼んでいたアマゾン河を望む高台に葬られた。
 声優は川澄綾子さん。