4.ギアドライブ

 ギアドライブの搭載は賛否両論有るが、私の場合テンショナーも無しにカムをチェーンで駆動するのはどうも納得がいかなかった。しかもノーマルのドリブンスプロケットは、ギア部分がプラスチックで出来ている。取り出してみると、プラスチックは茶色に変色し、今にもボロボロに欠けそうだった。
 また、ノーマルのカムチェーンはそのタイミングが4°遅らせてある。よって、カムチェーンを交換することで、正しいバルブタイミングも得られるようになる。このカムギアは偏心カラーをカムのダウエルピンに被せることで、カムタイミングを変えられる。偏心カラーは0度〜4度の5つがあり、付ける方向で進角・遅角が選択できる。つまり最大−4度から+4度まで、計8度の範囲でタイミングを変えられる。

チェーン

ギアドライブ

ノーマルチェーン

ギアドライブ

 ギアのうなり音を聞いてみたかったのでカムギアトレーンとしたのだが、伝達効率を考えるとベルト及びチェーンドライブに勝る駆動方式は無い。しかし客観的な違いが欲しかったのだ。いくらハイカムを入れたと威張ったところで、外からは見えないのでへのはったりぐらいにしか聞こえないが、この音を立てながら登場すると誰の耳にもその違いは明らかだ。しかし、この音を聞いたことのない人は、まずエンジンが壊れていると思うだろう。
 ではどんな音がするのだろう?当初私はバイクのカムギア(CBRやVFR)の様な上品な‘ヒューヒュー’音がするのだと思っていた。しかし、ギアのピッチが大きいためけっこう荒削りな音がする。アイドリングでは‘ギャーギャー’と言った感じだが、高回転まで引っ張ると‘キュイーン’と言う実に心地の良いサウンドに変わるのだ。
 MP3フォーマットのサウンドファイルを用意したので、ダウンロードして聞いてみていただきたい。回転のピークは3000rpm程である。ファイルサイズが大きいので一部を切り出したものと、全体の2ファイルを用意した。

 ギアドライブサウンド1(15秒、約75kb)
 上記の抜粋(2秒、約10kb)

 装着する上での注意点は、若干のモディファイが必要なことである。そのまま組んでもチェーンカバーが閉まらない。モディファイと言ってもグラインダーでシャフトを削るだけだ。カウンターギアのシャフトを削って、組み付けたときのチェーンカバーとのクリアランスが0.005"-0.03"(0.13mm-0.76mm)となるようにする。クリアランスを測るにはシャフトの頭に粘土か軽く潰したアルミホイルを付けて、チェーンカバーをかぶせて潰れた粘度なりホイルの厚みを測ればよい。規定値になるように削り・組み付けを何度か繰り返す。後はドライブ、ドリブン各々の合わせマークを合わせてアイドラギアを組み付ければよい。この時アイドラギアのガタが一番小さくなるポジションで組み付けなければならない。

削る
このシャフトを削る

装着
装着例



効果:

 これを付けたからと言って、パワーアップとか実感できる変化はない。チェーンなどのように機械的な伸びが無い分、正確なカム駆動が出来ることぐらいだ。強いて言えば他人の注目を更に浴びるようになったことだろうか。このエンジンサウンドだから、それも無理はない。

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