海外出張費にかかる消費税の処理を教えてください。
消費税は、国内で行われる資産の譲渡等と保税地域から引き取られる課税貨物に課されます。したがって海外出張費のうち、国外での宿泊費、交通費等には消費税は課されません。また、輸出免税という規定があり、国内から国外への旅客運賃などは消費税が免除されます。以下、具体的に見ていきましょう。
【消費税の課されるもの】
- 海外出張のための支度金(基本通達11-2-1参照)
- パスポート交付申請等の事務代行費等
- 海外出張のための予防接種料
- 国内での運賃(空港までの運賃など)や国内における出発前夜の宿泊費(基本通達7-2-4参照)
- 成田空港や関空内の旅客サービス施設使用料
【消費税の課されないもの】
- 海外出張日当(海外出張のために支給する旅費や日当)
- 海外出張のための航空運賃(基本通達7-2-4参照)
- 外国における宿泊費、食事代、交通費等
- 国内と海外出張者との通信(電話・電報・郵便・ファックスなど)
【参考:基本通達7-2-4】
消費税法第7条第1項第3号(国際輸送等に対する輸出免税)に規定する国内及び国内以外の地域にわたって行われる旅客又は貨物の輸送は、国内から国外への旅客若しくは貨物の輸送又は国外から国内への旅客若しくは貨物の輸送(以下「国際輸送」という。)をいうのであるが、国際輸送として行う旅客輸送の一部に国内における輸送(以下「国内輸送」という。)が含まれている場合であっても、次のすべての要件を満たす場合の国内輸送は、国際輸送に該当するものとして取り扱う。 (1)当該国際輸送に係る契約において国際輸送の一環としてのものであることが明らかにされていること。 (2)国内間の移動のための輸送と国内と国外との間の移動のための国内乗継地又は寄港地における到着から出発までの時間が定期路線時刻表上で24時間以内である場合の国内輸送であること。
【参考:基本通達11-2-1】
役員又は使用人(以下「使用人等」という。)が勤務する場所を離れてその職務を遂行するため旅行をし、若しくは転任に伴う転居のための旅行をした場合又は就職若しくは退職をした者若しくは死亡による退職をした者の遺族(以下11-2-1において「退職者等」という。)がこれらに伴う転居のための旅行をした場合に、事業者がその使用人等又はその退職者等に支給する出張旅費、宿泊費、日当等のうち、その旅行について通常必要であると認められる部分の金額は、課税仕入れに係る支払対価に該当するものとして取り扱う。 (注)1 「その旅行について通常必要であると認められる部分の金額」の範囲については、所基通9-3(非課税とされる旅費の範囲)の例により判定する。 (注)2 海外出張のために支給する旅費、宿泊費及び日当等は、原則として課税仕入れに係る支払対価に該当しない。
営業車が追突されました。消費税の経理処理について教えてください。
【消費税の課されるもの】
- 事故にともない支払った車両の修繕費
- 事故の被害者へのお見舞いの品代(注:商品券は非課税です)
【消費税の課されないもの】
- 保険会社に支払っていた自動車保険料や共済金(非課税)
- 事故の被害者への見舞金や示談金(課税対象外=不課税)
- 罰金、科料、過料(課税対象外=不課税)
- 保険会社から支払われる事故保険金(課税対象外=不課税)
【参考:基本通達5-2-4】
保険金又は共済金(これらに準ずるものを含む。)は、保険事故の発生に伴い受けるものであるから、資産の譲渡等の対価に該当しないことに留意する。
【参考:基本通達5-2-5】
損害賠償金のうち、心身又は資産につき加えられた損害の発生に伴い受けるものは、資産の譲渡等の対価に該当しないが、例えば、次に掲げる損害賠償金のように、その実質が資産の譲渡等の対価に該当すると認められるものは資産の譲渡等の対価に該当することに留意する。 (1)損害を受けた棚卸資産等が加害者(加害者に代わって損害賠償金を支払う者を含む。以下5-2-5において同じ。)に引き渡される場合で、当該棚卸資産等がそのまま又は軽微な修理を加えることにより使用できるときに当該加害者から当該棚卸資産等を所有する者が収受する損害賠償金 (2)無体財産権の侵害を受けた場合に加害者から当該無体財産権の権利者が収受する損害賠償金 (3)不動産等の明渡しの遅滞により加害者から賃貸人が収受する損害賠償金
(注)無体財産権とは、特許権、実用新案権、商標権、意匠権、回路配置利用権、商号及び著作権をいいます。
車やパソコンを下取りに出したら、消費税分も払ってもらえるでしょうか?
