Cyber Japanesque

ここでは、和風文化をより客観的・具体的に理解するために、定量的な情報を蓄積していきます。

(こういうアプローチって、こと日本文化に関すると、あまり他に無いと思う)


エンターテイメント9兆円市場の大解剖 ・・・和風エンターテイメントも健闘!  (週刊ダイヤモンド  2008/8/23号 より)

 週刊ダイヤモンドが、”エンターテイメント”の全体とトレンドについて、とても手際よくわかりやすくまとめていたので、抜粋をする。

●エンターテイメントの範囲と全体
 @エンターテイメント全体 : 全体では9.3兆円


Aエンターテイメントの中でも、”ライブ”を見ると : 
  ライブ全体では1.1兆円。音楽の純邦楽は、9.5億円。ステージの歌舞伎/能は、153億円。スポーツの相撲は、59億円。



●歌舞伎と 競合達(劇団四季 と 宝塚)
 ○ 歌舞伎は、歌舞伎座での歌舞伎公演月数を見ると、1950年代に12ヶ月があったものの一時は5ヶ月まで落ち込み、1990年からまた12ヶ月に復活。 
  ← 復活の理由は、@米国など海外公演の評判の逆輸入、Aスーパー歌舞伎のわかりやすさ、B成田屋襲名や歌舞伎座100年などのイベント 。



○演劇競合の劇団四季は・・・
  売上は200〜250億円/年で、経常利益率は10〜20%と高水準。一般の演劇の役者が、専業で食べて芸に集中できる環境をビジネス的に作っている。


 
 ○演劇競合の宝塚は・・・東京は稼働率 100%、宝塚でも90%で、東京・宝塚とも100万人を動員。




●落語と競合 (吉本興行):

  ○寄席・演芸興行は、2003年の20億円から2007年の35億円超と急激に拡大。観客も110万人を突破。


 ○競合のお笑いや吉本喜劇は・・・
  お笑い興行は、2007年60億円。観客は177万人くらい。凄いのは、例えば吉本興業は、タレント育成からマネジメント、そしてそのコンテンツ制作から流通までを構造的に実施して、売上 501億円をたたき出していること。




*詳細は、週刊ダイヤモンド 2008/8/23号を参照。わかりやすい!



歌舞伎がいま、クール (日経新聞 2006/2/6 夕刊 "アーバンbiz"より)

●データ:

 ・2006/3にパルコ劇場で上演するパルコ歌舞伎「決闘!高田馬場」(脚本・演出 三谷幸喜)は、1/22の発売日に約2万席を即日完売。

 ・2005年1月から2月上旬にかけて3週間、築地の東劇で公開されたシネマ歌舞伎「野田版 鼠小僧」は、興行収入 約2500万円。これは東劇の上映作品の平均66%多かった。シネマ歌舞伎の料金は、一般映画館並みの2000円。

 ・歌舞伎のチケット購入の半数は、2004年12月に始めたWebによるチケット販売(チケットWeb松竹)でのウェブから。

 ・来場者全体の7〜8%が海外からの観客。

 ・松竹の演劇部門の業績は、2005年2月期で、売上高 246億円。営業利益 12億円(営業利益率 4.9%)。営業利益の半分以上を歌舞伎が稼ぎ出す。

 ・ぴあ総研によると、2004年の古典芸能の市場規模は、73億円(前年比 24.5%増)。動員数全体の約5割が歌舞伎。

●歌舞伎 流行の理由:

 ・「襲名披露公演が持つイベント性が、歌舞伎に新鮮な魅力を加えている」。

 ・ブームに一役買っているのは、中村獅童や中村七之助ら若手役者の人気。テレビドラマやCMなど多彩なメディアへ露出し、顔と名前を売った。


芸術鑑賞しない人、半数に迫る 過去1年  2004/1/24

 自国、他国を含めてどう文化というものを子供たちや青年に良さを伝えるか、マーケティングするかを合理的に考えるべきじゃないでしょうか。電通、博報堂のような単なる広告宣伝ではなく、合理的に、また自国の競争力や独創力を高めるかという観点で。また、ゲームやネットではなく、リアルの良さも伝え身体に刷り込むべき。それには、教師の教育も必要かな!?私にも色々アイディアはあるのだが・・・。

