エポック社・原氏

10.総括

自分で面白いと思えるかどうか

寺町:そろそろお時間になりましたので、総括に移りたいのですが。遊びのつくり方、ゲームデザインのご持論などがございましたら。

原:持論ですか?そんなえらそうなものはないんですけれどね(笑)。まあ、そうですねえ・・・、昔とあんまり変わってない気がするんですよね。一番大事なとこってのは。やっぱ、今はさっきも言ったように、データとか、そういうマーケティングだとか、そういうことをさかんに言われるじゃないですか。そういうことが重要視されている、それはそれで当然あると思うんですけどね、一番最後の、根本で大事なとこっていうのは、自分で本当におもしろいと思えるか、自分が好きかどうか、それだと思うんですよ。だって自分がおもしろくないって思っているものはつくっても思い入れが入らないし、結果的に、本当に面白いゲームにならないって気はするんですけれどね。自分が本当におもしろいかどうかってのが。

寺町:そうですね。

原:いくら、今の世の中にあっているからといっても、自分で不本意に思いながらつくったものはそんなものしかできないし、意識しているとしていないに関わらずね、そこらへんがやっぱり一番大事なのかな、と思うんですね。
結構今、うちでも開発マン・・・理論家で、理論しゃべらせると、とうとうとしゃべるんですが。

寺町:(笑)

原:で、何がおもしろい?って言うと黙っちゃうっていうか。それじゃやっぱりいけないと思うんですね。まずおもしろいかどうか。これがおもしろいんだからで入ってくるんであって、後から理論なんていくらでもつけられる。そこをなんか、今、勘違いしているってとこはあるのかな?って気はしますよね。もしかしたら、業界全体がそういう感じなのかな、と。だから昔に比べて、今、業界的にその、斬新なものとかね、目立ったものがないじゃないですか。

寺町:はい。

原:延長線上の企画というのはそれぞれ出ていますし、それぞれ各ラインをきっちり守られているっていうのはあるんですけれど、全くあたらしいもの、そういうものが出にくくなっているというのは、そういうところにあるんじゃないかなって気はしますよね。
その中でも、うちの会社ってのは、わりと奇抜なものをポンと出してくるメーカーだったはず・・・なんですが、それが最近ちょっと、ね?(と古畑氏に)乏しいかな。(エポック社とは)一応その部分に関しては打ち出しているメーカーだとは思っているんですけれどね。

次ページNEXT

|目次| | | | | | | | | | | 10|11|12|13| NEXT top Back to ENTRANCE HALL