3.カムシャフト

 カムを交換する上で最も悩むところは、どんな作用角の物を選べば良いかに尽きるだろう。ノーマルと同じ物を入れても面白くないし、かといってあまりハイリフトのカムを選ぶとアイドリングは上げないといけないし(よってハイストールコンバーターも必要になってくる)燃費も悪化する。排ガスも心配だし・・・で、私の場合はと言うと・・・殆どノーマルと変わらない物を入れた。この時のO/Hのテーマは‘エンジンの寿命を延ばし、振動を減らす’だったので特にパワーアップには固執しなかった。
 選んだカムはコンペティションカムのHigh Energy Cam 252Hという作用角252度、リフト0.425"で最も穏やかな物だ。ノーマルカムのリフトが0.39"程なので、若干のハイリフトカムだ。これもSUMMITで購入し、強烈に安い$80だった。このクラスのカムだと当たりハズレが有るようだが、ハズレだったらこの価格だからまた買えばよい。
 交換するには、ウォーターポンプ、チェーンカバー、スプロケット、ラジエター等をを取り外す。勿論この時リフターも外しておかなければならない。

カムが抜けた

 邪魔者を取り払ったら引き抜くわけだが、この時スプロケットを仮止め状態にしておけば、それを持って引き抜きやすくなる。引き抜くときはあちこちぶつかるので、ベアリングに傷を付けないように注意する。ある程度引き抜いたらスプロケットを外しておこう。この先A/Cコンデンサーにぶつかることになる。このまま引き抜けたら、あなたのは超ラッキーカーだ。私のは最後の最後、あと3cm程でコンデンサーにぶつかってしまった。この状態を回避するにはコンデンサーを外してしまうのが一番だが、A/Cガスが抜けてしまう。
 そこで、コンデンサーを固定するネジを外し、コンデンサーを極力前に出してみよう。この状態で抜くことが出来たら準ラッキーカーである。私のは抜けなかった。ここまでやって諦めるわけにはいかない。今度はヘッドライトのアクチュエーターを取り外す。若干コンデンサーが動くがまだ抜くことが出来ない。
 よく見るとコンデンサーの上部と開いたフードの先端が当たって動かなくなっていた。そこでフードを閉めた状態で抜くことを考えた。フードがしまっていては手が入らないじゃないか!と思う無かれ。下に潜って抜けばよいのだ。こうしてやっとカムを抜くことが出来たのだった。冒頭で簡単だと言った割には苦戦してしまった。取り外したカムを見ると、2番シリンダーの排気側のカム山が無くなっていた(写真参照)。

カム山がないカム山がない

 これでは正常な運転をするはずがない。エンジンばらつきの大きな原因の1つだったようだ。O/Hして良かったと思う部分の1つだ。リフター、カム山の両フェイス共傷が入っている様子はない。まあハズレ品だったのだろう。こういったカムの異常摩耗といったケースはCHEVYには多いようだ。特に、今回のようにオイルポンプから遠い1番2番のカム山が摩耗することが多い。
 カムシャフトと同時にリフターも交換した。普通のハイドリックリフターで、コンペティションカムの物だ。交換するに当たり特筆すべき事はない。



効果:

 このカム・リフターは、鉄ヘッド時代に組んだ物だが、若干振動が減ったものの、体感できるほどの大きな変化は見られなかった。つまり、ノーマルヘッドでこのクラスの作用角のカムを組んでも変化は体感できないということである。まあ、もともとカムによるパワーアップは考えていなかったので良いだろう。カム山の摩耗が判明したので、精神的にも良くなった。

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