演劇、映画館、博物館、美術館に行った人   50.9% 96年調査より3.5%減 
 内訳 映画  24.7%
     演劇・演芸  12.9%
歌舞伎や文楽など伝統芸術への関心
  非常にある 10.5%
  ある程度ある 39.3%
  あまり無い 34.3%
  まったく無い 15.1%
文化芸術の鑑賞や活動を大切にする 86.2% 96年調査より5.9%減

* 毎日新聞の記事が、Yahooより。記事はこちら。 


・行って良かった日本のお城とは・・!?

姫路城 515
大阪状 491
松本城 353
名古屋城        352  
熊本城 297
首里城 221
若松城 188
彦根城 175
小田原城 165
10 犬山城 151

* 日経新聞 2003/3/22 日経プラス1より

 神社仏閣には良く行くが、城は数も少ないし、テーマパークに行くようなワクワク感がありますね。でも、江戸城が入っていないのは、なぜだろう・・・!?北の丸公園、千鳥が淵・・・と桜の季節は素晴らしかったが、やはり天守閣を年に数回は開放か!? テーマパークと言えば、ディズニーランドにもシンデレラ城がありました。お城訪問も、ディズニーの様に、エンターテイメント色強く、内部の案内をすると、盛り上がりもっとお金を取れるか!?


・美味い日本酒とは・・!?

●専門家・愛好家が薦める日本酒

田酒(でんしゅ、青森・西田酒造店) 270
天狗舞(てんぐまい、石川・車多酒造) 220
開運(かいうん、静岡・土井酒造場) 210
神亀(しんかめ、埼玉・神亀酒造) 180
喜久醉(きくよい、静岡・青島酒造) 170
〆張鶴(しめはりつる、新潟・宮尾酒造) 170
八海山(はっかいさん、新潟・八海醸造) 160
菊姫(きくひめ、石川・菊姫) 150
久保田(くぼた、新潟・朝日酒造) 150
黒龍(こくりゅう、福井・黒龍酒造) 150
磯自慢(いそじまん、静岡・磯自慢酒造) 150

 

●受賞の上位銘柄(数字は受賞回数)

浦 霞(宮城・佐浦) 29
土佐鶴(高知・土佐鶴酒造) 28
吉乃川(新潟・吉乃川) 26
賀茂鶴(広島・賀茂鶴酒造) 26
千歳鶴(北海道・日本清酒) 26
(注)1956―2001年受賞分、吟醸酒研究機構の全国新酒鑑評会20世紀全記録をもとに集計

             * 日経新聞 2002/5/25 日経プラス1より

 全国に日本酒を造る蔵は2000以上あるという。私も、時期により随分と日本酒をおいしい料理と共に飲んでいた事もあったが、最近は遠ざかっておりました。優れた日本酒を料理と共に味わいながら飲むのは楽しいのだけれども、たまに飲み屋で変な日本酒にあたると翌日頭痛で悩まされることより、ちょっと敬遠気味。家で晩酌をする時には、基本は恵比寿麦酒、そしてたまに日本酒を飲むときには、ここ1年くらいは"八海山"の清酒でした。

 しかし、今回の記事を機会に、全国新酒鑑評会金賞のトップ宮城 佐浦の"浦霞 禅"を酒屋で買って参りました。750mlで2,140円なりぃ。一口口に含むと、ホワッと広がるふくよかな温かみと香り。そして、すぅっと口の中で融けて行くように、消え去る。大トロを口に含んだ時のような感じかな。癖が無く飲みやすいね。吟醸吟醸した強さが無く、万人向けだが、きちんとコクがある。確かに料理にぴったりだ。 私の場合最近は、日本酒としての格は吟醸や大吟醸の方が上なのだろうが、日本酒が主張をしすぎるような気がして、わざわざ"八海山"も清酒を選んでいた。しかし、この浦霞禅は、吟醸系としては爽やかで良いぞ!