【消費税の課税対象】
「消費税の課税対象」とは、何に消費税が課されるのかを定義したものですが、下記のように売る側の立場から定められています。
「国内において事業者が、事業として対価を得て行う資産の譲渡、貸付け並びに役務の提供には消費税を課する。」
つまり、事業者(法人や個人事業者)が、会社の車やパソコンを、または、個人事業に供していた車やパソコンを下取りに出した場合は、消費税がかかる。つまり、消費税分も支払ってもらえるということになります。たとえば、下取車の査定額が500,000円であった場合、消費税込みで525,000円で下取りしてもらえることになります。逆に言えば、事業者は、消費税の申告の際、下取車500,000円を課税標準に含めて申告する必要があります。
では、事業者ではない、一般の消費者(サラリーマン)が車やパソコンを下取りしてもらった場合はどうなるのでしょう? その答えは下記をご覧ください。
【課税仕入れ】
「消費税の課税対象」は、上記の通り売る側の立場から規定されていますが、逆に「課税仕入れ」は買う側の立場から規定されています。「課税仕入れ」の定義は下記の通りです。
「事業者が、事業として他の者から資産を譲り受け、もしくは借り受け、又は役務の提供を受けること(当該他の者が事業として当該資産を譲り渡し、若くは貸し付け、又は当該役務の提供をしたとした場合に課税資産の譲渡等に該当することとなるものをいう。)」
( )書き部分が非常に重要ですね。「当該他の者が・・・したとした場合に課税資産の譲渡等に該当するもの」と書かれています。つまり、専業主婦やサラリーマン(いずれも事業者ではありません)が、車やパソコンを下取りに出した場合でも、買ったディーラーや業者からすれば消費税の課税仕入れに該当する、ということです。 簡単な例を挙げましょう。サラリーマンが20万円(税込21万円)のパソコンを買いました。その際販売店は、そのサラリーマンのノートパソコンを5万円で下取りしました。サラリーマンは差額の16万円を支払いました。 この場合、サラリーマンは一見消費税分を受け取っていないように見えますが、実は5万円の中に消費税が含まれているのです。販売店側は47,620円でノートパソコンを下取りし、仕入れにかかる消費税2,380円を含めて、サラリーマンに支払っていると経理処理します。サラリーマンは事業者ではありませんから、販売店側が預けたとしている消費税2,380円については、納税義務を負いません。
【参考:基本通達10-1-17】
課税資産の譲渡等に際して資産の下取りを行った場合であっても当該課税資産の譲渡等の金額について、その下取りに係る資産の価額を控除した後の金額とすることはできないのであるから留意する。 (注)課税資産の下取りをした場合には、その下取りは課税仕入れに該当し、法第30条(仕入れにかかる消費税額の控除)の規定を適用することとなる。
運動会の協賛金は消費税の課税仕入れでしょうか?
