エンジンを下ろさずに
オーバーホールできる?

 '81コルベット、実はエンジンを下ろすことなく90%近くのオーバーホールが可能なことをご存じだろうか?フロントミッドシップに感謝しなくてはいけない。GMのファイアーバード等のFボディではフロントメンバーが邪魔をしてオイルパンを外すことすら困難だ。しかし、コルベットの場合メンバーはエンジンの遙か前方に位置しておりステアリングのリンケージ以外邪魔者はいない。それさえよけておけば、楽々作業できるのだ。エンジンルームはエンジンスタンドへと早変わりしてしまう。しかも、あの超ロングノーズにも感謝しなくてはならない。エンジンルームの前方に大きな空間があるので、あの長いカムシャフトも容易に取り外すことが可能なのだ。これらの事実には正直私も脱帽した。唯一素晴らしい設計といえる部分だろう。
 さすがにエンジンを下ろさないと整備できない部分もある。クランクシャフトとフリーズプラグ(冷却水が凍ったときにブロックが割れないようにする為のヒューズ)、カムベアリングの取り外しが出来ないのだ。クランクシャフトとカムベアリングは外せそうだったが自信がなかったのでやめておいたが、やれば出来そうな感触だった。フリーズプラグはミッションのベルハウジング側とエンジンマウントの裏にあるので絶対に不可能だ。ただフロント側とサイドのリア側は交換できる。
 クランクシャフトを外さないでメインベアリングはどうやって替えるんだ?と思われるかも知れない。メインキャップ側のベアリングは容易に交換できるが、シャフトの上側が問題だと思われるであろう。ところがメインジャーナルのオイルホールに割りピンを突っ込んで広げ、クランクを回すと割ピンに引っかかったベアリングが一緒に回って落ちてくるのだ。エンジンを下ろすことなくここまで作業できるのだから、申し分ないだろう。
 皆さんも是非怖がらずにO/Hにチャレンジしていただきたい。難しそうに思われるだろうが、V8OHVは積み木みたいな造りだ。ダイアブロックが作れる知能が有れば誰にでも分解・組立が可能だ。ということで、ここでは細かい分解・組立の説明は省かせていただき、ノウハウ的要素を紹介する。余談だがアメリカにはこのV8を3分だか5分だかでネジ1本までバラバラにする人がいるらしい。

 では、オーバーホールした部分を順に紹介していこう。写真の多くはO/H当時に撮影されていた物を掲載した。まさかHPにするとは、その時は思ってもみなかったので、詳しい写真がお見せできないのが恐縮である。また、ばらす機会があったら撮影しておこう。

1.アルミヘッドに交換

2.アルミウォーターポンプ

3.カムシャフト

4.ギアドライブ

5.ローラーロッカー

6.ピストン、リング、コンロッド

7.各種ベアリング

8.オイルポンプ

9.インテークマニフォールド

10.キャブをノーマルロチェスター−>ホーリー750VS−>ホーリー750DPに

急ブレーキでエンストするよー   エアクリーナーがフードに当たる   目次へ   ホームに帰る