 


・劇場の経営・集客力

 
劇場 有料入場率 備考
東京宝塚劇場 99.8% 開場一年あまりで観客動員100万人達成。昨年12月より立ち見券の発売開始。
劇団四季 97.9% (ライオンキング)
新国立劇場

平均60%台 (2002/1月2月)

88.9% (こんにちは母さん)

帝国劇場 平均80%程度

            * 読売新聞 2002/1/28夕刊より

 宝塚劇場は、圧倒的な集客力ですな。以前BRUTUSで宝塚の特集がされていた時にも書きましたが、育成システム、ハード、競争原理、話題づくり、プロも^ション等、きちんとビジネスとして高度に仕組みができているので、当たり前といえば当たり前か。さて、対する歌舞伎座や松竹の歌舞伎も、松竹の収益の重要部分を占めているが、詳細は今度分析してみますか。ちなみに、「株式会社 歌舞伎座」は東証二部に上場されているのは、皆様ご存知ですかぃ!?


・百貨店の提案型 和風商品売場 "和風が新しい"

高島屋 新宿店 マピエス 320u くつろぐ、食べるなど生活シーン別のコーナーに2000商品。初年度売上高 3億円予定。ベッドのそばにござなんかも。
三越 日本橋店 ワフージョン   道場六三郎氏が英国デザイン会社と共同で監修した作務衣やエプロン他。
阪急  梅田店 和風雑貨の提案型売場   全国工芸品産地からの職人による実演販売。和風雑貨は昨年比10%増。
伊勢丹 新宿店 呉服売場 売場を従来の1.5倍に 価格が手頃で着付けが簡単な仕立てあがり着物4ブランド。正絹だが帯と合わせて20万円以内。
東武  池袋店 呉服売場内に民芸家具コーナー 100u 階段状の和ダンスなど、5000円から50万円までの200商品。

          *日経新聞 9/20朝刊より

 マイカルが再生法適用と不況とテロの影響を受ける流通業界において、前年よりも販売を伸ばし気を吐く百貨店は、和風を上手く一ひねりして、現代の暮らしの中に新しい価値を提供しているようである。浴衣ブームも一段落してきていると言われているが、異人的な観点で、"和風"を根付かせられると私もうれしひ。


・ペットボトルのお茶

 ●分類:

  無糖茶 - 1.茶樹の葉系 - 1)不発酵茶 - @緑茶      - おーいお茶(伊藤園)、生茶(キリン)、玉露入お茶(サッポロ)、旨茶(アサヒ)、まろ茶(コカコーラ)

                - 2)半発酵茶 - @ウーロン茶   - サントリー烏龍茶、アサヒ烏龍茶、烏龍茶鳳凰(キリン)、聞茶(キリン)

                - 3)後発酵茶 - @プーアール茶 - 熟茶(サントリー)

       - 2.穀物系    - 1)麦茶               - すこやか麦茶(アサヒ)、香り香る麦茶(伊藤園)、六条麦茶(カゴメ)

                - 2)ブレンド茶            - 爽健美茶(コカコーラ)、十六茶(アサヒ)

 ●売上ベスト3:

1位 爽健美茶(コカコーラ) 93年発売  
2位 烏龍茶(サントリー) 80年発売 2000年度5340万ケース
3位 おーいお茶 緑茶(伊藤園) 89年発売 2000年度4000万ケース
5位 生茶(キリンビバレッジ) 2000年発売 今年3月末までに2756万ケースと大ヒット
番外 聞茶(キリンビバレッジ) 2001年発売 発売後4日間で65万ケース。白い陶器イメージのボトル缶、井上揚水CMで大ヒット
番外 旨茶(アサヒ飲料) 2001年発売 発売3週間で130万ケース。コンビニに並んで光りが当ったときに綺麗に光るようパッケージ写真を工夫