【課税仕入れになる場合=仕入れ税額控除できる場合】
先ほど「一般的には課税取引」と書きましたが、これには理由があります。一般的に、スポーツ大会等の主催者に対してその協賛者である会社や商店が協賛金を支払うと、そのスポーツ大会や運動家のプログラム等に社名や広告が記載されます。この場合、その支払いは広告宣伝の対価であり、消費税の課税対象、つまり課税仕入れとなります。
【課税取引にならない場合】
では、逆に課税取引にならない場合とはどんな場合でしょうか。それは、スポーツ大会等の主催者に対して協賛金を支払っても、いっさいの広告宣伝が行われないもの、その他の見返りがないものが該当します。この場合は、その支払いは寄付と同じで、全く対価性がありませんから、消費税の課税対象外(不課税)取引となります。
【参考:課税仕入れ】
「課税仕入れ」は消費税法第2条において、
「事業者が、事業として他の者から資産を譲り受け、もしくは借り受け、又は役務の提供を受けること(当該他の者が事業として当該資産を譲り渡し、若くは貸し付け、又は当該役務の提供をしたとした場合に課税資産の譲渡等に該当することとなるものをいう。)」
と規定されています。( )書き部分で明らかなように、仕入れの相手方は事業者である必要はないのです。これは自動車ディーラーがサラリーマンや主婦から乗用車を下取りした場合、その下取りは課税仕入れに該当する(基本通達10-1-17)ことからも明らかです。各地域の体振など事業者でない者への支払いは課税対象外と勘違いしてしまいがちですが、まちがいやすい点ですので十分注意して経理処理しましょう。
土地の貸付けは消費税の非課税ですが、駐車場として貸しても非課税でしょうか?
例外(1)一時的に使用させるとは?
これは「土地の貸付期間が1ヶ月未満である場合」が該当します。たとえば、建設中の建物の資材置き場や駐車場として20日間だけ土地を借りた場合などが該当します。この場合、地代であっても消費税が課税されます。ほかの例としては、土曜日と日曜日だけ1年間土地を借りる場合なども、一時的使用となり消費税が課税されます。 また、あらかじめ定められた貸付期間が1月以上であったのに、その後の事情でその貸付期間が1月未満となった場合は非課税ですし、逆に契約では貸付期間が1月未満であったのに、実際には1月以上貸している場合は課税となります。契約書に記載された貸付期間が大切ということです。これは同じ非課税の「住宅の貸付け」でも同様ですね。
例外(2)その他の政令で定める場合とは?
これは「駐車場その他の施設の利用に伴って土地が使用される場合」が該当します。たとえば、アスファルト敷、コンクリート敷の駐車場はそれ自体が「構築物(アスファルトだと法定耐用年数10年、コンクリートの場合は15年)」であり、施設の利用に伴って土地が使用される場合に該当しますから、その駐車場代は課税*となります。もちろん、駐車場代を細かく地代部分と施設部分に細分して徴収してもその地代部分は非課税になりません。課税です。 逆に駐車場として利用する場合であっても、地面の整備、フェンスの設置、区画分けがされていない場合、その土地の利用は土地の貸付けに該当しますから、非課税となります。 *注) 実はさらに例外もありまして、アスファルト舗装された道路を借りる場合で非課税になる場合もあります。基本通達6−1−7に「国又は地方公共団体等がその有する海浜地、道路又は河川敷地(地上及び地下を含む。)の使用許可に基づき収受する公有水面使用料、道路占用料又は河川占用料は、いずれも土地の貸付けにかかる対価に該当するものとして取り扱う。」と記載されています。
消費税が非課税とされる身体障害者用物品とは、具体的にどのようなものでしょうか?
消費税法施行令第14条の3の規定に基づき、厚生大臣が指定する身体障害者用物品およびその修理を定める件
(平成3年6月7日 厚生省告示第130号)
消費税法施行令(昭和63年政令第360号)第14条の3第1項及び第2項の規定に基づき、厚生大臣が指定する身体障害者用物品およびその修理を次のように定め、平成3年10月1日から適用する。
1 身体障害者用物品
(1)義肢
(2)装具
上肢、下肢又は体幹の機能に障害のある者に装着することにより、当該機能の低下を抑制し、又は当該機能を補完するためのものであって、児童福祉法(昭和22年法律第164号)第21条の6第3項、身体障害者福祉法(昭和24年法律第283号)第20条第3項又は戦傷病者特別援護法(昭和38年法律第168号)第21条第2項に規定する補装具の製作を業とする者により製作され、個別に採寸等を行うものに限る。
(3)座位保持装置
機能障害の状況に適合させるため、体幹、股関節等を固定するためのパッド等の付属装置を装備し、安定した座位姿勢の保持を可能にする機能を有するもの。
(4)盲人安全つえ
(5)義眼
(6)眼鏡
弱視眼鏡および遮光眼鏡に限る。
(7)点字器
(8)補聴器
補装具の種目、受託報酬の額等に関する基準(昭和48年厚生省告示第171号)の別表の1の(5)の補聴器の項の基本構造欄に掲げる構造を有するものに限る。
(9)人工喉頭
(10)車いす
(11)電動車いす
(12)歩行器
歩行が困難な者の歩行機能を補う機能を有し、移動時に体重を支える構造を有するものであって、2輪、3輪、4輪のものにあっては、体の前及び左右を囲む把手等を有するもの、又は4脚を有するものにあっては、上肢で保持して移動させることが可能なものに限る。
(13)頭部保護帽
ヘルメット型で、歩行が困難な者が転倒の際に頭部を保護できる機能を有するものであって、スポンジ及び革を主材料にして、児童福祉法第21条の6第3項、身体障害者福祉法第20条第3項又は戦傷病者特別援護法第21条第2項に規定する補装具の製作を業とする者により製作され、個別に採寸等を行うものに限る。
(14)装着式収尿器
(15)ストマ用装具
(16)歩行補助つえ
松葉づえ、カナディアン・クラッチ、ロフストランド・クラッチ及び多点杖に限る。
(17)起立保持具
足首、膝関節、大腿等をベルト等により固定することにより、起立困難な児童の起立を補助する機能を有するもの。
(18)頭部保持具
車いす等に装着し、身体に障害を有する児童の頭部を固定する機能を有するもの。
(19)座位保持いす
児童の機能障害の状況に適合させるため、体幹、股関節等を固定するためのパッド等の付属装置を装備し、座位を保持することを可能にする機能を有するいす。
(20)排便補助具
身体に障害を有する児童の排便を補助するものであって、パッド等を装着することにより、又は背もたれ及びひじ掛けを有するいす状のものであることにより、座位を保持しつつ、排便することを可能にする機能を有するものであって、移動可能なものに限る。
(21)盲人用カセットテープレコーダー
点字、凸線等により操作ボタンが知覚でき、かつ、標準速度を半減速にすることにより、通常の2倍又は4倍の時間の録音が可能な機能を有する製品であって、別表第1に掲げるものに限る。
(22)盲人用時計
腕時計又は懐中時計であって、文字盤に点字等があり、文字盤及び針に直接触れることができる構造を有するものに限る。
(23)盲人用タイプライター
専らかたかな又はひらがなで印字する機能を有するものであって、キーの位置を確認できる凸線等の印のついているもの。
(24)点字タイプライター
点字の6点に対応したレバーを叩き、点字のみで印字する機能を有するもの。
(25)盲人用電卓
入力結果及び計算結果を音声により伝える機能を有するもの。
(26)盲人用体温計
検温結果を、音声により伝える機能を有するもの。
(27)盲人用秤
家庭用上皿秤であって、文字盤に点字等があり、文字盤及び針に直接触れることができる構造を有するもの。
(28)点字図書(消費税法別表第1第12号に規定する教科用図書に該当するものを除く。)
(28)の2 盲人用体重計
計測結果を音声により伝える機能を有するもの又は文字盤に点字等があり、静止させた文字盤及び針に直接触れることができる構造を有するもの。
(28)の3 視覚障害者用拡大読書器
視力に障害を有する者の読書等を容易にする製品であって、文字盤を撮像し、モニター画面に拡大して映し出すための映像信号に変換して出力する機能を有するもので、別表第2に掲げるものに限る。