         *日経トレンディ 2001/6号より      

 記事によると、聞茶、旨茶、熟茶、まろ茶等々のお茶の製法から缶やパッケージングなどを含むマーケッテイングまでを駆使した激しい争いの様子がレポートされている。私は個人的には、珈琲が一番好きで(というか、煙草は吸わないが、缶珈琲を含めて一日3杯の軽傷の中毒か)、あっ お酒が一番好きか(笑)。でも両者とも飲みすぎは身体に毒なので、通勤、会社、日曜等にペットボトルのお茶を飲む。その祭に多いのは、1位:おーいお茶、2位:玉露入りお茶の少し小さいボトルのもの(これは持ち運びに便利)である。しかし、これほど熾烈だと、新之助の見得をもってしても ウカウカとはしていられないか。それとも、新ちゃんパワーで、ウーロン茶&ブレンド茶を抜き去るか!?


・訪れてみたい古寺

金閣寺(京都市北区)  404 元は室町三代将軍足利義満の別荘。鹿苑(ろくおん)寺が正式名。1950年の焼失後に再建。拝観料は大人400円
清水寺(京都市東山区) 378 拝観料は300円。4月1―15日には夜間拝観(18時半―21時半、拝観料400円)があり、夜桜を楽しめる
中尊寺(岩手県平泉町) 378 奥州藤原氏の初代清衡が造営。清衡、基衡、秀衡三代の遺体を納めた金色(こんじき)堂の拝観料は800円
法隆寺(奈良県斑鳩町) 372 日本最初の世界遺産として登録。拝観料は1000円。4月11日から5月18日まで、夢殿秘仏のご開帳がある
銀閣寺(京都市左京区) 364 正式名は慈照寺。拝観料は500円。5月6日まで東求(とうぐ)堂の特別拝観(別料金1000円)あり
平等院(京都府宇治市) 353 元は藤原道長らの別荘。3月からミュージアム(入場料600円)も開設。鳳凰(ほうおう)堂の拝観は500円
東大寺(奈良市)     310 世界最大の木造建築物。大仏殿や三月堂などの拝観料は各500円。5月2日には聖武天皇祭が開かれる
善光寺(長野市)     259 本尊下の錠前に触れるお戎壇(かいだん)めぐりをする国宝の本堂と、経蔵、史料館に入る諸堂参拝券が500円
永平寺(福井県永平寺町) 250 3泊4日の参禅体験(9000円)は、修行僧と同じように座禅や作務(さむ)をするもの。拝観料は400円
10 延暦寺(滋賀県大津市) 246 最澄が比叡山に開いた天台宗の総本山。東、西、横川の3塔諸堂の巡拝が550円。国宝殿拝観は450円

            * 2001/3/31の日経プラス1より。訪れてみたい古寺を有効回答数1027より。

 記事によると、女性には清水寺、男性には中尊寺は人気らしい。関東、鎌倉が一箇所もはいっていないのが淋しい。湯布院が開発を阻止してしっかりと訪れてみたい温泉ベスト1になっているように、鎌倉もどこかで決断をしなくてはいけないだろう。北条時宗が全国区で流れている時に、無念である・・・。まあ、訪れてみたいと、実際に気軽に訪れるのは別ではあるが。鎌倉の戦略的長期ビジョン作成が必要か。ちなみにこの上位のお寺をみていると、私はひなびた古刹の方が惹かれるのである。銀閣寺あたりが渋いか。


・高級料亭探検 

一番町 "藍亭"(らんてい):

料理:桃の枝をあしらった皿に生口子・三色あられ・菜の花の芥子あえという小付 →フグの白子入りグリーンピースのお汁→巨大なほうろくの中に明石のメバルと伊勢のサザエが蒸された焼肴→八寸→煮合・酢の物 等々

個室:七部屋 料金:昼は二万円より、夜は三万円より。ビール中びん1600円

永田町 "山の茶屋":

料理:白魚三色揚げ・かに蛤形などの前菜→鰻の胆焼き→鰻の白焼→鰻の蒲焼→デザートは大粒イチゴ 等々

個室:四部屋 料金:昼は1万5400円、夜は1万7400円のコース。ビール中びん800円。

一般知識:

東京では、赤坂、新橋、神楽坂、浅草、芳町、向島の6花街のみ。料亭は82店、芸者は500人ほど。料理などで2万〜2万5000円ほど。芸者を揚げた場合は、花代(玉代)として1人につき2時間で1万3000円〜1万5000円くらい。

料亭のホームページ "東京都料理生活衛生同業組合 "はこちら

   *SAP! 3/21号 "現代の秘境 ザ・高級料亭探検"より

 うーむ、風前のともし火の森首相ですっかりグレーな場所というイメージがつきまとうが、本来はものの情趣のわかる大人の癒しの異次元空間だったはず。ITとECで儲けて、私も料文化維持に貢献したいものだぃ・・・。


・源氏物語を科学する

全:54巻。単語数:37万語。使用数が最も多い自立語:「いと」〈全体の1.97%)。

  助動詞の使用率 名詞の出現率
四十四巻まで 0.113 0.16-0.22
宇治十帖 0.124 0.16-0.18

上記の統計的な解析他より、A:三十三巻までの紫の上系物語、B:三十三巻までの玉葛系物語、C:三十四巻〜四十四巻、D:宇治十帖、と分けると、A-C-B-Dという順で書かれ、ACとBDは別の作者と推定。

    *文部省統計数理研究所 村上征勝さんの研究より

 紫式部の一代叙事詩、源氏物語に対して、統計的にアプローチ。なんか、最近話題のヒトゲノム解析の競争を思い起こさせますね。ここは解析用データとして、村上さん他の研究者の方々に、全文が入ったデータベースの公開を提案いたします。その日の気分に合わせて、キーワード検索をWebから行い、該当の帖を読み深めるなんてオツかもしれませんよ。

 なんていうことを夢想しながら、東京から鎌倉へ夜遅くに帰る合間に、夢うつつの中で、谷崎源氏を少しずつ紐解くのでありました・・・・(笑)


・この千年における日本の人気文学者とは?

夏目漱石 3516
紫式部 3157
司馬遼太郎 1472
宮沢賢治 1275
芥川竜之介 1149
松尾芭蕉 805
太宰治 754
松本清張 673
川端康成 595
10 三島由起夫 542
12 村上春樹 364
19 村上龍 179
21 谷崎潤一郎 160
34 近松門左衛門 -
42 世阿弥 -

    *朝日新聞 2000/6/29より 投票総数20,569通

 おいおい、一位がダントツで夏目漱石。朝日新聞の解説では、高らかに、漱石が東大講師から朝日新聞社に入社した事をうたっているが、これが朝日新聞の嫌らしいところ。きちんと、どういうアンケートをとってこういう結果になったかを、どこかにきちんと記して欲しい。回答者の平均年齢や性別構成はどうなっているのだろうか。いまさら夏目漱石をこんなに読んでいる人がいるのか、私には理解に苦しむ。「近代文明の影を見ていた」と解説しているが、このスピードとオリジナリティの時代に、漱石を読んで一緒に悩んでいる場合でも無いと思うが・・・。やはり、朝日新聞こそが、日本の競争力を殺いでいる大きい元凶の一つだと思うのだが。

 私なら、村上龍、三島由起夫、谷崎潤一郎といったところか。(この選択も、ちょっと危険かも・・・苦笑)

 


・緑茶の効用 リラックスからガン抑制まで

 「一日にお茶を10杯以上飲む人」は「3杯以下しか飲まない人」に比べ、ガンにかかる年齢が男性で3.2歳女性で7.3歳遅い

成分 成分内容 効用
カテキン類 渋み成分でポリフェノールの一種 発ガン抑制、抗酸化、インフルエンザウイルス不活性化
テアニン うまみ成分でアミノ酸の一種 リラックス、抗肥満
γアミノ酪酸   血圧降下、精神安定
カフェイン   覚醒(疲労感や眠気の除去)、利尿、強心