(28)の4 歩行時間延長信号機用小形送信機
電波を利用して、符号を送り、歩行者の前方の信号機の表示する信号が青色である時間を延長することができるもの。
(29)聴覚障害者用屋内信号装置
音声等による信号を関知し、光や振動に変換して、伝達する機能を有する持ち運び可能な器具であって、別表第3に掲げる製品に限る。
(30)特殊寝台
身体に障害を有する者が家庭において使用する寝台であって、身体に障害を有する者の頭部及び脚部の傾斜角度が調整できる機能を有するもので、次に掲げる条件のすべてを満たすものに限る。
イ 本体の側板の外縁と側板の外縁との幅が100センチメートル以下のもの
ロ サイドレールが取り付けてあるもの又は取り付け可能なもの
ハ キャスターを装備していないもの
(31)特殊尿器
排尿を検知し、尿を自動的に吸入する機能を有するものに限る。
(32)体位変換器
空気パッドにロッドを差し込んだものを身体の下に挿入することにより、又は身体の下にあらかじめ空気パッドを挿入し膨らませることにより、身体に障害を有する者の体位を容易に変換できる機能を有するもの。
(33)重度障害者用意志伝達装置
両上下肢の機能を全廃し、かつ、言語機能を喪失した者のまばたき等の残存機能による反応を、センサーにより関知して、ディスプレー等に表示すること等により、その者の意思を伝達する機能を有する製品であって、別表第4に掲げるものに限る。
(33)の2 携帯用会話補助装置
発生、発語に著しい障害を有する者の意志を音声又は文字に変換して伝達する機能を有する製品であって、別表第5に掲げるものに限る。
(33)の3 移動用リフト
床走行式、固定式又は据置式であり、かつ、身体をつり具でつり上げ又は体重を支える構造を有するものであって、その構造により、自力での移動が困難な者の寝台と車いすとの間等の移動を補助する機能を有するもの。
(34)透析液加温器
透析液を41度を上限として加温し、一定の温度に保つ機能を有するものであって、持ち運び可能なもの。
(35)福祉電話機
音声を振動により骨に伝える機能、上肢機能に障害を有する者が足等を使用して利用できる機能、又は聴覚障害者が筆談できる機能等を有する特殊な電話機であって、別表第6に掲げる製品に限る。
(36)視覚障害者用ワードプロセッサー
点字方式により入力する機能、入力結果が音声により確認できる機能、入力結果が点字変換される機能、又は入力結果が点字で印字される機能を有する製品であって、別表第7に掲げるものに限る。
(37)身体に障害を有する者による運転に支障がないよう、道路交通法(昭和35年法律第105号)第91条の規定により付される運転免許の条件の趣旨に従い、当該身体に障害を有する者の身体の状態に応じた、次に掲げる補助手段が講じられている自動車
イ 手動装置
車両本体に設けられたアクセルペダルとブレーキペダルを直接下肢で操作できない場合、下肢に替えて上肢で操作できるように設置されるもの
ロ 左足用アクセル
右下肢に障害があり既存のアクセルペダルが操作できない場合、左下肢で操作できるように設置されるもの
ハ 足踏式方向指示器
右上肢に障害がありステアリングホイルの右側に設けられている既存の方向指示器が操作できない場合、下肢で操作できるように設置されるもの
ニ 右駐車ブレーキレバー
左上肢に障害があり運転座席の左側に設けられている既存の駐車ブレーキレバーが操作できない場合、右上肢で操作できるよう運転者席の右側に設置されるもの
ホ 足動装置
両上肢に障害があり既存の車では運転操作できない場合、上肢に替えて両下肢で運転操作できるようにするもの
ヘ 運転用改造座席
身体に障害があり、安定した運転姿勢が確保できない場合、サイドボードを付加した座席に交換することにより、安定した運転姿勢を確保できるよう設置されるもの
(38)車いす及び電動車いす(以下この号において「車いす等」という。)を使用する者を車いす等とともに搬送できるよう、車いす等昇降装置を装備し、かつ、車いす等の固定等に必要な手段を施した自動車(乗車定員11人以上の普通自動車については、車いす等を使用する者を専ら搬送するものに限る。)
2 身体障害者物品の修理
前項の第1号から第20号までに掲げるものにかかる修理、第37業に掲げる補助手段に係る修理及び第38号に掲げる車いす等昇降装置及び必要な手段に係る修理
(以下、別表第1〜第7省略)
収入印紙に消費税がかかるの? → それを逆手に節税しましょう!
消費税が導入されて早18年。それにもかかわらず、まだ十分に理解されていないのがこの税目です。今回は収入印紙に消費税が課される場合について考えてみたいと思います。「そもそも収入印紙や商品券については消費税が非課税とされているはず。消費税が課されることがあるの?」と疑問を抱いたあなた、よく勉強されていますね。でも、収入印紙の非課税は、商品券の非課税とはちょっと違います。
(1)消費税の非課税
消費税法第6条1項で、「国内において行われる資産の譲渡等のうち、別表第一に掲げるものには、消費税を課さない。」とあります。その別表第一第四号イに印紙が、同号ハに商品券が出てきます。郵便切手類と印紙は同じところに書かれているのですが、「印紙」に限って抜粋しますと次の通りになります。
「印紙をもつてする歳入金納付に関する法律第三条第一項各号(印紙の売渡し場所)に掲げる印紙の譲渡、印紙をもつてする歳入金納付に関する法律第三条第一項各号に掲げる所における印紙の譲渡」
ここで問題となるのは「印紙をもつてする歳入金納付に関する法律第三条第一項各号」ですね。この法律は下記の通りです。
第3条 印紙は、次の各号に掲げる種類に応じ、当該各号に掲げる所において売り渡すものとする。
1.収入印紙
郵便局、郵便切手類販売所又は印紙売りさばき所
2.雇用保険印紙
総務大臣が厚生労働大臣に協議して指定する郵便局
3.農産物検査印紙
食糧事務所又は農林水産大臣が委託する者が設ける農産物検査印紙売りさばき所
4.自動車検査登録印紙
地方運輸局、運輸監理部、運輸支局若しくは地方運輸局、運輸監理部若しくは運輸支局の事務所又は国土交通大臣が委託する者が設ける自動車検査登録印紙売りさばき所
5.健康保険印紙
総務大臣が厚生労働大臣に協議して指定する郵便局
6.自動車重量税印紙
郵便局のうち総務大臣が指定するもの又は郵便切手類販売所若しくは印紙売りさばき所
7.特許印紙
郵便局のうち総務大臣が経済産業大臣に協議して指定するもの又は郵便切手類販売所若しくは印紙売りさばき所
8.登記印紙
郵便局のうち総務大臣が法務大臣に協議して指定するもの又は郵便切手類販売所若しくは印紙売りさばき所
長々と条文にお付き合いいただきましたが、ここまでお読みいただけると印紙は必ずしも非課税と言えないことに気づかれると思います。収入印紙でいえば、「郵便局、郵便切手類販売所又は印紙売りさばき所」で売り渡されるものだけが「収入印紙」であり、「郵便局、郵便切手類販売所又は印紙売りさばき所」で譲渡される収入印紙だけが非課税なのです。
比較のため商品券等の非課税についての条文をあげておきます。消費税法別表第一第四号のハには
「物品切手(商品券その他名称のいかんを問わず、物品の給付請求権を表彰する証書をいう。)その他これに類するものとして政令で定めるものの譲渡」
とあります。つまり商品券やテレフォンカード、ハイウェイカードなどはどこで売ろうが、どこで買おうがそれが国内取引であればすべて非課税ということです。先の印紙とは扱いが大きく異なりますね。
(2)収入印紙に消費税が課される場合とは?
上の説明でお分かりの通り、「郵便局、郵便切手類販売所又は印紙売りさばき所」で譲渡される収入印紙は非課税なのですが、それ以外の場所(たとえば金券ショップや格安チケット屋など)で譲渡される収入印紙は課税ということになります。つまり、売った側(金券ショップ)は消費税の課税売上げとして扱い、買った側は消費税の課税仕入れとして扱う、ということです。
金券ショップで収入印紙が商品券等に比較して意外な高価格で販売されている理由も実はここにあります。一般的に金券ショップでの収入印紙の販売価格は額面の98〜99%です。これはビール券や商品券が額面の92%〜95%程度で販売されているのに比較するとかなり高額ですが、その理由は以下の通りです。
A.金券ショップが収入印紙を額面の99%で売った場合 これは消費税の課税売上ですので、100円の印紙を99円で売ったとしても実際は、95円が印紙の売上高、4円は印紙の売上げにかかる仮受消費税ということになります。
B.金券ショップが商品券を額面の95%で売った場合 これは消費税の非課税売上げであり、額面100円の商品券を95円で売れば、95円全額が商品券の売上高ということになります。
この比較からもわかる通り、金券ショップは同じ売上高を確保するためには、非課税商品である商品券よりも課税商品である印紙は高く売らなければならないことがわかります。
(3)これを利用して消費税の節税を!