      *日経新聞 2000/6/17 朝刊より

 前回に引き続き緑茶の話題を。これを読むと、緑茶は万能なのですね。しかし、「あるある大辞典」などを見ていても思うが、個々の食材を見ると、人間にとって有効なのはわかるが、他の食材と比較してどうなのか、または機能的にいうとどういう組み合わせがベストなのかを、教えて欲しいものだ。

 お茶畑といえば、静岡県の大井川鉄道の山の合間に延々と続く緑の段段の風景を思い出す。そのなかを、蒸気機関車 C-11が黒い煙をはきながら進む。大井川と茶畑とSLが和やかな風景を作り出すのであった。私もこれからしばらくは、なるべくコーヒーを控え、緑茶を口にするようにしてみよう。


・緑茶と和菓子のブーム到来!?

  ・茶系飲料と緑茶の市場規模。(単位:億円)

  茶系飲料 そのうち緑茶
1994年 4800 800
1999年 5800 1600
2005年 9100 3600

    *朝日新聞 6/3 朝刊より

 ・和菓子の市場規模:4500億円

      *日経新聞  6/3 夕刊より

 まず緑茶。伊藤園の「おーいお茶」が筆頭だが、各社新製品を投入し市場も5年前に比べ2倍に拡大。特に500mlのペットボトルが貢献している。この拡大の理由が興味深く「高齢化」「外食・コンビニ食の脂っこさをとるため」「カロリーが低い」「お茶くみ女性の消滅」等々。高齢化はさておき、衣食住が西洋化というか米国化するにつれ、バランスをとるために一方で和風の物が力と存在感を発揮するのか。

 和菓子の方は、結構市場規模が大きいですね。「法人需要が低迷し、かわりに個人客の回帰が和菓子市場を支えている」とのこと。和菓子を扱ったテレビドラマの影響もあるそう。(ん、何の番組だろう。テレビは殆ど見ないのでわからん・・・・)。そういえば、先日電車の中で話しをしていたご婦人達が「昔は、不二家っていえば、ありがたかったけれども、今はお菓子屋さんも増えて、どうっていうことが無くなってしまったわね」と口にしていた。子供向けではなく、少々高級感のあるお菓子類というのは、今後もう大きいブランドはできないような気がする。逆に、数が限られている事による希少性も重要だし、それこそがブランドか。これは、GAPやUNIQLOが席巻する衣料品の市場とは随分構造が違いますね。和菓子にとっては有利かもしれない。そろそろ、ぷるぷると透明感のある涼やかな和菓子の美味しい季節が、到来する。

 ちなみに、和風の生活スタイルもいれると、流行の17歳の暴走は少なくならないのだろうか・・・!?


・石の上にも30年?

 現松本幸四郎:「ラ・マンチャの男」は上演31年で上演回数898回

 現松本幸四郎:「勧進帳」弁慶 上演回数606回

 森光子:「放浪記」上演36年で上演回数1300回

 七代目松本幸四郎:「勧進帳」弁慶 上演回数1600回

       *日経新聞、プレジデント 他

 上演回数が多いということは、もちろん役者の演技も円熟の境地にあるのだろうが、これだけ観賞に耐えられるのは脚本もしっかりしているに違いない。勧進帳の弁慶は、昨年の新之助の弁慶も良かった。しかし幸四郎は、洋物と和物の両方をこれだけこなす所は傑出していますね。義経をサポートした弁慶も、兄弟で天下をとらせたいという、やはり見果てぬ夢を見ていたのか!? 海外では、ユル・ブリナーの「王様と私」や、人ではないがミュージカルの「CATS」なんかがロングランの代表か。幸四郎には、いつまでも夢を見つづけていて欲しいし、私達にも凛とした夢を見させて欲しい。

 


・日本の公共投資の無駄使い?