金券ショップを利用しても、収入印紙はそれほど安く入手できないことは(2)で述べた通りです。では、印紙を金券ショップで買うことは意味のないことでしょうか? いいえ、そうではありません。消費税の課税事業者であり、本則課税を採用している事業者であれば、(2)を利用して消費税の節税をはかることも可能です。特に、印紙の購入額の大きい不動産業や建設業の方には知っておいていただきたいことです。
本則課税とは簡単に言えば、「売上にかかる消費税(預かった消費税)」から「仕入れにかかる消費税(支払った消費税)」を差し引いた残りを税務署に納付するシステムです。簡単な例を出せば次のようになります。
売上高 10,000円(預かった消費税500円) 仕入高 5,000円(支払った消費税250円) 支払賃金 2,000円(支払った消費税0円)←給料・賃金は消費税の課税対象外 収入印紙 1,000円(支払った消費税0円)←収入印紙は郵便局で購入し非課税!
上の例の場合、利益は10,000円-(5,000円+2,000円+1,000円)=2,000円で、納付すべき消費税額は500円-250円=250円となります。
同じ設定で、収入印紙を額面の99%の金額で金券ショップで購入した場合は、
売上高 10,000円(預かった消費税500円) 仕入高 5,000円(支払った消費税250円) 支払賃金 2,000円(支払った消費税0円)←給料・賃金は消費税の課税対象外 収入印紙 943円(支払った消費税47円)←金券ショップで税込み990円で購入
利益は10,000円-(5,000円+2,000円+943円)=2,057円となり、納付すべき消費税額は500円-(250円+47円)=203円と節税できます。売上高に対する印紙代が10%という乱暴な例ではありますが、金券ショップで収入印紙を購入すれば消費税の節税効果があることはご理解いただけたかと思います。もっとも利益が増えた分、法人税額あるいは所得税額が増えるのですけれども、それらを考慮してもなおトータルでの節税効果はあります。
(4)まちがいやすい経理処理
最後にまちがいやすい経理処理を指摘して、この項を終わりたいと思います。
まちがいやすい経理処理 その1 金券ショップで購入した収入印紙は非課税仕入れではありません。課税仕入れとして処理しましょう。ただし本則課税において、消費税の仕入税額控除の適用を受けるには、帳簿および請求書等の保存が必要になります。また、帳簿には
- 課税仕入れの相手方の氏名又は名称
- 課税仕入を行った年月日
- 課税仕入に係る資産又は役務の内容
- 課税仕入に係る支払対価の額
まちがいやすい経理処理 その2 上記の例でいえば、手持ちの印紙を売った場合(相手先に印紙の持ち合わせがなく、こちらが持っている印紙を売り渡す場合など。実社会では往々にしてあることですね。)は非課税売上ではなく、課税売上として処理する必要があるはずですが、顧客や外交員の利便のために実費で印紙を融通する行為は、単なる立替えであり、不課税取引となります。また、司法書士が依頼者のために登録免許税等の立て替え払い(印紙・証紙等の購入)をし、相手方にこれらの立替金を明白に区分して請求し受領している場合は不課税となりますが、区分せず請求した場合は印紙代部分も課税売上(=司法書士の立場。相手方は課税仕入)となります。
【参考】消費税法基本通達 6-4-1
法別表第一第4号イ(郵便切手類等の譲渡)の規定により非課税とされる郵便切手類又は印紙の譲渡は、国が行う譲渡および簡易郵便局又は郵便切手類販売所若しくは印紙売りさばき所等一定の場所における譲渡に限られるから、これら以外の場所における郵便切手類又は印紙の譲渡については、同号の規定が適用されないのであるから留意する。
【参考】消費税法基本通達 10-1-4
事業者が課税資産の譲渡等に関連して受け取る金銭等のうち、当該事業者が国又は地方公共団体に対して本来納付すべきものとされている印紙税、手数料等に相当する金額が含まれている場合であっても、当該印紙税、手数料等に相当する金額は、当該課税資産の譲渡等の金額から控除することはできないのであるから留意する。 (注) 課税資産の譲渡等を受ける者が本来納付すべきものとされている登録免許税、自動車重量税、自動車取得税及び手数料等(以下10-1-4において「登録免許税等」という。)について登録免許税等として受け取ったことが明らかな場合は、課税資産の譲渡等の金額に含まれないのであるから留意する。
返還されないチェーン店加盟金は損金経理できますか。
Q. 小売店を営んでいますが、この度あるチェーン店にフランチャイズ店として加盟しました。その際、加盟金として300万円支払いました(将来、返還されません)が、この300万円は損金として処理してよいでしょうか?
A. 返還されない支出=損金と考えがちですが、その支出の効果が1年以上に及びものは、一時の損金として処理することはできません。 契約内容がわかりませんが、フランチャイズ店の加盟であれば、契約期間がわずか1年ということは考えられません。通常10年程度の契約期間かと想像します。この場合、その支出の効果は1年以上に及びますから、一時の損金ではなく繰延資産として計上します。 さて、その場合の償却期間ですが、契約期間が10年であれば10年で償却すべきでしょうか? 令64条1項2号には「その支出の効果の及ぶ期間」で償却せよ、とあります。また、基本通達8-2-1には、「一定の契約をするに当たり支出した繰延資産についてはその契約期間をそれぞれ基礎として適正に見積もった期間による」とあります。適正に見積もるのは難しいですが、フランチャイズ加盟金と似た趣旨の「ノーハウの頭金等」が5年とされていますので、実務的にはノーハウと同じく5年で償却されることが多いようです。契約期間が5年未満で、かつ、契約の更新に際して再び一時金の支払いが必要な場合は、その有効期間の年数とすることもできるかと思います。もっとも、フランチャイズ加盟契約の契約期間が5年未満ということは、ちょっと考えにくいのですが。
ホームページ作成費用の経理処理
インターネット上に広告宣伝をかねて、企業のホームページを開設することが普通になってきました。ホームページの製作費として他社に支払った費用は、一時の損金として処理できるのでしょうか? それとも繰延資産としてその効果の及ぶ期間にわたって償却するのでしょうか?
ホームページ作成費については、下記の3つの場合があります。どれに該当するかはケースバイケースですので、実情に即した経理処理が必要となります。
(1)一時の損金として処理できる場合
企業のイメージアップや新製品の広告宣伝をかねて作成されるホームページは、一般的に頻繁に更新され、長期にわたり使用されるものではありません。この場合、そのホームページ作成費用は、その支出の効果が1年以上には及ばないと考えられますから、支出時の損金として処理します。
(2)繰延資産となる場合
逆に、そのホームページの使用期間が1年を超える場合、その製作費用は使用期間に応じて均等償却しなければなりません。つまり繰延資産となるわけですが、20万円未満である繰延資産については、その費用を支出した事業年度において損金経理をしたときは損金として認められます。
(3)無形減価償却資産となる場合
ホームページ上で買い物ができるショッピングページなどには、JavaやPerlといったプログラミング言語を用いて、データベースやネットワークにアクセスする仕組みが用意されています。これらのページの作成費用には、プログラム作成費用が含まれていますので、プログラム作成費用に該当する部分はソフトウェアとして耐用年数5年で償却することになります。ただし、10万円未満(中小企業者等が平成15年4月1日から平成18年3月31日までの間に取得等した減価償却資産については30万円未満。この規定については一定の経理要件を満たす必要があります。こちらを参照してください。)である減価償却資産については、その取得等した事業年度において全額損金経理をしたときは損金として認められます。