 「日本の建設産業の規模は世界最大であり、第二位の国の数倍」「アメリカではGDPの約2%にすぎない公共事業費が、日本では約8%を占めている」

 「こうした事業の費用が、国の総予算の40%を占めている。アメリカの8〜10%、フランスやイギリスの4〜6%と比べるといかに大きいかわかる」

          *プレジデント 4/17号 「美しい国土を公共事業で破壊する日本の愚」カレル・ヴァン・ウォルフレンより

 上記の数値の裏は取っていませんが、突出した異常な数値であるということは間違いなさそうです。そして、公共事業と言う名目の下、日本の自然を破壊しつづける行政。それに対して、前年度比でしか判断をしないメカニズムでは、抑制や改革はなかなか発生しない仕組みになっています。日本三景の松島での発電所の衝撃的な景観が心をよぎります。石原都知事出現後の地方の判断、そして私達個人の判断やネットという武器を用いて、舵を切って行かなくてはいけないですね。


・国内が一番、海外なんて関心ない・・・新ドメスティック派な若者達

「海外旅行。1999年4〜9月のJTBの海外パック旅行参加者は、20代前半の男性で前年同期比7%減、女性ではなんと11%減少。同時期に50代は男女とも二ケタ増を記録しているのとは対象的だ。」「海外ボランティアへの関心も、国際協力事業団の青年海外協力隊への応募者数も、30代後半が前年比17.6%増に対して、20代前半は0.01%減。」

          *2000/3/11の日経Xより

 若者(私もまだ若者のつもりだったが・・・笑)の海外離れを、紙面上では、なごみ志向や疲れを嫌う理由というネガティブな解釈と、海外コンプレックスが無くなったという理由のポジティブな解釈と両方をしている。ただし、私はどちらの理由にせよ、海外に行けるときに行かないというのは反対であるし、最近の英語教育の簡易化等をみても、危機感を覚える。自分とは異なる価値観や文化があることをきちんと認識し体感すること、そしてその差異に関して議論し理解しないとアイデンティティーも生まれない。そして、ナカタの様に自分のアイデンティティーをきちんと持った上で、世界と勝負をすべきであると思う。若者が、単に楽な方向に流れ、自己中心に陥っていない事を、日本経済の将来の為に願うのであるが・・・。


・着物の市場規模ってどのくらい?

「昭和50年には1.8兆円くらいありましたが、現在では0.8兆円くらいに縮小してしまいました。ただし、50兆円分くらいはタンスにしまわれているはずです」

            *テレビ東京の「ワールド・ビジネス・サテライト」より

 8000億円の市場というと、まだまだ意外と大きいなという印象。競争が厳しい音楽CDと同じくらいの市場規模かな。普段着る人は少なくとも、皆 成人式向けに買ったりするのだろうし、一点あたりの単価が高いから、これだけになるのだろう。さて、着物・呉服業界は、この市場をどう持って行くのか? 何か策を打たないと、あっという間に縮小しそうに思うが。タバコ業界が男性から女性にCMのターゲットを変えた様に、着物は女性から男性にターゲットを変えてみるか・・・?


・街の通が選ぶ鎌倉の名所とは?

 鎌倉由比ガ浜 (2000/2/26放映)

 鎌倉全般   (1999/2/24放映)

 北鎌倉    (1998/1/31放映)

             *テレビ東京の「出没 アド街ック天国」のランキングより


・パフォーマンスの成功要因は?

「スピーチの成功には、話しの内容が優れているということは7%しか寄与しないといわれる。残りの大部分の要素として、姿・形・表情・立ち居振舞いなどが55%声の質・出し方・話し方38%の寄与だそうである」

              *2000/2/23の日経新聞夕刊 あすへの話題より

 この記事では大統領スピーチに触れているが、人に内容有るメッセージを伝えるのが目的のスピーチでさえこの驚愕の数値である。そう考えると、歌舞伎なんかの荒唐無稽のストーリーも7%しか影響がないので、皆役者の演技に満足できるとも言えそう。そして舞踊の修行等で55%を稼ぎ、あとはボイストレーニングでもするのかな。現団十郎さんは、私は存在感ある役者だと思うし、彼の助六なんかは大好きなのだが、彼は声質が今一つという評価が以前よりあり、なかなか一頭飛びぬけられないのも、38%という数値があるからか・・・。


・仏教とインターネットの関係って?

 ・宗教界のホームページは〈日本では)、現在2000弱くらい。キリスト教、新宗教、仏教、神道の順で多い。

 ・広島市にある真言宗系の観音院のホームページは、毎週、国内で約115万件、海外約25万件にアクセスが達する。またそこでは、毎日100通近いメールが届き、出した人の90%が寺と接触を保ち、10%が実際に訪れるという。僧や職員10人が、一日延べ20時間、伝言板の内容チェックやメールの返事にあたっている。

 ・ネット上で仏教を語り合うフォーラム「ビハーラ」を主催した筑後師は、12年間続けたが昨年終了させてしまった。理由は「宗教は、もともと、きちんと修行した人や霊的経験を重ねた人が語るべきものだが、インターネットの平等性がそうした人と全くの素人とを同レベルに置き、勝手な事を喋る場になって意義を失った」と説明。

              *2000/2/19の日経新聞朝刊 文化欄の「ネット社会対応 手探りの仏教界」より

 なかなかおもしろく、かつ難解なテーマについて、具体的な数値まで上げて迫るところは、さすが日経新聞。宗教論にはまると、きっと「宗教」の定義からやらないとなかなか議論がなりたたないだろうから、ここでは触れない。ただし、神という概念はネットの様な二次元とは異なる非常に抽象的存在であり、経験量が一定以上に必要であり、修行等によるヒエラルヒーが存在し、というものを、デジタル&ネットワークで扱うことの難しさは、私が扱っている和風文化や日本文化という点でも似ていると思う。なかなか記事本文も、突っ込み不足の感は否めないが、いろんな問題提起をしており考えさせられます。


・若者が今一番関心のある街は?

東京近郊で今一番関心のある街は?  (単位:人)

  30代以下 40代以上 合計
銀座・日比谷 32 21 53
横浜・中華街 31 6 37
青山・原宿・外苑 20 8 28
お台場・竹芝 18 4 22
新宿 12 8 20
鎌倉・湘南・葉山 11 7 18
吉祥寺 9 6 15
代官山・中目黒 10 4 14
渋谷 7 7 14
根津・谷中 11 2 13

         *2000/1/15の日経Xより 調査方法はNIKKEI NETのHPアンケート。なお人数はグラフより読取

 ちなみに、同じページの「最も若者の街というイメージがある街は?」という質問に対しては、220名程度とダントツ一位が渋谷、40名程度で二位が下北沢、僅少差で三位が青山・原宿・外苑、20名程度で四位がはやりのお台場・竹芝、10人程度で五位が新宿。 東急が都市再開発でQ-FRONTを作っていると平行して大人の街アピールを吊広告でしている渋谷が、関心度としては意外なほど低い。そして、銀座、横浜、青山、鎌倉と大人の街が、意外と30代以下でも健闘している。キーワードは「落ち着き」「秩序」「商品や行為の対象としての街よりも、雰囲気やキャラクターを堪能できる街」「裏通りにこだわりの店がある」というところか。新聞タイトルは、「刺激より安らぎ」となっている。

 改廃の絶えないスピーディなネット上のVirtualな世界に経済も生活も突入している現代&未来だからこそ、自然と建築や歴史やテイスト作りにじっくりと時間がかかる、街のポリシーとこだわりある育成に、私たちも主体的に関わっていきたいものである。


・玉三郎のファン層は何歳くらいだと思いますか?

  10代   20代   30代   40代   50代以上
坂東玉三郎 0% 13% 33% 44% 10%
井上 陽水 1% 8% 33% 38% 20%
高橋真梨子 0% 12% 34% 41% 13%
3大テノール 0% 20% 31% 30% 19%

            *出典:ぴあチケットエントリーBOX調査より

へーえ、玉三郎のファンって、予想以上に30代、40代に偏っているのですね。もっと、50代以上のファンも多いかと思いましたが、そういう方々は、歌右衛門さん全盛時代を知っているので、玉三郎はあまり相手にしないのかしらん? ああ、でも私は、玉三郎の脂の乗っている時を共有できていることが、それだけで人生 幸せです。(ちと大げさか・・・笑)


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